公爵家長男はゴミスキルだったので廃嫡後冒険者になる(美味しいモノが狩れるなら文句はない)

音爽(ネソウ)

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反抗期篇

空腹と寒さは最高の調味料(ラーメン)

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あれから下りること2回、現在地下4階。





岩壁の窪みへ隠れ魔除けランプを灯した。

体を擦り小さな魔道コンロで暖をとる、ついでに湯を沸かしじっと待つ。



実は3階でも凍える羽目になった。

エレメントしかいなかったが、そいつらが冷気を発して動くものだから堪ったものではない。

半ば自棄になり攻撃したら絶命直前に冷却スプレーのようなガスを吐きつけられた。

蒼い魔石になって落ちたので目についたエレメントを倒しまくった。



金策にはなったがすっかり冷えてしまい手足の感覚が失せて慌てて階下を目指した。

あわや凍死になるところだ、4階は温かくはないが3階よりはだいぶマシ。



3階ではやっと人影を見つけたんだ、4体の氷像になってたけど・・・。



魔石獲りに夢中になりすぎたのだろうか、危うく二の舞になるところだ。

被害者の足元に大きな魔石が転がっていた、恐らくフロアボスでも倒したのだろう。

陳謝して魔石を回収した、かわりに桃を1個お供えしておいた。

ドロップ品と遺体については地上に戻り次第ギルドに報告しよう。

他の冒険者が報告するかもだけど。



***



湯が沸騰するのを待っていたら地下14階から戻ってきたPTに会う、乾パンを分けて欲しいというので銀貨5枚と交換した。

ボロ儲けだ、それにしてもなぜ食糧を多めに持たないのだろう?

「いやあ、思ったより腹が減ってな」

「お前が喰いすぎなんだよ!」

「まあまあ、もうちょいで地上だ踏ん張ろうぜ」



剣士2人、魔法使い1人のPTだ、一人くらい軍師といかなくても策を練る人がいないとダメだろう。

まあ、俺も賢くはないけどさ。



彼らは乾パンを貪りながら地下3階へ上って行った。

「おいおい、気楽すぎない?マッチョは風邪を引きやすいって聞くけど」

変なマメが喋るなんかが過る、なんだっけ?



地下14まで下りる猛者なんだ死にはしないだろう、・・・たぶん。



湯が沸騰したので例のカップ麺もどきを食べることにした。

あれからメチャクチャ失敗を繰り返しやっとそれらしいのが出来た。

カップへ干し野菜干し肉と麺を入れて油切りを1度して再度湯を入れる。



ふやける間に刃毀れのチェックをした、食べ終えたら研磨しよう。



数分後、麺を解しそこへ調味液を入れた。

粉末調味料は無理だったので仕方ない、煮詰めてソース状にするのが手一杯だった。

「風魔法があればノンフライ麺ができそうなのにな」



やや油臭いのが気になるがまあまあ美味い、ゴマ油で揚げればもっと美味しいかもしれない。

ズルズルと啜り、スープを飲めば冷えた体に染みわたりブルルと震えてしまう。

戻ったら試作品の改良をしよう。

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