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反抗期篇
弟は聖騎士、兄はOOOもぐもぐ。
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きょうは公爵家次男エドガーの10歳誕生日と能力鑑定の日である。
将軍の父は職業スキルに歓喜し、母はうれし涙にむせぶ。
「良かったな、聖騎士だなんて安泰じゃないか?」
「レオ兄さん。ボクは……家督など重いよ」
褒めると弟は眉を下げた、長男の俺に気を遣うなんて優しいヤツだ。
長男レオニードこと俺の職業スキルは《パンツもぐもぐ》なんだよパンツもぐもぐって!
ただの変態じゃねーか!
あの日、職業鑑定士が笑いを堪えつつ、希少種なので『将来なにかしら開花するかもしれない』と適当なことを言った。
「エド!こちらに来い!殿下にご挨拶をしなさい」
いつ来たやら、王子と側近数名が祝賀パーティに乱入していた。
聖騎士だという吉報を早馬でも出したのか?
「頼もしいなエドガー!是非わたしの護衛を頼みたい」王子がなんか言ってる、調子いい野郎だと思う。
背後に侍っていた騎士団長の息子が面白くない顔でむすっとしてる。
「光栄にございますアルシス殿下」
エドガーが引きつり気味で答えていた、いきなり上位職なんてチートな弟だと思う。
「レオ様、ごきげんよう。この春から一緒に学園ですわね」
「きょうも麗しいですマリー王女、こちらこそよろしくお願いします」
王女は軽く挨拶を交わすとエドガーの元へ行く。
エドガーと正式に婚約するんだろうと思われた。
さよなら初恋。
エドより4つ上だけど、まあ上手くやるんだろう。
「兄さま、かっこわる~残メン」
プスプスと笑う声が横から聞こえた、妹のミルフィ(8歳)だ。
縮めてはダメだ、なんか違う方に聞こえるから!ちゃんと残念なイケメンと言え!
やっぱムカツクからそれも駄目!
「ほう、可愛くない妹には用はない。明日からプディングを作らないことにしたよ」
やあ楽だなーと俺は立ち去った。
後ろからキャンキャン吠えてるが知らん。
仮にも兄をバカにするやつは優しくしない。
俺の興味は晩餐の味だ、並ぶ料理を少量づつ皿に取る。
スキルはクソだが舌には自信がある、補助スキルはたくさん持ってる、あまり役に立たないけど。
補助スキル:繊細な味覚
見た目はともかく口に入れた時の風味に集中した、ん……総評30点だ。
素材の良さにばかり委ねてる、美味い肉を炙るだけならミルだって出来るぞ。
料理人達をちらり睨む、何の為に会場で調理してるんだ?
パスタは伸びてブヨブヨ、カモ肉は冷めて臭い、ビーフはなんだこれ……部位を分けて焼いてない。
素材殺しとメモを書いてテーブルに置いた。
一斉に青褪めて項垂れた。
ああ、ごめん。食文化最低ランクのこのテトラビス国では仕方ない。
でも出回り始めたハーブやペッパーをなぜ使わないんだ?
ほぼ全部おなじ味付けだ、プライドが高いから商人に使い方を聞こうとしないんだろう。
硬いロースをワインで流し込んだ。
うえっ臭っ。
将軍の父は職業スキルに歓喜し、母はうれし涙にむせぶ。
「良かったな、聖騎士だなんて安泰じゃないか?」
「レオ兄さん。ボクは……家督など重いよ」
褒めると弟は眉を下げた、長男の俺に気を遣うなんて優しいヤツだ。
長男レオニードこと俺の職業スキルは《パンツもぐもぐ》なんだよパンツもぐもぐって!
ただの変態じゃねーか!
あの日、職業鑑定士が笑いを堪えつつ、希少種なので『将来なにかしら開花するかもしれない』と適当なことを言った。
「エド!こちらに来い!殿下にご挨拶をしなさい」
いつ来たやら、王子と側近数名が祝賀パーティに乱入していた。
聖騎士だという吉報を早馬でも出したのか?
「頼もしいなエドガー!是非わたしの護衛を頼みたい」王子がなんか言ってる、調子いい野郎だと思う。
背後に侍っていた騎士団長の息子が面白くない顔でむすっとしてる。
「光栄にございますアルシス殿下」
エドガーが引きつり気味で答えていた、いきなり上位職なんてチートな弟だと思う。
「レオ様、ごきげんよう。この春から一緒に学園ですわね」
「きょうも麗しいですマリー王女、こちらこそよろしくお願いします」
王女は軽く挨拶を交わすとエドガーの元へ行く。
エドガーと正式に婚約するんだろうと思われた。
さよなら初恋。
エドより4つ上だけど、まあ上手くやるんだろう。
「兄さま、かっこわる~残メン」
プスプスと笑う声が横から聞こえた、妹のミルフィ(8歳)だ。
縮めてはダメだ、なんか違う方に聞こえるから!ちゃんと残念なイケメンと言え!
やっぱムカツクからそれも駄目!
「ほう、可愛くない妹には用はない。明日からプディングを作らないことにしたよ」
やあ楽だなーと俺は立ち去った。
後ろからキャンキャン吠えてるが知らん。
仮にも兄をバカにするやつは優しくしない。
俺の興味は晩餐の味だ、並ぶ料理を少量づつ皿に取る。
スキルはクソだが舌には自信がある、補助スキルはたくさん持ってる、あまり役に立たないけど。
補助スキル:繊細な味覚
見た目はともかく口に入れた時の風味に集中した、ん……総評30点だ。
素材の良さにばかり委ねてる、美味い肉を炙るだけならミルだって出来るぞ。
料理人達をちらり睨む、何の為に会場で調理してるんだ?
パスタは伸びてブヨブヨ、カモ肉は冷めて臭い、ビーフはなんだこれ……部位を分けて焼いてない。
素材殺しとメモを書いてテーブルに置いた。
一斉に青褪めて項垂れた。
ああ、ごめん。食文化最低ランクのこのテトラビス国では仕方ない。
でも出回り始めたハーブやペッパーをなぜ使わないんだ?
ほぼ全部おなじ味付けだ、プライドが高いから商人に使い方を聞こうとしないんだろう。
硬いロースをワインで流し込んだ。
うえっ臭っ。
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