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嬉し楽しダンジョン
しおりを挟む「ああ、やっと自由になれたのね今でも信じられない。役立たずのフリも中々骨だったわ、それに奴隷契約のせいで能力を制限されていたし」
彼女はフイッと宙に何かを描く。それは魔法で黄金の光粒が彼女に降りると、貧相な服装があっという間に美しいローブに変化した。容姿も以前に比べれば雲泥の差である。べったりとした黒髪から金髪になっていて肌色も変化していた。あの親子と出会ってもわからないだろう。
「もし、こんな事が出来るだなんて知れたら、食い尽くされるだけだわ」
それを想像した彼女はブルッと背中を震わせた、強欲の固まりであるバシュロ親子の憎たらしい顔を思い出しプルプルと頭を振った。
身分は伯爵だが何故か冒険者をしていた、自称であるのでどこまで本当だかわからないが貴族であるのは本当らしい。大方、身の丈に合わない散財をして身上を潰したのだろうとアナベラは看破していた。
「さぁ、あんな連中のことなんて気にしない!私は私の幸せの為だけに生きるの!」
彼女はそう言うと魔法でポウッと灯りを付けた、彼女は無詠唱で魔法が使えるのだ。あの親子の前ではグズグズとして光を灯すのも数分使ったものだ。
「あ~便利!10m先まで見えちゃうわ。元々ダンジョンは薄明かりが灯っているけど幅広く見えるのは良いわね」
嫌がっていたダンジョン探索だったがバシュロ親子から解放された今は別である。無能のフリをせずとも良いので中級モンスターをバシバシと討伐して階下を目指している。
そうしてダンジョンの大ボスと対峙している今、心置きなく叩きのめすことが出来る。
「ガオォォン!ガルルル……」
厳ついが本能のままに暴れるだけのレッサードラゴンだ、身の丈は5mほど。ダンジョンのボスは毎回ランダムらしい。
「うーん。今回は外れかなぁ……レッサーだもの」
アナベラはそう言うと杖を翳し巨大な氷柱を無数にモンスターへ飛ばした。
***
そして、あれから6年が経ち、少女はすっかり大人になった頃。
「え、女がひとりでダンジョンで暮らしているだって?そんなまさか……」
とある冒険者PTの青年が笑い飛ばした、いくらなんでも与太話が過ぎるとあきれ顔だ。
「いやいや本当らしいぜ、別のグループから聞いた情報だ」
そのダンジョンはまるで生きているようだと言う噂のダンジョンで、階下の大ボスを倒す度に階数が増えていると言う。
「まぁいいさ、潜って見ればわかること」
「あ、まぁな、サクサクと行こうぜ!いま現在は200を超えるらしからな」
「200だと!?冗談だろう……」
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