85 / 141
第3章
3-8 マッサージはヤバイかも……
しおりを挟む
Zの攻撃で試合再開。コート上は、オツ、ナオ、俺。
一方、Cuは1番長身がアウトで、13番女子がイン。22番女子と33番男子。身長的にはZも見劣りしなくなったけど、女子二人は怖いな。
オツにおだてられたのが効いたのかどうか、フォーメーションが崩れたところで、俺が2Pシュートを決めてやった!
同点!! 13対13だ。
次のCuの攻撃では早いパス回しから22番に2P(x2)を返されてしまう……。この3人だとスピードが一段上がる。
(Z)13対17(Cu)
まずい。女子にもう一本2Pを決められたらKO負けだ。しかもCuは女子2人体制。
続くZの攻撃は、オツ→ナオ→俺→オツとパスを回し、オツが2Pにトライ!
惜しくもまた外れたけど……リバウンドを俺がキャッチ。オツにパスを回して、ショットクロック残り1秒でオツがそのまま1Pシュートを決めた!
(Z)14対17(Cu)
残りは3分19秒。
タイムアウト後は全然プレーが途切れない。Cuの攻撃ではパスにがんがん振り回される。息が切れてくる。でも、ナオがCu13番のパスをカットして、ボールは外に。
ここで美那がイン、オツがアウトだ。オツでさえ、呼吸がかなり荒い。
これでこっちも女子2人体制だ。それに俺的には、美那がいると心強い。
Cuボールでゲーム再開だ。
トップは33番男子に変わる。そして13番は美那がマーク。22番はナオが付く。
33番から22番、13番へと外側でパス回しが続く。女子の2Pは要警戒だ。
すると、俺がマークの33番がドリブルで切り込んでいく。負けるか!
必死でついていって、シュートは打たれるけど、うまく邪魔して、シュートはミス。
だけど、リバウンドは22番に確保されてしまう。やっぱりナオも体力的に苦しそうだ。俺ももうギリ。22番がアークの外に戻り、13番女子にパスが渡る。美那は広げた腕を上下に動かして2Pは打たせない。
ところが俺がマークする33番が美那にスクリーンをかける。すると13番がドリブルで中に切り込む。俺がマークに走ると、33番にパス。
33番は、22番にパス。
まずい、ナオのマークが外されている!
ナオも懸命にマークに付こうとするけど、22番はバックステップから2Pシュートを打つ。
伸ばしたナオの手の上を越えたボールは、ふわっとした軌道でバスケットに向かう。
ボールがネットを揺らす。
……やられた。
試合終了。
(Z)14対21(Cu)。
ノックアウト負け。
くっそーっ!!
ひとりひとりと握手を交わす。
33番が話しかけてくる。
「高2の初心者と聞いていたから、正直最初は舐めてたけど、なかなかやるな。ただドリブルのスピードと、あとは体力だな。まあ、大きな課題だけどな。でも伸び代はたっぷりあるみたいから、本番では頑張れよ」
あのウォームアップじゃ、舐められてもしょうがねえよな……でも、なんか意外と優しい人なんだな。
「あ、ありがとうございます。ディフェンスがすごくて全然攻撃に行けなかった感じです」
「ディフェンスは大事だぞ。高校じゃさんざんしごかれたよ。だけど、君のディフェンスも、粘り強くて嫌だった。動きもいいしな。ただ、やっぱりゲームが切れないとスピードが落ちていったよな」
「バレバレですね。1年ほど本格的なスポーツをしていなかったから、やっぱちょっと落ちてますね……もし次があれば、今度は負けないようにしておきます」
「ああ。楽しみにしてるよ」
ふと、周りを見ると、向かいの半面コートと横のコートの人たちも観戦していたらしく、それぞれ練習に戻っていくところだった。さっきのペギーたちの試合もだけど、もしかして、このコート、注目集めてる? 点数とショットクロック のディスプレーにドローンまで飛ばしてるしな。
「リユ、来て」
美那に肩を叩かれる。
「もう、すぐ、次の試合だから。ユニフォームも変えなきゃいけないし」
4人が集まったところで、作戦会議だ。
「結果は残念だったけど、フォーメーションの方は手応えがあったから、今の試合はそれでよしとしましょう。で、次のスクリプツは予定通り、ハーフタイムの前まではフォーメーションで戦って、後半はフォーメーションのフリをして、個性を出したプレーをする。それでいい?」
「なんか、楽しみになってきたな」とオツ。「最初はフォーメーションの戦い方が心地よかったんだけど、だんだん暴れたくなってきた」
「なんか、2Pがどれもスゲー惜しい感じでしたよね。そろそろ入り出すんじゃないですか?」と俺。
「そうか? まあ、期待してろ」
「やっぱり体力が厳しかった。でも後半で頻繁に交代するようになったら、だいぶマシになった」とナオ。
「あ、俺も。全然違った」
「わかった。状況次第なところもあるけど、じゃあ、次も前半はプレーが切れたら交代で行こう。さ、時間もないし、着替えてきましょう」
体力温存のためエレベーターで1階に降りる。
無駄口を叩かずに着替えて、またエレベーターで3階のコートに戻る。
スクリプツのメンバーはパソコンを囲んで、話し合いをしている。
そうか、AIで分析した前の試合の結果を見てるんだろうな。
俺たちが戻ってきたことに気が付いたメンバーの一人が走ってきて、オツと美那に話しかける。
「すみません。AI分析の時間が思いの外かかちゃって、あと5分ほどいただいてもよろしいですか?」
「ああ、うちは大丈夫ですよ。ね、先輩?」
「はい。2試合ともKOだったし、時間的には大丈夫でしょう」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」
というわけで、少しだけ休み時間が増えた。
「ねえ、リユ」
「え、なに」
「お疲れのところ悪いんだけどさ、ちょっと脚をマッサージしてくれない? なんか攣りそうな予感がしてるんだけど」
「まじか」
「あ、無理だったらいい」
「いや、いいけどさ」
壁際に二人のジャージを敷く。
「どの辺?」
「左のふくらはぎだけど、腿も結構きてる」
「ああ。お前、かなり走ってたもんな」
「やっぱ、大学生は体力が違うよね」
マッサージしてやるのはいいんだけど、やっぱ美那の脚に触るのはちょっと緊張するな。かーちゃんに気軽にマッサージするのと同じというわけにはいかない。
「そんな大したことはできねえぞ。筋伸ばして、揉みほぐすくらい」
「うん。ありがと」
シューズと靴下を脱いで、仰向けに寝そべってもらう。
足の裏を押すようにして、ゆっくりとふくらはぎの筋を伸ばす。
「あー、気持ちいい」と美那。
それから今度は足の裏を指圧。
次に、優しく筋肉を揉みほぐしていく。まずはふくらはぎを横から。
「やっぱ、加奈江さんが言ってた通り、リユ、マッサージ、上手」
「そうか? でもかーちゃんの凝りと、美那の疲労じゃ、ずいぶん違うからな」
美那は目を閉じて、気持ちよさそうにしている。
「じゃあ、次は太もも行くぞ」
「うん」
わ、やべーな。いや、雑念を排除だ。
「あっ」
触れた途端、美那が微妙な声を上げる。
「おい、変な声出すなよ」
「ごめん。ちょっとくすぐったくて」
触り方が逆に慎重にすぎたのかも、しれない。
その次は、うつ伏せになってもらって、ふくらはぎと腿の裏を指や手のひらで押す。
正直、めちゃくちゃいい触り心地。そういう意味でもかーちゃんとは全然違うな……。俺には雑念を排除するなんて無理だー!
「じゃ、こんなとこな」
うつ伏せのまま、美那が顔を上げる。
「ありがとう。めちゃ、気持ちよかった。疲れも取れた」
「ああ。あとはちゃんと水分も取っておけよ」
「うん」
美那は起き上がって、足の感触を確かめてから、シューズを履く。お揃いのナイキの白いカイリー・モデル。
視線が合うと、美那が柔らかく笑む。いつもの美那に戻ってくれたみたいだ。
いや、いつも以上かも……。
「じゃ、次の試合も頼んだよ、カイリーユ」
「ああ」
よーし、特に後半、オツじゃないけど、暴れるぞー!
一方、Cuは1番長身がアウトで、13番女子がイン。22番女子と33番男子。身長的にはZも見劣りしなくなったけど、女子二人は怖いな。
オツにおだてられたのが効いたのかどうか、フォーメーションが崩れたところで、俺が2Pシュートを決めてやった!
同点!! 13対13だ。
次のCuの攻撃では早いパス回しから22番に2P(x2)を返されてしまう……。この3人だとスピードが一段上がる。
(Z)13対17(Cu)
まずい。女子にもう一本2Pを決められたらKO負けだ。しかもCuは女子2人体制。
続くZの攻撃は、オツ→ナオ→俺→オツとパスを回し、オツが2Pにトライ!
惜しくもまた外れたけど……リバウンドを俺がキャッチ。オツにパスを回して、ショットクロック残り1秒でオツがそのまま1Pシュートを決めた!
(Z)14対17(Cu)
残りは3分19秒。
タイムアウト後は全然プレーが途切れない。Cuの攻撃ではパスにがんがん振り回される。息が切れてくる。でも、ナオがCu13番のパスをカットして、ボールは外に。
ここで美那がイン、オツがアウトだ。オツでさえ、呼吸がかなり荒い。
これでこっちも女子2人体制だ。それに俺的には、美那がいると心強い。
Cuボールでゲーム再開だ。
トップは33番男子に変わる。そして13番は美那がマーク。22番はナオが付く。
33番から22番、13番へと外側でパス回しが続く。女子の2Pは要警戒だ。
すると、俺がマークの33番がドリブルで切り込んでいく。負けるか!
必死でついていって、シュートは打たれるけど、うまく邪魔して、シュートはミス。
だけど、リバウンドは22番に確保されてしまう。やっぱりナオも体力的に苦しそうだ。俺ももうギリ。22番がアークの外に戻り、13番女子にパスが渡る。美那は広げた腕を上下に動かして2Pは打たせない。
ところが俺がマークする33番が美那にスクリーンをかける。すると13番がドリブルで中に切り込む。俺がマークに走ると、33番にパス。
33番は、22番にパス。
まずい、ナオのマークが外されている!
ナオも懸命にマークに付こうとするけど、22番はバックステップから2Pシュートを打つ。
伸ばしたナオの手の上を越えたボールは、ふわっとした軌道でバスケットに向かう。
ボールがネットを揺らす。
……やられた。
試合終了。
(Z)14対21(Cu)。
ノックアウト負け。
くっそーっ!!
ひとりひとりと握手を交わす。
33番が話しかけてくる。
「高2の初心者と聞いていたから、正直最初は舐めてたけど、なかなかやるな。ただドリブルのスピードと、あとは体力だな。まあ、大きな課題だけどな。でも伸び代はたっぷりあるみたいから、本番では頑張れよ」
あのウォームアップじゃ、舐められてもしょうがねえよな……でも、なんか意外と優しい人なんだな。
「あ、ありがとうございます。ディフェンスがすごくて全然攻撃に行けなかった感じです」
「ディフェンスは大事だぞ。高校じゃさんざんしごかれたよ。だけど、君のディフェンスも、粘り強くて嫌だった。動きもいいしな。ただ、やっぱりゲームが切れないとスピードが落ちていったよな」
「バレバレですね。1年ほど本格的なスポーツをしていなかったから、やっぱちょっと落ちてますね……もし次があれば、今度は負けないようにしておきます」
「ああ。楽しみにしてるよ」
ふと、周りを見ると、向かいの半面コートと横のコートの人たちも観戦していたらしく、それぞれ練習に戻っていくところだった。さっきのペギーたちの試合もだけど、もしかして、このコート、注目集めてる? 点数とショットクロック のディスプレーにドローンまで飛ばしてるしな。
「リユ、来て」
美那に肩を叩かれる。
「もう、すぐ、次の試合だから。ユニフォームも変えなきゃいけないし」
4人が集まったところで、作戦会議だ。
「結果は残念だったけど、フォーメーションの方は手応えがあったから、今の試合はそれでよしとしましょう。で、次のスクリプツは予定通り、ハーフタイムの前まではフォーメーションで戦って、後半はフォーメーションのフリをして、個性を出したプレーをする。それでいい?」
「なんか、楽しみになってきたな」とオツ。「最初はフォーメーションの戦い方が心地よかったんだけど、だんだん暴れたくなってきた」
「なんか、2Pがどれもスゲー惜しい感じでしたよね。そろそろ入り出すんじゃないですか?」と俺。
「そうか? まあ、期待してろ」
「やっぱり体力が厳しかった。でも後半で頻繁に交代するようになったら、だいぶマシになった」とナオ。
「あ、俺も。全然違った」
「わかった。状況次第なところもあるけど、じゃあ、次も前半はプレーが切れたら交代で行こう。さ、時間もないし、着替えてきましょう」
体力温存のためエレベーターで1階に降りる。
無駄口を叩かずに着替えて、またエレベーターで3階のコートに戻る。
スクリプツのメンバーはパソコンを囲んで、話し合いをしている。
そうか、AIで分析した前の試合の結果を見てるんだろうな。
俺たちが戻ってきたことに気が付いたメンバーの一人が走ってきて、オツと美那に話しかける。
「すみません。AI分析の時間が思いの外かかちゃって、あと5分ほどいただいてもよろしいですか?」
「ああ、うちは大丈夫ですよ。ね、先輩?」
「はい。2試合ともKOだったし、時間的には大丈夫でしょう」
「ありがとうございます。ではお言葉に甘えて」
というわけで、少しだけ休み時間が増えた。
「ねえ、リユ」
「え、なに」
「お疲れのところ悪いんだけどさ、ちょっと脚をマッサージしてくれない? なんか攣りそうな予感がしてるんだけど」
「まじか」
「あ、無理だったらいい」
「いや、いいけどさ」
壁際に二人のジャージを敷く。
「どの辺?」
「左のふくらはぎだけど、腿も結構きてる」
「ああ。お前、かなり走ってたもんな」
「やっぱ、大学生は体力が違うよね」
マッサージしてやるのはいいんだけど、やっぱ美那の脚に触るのはちょっと緊張するな。かーちゃんに気軽にマッサージするのと同じというわけにはいかない。
「そんな大したことはできねえぞ。筋伸ばして、揉みほぐすくらい」
「うん。ありがと」
シューズと靴下を脱いで、仰向けに寝そべってもらう。
足の裏を押すようにして、ゆっくりとふくらはぎの筋を伸ばす。
「あー、気持ちいい」と美那。
それから今度は足の裏を指圧。
次に、優しく筋肉を揉みほぐしていく。まずはふくらはぎを横から。
「やっぱ、加奈江さんが言ってた通り、リユ、マッサージ、上手」
「そうか? でもかーちゃんの凝りと、美那の疲労じゃ、ずいぶん違うからな」
美那は目を閉じて、気持ちよさそうにしている。
「じゃあ、次は太もも行くぞ」
「うん」
わ、やべーな。いや、雑念を排除だ。
「あっ」
触れた途端、美那が微妙な声を上げる。
「おい、変な声出すなよ」
「ごめん。ちょっとくすぐったくて」
触り方が逆に慎重にすぎたのかも、しれない。
その次は、うつ伏せになってもらって、ふくらはぎと腿の裏を指や手のひらで押す。
正直、めちゃくちゃいい触り心地。そういう意味でもかーちゃんとは全然違うな……。俺には雑念を排除するなんて無理だー!
「じゃ、こんなとこな」
うつ伏せのまま、美那が顔を上げる。
「ありがとう。めちゃ、気持ちよかった。疲れも取れた」
「ああ。あとはちゃんと水分も取っておけよ」
「うん」
美那は起き上がって、足の感触を確かめてから、シューズを履く。お揃いのナイキの白いカイリー・モデル。
視線が合うと、美那が柔らかく笑む。いつもの美那に戻ってくれたみたいだ。
いや、いつも以上かも……。
「じゃ、次の試合も頼んだよ、カイリーユ」
「ああ」
よーし、特に後半、オツじゃないけど、暴れるぞー!
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
【6/5完結】バンドマンと学園クイーンはいつまでもジレジレしてないでさっさとくっつけばいいと思うよ
星加のん
青春
モブキャラ気取ってるくせにバンドをやってる時は輝いてる楠木君。そんな彼と仲良くなりたいと何かと絡んでくる学園一の美少女羽深さんは、知れば知るほど残念感が漂う女の子。楠木君は羽深さんのことが大好きなのにそこはプロのDT力のなせるワザ。二人の仲をそうそう簡単には進展させてくれません。チョロいくせに卑屈で自信のないプロのDT楠木君と、スクールカーストのトップに君臨するクイーンなのにどこか残念感漂う羽深さん。そんな二人のじれったい恋路を描く青春ラブコメ、ここに爆誕!?
FRIENDS
緒方宗谷
青春
身体障がい者の女子高生 成瀬菜緒が、命を燃やし、一生懸命に生きて、青春を手にするまでの物語。
書籍化を目指しています。(出版申請の制度を利用して)
初版の印税は全て、障がい者を支援するNPO法人に寄付します。
スコアも廃止にならない限り最終話公開日までの分を寄付しますので、
ぜひお気に入り登録をして読んでください。
90万文字を超える長編なので、気長にお付き合いください。
よろしくお願いします。
※この物語はフィクションです。
実在の人物、団体、イベント、地域などとは一切関係ありません。
天狐様のお袋の味
立花立花
青春
二ヶ月前父親を亡くしたばかりの天涯孤独の男子中学生、社新汰(やしろあらた)。そんな新汰の前に狐の耳と四つの尻尾が生えた女神天狐(てんこ)が突如現れる。
新汰が驚く間もなく天狐は新汰の料理が不味いと怒る。「あんな食事じゃいかん!!!」と天狐は新汰に料理を教えることに。
驚愕する新汰よそに女神天狐様との笑いあり感動あり美味しい料理ありの賑やかな共同生活が始まる!
佐城沙知はまだ恋を知らない
タトバリンクス
青春
島田頼那は同じクラスの女子である佐城沙知に一目惚れした。
ある日、頼那は偶然沙知と話すきっかけを得るが、彼女はどこか変わった女子だった。
沙知は頼那が自分に好意があることを知ると、好奇心旺盛な彼女は頼那にある提案をした。
『あたしに恋を教えて!!』
沙知は自分が恋心を知るために頼那と恋人同士になることに。
これは二人の恋を知る物語。
こちらの小説は『小説家になろう』『カクヨム』でも掲載中。
都合のいい女は卒業です。
火野村志紀
恋愛
伯爵令嬢サラサは、王太子ライオットと婚約していた。
しかしライオットが神官の娘であるオフィーリアと恋に落ちたことで、事態は急転する。
治癒魔法の使い手で聖女と呼ばれるオフィーリアと、魔力を一切持たない『非保持者』のサラサ。
どちらが王家に必要とされているかは明白だった。
「すまない。オフィーリアに正妃の座を譲ってくれないだろうか」
だから、そう言われてもサラサは大人しく引き下がることにした。
しかし「君は側妃にでもなればいい」と言われた瞬間、何かがプツンと切れる音がした。
この男には今まで散々苦労をかけられてきたし、屈辱も味わってきた。
それでも必死に尽くしてきたのに、どうしてこんな仕打ちを受けなければならないのか。
だからサラサは満面の笑みを浮かべながら、はっきりと告げた。
「ご遠慮しますわ、ライオット殿下」
ヤンデレの妹がマジで俺に懐きすぎてだるい。
クロエ マトエ
青春
俺の名前は 高城アユ これでも男だ。
親父の、高城産業2代目社長高城幸久は65歳で亡くなった。そして俺高城アユがその後を
継ぎ親父の遺産を全て貰う!!
金額で言うなら1500億くらいか。
全部俺の物になるはずだった……。
だけど、親父は金以外のモノも残していった
それは妹だ
最悪な事に見た事無い妹が居た。
更に最悪なのが
妹は極度のヤンデレだ。
そんな、ヤンデレな妹と生活をしなくちゃ
いけない俺の愚痴を聞いてくれ!!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる