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反抗期篇

閑話 母ちゃんとゲームは相いれない

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まずは乾燥野菜を作る、天日干しが一番良いが湯で戻す前提なので蒸してから干す。

細かく刻んだ野菜を蒸す、レンジがあれば楽なのに・・・。





フライパンにスチームプレートを敷き、浮かばない程度に水を張る。

少々栄養は落ちるけど止む無し。

キノコ、キャベツ、ニンジンなどを並べ火を入れる。



魔道コンロが生きていて助かる。

油ギトギトだったから捨てようと思ったけど掃除しといて正解。

蒸している間もキッチンを掃除する、床の染みを拭き虫除けのドライミント袋(茶濾袋)を四隅に置いた。

「浄化魔法ほしい~」



蒸した野菜をメッシュトレイに並べドライバスケットへ。

キッチンの軒下に吊るす、雨がふらない事を祈ろう。





しばし休憩。

手作りアップルティーの甘い香りが漂う、一口啜り目を瞑って堪能する。

「ダンジョンか、どんな所だろう?」

生前プレイしていた某有名RPGを浮かべた、独特のあの曲がワクワクさせる。

1作品最低3~4回はクリアしたものだ、クリア後なんてのが出来たけどあれは・・・うん。内緒。



しかし、俯瞰目線のプレイだったから現実とどう異なるやら。

ゲーム画面のように突然魔物が出現はしないだろうが、はっきりしてるのは教会へ寄付しても生き返らない。



ダンジョン内宿屋に回復の泉とかご都合ワープゾーンはあるのだろうか。

「アハハハ・・・んな馬鹿な」



唐突に階段移動時の「ザッザッザッ」という足音が耳奥で再現された。

「ゲームやりたいなあ」



♪パーパパパァー!テッテテーテーテーテーレレレーレ♪テレレレーレー♪

《でんでんでんでんでんでんでんでーでれんっ》

「わああ!!冒険の書が消えた!!何してくれてんだ母ちゃ・・・ん・・・あ、あれ?」





返事がない、ただ転寝してたようだ。



***



気を取り直し今度は麺類の仕込みに入る、まずパスタを塩と重曹入りの湯で茹でた。

うん、中華麺っぽい。

水気を飛ばし油で揚げて味見「うーん、サクサクはしてるけど湯戻しに合うとは思えない」

夏祭りで乾麺を揚げただけの売ってたよな。ポリポリ。



強力粉をボールへ出し、冷めたさっきのゆで汁を真ん中の窪みへ。

指を熊手のようにして混ぜる、とにかくグルグル混ぜる。

まとまってきたら捏ねる、だんだん黄色くなってきた。畳んで伸ばして繰り返す。



パスタ用の製麺器で数回薄くのばして生地にツヤがでたら寝かせる、俺も寝る。

しばらくして己のクシャミで目を覚ました。



時計を見る、小一時間ほど寝たようだ。

ゴリゴリと体を解して製麺再開、細刃をセットして麺を作る。

取っ手を回転するとニュルニュルと麺が出る、なんとなく楽しい瞬間。

「なんだこれ切るのが楽しい」





麺を揉んで丸くまとめて蒸す工程へ。

数分蒸して油と調味料をコーティング、そしてオタマに丸めて油へ投入。

広がらないよう気を付けるも型が無いので結構飛び散った。



「うーん、見切り発車すぎた」

とりあえず水気を飛ばす作業は続く、お解りだろうか?

即席麺ことカップ麺モドキを作っているのさ!(誰に言ってる)



飛び散った小さなカケラを食べてみた「サクサク」おお!アレっぽい。

「ベビーのアレに似てる・・・」サクサクサク・・・・。





果たしてお湯で戻るのか?
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