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第3章
3-10 ジリ貧
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※プレー中の〝左右〟の表現は、基本的にゴールに向かっての位置関係になります。
(Z)2対1(Sc)。
美那が決めたゴールのボールは、Sc0番女子がキャッチ。
アーク外の左にいるSc2番へのパスコースはオツが潰してくれているし、俺もビッタリ1番に付いているから、0番は美那のディフェンスを受けつつ、ドリブルでアークから出る。でもちょっと不気味な余裕の動きだ。
するとオツがマークの2番がゴールに向かって切り込んでいく。
0番は体をうまく使って美那のディフェンスを防いで、ゴール方向に力強いバウンスパスを出す。
2番がパスをキャッチ。ステップからシュートに入る。
でもオツがしっかり付いていて、身長差10センチ以上とジャンプ力を生かしてシュートの上がりっぱなを叩く。ボールはラインを割る。
「ナイスD!」
美那が声を掛ける。
その美那はナオと交代。
Scはコート上の3人で何か話している。
まだ1分も経過していない。残り時間は9分22秒だ。
Scはまた「センタートライアングル」。右の1番男子に俺が付き、左の2番男子はオツがマーク。0番女子がトップでナオがチェックボールを渡す。
0番は即、ハイポストの2番にパス。そして、1番がオツに向かって走る。俺は1番を追う。
最初に取られたポイントと同じパターンだ!
1番がオツにスクリーンをかける。でも1番はさっきよりゴール側にいる?
2番がセンター方向にドライブに入る。
俺はヘルプで2番のディフェンスに回ろうとするけど、オツもディフェンスに来ている。
「リユは1番を守れ!」
え? 俺じゃ、弾き飛ばされるから? それとも、スクリーンの位置が違うからか⁈
1番がアークに向かって走り出す。
そこにドリブルに入っていたはずの2番からパスが出る。
しまった。今度は2P狙いかよ!
必死で1番のディフェンスに戻るけど、パスは簡単に通ってしまう。
もう1番が2Pシュートの態勢に入っている。
まだ若干距離があるけど、ジャンプで対抗。
って、1番はふわっと横に移動する。
フェイントだー!
でも勢いがついてるから、どうにもならーん。
簡単に1番に2Pを打たれてしまう。
綺麗な弧を描いた黄色と青のボールはバスケットに落ちていく。
やられた。そうか、Cuとの試合でも長身1番に慌ててジャンプで対抗して、フェイントをかけられたな……。AIで分析するまでもない話だ。
(Z)2対3(Sc)
ゴール後のボールをオツがキャッチ。
ナオがトップから右サイドに走る。
オツからのパスが通る。
とはいえ、0番をドリブルで突破できるだけのスキルはナオにはまだない。
もちろん2Pも簡単には打たせてくれない。
オツがトップに戻るけど、ナオからパスは出せそうにない。
そこでナオが、ドリブルに行くフェイントをかけてから、高さを生かしてのジャンピングから2Pを放つ。
0番の手は届かない。
だけど、たぶん、短い。
どっちに跳ね返るかは分からないけど、俺はゴールに向かってダッシュ。
リバウンド、来たっ!
頭の上でキャッチ、と思ったら、1番の手が伸びてきて、ボールはラインの外に飛ばされてしまう。
もしかして、俺の動きが読まれてた?
オツに褒められた俺の読みの良さが、AI分析でも出てたってこと?
ここでオツがアウト、美那がイン。美那とナオが言葉を交わす。
Zの攻撃のチェックボールだ。
「センタートライアングル」のフォーメーション。ナオが左の手前で、美那が右のやや奥。それぞれ2番男子、0番女子がマークに付いている。
ナオが②のサイン。
ボールを受け取った俺はナオにパス。
美那がナオに向かって走る。ナオから美那にトス。
アークの外に出た美那は2P狙い。
だけど、Scはディフェンスをスイッチして、2番が美那のマークに回って、立ちはだかる。
打てない。
美那は1on1を仕掛ける。
でも抜けそうにない。
Scの学生時代の戦績はCuほどではないみたいけど、やっぱ高校と大学でマジにバスケをやっていただけあって、スキルは高い。
「ナオ!」と美那が声を上げ、右サイドに出るように空いた手で指示する。
センターにスペースができた。
もはやフォーメーションは崩れている。
美那と目が合う。
俺は美那のドリブルのタイミングに合わせて、ゴールに向かってダイブ!
美那から絶妙なバウンスパスが出る。
1番が後ろから追ってきているのが気配で分かるけど、距離はある。
いつもどおり、ステップを踏んで、かるーくレイアップシュートだ。
ボールはバスケットの中に落ちていく。
それを見届けていると、後ろから衝撃が……。
俺は前向きに飛ばされる。
けど、まあ、ライディングスクールで転び馴れてるから、なんともない。
笛が吹かれる。
俺たちに出し抜かれて、勢い余った1番が胸からぶつかってきたのだ。
1番が来て、「すいません」と謝り、手を差し出す。
手を握り返すと、立ち上がるのを手伝ってくれる。
肩を軽く叩いて、離れていく。
とりあえず1点追加。
(Z)3対3(Sc)
そしてフリースローをゲットだ。
「大丈夫、リユ?」
美那が心配そうな顔で駆け寄ってくる。
「ああ、大丈夫。バイクのスクールですっかり転ぶのには馴れたから」
「うん。よかった」
美那はちょっとだけ悲しそうな笑顔を浮かべる。
そして腕を絡めるようにして俺の手を取ると、指を互い違いにしてぎゅっと握る。
こ、恋人繋ぎだぞ、それ、美那。ちょっとドキッとしちゃうぜ。
「フリースローも頼んだぞ、カイリーユ」
何か言いたそうに口を開いたけど、唇をぎゅっと閉じる。
そのままフリースローレーンに並んでしまう。
俺はフリースローラインに立ち、審判からボールを受け取る。
2回ボールをバウンドさせてから、膝を柔らかく使ってボールをワンハンドで投げる。
黄色と青の回転がリングにすっぽり入る。
「ナイス、リユ!」とナオの声。
美那は小さくガッツポーズ。
(Z)4対3(Sc)
逆転だっ!
ところがここからは、完全に攻撃を読まれていて全然攻めさせてもらえないし、インサイドのプレーでは太刀打ちできない。内側からのシュートでゴールを重ねられてしまう。
スピードという点では、横の動きがいい美那と俺は完全に勝っているし、縦の動きに優れるオツやナオでさえ負けていない。だけど、ディフェンスでは体格差でScの動きを封じることは難しいし、攻撃では不安定な姿勢でのシュートを強いられる。しかも、ファールは取られない絶妙な接触なのだ。それがフェアのプレーなのかどうかは、バスケを知らない俺には判断できない。でも、オツも美那も受け入れているところを見ると、5人制バスケでは当たり前の〝接触プレー〟なのだろう。
逆転を許すどころか、どんどん点を離されていく。ジリ貧状態だ。
しかもプレーが切れなくて、交代のタイミングも少ない。スピードが落ちていく。
残り時間は、もうすぐ6分を切るところ。
得点は(Z)6対14(Sc)。
女子の2Pシュートで4点取られるのもキツイけど、インサイドのシュートを積み重ねられて、徐々に点を開かれていくというのも精神的に結構効いてくる。
あと1分くらいで特別ルールのハーフタイムだけど、ここで美那がチームタイムアウトを取る。
なにしろこのまま打つ手なしだと、またKO負けを食らってしまう。
「美那、ちょっと早いが、そろそろいいんじゃないか?」と、オツが口火を切る。
「そうですね。完全にパターンを読まれてますよね。それだけじゃなくて、プレースタイルも」と美那。
「じゃあ、チェックボールの時はフォーメーションの振りをして、フリーに行っていいのか?」と俺。
「うん。でも、ときどきフォーメーションを挟もうか?」と美那が答える。
「それがいいじゃないか? じゃあ、OKサインの時はフリーな」
オツが胸の前で指でOKを示す。
「体力の方はどう? ナオとリユ」と美那。
「わたしはちょっと足にきてる。けど、まだイける」とナオ。
「俺も結構キツイけど、まだイける。いや、いく」
「パス回しも速いし、体の当たりもキツイよね?」と美那。
「だな」とオツ。「俺でも全然負けてる」
「だけど、0番女子の佐倉さんだっけ? 向こうは女子ひとりだから、あの人はルール的に交代われないの?」とナオが訊く。
「そうね。大会のルールでは必ず女子がコートに立っていないといけないから」と美那。
「じゃあ、これから少しは動きが落ちてきそうだよね」
「うん。確かにそこは少し狙い目だね」
「あの、体の当たりって、バスケ的には普通なのか?」と俺。
「そうだな。まあどっちかというとフェアな方だ。リユがやられたのも、向こうが焦ってぶつかった感じだったし」とオツが答えてくれる。
「わたし的にはファールはかなり少ないし、あのガタイを考えると、特に女子に対しては少し考えてくれてると思う」と美那が付け足す。
「俺もそう思う」とオツ。
「じゃあ、大会でエゲツない奴らだと、もっとキツく当たってくるってことか」
俺は前田俊のチームを意識して、美那に訊いてみる。
美那が俺を見て、小さく頷く。
「うん。まあファールを重ねると自分たちが不利になるから、その辺りは匙加減になると思うけど……」
あらためて美那は俺と視線を合わせると、小さく笑む。
俺は無意識で拳を握りしめる。
「このチームとの戦いは、バスケの接触プレーに慣れる、いい経験になるな」とオツ。
「そうですね。あ、そろそろ時間だね。じゃあ、あらためて」
美那はそう言って、手を差し出す。
俺たちも手を伸ばす。
4人で声を合わせる。
「エンジョーイ、バスケットボーール!」
笑顔でハイタッチだ!
さて、いよいよZの本領発揮といきますか。
(Z)2対1(Sc)。
美那が決めたゴールのボールは、Sc0番女子がキャッチ。
アーク外の左にいるSc2番へのパスコースはオツが潰してくれているし、俺もビッタリ1番に付いているから、0番は美那のディフェンスを受けつつ、ドリブルでアークから出る。でもちょっと不気味な余裕の動きだ。
するとオツがマークの2番がゴールに向かって切り込んでいく。
0番は体をうまく使って美那のディフェンスを防いで、ゴール方向に力強いバウンスパスを出す。
2番がパスをキャッチ。ステップからシュートに入る。
でもオツがしっかり付いていて、身長差10センチ以上とジャンプ力を生かしてシュートの上がりっぱなを叩く。ボールはラインを割る。
「ナイスD!」
美那が声を掛ける。
その美那はナオと交代。
Scはコート上の3人で何か話している。
まだ1分も経過していない。残り時間は9分22秒だ。
Scはまた「センタートライアングル」。右の1番男子に俺が付き、左の2番男子はオツがマーク。0番女子がトップでナオがチェックボールを渡す。
0番は即、ハイポストの2番にパス。そして、1番がオツに向かって走る。俺は1番を追う。
最初に取られたポイントと同じパターンだ!
1番がオツにスクリーンをかける。でも1番はさっきよりゴール側にいる?
2番がセンター方向にドライブに入る。
俺はヘルプで2番のディフェンスに回ろうとするけど、オツもディフェンスに来ている。
「リユは1番を守れ!」
え? 俺じゃ、弾き飛ばされるから? それとも、スクリーンの位置が違うからか⁈
1番がアークに向かって走り出す。
そこにドリブルに入っていたはずの2番からパスが出る。
しまった。今度は2P狙いかよ!
必死で1番のディフェンスに戻るけど、パスは簡単に通ってしまう。
もう1番が2Pシュートの態勢に入っている。
まだ若干距離があるけど、ジャンプで対抗。
って、1番はふわっと横に移動する。
フェイントだー!
でも勢いがついてるから、どうにもならーん。
簡単に1番に2Pを打たれてしまう。
綺麗な弧を描いた黄色と青のボールはバスケットに落ちていく。
やられた。そうか、Cuとの試合でも長身1番に慌ててジャンプで対抗して、フェイントをかけられたな……。AIで分析するまでもない話だ。
(Z)2対3(Sc)
ゴール後のボールをオツがキャッチ。
ナオがトップから右サイドに走る。
オツからのパスが通る。
とはいえ、0番をドリブルで突破できるだけのスキルはナオにはまだない。
もちろん2Pも簡単には打たせてくれない。
オツがトップに戻るけど、ナオからパスは出せそうにない。
そこでナオが、ドリブルに行くフェイントをかけてから、高さを生かしてのジャンピングから2Pを放つ。
0番の手は届かない。
だけど、たぶん、短い。
どっちに跳ね返るかは分からないけど、俺はゴールに向かってダッシュ。
リバウンド、来たっ!
頭の上でキャッチ、と思ったら、1番の手が伸びてきて、ボールはラインの外に飛ばされてしまう。
もしかして、俺の動きが読まれてた?
オツに褒められた俺の読みの良さが、AI分析でも出てたってこと?
ここでオツがアウト、美那がイン。美那とナオが言葉を交わす。
Zの攻撃のチェックボールだ。
「センタートライアングル」のフォーメーション。ナオが左の手前で、美那が右のやや奥。それぞれ2番男子、0番女子がマークに付いている。
ナオが②のサイン。
ボールを受け取った俺はナオにパス。
美那がナオに向かって走る。ナオから美那にトス。
アークの外に出た美那は2P狙い。
だけど、Scはディフェンスをスイッチして、2番が美那のマークに回って、立ちはだかる。
打てない。
美那は1on1を仕掛ける。
でも抜けそうにない。
Scの学生時代の戦績はCuほどではないみたいけど、やっぱ高校と大学でマジにバスケをやっていただけあって、スキルは高い。
「ナオ!」と美那が声を上げ、右サイドに出るように空いた手で指示する。
センターにスペースができた。
もはやフォーメーションは崩れている。
美那と目が合う。
俺は美那のドリブルのタイミングに合わせて、ゴールに向かってダイブ!
美那から絶妙なバウンスパスが出る。
1番が後ろから追ってきているのが気配で分かるけど、距離はある。
いつもどおり、ステップを踏んで、かるーくレイアップシュートだ。
ボールはバスケットの中に落ちていく。
それを見届けていると、後ろから衝撃が……。
俺は前向きに飛ばされる。
けど、まあ、ライディングスクールで転び馴れてるから、なんともない。
笛が吹かれる。
俺たちに出し抜かれて、勢い余った1番が胸からぶつかってきたのだ。
1番が来て、「すいません」と謝り、手を差し出す。
手を握り返すと、立ち上がるのを手伝ってくれる。
肩を軽く叩いて、離れていく。
とりあえず1点追加。
(Z)3対3(Sc)
そしてフリースローをゲットだ。
「大丈夫、リユ?」
美那が心配そうな顔で駆け寄ってくる。
「ああ、大丈夫。バイクのスクールですっかり転ぶのには馴れたから」
「うん。よかった」
美那はちょっとだけ悲しそうな笑顔を浮かべる。
そして腕を絡めるようにして俺の手を取ると、指を互い違いにしてぎゅっと握る。
こ、恋人繋ぎだぞ、それ、美那。ちょっとドキッとしちゃうぜ。
「フリースローも頼んだぞ、カイリーユ」
何か言いたそうに口を開いたけど、唇をぎゅっと閉じる。
そのままフリースローレーンに並んでしまう。
俺はフリースローラインに立ち、審判からボールを受け取る。
2回ボールをバウンドさせてから、膝を柔らかく使ってボールをワンハンドで投げる。
黄色と青の回転がリングにすっぽり入る。
「ナイス、リユ!」とナオの声。
美那は小さくガッツポーズ。
(Z)4対3(Sc)
逆転だっ!
ところがここからは、完全に攻撃を読まれていて全然攻めさせてもらえないし、インサイドのプレーでは太刀打ちできない。内側からのシュートでゴールを重ねられてしまう。
スピードという点では、横の動きがいい美那と俺は完全に勝っているし、縦の動きに優れるオツやナオでさえ負けていない。だけど、ディフェンスでは体格差でScの動きを封じることは難しいし、攻撃では不安定な姿勢でのシュートを強いられる。しかも、ファールは取られない絶妙な接触なのだ。それがフェアのプレーなのかどうかは、バスケを知らない俺には判断できない。でも、オツも美那も受け入れているところを見ると、5人制バスケでは当たり前の〝接触プレー〟なのだろう。
逆転を許すどころか、どんどん点を離されていく。ジリ貧状態だ。
しかもプレーが切れなくて、交代のタイミングも少ない。スピードが落ちていく。
残り時間は、もうすぐ6分を切るところ。
得点は(Z)6対14(Sc)。
女子の2Pシュートで4点取られるのもキツイけど、インサイドのシュートを積み重ねられて、徐々に点を開かれていくというのも精神的に結構効いてくる。
あと1分くらいで特別ルールのハーフタイムだけど、ここで美那がチームタイムアウトを取る。
なにしろこのまま打つ手なしだと、またKO負けを食らってしまう。
「美那、ちょっと早いが、そろそろいいんじゃないか?」と、オツが口火を切る。
「そうですね。完全にパターンを読まれてますよね。それだけじゃなくて、プレースタイルも」と美那。
「じゃあ、チェックボールの時はフォーメーションの振りをして、フリーに行っていいのか?」と俺。
「うん。でも、ときどきフォーメーションを挟もうか?」と美那が答える。
「それがいいじゃないか? じゃあ、OKサインの時はフリーな」
オツが胸の前で指でOKを示す。
「体力の方はどう? ナオとリユ」と美那。
「わたしはちょっと足にきてる。けど、まだイける」とナオ。
「俺も結構キツイけど、まだイける。いや、いく」
「パス回しも速いし、体の当たりもキツイよね?」と美那。
「だな」とオツ。「俺でも全然負けてる」
「だけど、0番女子の佐倉さんだっけ? 向こうは女子ひとりだから、あの人はルール的に交代われないの?」とナオが訊く。
「そうね。大会のルールでは必ず女子がコートに立っていないといけないから」と美那。
「じゃあ、これから少しは動きが落ちてきそうだよね」
「うん。確かにそこは少し狙い目だね」
「あの、体の当たりって、バスケ的には普通なのか?」と俺。
「そうだな。まあどっちかというとフェアな方だ。リユがやられたのも、向こうが焦ってぶつかった感じだったし」とオツが答えてくれる。
「わたし的にはファールはかなり少ないし、あのガタイを考えると、特に女子に対しては少し考えてくれてると思う」と美那が付け足す。
「俺もそう思う」とオツ。
「じゃあ、大会でエゲツない奴らだと、もっとキツく当たってくるってことか」
俺は前田俊のチームを意識して、美那に訊いてみる。
美那が俺を見て、小さく頷く。
「うん。まあファールを重ねると自分たちが不利になるから、その辺りは匙加減になると思うけど……」
あらためて美那は俺と視線を合わせると、小さく笑む。
俺は無意識で拳を握りしめる。
「このチームとの戦いは、バスケの接触プレーに慣れる、いい経験になるな」とオツ。
「そうですね。あ、そろそろ時間だね。じゃあ、あらためて」
美那はそう言って、手を差し出す。
俺たちも手を伸ばす。
4人で声を合わせる。
「エンジョーイ、バスケットボーール!」
笑顔でハイタッチだ!
さて、いよいよZの本領発揮といきますか。
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