カイリーユと山下美那、Z(究極)の夏〜高2のふたりが駆け抜けたアツイ季節の記録〜

百一 里優

文字の大きさ
上 下
127 / 141
第3章

3-50 決断

しおりを挟む
【前回のあらすじ】
 別れ際、練習の話をしても不自然な美那にリユは戸惑とまどう。翌日気分転換を兼ねてZ250でバイク用品店に寄ると、女性店員がなんとタンデム用のヘルメットをこっそり貸すと言ってくれ、もうひとつの懸案だったレインウェアもコスパの高い商品を購入。ところが美那から、楽しみにしていたはずのサスケコートでの練習をキャンセルするメッセージが届く。



 美那、なんか、特に理由がある感じじゃないよな。気分が乗らないって感じ? いや、そんな軽いものじゃないか。
 俺がずるずると答えを引き延ばしているからだよな。
 そりゃ、言葉でコクられたわけじゃないし、すぐに返事がほしいと言われたわけでもない。だけどそういうことなんだよな。
 美那は対人関係のいろんなことを器用にこなすけど、実は恋愛に関しては不器用なのかもしれない。そういやナオさんも、美那は強そうにみえるけど、乙女心の部分はデリケートで不器用みたいなことを言ってたな。だから前田の野郎にも軽く手玉に取られてしまったんだろう。バスケで手玉とか、前田のヤツ、マジムカつく。
 前田のクソ野郎! と思ったら、ても立ってもいられず、俺はひとりでサスケコートに行って、アメリカン・ドリブル・スキルを日が暮れるまで練習した。逃避行動なのかもしれないけど。それでもまあ前向きな逃避行動だろう。
 昨日なんとかモノにした技に続いて、さらに2つ追加。技術的にはフロントチェンジとバックチェンジにインサイドアウト、レッグスルー、ロールターンと、今まで練習してきた技の組み合わせなんだけど、その組み合わせ方とリズムの取り方、微妙なフェイントの掛け方なんかで、トリッキーな別の技になっていく感じが面白い。こうなったら次の練習でも木村さんを驚かしてやろうか? もうバスケ部に勧誘される危険はなくなったっぽいしな。
 手元がだいぶ暗くなった頃、かーちゃんに夕飯を作ると宣言していたことを思い出して、急いで帰宅。遅くなっちゃったから、鶏肉のホワイトソース・パスタとサラダに逃げる。ホワイトシチューの好きなかーちゃんは結構喜んでくれた。満足、満足。
 だけど、もう夜の9時だというのに、もっとも重要な問題はまだ解決の糸口さえつかんでいない。
 美那と恋人同士になるというイメージがいまだにわからない。
 学校でいちゃついたり、手を繋いで下校したり、時々キスしたり?
 え、お互いの部屋に行ったら、キス以上のことをするのか? それは人によるだろうけど、美那はそういうことをしそうな気もする。俺だって……。
 あ、想像しただけで、やばい。
 でも、これは肉体的な反応?
 相手が美那じゃなくても同じ?
 やっぱ、それは違うよな。美那と相思相愛になったら、美那を愛したいと思うし、そうなるのは自然な流れだよな。
 じゃあ、香田さんは?
 香田さんとだったら、いきなりそういうところには行かないよな。まずは関係構築からだろう。
 恋愛初心者の俺はその方がしっくりくる。
 だけど、問題はそういうことじゃない。
 俺がどちらと付き合いたいのか。
 ベッドに座って、姿勢を正して、目をつむる。
 そして、自分自身に質問してみる。

 Q:美那と付き合いたいか?
 A:イエス。

 だよな。自分でも驚きの即答だ。

 Q:香田さんと付き合いたいか?
 A:香田さんと交際してみたい。

 香田さんとは、交際してみたい、かぁ。
 もしかして、俺、普通の恋愛にあこがれているのか? そしてその最高の相手が香田さんってこと?
 でも、実山の高2男子だったら、香田さんと交際したい考えているやつはかなり多いだろうな。高2だけじゃないか……。いや、美那とそうなりたいと考えているやつも同じくらいいるだろう。あのテニス部の仲手川がいい例だ。
 と、机の上のスマホが震えて、メッセージの通知を知らせる。
 う、美那からだ。
――>今日は突然キャンセルしてごめん。大会本部が開催要項を改定した。なんと優勝チームは全国大会だって!
 なんだとぉ、全国大会とか、マジかよ!
 メッセージに貼り付けてあるURLを開いてみる。

 ――
アセンディング・スポーツ3x3ミックス大会
、全国大会の開催が決定 プロの3x3試合の前座で!



一昨年(2017年)に3x3バスケットボールが来年開催される東京オリンピックに正式採用されたのを受け、大会実行委員会では全国大会を検討しておりました。この度、北日本、東日本、中日本、西日本の各ブロック(地域大会)でフルエントリーになりましたことから、全国大会を開催する運びとなりました!



全国大会は、地域大会の優勝4チーム(※1、2)によるトーナメント形式で、「観るからプレーへ」を合言葉に、3x3バスケットボールを盛り上げ、親近感を持っていただくため、11月下旬に開催される3x3.EXE PREMIERの前座として行います。なんと全国大会の優勝チームは、当日選ぶプロ選手の即席チームと対戦することができます!!



※1 優勝チームが辞退した場合は、準優勝チームに出場権が与えられ、3位と4位のチームまでに順次出場権を得る権利が生じます。

※2 全国大会への出場メンバーは各地域大会出場時の代表者(大会に代表としてエントリーしたメンバー)ともう1人(代表者が経験者登録の場合、もうひとりは必ず初心者登録のメンバーを残すこと。逆も同様)は必ず出場しなければならず、あとの2人は入れ替えを可とします。



また、当初発表していた開催要項・ルールに以下の項目を追加いたしました。

・予選プールの試合では審判は1名とし、固定カメラとドローン撮影によるVAR (Video Assistant Referee) による判定も導入する。決勝トーナメントは審判を2名とし、VARを併用する。
 なお、VARに関しては株式会社テンダーライン様にご協力いただくことになりました。

・男女混合の大会であるため、プレーする上で必要な接触以外の接触をした場合、ファウル並びに警告とし、場合によっては退場処分とする。これについても審判がVARの映像を確認して判断する。

・各会場とも参加チーム数が12を超えたため、当初予定した5分経過後のタイムアウト1分ルールは廃止する。タイムアウトは、3x3公式ルールと同様、各チーム30秒を一度ずつ取ることができる。





・東日本大会の決勝トーナメントにおけるMCはパイソンさん、DJはSky-hoopさんに決定しました。

・各地域大会では、1位から4位(決勝トーナメント出場チーム)への賞品授与のほか、得点王、最優秀選手賞などの表彰、全選手が参加できるビンゴ大会(豪華商品あり)を表彰式後に行います。
 ――

 うぇー、しかもプロの試合の前座で、その全国大会に優勝すると、プロとも対戦できるのかよ!
<――マジ、すげーじゃん! 今日もサスケコートでドリブルスキル練習したからな。全国大会、行こうぜ!
 ちょっと軽いか? でも変に気を使うよりいいだろ。
 えい。
――>うん。頼りにしてるよ、カイリーユ!
 う、即レス。
 スマホを机に置いたら、また通知。
 うわっ、今度は香田さんから。
――>森本くん、明日はよろしくね。楽しみにしてます。
 うー、なんて返事したらいいんだ? 俺も楽しみしてます、とか?
 通知の段階で見たから、まだ既読にはなっていない。
 ちょっと考えよう。
 楽しみにしてるか? 正直言って、今は微妙だ。誘ってもらった時は、もうスッゲー楽しみで仕方なかったのに……。
 だいたい俺はどうしたいんだよ。

 !!

 ふたりからの連続メッセージに刺激されたのか、今、頭の中で何かがハジけたっ。
 そうだ。俺は美那の笑顔が見たいんだ。
 美那を笑顔にさせた時が一番幸せなんだ。
 だけど、俺は美那と付き合って、美那を笑顔にさせられるのか? ずっと美那を笑顔にしてやれるのか?
 今までだったら、そうだな、完全に否定してたな。時々、笑顔にさせてやることはできても、いつもとか、ずっととかは無理だ。そう思っていた。
 でも、今は違う。そりゃ、喧嘩をすることもあるだろうし、失望させることもあるかもしれない。それでも、もっと美那を笑顔にさせることができるはずだ。
 もちろんまだ絶対の自信があるわけじゃない。とはいえ、そこに至る道筋がようやく見えてきた。これまで半信半疑だった自分の力もおぼろげながら見えてきたじゃん! そしてそれは美那のお陰でもある。
 そういや美那は、「わたしはいつもリユに期待してる」とか言ってくれたよな。
 そうか、美那はずっと俺のことを見てきてくれたんだな。
 そしてまた俺も、ずっと美那を見てきた。
 やっぱり美那とは離れられない。これからもずっと一緒にいたい。
 今までは恋人として美那と一緒にいられるなんて思えなかったけど、今は違う。
 美那だって俺と恋人になりたいと思っている、らしい。そこのところ、頭ではまだ確信が持てないけど、有里子さんに言われて、いろいろ考えて、最近の出来事を思い起こしてみたら、感覚的には納得しつつある。美那の気持ちが俺に向かっていることを感じている。
 やっぱり俺は美那が好きだ。
 この気持ちは恋というより、愛に近いのだと思う。
 そうか、かーちゃんの言ってた「友達以上、恋人以上」って、そういう意味だったのかも。

 じゃあ、明日はキャンセルした方がいいのか?
 そうするのが一番ラクなのかもしれない。
 ただ、香田さんがもし俺に好意を寄せてくれていて、それで誘ってくれたのだとしたら、それでいいのか? それが一番傷つけないのか? 中途半端な気持ちにさせないか?
 いや、まじ、わかんないけど、どうなんだろ?
 俺が逆の立場だったら?
 憧れていた香田さんを思い切ってデートに誘って、OKしてくれて、それで突然前日にキャンセルされたら? しかも楽しみにしているとメッセージ送った直後に?
 理由が分かればいい? 本命の人と付き合うことになったからごめんなさい、とか?
 それならそれであきらめはつく。スゲー傷つくだろうけど。完全なる失恋だもんな。
 ただその想定とは少々状況が違う。香田さんはデートとして誘ってきたわけじゃないし、告白してきたわけでもないから、そういう断り方は変だよな。一応理由としては成り立つけど。
 それに俺みたいにモテない男子がそうされるならわかるけど、香田さんみたいなモテ女子には受け入れがたいかもしれない。相手が美那と知れば、頭では納得できるかもしれないけど。
 香田さんのことは表面的にしか知らないから、どういうアクションに対して、どんな反応をするのか、さっぱりわからない。
 香田さんは、俺が憧れているとか、自分を好きだとか、なんとなく気づいていただろう。美那に言わせれば、香田さんは俺に興味を持っていたということだから、いわば軽い両片思い的な感じに受け取っていたのかもしれない。いや、香田さんが俺に片思いとかおこがましいけど。思いの重さが極端に違うにせよ、少なくとも有里子さんの解釈ではそうなる。
 香田さん的にはこんな感じなのかな? 
「森本くんは、イケメンじゃないけど見た目もそう悪くはないし(美那は時々それらしきことを言ってくれる)、ちょっと話してみたらおもいのほか話しやすいし(それなりに話をしたことはある)、読書でも趣味が合うし(これは確認済み)、彼女もいなくて(これは公然の事実)、口もかたそうだし(ぺらぺら話すような友だちもいねえし)、頭も意外といいみたいだし(前期末16位!)、スポーツも割とできるし(木村主将にも目をつけられていたくらい)、自分に好意を持ってくれているらしいから(これはおしゃべりな柳本に言ったし、雑談的に他のやつにも言った)、お試しデートに誘って(ここは有里子さん分析に基づく俺的解釈)、もし相性が良さそうだったらこっそり付き合ってみてもいいかな」的な?
 自分のことはややり気味だし、香田さんのキャラとはちょっと違うけど、こういう想定のような気がする。

 俺だったら、こんな場合、どう対応してもらいたいかな。
 そうだなぁ、やっぱり会う約束は果たしてもらって、それでコクるなら告って、玉砕ぎょくさいした方があとを引かないかな。ただその辺は男と女でも違いそうだし、人によっても違うだろうしな。
 難しい……。
 それとも、あれかなぁ。俺の中に美那という存在がある以上、香田さんとはもう関係しない方がいいのかなぁ。
 俺は明らかに美那を愛している。これまでは幼馴染として、友達として愛していたわけだけど、いまや女性として意識している。その美那を愛しているということは、異性として愛しているということになる。いや、異性として愛したい、というのが近いか。
 やっぱり、俺はそう考えるのを完全に避けてきたんだな。今になってはっきりわかった。
 ああ、いかん。考えてばかりもいられない。通知からもう15分もっている。
 香田さんのことは考えてもわからないのだから、現状をにおわせるような返信をするしかないな。
<——じゃあ、明日の10時に堀之内のホームで!
 ちょっと事務的だけど最後の記号でなんとかよそおう、って感じか……。
 返信が遅くなった理由も入れといた方がいいのか?
 いや、やめとこ。印象はあんまり良くない方がいい気もするし。
 このまま送信だ。
 えいっ。
 
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

放課後はネットで待ち合わせ

星名柚花(恋愛小説大賞参加中)
青春
【カクヨム×魔法のiらんどコンテスト特別賞受賞作】 高校入学を控えた前日、山科萌はいつものメンバーとオンラインゲームで遊んでいた。 何気なく「明日入学式だ」と言ったことから、ゲーム友達「ルビー」も同じ高校に通うことが判明。 翌日、萌はルビーと出会う。 女性アバターを使っていたルビーの正体は、ゲーム好きな美少年だった。 彼から女子避けのために「彼女のふりをしてほしい」と頼まれた萌。 初めはただのフリだったけれど、だんだん彼のことが気になるようになり…?

深海の星空

柴野日向
青春
「あなたが、少しでも笑っていてくれるなら、ぼくはもう、何もいらないんです」  ひねくれた孤高の少女と、真面目すぎる新聞配達の少年は、深い海の底で出会った。誰にも言えない秘密を抱え、塞がらない傷を見せ合い、ただ求めるのは、歩む深海に差し込む光。  少しずつ縮まる距離の中、明らかになるのは、少女の最も嫌う人間と、望まれなかった少年との残酷な繋がり。 やがて立ち塞がる絶望に、一縷の希望を見出す二人は、再び手を繋ぐことができるのか。 世界の片隅で、小さな幸福へと手を伸ばす、少年少女の物語。

Hand in Hand - 二人で進むフィギュアスケート青春小説

宮 都
青春
幼なじみへの気持ちの変化を自覚できずにいた中2の夏。ライバルとの出会いが、少年を未知のスポーツへと向わせた。 美少女と手に手をとって進むその競技の名は、アイスダンス!! 【2022/6/11完結】  その日僕たちの教室は、朝から転校生が来るという噂に落ち着きをなくしていた。帰国子女らしいという情報も入り、誰もがますます転校生への期待を募らせていた。  そんな中でただ一人、果歩(かほ)だけは違っていた。 「制覇、今日は五時からだから。来てね」  隣の席に座る彼女は大きな瞳を輝かせて、にっこりこちらを覗きこんだ。  担任が一人の生徒とともに教室に入ってきた。みんなの目が一斉にそちらに向かった。それでも果歩だけはずっと僕の方を見ていた。 ◇ こんな二人の居場所に現れたアメリカ帰りの転校生。少年はアイスダンスをするという彼に強い焦りを感じ、彼と同じ道に飛び込んでいく…… ――小説家になろう、カクヨム(別タイトル)にも掲載――

優秀賞受賞作【スプリンターズ】少女達の駆ける理由

棚丘えりん
青春
(2022/8/31)アルファポリス・第13回ドリーム小説大賞で優秀賞受賞、読者投票2位。 (2022/7/28)エブリスタ新作セレクション(編集部からオススメ作品をご紹介!)に掲載。 女子短距離界に突如として現れた、孤独な天才スプリンター瑠那。 彼女への大敗を切っ掛けに陸上競技を捨てた陽子。 高校入学により偶然再会した二人を中心に、物語は動き出す。 「一人で走るのは寂しいな」 「本気で走るから。本気で追いかけるからさ。勝負しよう」 孤独な中学時代を過ごし、仲間とリレーを知らない瑠那のため。 そして儚くも美しい瑠那の走りを間近で感じるため。 陽子は挫折を乗り越え、再び心を燃やして走り出す。 待ち受けるのは個性豊かなスプリンターズ(短距離選手達)。 彼女達にもまた『駆ける理由』がある。 想いと想いをスピードの世界でぶつけ合う、女子高生達のリレーを中心とした陸上競技の物語。 陸上部って結構メジャーな部活だし(プロスポーツとしてはマイナーだけど)昔やってたよ~って人も多そうですよね。 それなのに何故! どうして! 陸上部、特に短距離を舞台にした小説はこんなにも少ないんでしょうか! というか少ないどころじゃなく有名作は『一瞬の風になれ』しかないような状況。 嘘だろ~全国の陸上ファンは何を読めばいいんだ。うわーん。 ということで、書き始めました。 陸上競技って、なかなか結構、面白いんですよ。ということが伝われば嬉しいですね。 表紙は荒野羊仔先生(https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/520209117)が描いてくれました。

榛名の園

ひかり企画
青春
荒れた14歳から17歳位までの、女子少年院経験記など、あたしの自伝小説を書いて見ました。

転校して来た美少女が前幼なじみだった件。

ながしょー
青春
 ある日のHR。担任の呼び声とともに教室に入ってきた子は、とてつもない美少女だった。この世とはかけ離れた美貌に、男子はおろか、女子すらも言葉を詰まらせ、何も声が出てこない模様。モデルでもやっていたのか?そんなことを思いながら、彼女の自己紹介などを聞いていると、担任の先生がふと、俺の方を……いや、隣の席を指差す。今朝から気になってはいたが、彼女のための席だったということに今知ったのだが……男子たちの目線が異様に悪意の籠ったものに感じるが気のせいか?とにもかくにも隣の席が学校一の美少女ということになったわけで……。  このときの俺はまだ気づいていなかった。この子を軸として俺の身の回りが修羅場と化すことに。

大好きな幼なじみが超イケメンの彼女になったので諦めたって話

家紋武範
青春
大好きな幼なじみの奈都(なつ)。 高校に入ったら告白してラブラブカップルになる予定だったのに、超イケメンのサッカー部の柊斗(シュート)の彼女になっちまった。 全く勝ち目がないこの恋。 潔く諦めることにした。

コミュ障な幼馴染が俺にだけ饒舌な件〜クラスでは孤立している彼女が、二人きりの時だけ俺を愛称で呼んでくる〜

青野そら
青春
友達はいるが、パッとしないモブのような主人公、幸田 多久(こうだ たく)。 彼には美少女の幼馴染がいる。 それはクラスで常にぼっちな橘 理代(たちばな りよ)だ。 学校で話しかけられるとまともに返せない理代だが、多久と二人きりの時だけは素の姿を見せてくれて──。 これは、コミュ障な幼馴染を救う物語。 毎日更新します。

処理中です...