87 / 172
獣王国篇
レオはジビエに絡まれる
しおりを挟む
厳かな外観に反してギルド内部の様子は乱雑だった、自由気ままな獣人の気質が出ているようだ。
ヤル気はあるけど空回り……レオ達はそんな印象を受けた。
玄関ホールを入った所で、目の前を猫獣人がバタバタと走っていった。
「ニャニャニャ!ファイルを間違えて処理しちゃったのニャー!部長に怒られる前に隠滅するニャー!」
あんな大声で証拠隠滅など言ってはバレるだろうにとバリラが笑った。
ジェイラが再登録に向かったので、レオ達は肩慣らし程度の依頼はないか募集ボードの方へ進む。
すると厳めしい連中が無遠慮にジロジロとレオ達を観察してくる。
「品定め&絡みフラグかな……」
「いーじゃん、喧嘩上等面白そうだ」
不安を口にするレオに対してバリラはニヤニヤ笑う。猪突猛進タイプはこれだから厄介だ。
新人もとい新顔洗礼は避けて通れないものなのかとレオは渋面になる。
「おいおい、ひ弱な人族が獣人ギルドで依頼受けだとよぉ」
「クケケケ!身の程知らずめ!」
分かり易い煽りをしてきたのは熊獣人と鳥獣人だ、鳥のほうは鷲なのだろうか、大きく尖ったクチバシをガチガチ鳴らして威嚇してきた。
「鷲ってどんな味だろうな?レオ。鑑定してよ」
「……バリラ、好戦的な性格を自重しろよなぁ」
「鷲なぁ、見た目カッコ良くて好きなんだ。食べたくはないな不味いと思うし」
白い頭部に黒い身体、黄色いクチバシと足が警戒色でバランスのとれた美しい姿。
レオは普通に好ましいと思うのだ。
「やいてめぇ!人如きの分際で俺を食うだと!?」
白頭鷲によく似た獣人が聞き咎めて絡んで来た、とても耳が良い。
「聞こえてたなら誤解だとわかるでしょ、俺は褒めてましたよね?食べませんて!」
「不味いから食わないって言ってたろうが!」
怒るとこソコかよとレオは吃驚する。
「うーん、困ったな。鳥の中で一番強くて一番美しいと思ってるのに」
「ほぉ、わかってるじゃねぇか!だがな不味いってのは許さねぇ!」
「いやいや、待って。食べられないほうが良いでしょ?それに雑食タイプって総じてクソ不味いんですよ。だから人間も不味いんですよ?」
反論しつつなんの話だよとバリラが呆れている。
「喧嘩なら加勢するぜ、鷲の」
熊獣人がノソリと立ち上がって筋肉を膨らませた、ジビエ祭りか!とレオは密かに突っ込む。
「熊肉はそこそこ美味いかな?硬くて獣臭が凄いけどちゃんと煮込めば悪くない」
「んな!?て、てめぇ!なんつった!」熊が吠えた。
いつの間にかレオVS野生王国状態に陥っている。
「ちょーっと、レオ!私には自重って言ったクセになに喧嘩売ってんのさ!」
「あれ?どうしてこうなった?」
口は災いの元……。
ヤル気はあるけど空回り……レオ達はそんな印象を受けた。
玄関ホールを入った所で、目の前を猫獣人がバタバタと走っていった。
「ニャニャニャ!ファイルを間違えて処理しちゃったのニャー!部長に怒られる前に隠滅するニャー!」
あんな大声で証拠隠滅など言ってはバレるだろうにとバリラが笑った。
ジェイラが再登録に向かったので、レオ達は肩慣らし程度の依頼はないか募集ボードの方へ進む。
すると厳めしい連中が無遠慮にジロジロとレオ達を観察してくる。
「品定め&絡みフラグかな……」
「いーじゃん、喧嘩上等面白そうだ」
不安を口にするレオに対してバリラはニヤニヤ笑う。猪突猛進タイプはこれだから厄介だ。
新人もとい新顔洗礼は避けて通れないものなのかとレオは渋面になる。
「おいおい、ひ弱な人族が獣人ギルドで依頼受けだとよぉ」
「クケケケ!身の程知らずめ!」
分かり易い煽りをしてきたのは熊獣人と鳥獣人だ、鳥のほうは鷲なのだろうか、大きく尖ったクチバシをガチガチ鳴らして威嚇してきた。
「鷲ってどんな味だろうな?レオ。鑑定してよ」
「……バリラ、好戦的な性格を自重しろよなぁ」
「鷲なぁ、見た目カッコ良くて好きなんだ。食べたくはないな不味いと思うし」
白い頭部に黒い身体、黄色いクチバシと足が警戒色でバランスのとれた美しい姿。
レオは普通に好ましいと思うのだ。
「やいてめぇ!人如きの分際で俺を食うだと!?」
白頭鷲によく似た獣人が聞き咎めて絡んで来た、とても耳が良い。
「聞こえてたなら誤解だとわかるでしょ、俺は褒めてましたよね?食べませんて!」
「不味いから食わないって言ってたろうが!」
怒るとこソコかよとレオは吃驚する。
「うーん、困ったな。鳥の中で一番強くて一番美しいと思ってるのに」
「ほぉ、わかってるじゃねぇか!だがな不味いってのは許さねぇ!」
「いやいや、待って。食べられないほうが良いでしょ?それに雑食タイプって総じてクソ不味いんですよ。だから人間も不味いんですよ?」
反論しつつなんの話だよとバリラが呆れている。
「喧嘩なら加勢するぜ、鷲の」
熊獣人がノソリと立ち上がって筋肉を膨らませた、ジビエ祭りか!とレオは密かに突っ込む。
「熊肉はそこそこ美味いかな?硬くて獣臭が凄いけどちゃんと煮込めば悪くない」
「んな!?て、てめぇ!なんつった!」熊が吠えた。
いつの間にかレオVS野生王国状態に陥っている。
「ちょーっと、レオ!私には自重って言ったクセになに喧嘩売ってんのさ!」
「あれ?どうしてこうなった?」
口は災いの元……。
0
お気に入りに追加
1,473
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
おっさんなのに異世界召喚されたらしいので適当に生きてみることにした
高鉢 健太
ファンタジー
ふと気づけば見知らぬ石造りの建物の中に居た。どうやら召喚によって異世界転移させられたらしかった。
ラノベでよくある展開に、俺は呆れたね。
もし、あと20年早ければ喜んだかもしれん。だが、アラフォーだぞ?こんなおっさんを召喚させて何をやらせる気だ。
とは思ったが、召喚した連中は俺に生贄の美少女を差し出してくれるらしいじゃないか、その役得を存分に味わいながら異世界の冒険を楽しんでやろう!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
世界最強で始める異世界生活〜最強とは頼んだけど、災害レベルまでとは言ってない!〜
ワキヤク
ファンタジー
その日、春埼暁人は死んだ。トラックに轢かれかけた子供を庇ったのが原因だった。
そんな彼の自己犠牲精神は世界を創造し、見守る『創造神』の心を動かす。
創造神の力で剣と魔法の世界へと転生を果たした暁人。本人の『願い』と創造神の『粋な計らい』の影響で凄まじい力を手にしたが、彼の力は世界を救うどころか世界を滅ぼしかねないものだった。
普通に歩いても地割れが起き、彼が戦おうものなら瞬く間にその場所は更地と化す。
魔法もスキルも無効化吸収し、自分のものにもできる。
まさしく『最強』としての力を得た暁人だが、等の本人からすれば手に余る力だった。
制御の難しいその力のせいで、文字通り『歩く災害』となった暁人。彼は平穏な異世界生活を送ることができるのか……。
これは、やがてその世界で最強の英雄と呼ばれる男の物語。
異世界でひっそりと暮らしたいのに次々と巻き込まれるのですが?
WING/空埼 裕@書籍発売中
ファンタジー
旧名「異世界でひっそりと暮らしたいのですが」
俺──柊 秋人は交通事故で死んでしまった。
気付き目を開けると、目の前には自称女神様を名乗る神様がいた。そんな女神様は俺を転生させてくれた。
俺の転生する世界、そこは剣と魔法が飛び交うファンタジー世界!
その転生先はなんと、色鮮やかな花々が咲き乱れる楽園──ではなかった。
神に見放され、英雄や勇者すら帰ることはないとされる土地、その名は世界最凶最難関ダンジョン『死を呼ぶ終焉の森』。
転生から1年経った俺は、その森の暮らしに適応していた。
そして、転生してから世界を観てないので、森を出た俺は家を建ててひっそりと暮らすも次々と巻き込まれることに──……!?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
隠れジョブ【自然の支配者】で脱ボッチな異世界生活
破滅
ファンタジー
総合ランキング3位
ファンタジー2位
HOT1位になりました!
そして、お気に入りが4000を突破致しました!
表紙を書いてくれた方ぴっぴさん↓
https://touch.pixiv.net/member.php?id=1922055
みなさんはボッチの辛さを知っているだろうか、ボッチとは友達のいない社会的に地位の低い存在のことである。
そう、この物語の主人公 神崎 翔は高校生ボッチである。
そんなボッチでクラスに居場所のない主人公はある日「はぁ、こんな毎日ならいっその事異世界にいってしまいたい」と思ったことがキッカケで異世界にクラス転移してしまうのだが…そこで自分に与えられたジョブは【自然の支配者】というものでとてつもないチートだった。
そしてそんなボッチだった主人公の改生活が始まる!
おまけと設定についてはときどき更新するのでたまにチェックしてみてください!
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
異世界転生したのだけれど。〜チート隠して、目指せ! のんびり冒険者 (仮)
ひなた
ファンタジー
…どうやら私、神様のミスで死んだようです。
流行りの異世界転生?と内心(神様にモロバレしてたけど)わくわくしてたら案の定!
剣と魔法のファンタジー世界に転生することに。
せっかくだからと魔力多めにもらったら、多すぎた!?
オマケに最後の最後にまたもや神様がミス!
世界で自分しかいない特殊個体の猫獣人に
なっちゃって!?
規格外すぎて親に捨てられ早2年経ちました。
……路上生活、そろそろやめたいと思います。
異世界転生わくわくしてたけど
ちょっとだけ神様恨みそう。
脱路上生活!がしたかっただけなのに
なんで無双してるんだ私???
妖刀使いがチートスキルをもって異世界放浪 ~生まれ持ったチートは最強!!~
創伽夢勾
ファンタジー
主人公の両親は事故によって死んだ。主人公は月影家に引き取られそこで剣の腕を磨いた。だがある日、謎の声によって両親の事故が意図的に行われたことを教えられる。
主人公は修行を続け、復讐のために道を踏み外しそうになった主人公は義父によって殺される。
死んだはずの主人公を待っていたのは、へんてこな神様だった。生まれながらにして黙示録というチートスキルを持っていた主人公は神様によって、異世界へと転移する。そこは魔物や魔法ありのファンタジー世界だった。そんな世界を主人公は黙示録と妖刀をもって冒険する。ただ、主人公が生まれ持ったチートは黙示録だけではなかった。
なろうで先行投稿している作品です。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
聖女も聖職者も神様の声が聞こえないって本当ですか?
ねここ
ファンタジー
この世界では3歳になると教会で職業とスキルの「鑑定の儀」を受ける義務がある。
「鑑定の儀」を受けるとスキルが開放され、スキルに関連する能力を使うことができるようになり、その瞬間からスキルや身体能力、魔力のレベルアップが可能となる。
1年前に父親を亡くしたアリアは、小さな薬店を営む母メリーアンと2人暮らし。
3歳を迎えたその日、教会で「鑑定の儀」を受けたのだが、神父からは「アリア・・・あなたの職業は・・・私には分かりません。」と言われてしまう。
けれど、アリアには神様の声がしっかりと聞こえていた。
職業とスキルを伝えられた後、神様から、
『偉大な職業と多くのスキルを与えられたが、汝に使命はない。使命を担った賢者と聖女は他の地で生まれておる。汝のステータスを全て知ることができる者はこの世には存在しない。汝は汝の思うがままに生きよ。汝の人生に幸あれ。』
と言われる。
この世界に初めて顕現する職業を与えられた3歳児。
大好きなお母さん(20歳の未亡人)を狙う悪徳領主の次男から逃れるために、お父さんの親友の手を借りて、隣国に無事逃亡。
悪徳領主の次男に軽~くざまぁしたつもりが、逃げ出した国を揺るがす大事になってしまう・・・が、結果良ければすべて良し!
逃亡先の帝国で、アリアは無自覚に魔法チートを披露して、とんでも3歳児ぶりを発揮していく。
ねここの小説を読んでくださり、ありがとうございます。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる