公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)

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獣王国篇

レオはジビエに絡まれる

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厳かな外観に反してギルド内部の様子は乱雑だった、自由気ままな獣人の気質が出ているようだ。
ヤル気はあるけど空回り……レオ達はそんな印象を受けた。



玄関ホールを入った所で、目の前を猫獣人がバタバタと走っていった。
「ニャニャニャ!ファイルを間違えて処理しちゃったのニャー!部長に怒られる前に隠滅するニャー!」


あんな大声で証拠隠滅など言ってはバレるだろうにとバリラが笑った。

ジェイラが再登録に向かったので、レオ達は肩慣らし程度の依頼はないか募集ボードの方へ進む。
すると厳めしい連中が無遠慮にジロジロとレオ達を観察してくる。


「品定め&絡みフラグかな……」
「いーじゃん、喧嘩上等面白そうだ」

不安を口にするレオに対してバリラはニヤニヤ笑う。猪突猛進タイプはこれだから厄介だ。
新人もとい新顔洗礼は避けて通れないものなのかとレオは渋面になる。



「おいおい、ひ弱な人族が獣人ギルドで依頼受けだとよぉ」
「クケケケ!身の程知らずめ!」


分かり易い煽りをしてきたのは熊獣人と鳥獣人だ、鳥のほうは鷲なのだろうか、大きく尖ったクチバシをガチガチ鳴らして威嚇してきた。


「鷲ってどんな味だろうな?レオ。鑑定してよ」
「……バリラ、好戦的な性格を自重しろよなぁ」


「鷲なぁ、見た目カッコ良くて好きなんだ。食べたくはないな不味いと思うし」
白い頭部に黒い身体、黄色いクチバシと足が警戒色でバランスのとれた美しい姿。
レオは普通に好ましいと思うのだ。


「やいてめぇ!人如きの分際で俺を食うだと!?」

白頭鷲によく似た獣人が聞き咎めて絡んで来た、とても耳が良い。

「聞こえてたなら誤解だとわかるでしょ、俺は褒めてましたよね?食べませんて!」
「不味いから食わないって言ってたろうが!」


怒るとこソコかよとレオは吃驚する。


「うーん、困ったな。鳥の中で一番強くて一番美しいと思ってるのに」
「ほぉ、わかってるじゃねぇか!だがな不味いってのは許さねぇ!」


「いやいや、待って。食べられないほうが良いでしょ?それに雑食タイプって総じてクソ不味いんですよ。だから人間も不味いんですよ?」

反論しつつなんの話だよとバリラが呆れている。


「喧嘩なら加勢するぜ、鷲の」
熊獣人がノソリと立ち上がって筋肉を膨らませた、ジビエ祭りか!とレオは密かに突っ込む。


「熊肉はそこそこ美味いかな?硬くて獣臭が凄いけどちゃんと煮込めば悪くない」
「んな!?て、てめぇ!なんつった!」熊が吠えた。



いつの間にかレオVS野生王国状態に陥っている。
「ちょーっと、レオ!私には自重って言ったクセになに喧嘩売ってんのさ!」

「あれ?どうしてこうなった?」

口は災いの元……。
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