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フロラン殿下は面倒くさい
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家族でひと悶着あってから1時間後に来客があったの。
お姉様の婚約者であるフロラン殿下です。
美男美女でお似合いの二人です、邪魔しないように自室で勉強をしますね。
ところがお母様が邪魔しにきました、せっかく集中していたのに。
「殿下がお越しなのよ、せっかくだからお茶会に参加なさい!」
母はにっこにこの良い笑顔で進めます、ものすごく胡散臭いです。
「お母様、お二人の大事な親睦を深める席ですわ。邪魔はいけません」
「んまぁ!本気で言ってるの?アナタこそ王妃に相応しいのに!」
何言ってるの、婚約者は姉でしょう?
毎回こう言ってくる母に私は少しばかり狂気を感じずにいられない。
なぜかしら私を見る瞳が酷く濁って見えるの。
参加する、しないで問答していたら、メイドが申し訳なさそうに入って来た。
「フロラン殿下がミラベル様をお呼びでございます」
「え?」
「ほうら!殿下は良く分かってらっしゃる!ミラベルを好いておられるのだわ!」
母は勝手に大はしゃぎして仕度を急かす。
そんなバカな……。
お姉様たちが婚約したのは8年前、仲睦まじく愛を育まれていたはずよ。
私が入る余地などないでしょう?
***
私は渋々とサロンへ向かいます、足取りはとても重いです。このまま自室に戻りたい、そうだわ頭痛いと言って断りましょう!
しかし、ガッチリと母が腕を掴んで離しません。
オバサンパワー恐るべし。
無理矢理に前へ押されて挨拶する羽目になりました。
濃い金髪を揺らして殿下が待っていました。爽やかな笑顔ですが、やはりどこか嘘くさいですね。
「やぁミラベル、きょうも可愛いね!」
「お久しぶりです、殿下。お邪魔して申し訳ありません」
姉をちらり見れば悲し気な顔をしていた、でも表情を作ってる感じが否めない。
なるべく離れて姉の隣に座った。
殿下は満面の笑顔で私にばかり話かける、苦痛でしかないわ。
実はこの王子は苦手なんです、グイグイと強引なところが特に。
それに自画自賛するタイプで、自分の容姿と身分をひけらかすので面倒なの。
初めて会話した時わかりました、この方すごく馬鹿なんです。
政に無関心なのに王太子になりたいとほざきやがりました、どういうつもりか詰問しますと。
『だって国一番偉い王になれるんだよ、やりたい放題さ。法を改正して一夫多妻にするのが夢さ』と答えたのです。
信じられません、こんなのがTOPにいたら国が崩壊します!
ハーレムが目的だなんて巫山戯過ぎですよ!
ですからしっかり者の姉が尻を叩く立派な王妃になるべきです!
私は全力で嫌ですけどね!
テーブルに置いた手を殿下が握ろうとしましたので、サッと避けました。
「つれないなぁ、可愛い手に触れたいよ」
「殿下、姉を差し置いて戯れはおやめください」
私はピシリと拒絶反応を示します。
それから姉を褒めちぎって、ゴリゴリに推します。二人は美男美女の世界一似合いのカップルだとも言いました。
なぜだか隣から「チッ!」と舌打ちが聞こえました。
お姉様……あなたまさか。
殿下は世界一の美男美女と持ち上げられ、まんざらでもない様子。頭の上に花が咲いて見えました。
やっぱり馬鹿です。
お姉様の婚約者であるフロラン殿下です。
美男美女でお似合いの二人です、邪魔しないように自室で勉強をしますね。
ところがお母様が邪魔しにきました、せっかく集中していたのに。
「殿下がお越しなのよ、せっかくだからお茶会に参加なさい!」
母はにっこにこの良い笑顔で進めます、ものすごく胡散臭いです。
「お母様、お二人の大事な親睦を深める席ですわ。邪魔はいけません」
「んまぁ!本気で言ってるの?アナタこそ王妃に相応しいのに!」
何言ってるの、婚約者は姉でしょう?
毎回こう言ってくる母に私は少しばかり狂気を感じずにいられない。
なぜかしら私を見る瞳が酷く濁って見えるの。
参加する、しないで問答していたら、メイドが申し訳なさそうに入って来た。
「フロラン殿下がミラベル様をお呼びでございます」
「え?」
「ほうら!殿下は良く分かってらっしゃる!ミラベルを好いておられるのだわ!」
母は勝手に大はしゃぎして仕度を急かす。
そんなバカな……。
お姉様たちが婚約したのは8年前、仲睦まじく愛を育まれていたはずよ。
私が入る余地などないでしょう?
***
私は渋々とサロンへ向かいます、足取りはとても重いです。このまま自室に戻りたい、そうだわ頭痛いと言って断りましょう!
しかし、ガッチリと母が腕を掴んで離しません。
オバサンパワー恐るべし。
無理矢理に前へ押されて挨拶する羽目になりました。
濃い金髪を揺らして殿下が待っていました。爽やかな笑顔ですが、やはりどこか嘘くさいですね。
「やぁミラベル、きょうも可愛いね!」
「お久しぶりです、殿下。お邪魔して申し訳ありません」
姉をちらり見れば悲し気な顔をしていた、でも表情を作ってる感じが否めない。
なるべく離れて姉の隣に座った。
殿下は満面の笑顔で私にばかり話かける、苦痛でしかないわ。
実はこの王子は苦手なんです、グイグイと強引なところが特に。
それに自画自賛するタイプで、自分の容姿と身分をひけらかすので面倒なの。
初めて会話した時わかりました、この方すごく馬鹿なんです。
政に無関心なのに王太子になりたいとほざきやがりました、どういうつもりか詰問しますと。
『だって国一番偉い王になれるんだよ、やりたい放題さ。法を改正して一夫多妻にするのが夢さ』と答えたのです。
信じられません、こんなのがTOPにいたら国が崩壊します!
ハーレムが目的だなんて巫山戯過ぎですよ!
ですからしっかり者の姉が尻を叩く立派な王妃になるべきです!
私は全力で嫌ですけどね!
テーブルに置いた手を殿下が握ろうとしましたので、サッと避けました。
「つれないなぁ、可愛い手に触れたいよ」
「殿下、姉を差し置いて戯れはおやめください」
私はピシリと拒絶反応を示します。
それから姉を褒めちぎって、ゴリゴリに推します。二人は美男美女の世界一似合いのカップルだとも言いました。
なぜだか隣から「チッ!」と舌打ちが聞こえました。
お姉様……あなたまさか。
殿下は世界一の美男美女と持ち上げられ、まんざらでもない様子。頭の上に花が咲いて見えました。
やっぱり馬鹿です。
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