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第2章
2-22 ヤナギに見られた!
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学校の近くの本屋さんには在庫がなかったので、何軒か電話で問い合わせて、上大岡の本屋さんまで行くことになった。
で、またまたスタバで、カウンター席に並んで、3x3の本を顔を寄せてふたりで見る。これ、うしろから見たら、どう見ても仲良しでしょ。まあ、仲良しか……。
ただ、さっきは木村主将を振り切るために、戦術を研究しようと言ったものの、俺には見てもよくわからん!
だいたい用語からして、ちんぷんかんぷんだ。
そういえば、松本の時も、中高バスケ部のナカノさんは綾ちゃんの作戦をすぐに理解できたけど、俺は丁寧に説明してもらっても、なんとなく理解できただけだった。ま、それなりに動くことはできたみたいけど。
「いちから全部説明しなきゃダメかぁー。それじゃ、時間がかかりすぎだね。リユは実戦で覚えるタイプみたいから、練習で説明した方が早そう。たぶん、ナオさんも同じ感じだろうな。ということは、バスケ経験者のオツさんとわたしでピックアップした方が効率が良さそうだね」
「そうだな。そうしてくれ。選んだやつだけ、きっちり理解する。俺は頭で覚えただけじゃ、実戦じゃ絶対動けない」
「そもそもリユは自由に動いてなんぼのスタイルだもんね」
「でも、松本じゃ、一応、作戦としては成立してた」
「リユってスクリーンとかも知らなそうだし」
「ネットの検索で用語としては一応知ってる。でも意味するところはイマイチ……」
「だろうね。ところが、普通にできちゃっているところがスゴい」
「そうなのか?」
「うん。あ、だけどね、今だから言うけど、実はサニーサイドとの練習試合では、ファールの取り方がすごく甘かったんだよ。知ってた?」
「いや、知らない」
「リユはステップがうまいけど、トラベリングがけっこうギリな感じなところがあるんだよね。ピボットってわかる?」
「ああ、それならバイクでも使われる用語だからなんとなくな。回転軸とその受け皿みたいなものだろ?」
「そう。例えばパスなら。動きながらボールを受け取った瞬間に着いた足なら0歩で、1、2歩までがセーフ。3歩目はトラベリング。ちょっと前までは0歩目という概念がなくて、去年の4月から導入されたの。リユには圧倒的に有利なルール改正なんだよ。で、2歩目の足を軸足にして、体の向きを変えたりするのにもう片方の足は動かしていいでしょ?」
「ああ」
「ただ、リユはこの間の練習試合で思ったけど、軸足が微妙に横にずれていることがあって、厳密にはトラベリングを取られてもおかしくなかったの。たぶんあの時はまだナイキを履いての体育館は2度目で、コンクリートよりもグリップが高いのに慣れていなかったから、ほとんどズレないで済んでた、って気がする。そのグリップ感に慣れてきたら危ないかも。実はさっきもそれを感じてた。言おうと思ったけど、木村先輩の登場で忘れてた」
「そうなのか」
「今度の練習試合は審判資格を持った人がレフリーをしてくれるらしいし、ゼロステップにしても、審判によって判断は微妙に違うらしいけど、前よりも厳しいと思うよ。でも大会に向けて、いい訓練にはなるよね」
「そうか、ちょっと練習の時も注意しておこう」
「ま、リユの場合はあんまり気にしすぎない方がいいと思うけどね。でも頭の片隅にでも置いておいて」
「わかった」
「それと、今度の練習試合はうちも含めた3チームでやるの。ミニ大会みたいな感じね」
「どのくらいのレベルなんだ?」
「サニーサイドの3試合目と同じくらいみたいよ」
「マジか。まあでも俺たちもあれからレベルアップしてるはずだしな」
「リユとナオさんはね……」
「まさか、オツはいまだに2ポイントが上手くなってないってことか?」
「まあ全然ってことはないみたいけど、思ったほどには、って感じらしい」
「あいつ、意識しすぎだろ」
「誰もがあんたみたく無意識でプレーできるわけじゃないんだからね。てか、リユが特殊なんだから」
その時だった。後ろから妙な気配がしてきたと思ったら、肩を叩かれた。
「よう、おふたりさん!」
「ヤナギ⁈」と、美那が声を上げる。
「や、やなぎもと……」
「なんだ、なんだぁ。なんか、通りかかったら、夏休み中だっていうのに、うちの制服のカップルが仲が良さそうにしてやがる! とか思ったら、なんと、お前らとはな」
「柳本、違うんだって。今日、学校に用事があって、たまたま部活で来てた山下と会ってさ、こいつが本を探してたから、一緒に付き合ってやっただけ」
「そうかぁ? それにしては、なんか雰囲気がな……」
「ほんと、ヤナギ、変な誤解しないでよ」
美那はちょっと怒ったような口調で言う。そのわりには顔を赤くしてやがる。
「そういや、山下、お前、この間も森本のこと、聞いてきたじゃん。怪しいなぁ。そうだ、前期末試験も15番と16番と連番じゃん。まさかあれがきっかけで付き合い始めたとか?」
「お前、馬鹿か? この山下が、俺ごときと付き合うわけねえだろ? 幼馴染だし、たまにこういうことがあると、昔のよしみってやつで、子供の頃をみたいな感覚になるだけだよ」
「ま、そうだろうな。まさか、山下がな……いくらたまたまいい成績だったからって、森本と付き合うわけねえか。ところでなに、それ、3x3の本じゃん」
「あ、これね……。実はわたし、ときどき外で3x3の練習をしてるの。それでちょっと勉強しようと思ってさ」
「そうなのか。そういや、女子が山下の動きが全然変わってて、びっくりしたって言ってたな。へぇ。それにしても、お前、バスケが好きだよな」
「ヤナギも、もうちょっと真面目にやんなよ。全然、上手くなってないじゃん」
「だよな。この間の体育でも森本の方が点を取ってたもんな。そういや、森本もなんか、前より上手くなったんじゃね?」
やべえな。あん時はまだ始めたばっかりだったからいいけど、今なら柳本にもバレバレだな。まあもう木村主将には知られちゃったけど、柳本は絶対に騒ぐタイプだからな。
しかもこいつはゴシップ好きだから、下手に俺と美那の関係を誤解されたら、学校中で話しまくるに決まってる。でもどうやら誤解されずに済んだみたいだ。
「いや、気のせいだろ。なんで何にもやってねえのに、上手くなるんだよ。それより、柳本、お前、こいつに小説のこと、話しやがっただろ?」
「あ、え、それは……つい口がすべって。でも具体的なことは言わなかったんだぞ」
「小説を書いてる、ってバラしただけで十分すぎるだろ。こっそり書いてたのに、メチャ恥ずかしかったじゃんか!」
「それに関しては、悪かった。許してくれ」
「ま、いいけどよ」
「ヤナギはなんの用事? 今日は男子は練習なかったじゃない。だから私服なんだろうけど」
「俺? 俺はちょっと、そこの家電量販店に……」
「あれか、タブレットか?」
と、俺が聞く。
前に話した時も、漫画描くのにタブレットが欲しいー、ってうるさかったもんな。
「ま、まあな。新製品が出てさ、まだ買えないけど、一応、チェックだけ」
「お前も一緒にお茶していけば?」
「いや、俺はいいや。じゃ、末長くお幸せに!」
柳本は意味不明のことを口にして、くるっと向きを変えると、手を上げて、軽い足取りで去っていった。
「しかし、今日は、ふたりもバスケ部に見られちゃったな。しかも対照的なふたり。木村総主将とやる気なしの柳本」
「体育館は誰かしらに見られるかもしれないと思ってたけど、まさかスタバでヤナギに見られちゃうとは、ね……。話しかけてくれてよかった。アイツ、変なこと、言いふらしそうだし」
「だよな。『俺さ、上大岡のスタバで、あの山下美那が、森本とデートしてたの見ちゃった。前から怪しいと思ってたけど、まさかマジで付き合ってるとはなぁ』とか、いいそうだもんな」
「まあ、わたしは言われても平気だけど」
「そうなのか? 嫌だろ、俺と付き合ってるとか言われたら」
「別に。むしろ困るのはリユの方なんじゃないの? 真由ちゃんに嫌われちゃうかもよ」
「いや、それはないんじゃね? まあ嫌われてるとは思わないけど、特段、好かれてるってわけじゃないし」
「あ、そうか。わたしみたいなイケてる女子と付き合ってるとか噂が流れた方が、真由ちゃんだってライバル心を出して、積極的に来ちゃうかもよー?」
「いや、普通に聞き流すだろ……」
「リユはどうなのよ? もし、わたしと付き合ってるって噂が立ったら」
「俺は……俺は、誇らしく思うんじゃないかな? だって、相手がお前だぜ。天下の山下美那。まあ、男子から総スカンを食うだろうけどな」
「ふぅーん。誇りに思ってくれるんだ」
「そりゃそうだろ。お前も自覚してるみたいけど、かなり可愛いし美人だし、スタイルもいいし、勉強もスポーツもできるし、性格もいいし、そりゃ、彼女にしたいだろ」
「そのわりには、身近にいるリユ君は全然、来ないじゃん」
「いや、俺たちはだって、そういう関係じゃねえだろ? 親友? 俺は最近、お前のことを一生の親友だって感じてるんだけど……」
「そうなんだ。へぇー」
美那の目が泳いでいる。
「なんか、あんまり、嬉しくなさそうだな」
「そんなこともないけど。ありがと」
「やっぱ、なんか、不満そう」
「そんなことないよ。うれしい」
やっぱり、美那はあまり嬉しそうには見えない。だからといって、嫌とかいう感じでもないけど。
何かが燻ってる感じ?
で、またまたスタバで、カウンター席に並んで、3x3の本を顔を寄せてふたりで見る。これ、うしろから見たら、どう見ても仲良しでしょ。まあ、仲良しか……。
ただ、さっきは木村主将を振り切るために、戦術を研究しようと言ったものの、俺には見てもよくわからん!
だいたい用語からして、ちんぷんかんぷんだ。
そういえば、松本の時も、中高バスケ部のナカノさんは綾ちゃんの作戦をすぐに理解できたけど、俺は丁寧に説明してもらっても、なんとなく理解できただけだった。ま、それなりに動くことはできたみたいけど。
「いちから全部説明しなきゃダメかぁー。それじゃ、時間がかかりすぎだね。リユは実戦で覚えるタイプみたいから、練習で説明した方が早そう。たぶん、ナオさんも同じ感じだろうな。ということは、バスケ経験者のオツさんとわたしでピックアップした方が効率が良さそうだね」
「そうだな。そうしてくれ。選んだやつだけ、きっちり理解する。俺は頭で覚えただけじゃ、実戦じゃ絶対動けない」
「そもそもリユは自由に動いてなんぼのスタイルだもんね」
「でも、松本じゃ、一応、作戦としては成立してた」
「リユってスクリーンとかも知らなそうだし」
「ネットの検索で用語としては一応知ってる。でも意味するところはイマイチ……」
「だろうね。ところが、普通にできちゃっているところがスゴい」
「そうなのか?」
「うん。あ、だけどね、今だから言うけど、実はサニーサイドとの練習試合では、ファールの取り方がすごく甘かったんだよ。知ってた?」
「いや、知らない」
「リユはステップがうまいけど、トラベリングがけっこうギリな感じなところがあるんだよね。ピボットってわかる?」
「ああ、それならバイクでも使われる用語だからなんとなくな。回転軸とその受け皿みたいなものだろ?」
「そう。例えばパスなら。動きながらボールを受け取った瞬間に着いた足なら0歩で、1、2歩までがセーフ。3歩目はトラベリング。ちょっと前までは0歩目という概念がなくて、去年の4月から導入されたの。リユには圧倒的に有利なルール改正なんだよ。で、2歩目の足を軸足にして、体の向きを変えたりするのにもう片方の足は動かしていいでしょ?」
「ああ」
「ただ、リユはこの間の練習試合で思ったけど、軸足が微妙に横にずれていることがあって、厳密にはトラベリングを取られてもおかしくなかったの。たぶんあの時はまだナイキを履いての体育館は2度目で、コンクリートよりもグリップが高いのに慣れていなかったから、ほとんどズレないで済んでた、って気がする。そのグリップ感に慣れてきたら危ないかも。実はさっきもそれを感じてた。言おうと思ったけど、木村先輩の登場で忘れてた」
「そうなのか」
「今度の練習試合は審判資格を持った人がレフリーをしてくれるらしいし、ゼロステップにしても、審判によって判断は微妙に違うらしいけど、前よりも厳しいと思うよ。でも大会に向けて、いい訓練にはなるよね」
「そうか、ちょっと練習の時も注意しておこう」
「ま、リユの場合はあんまり気にしすぎない方がいいと思うけどね。でも頭の片隅にでも置いておいて」
「わかった」
「それと、今度の練習試合はうちも含めた3チームでやるの。ミニ大会みたいな感じね」
「どのくらいのレベルなんだ?」
「サニーサイドの3試合目と同じくらいみたいよ」
「マジか。まあでも俺たちもあれからレベルアップしてるはずだしな」
「リユとナオさんはね……」
「まさか、オツはいまだに2ポイントが上手くなってないってことか?」
「まあ全然ってことはないみたいけど、思ったほどには、って感じらしい」
「あいつ、意識しすぎだろ」
「誰もがあんたみたく無意識でプレーできるわけじゃないんだからね。てか、リユが特殊なんだから」
その時だった。後ろから妙な気配がしてきたと思ったら、肩を叩かれた。
「よう、おふたりさん!」
「ヤナギ⁈」と、美那が声を上げる。
「や、やなぎもと……」
「なんだ、なんだぁ。なんか、通りかかったら、夏休み中だっていうのに、うちの制服のカップルが仲が良さそうにしてやがる! とか思ったら、なんと、お前らとはな」
「柳本、違うんだって。今日、学校に用事があって、たまたま部活で来てた山下と会ってさ、こいつが本を探してたから、一緒に付き合ってやっただけ」
「そうかぁ? それにしては、なんか雰囲気がな……」
「ほんと、ヤナギ、変な誤解しないでよ」
美那はちょっと怒ったような口調で言う。そのわりには顔を赤くしてやがる。
「そういや、山下、お前、この間も森本のこと、聞いてきたじゃん。怪しいなぁ。そうだ、前期末試験も15番と16番と連番じゃん。まさかあれがきっかけで付き合い始めたとか?」
「お前、馬鹿か? この山下が、俺ごときと付き合うわけねえだろ? 幼馴染だし、たまにこういうことがあると、昔のよしみってやつで、子供の頃をみたいな感覚になるだけだよ」
「ま、そうだろうな。まさか、山下がな……いくらたまたまいい成績だったからって、森本と付き合うわけねえか。ところでなに、それ、3x3の本じゃん」
「あ、これね……。実はわたし、ときどき外で3x3の練習をしてるの。それでちょっと勉強しようと思ってさ」
「そうなのか。そういや、女子が山下の動きが全然変わってて、びっくりしたって言ってたな。へぇ。それにしても、お前、バスケが好きだよな」
「ヤナギも、もうちょっと真面目にやんなよ。全然、上手くなってないじゃん」
「だよな。この間の体育でも森本の方が点を取ってたもんな。そういや、森本もなんか、前より上手くなったんじゃね?」
やべえな。あん時はまだ始めたばっかりだったからいいけど、今なら柳本にもバレバレだな。まあもう木村主将には知られちゃったけど、柳本は絶対に騒ぐタイプだからな。
しかもこいつはゴシップ好きだから、下手に俺と美那の関係を誤解されたら、学校中で話しまくるに決まってる。でもどうやら誤解されずに済んだみたいだ。
「いや、気のせいだろ。なんで何にもやってねえのに、上手くなるんだよ。それより、柳本、お前、こいつに小説のこと、話しやがっただろ?」
「あ、え、それは……つい口がすべって。でも具体的なことは言わなかったんだぞ」
「小説を書いてる、ってバラしただけで十分すぎるだろ。こっそり書いてたのに、メチャ恥ずかしかったじゃんか!」
「それに関しては、悪かった。許してくれ」
「ま、いいけどよ」
「ヤナギはなんの用事? 今日は男子は練習なかったじゃない。だから私服なんだろうけど」
「俺? 俺はちょっと、そこの家電量販店に……」
「あれか、タブレットか?」
と、俺が聞く。
前に話した時も、漫画描くのにタブレットが欲しいー、ってうるさかったもんな。
「ま、まあな。新製品が出てさ、まだ買えないけど、一応、チェックだけ」
「お前も一緒にお茶していけば?」
「いや、俺はいいや。じゃ、末長くお幸せに!」
柳本は意味不明のことを口にして、くるっと向きを変えると、手を上げて、軽い足取りで去っていった。
「しかし、今日は、ふたりもバスケ部に見られちゃったな。しかも対照的なふたり。木村総主将とやる気なしの柳本」
「体育館は誰かしらに見られるかもしれないと思ってたけど、まさかスタバでヤナギに見られちゃうとは、ね……。話しかけてくれてよかった。アイツ、変なこと、言いふらしそうだし」
「だよな。『俺さ、上大岡のスタバで、あの山下美那が、森本とデートしてたの見ちゃった。前から怪しいと思ってたけど、まさかマジで付き合ってるとはなぁ』とか、いいそうだもんな」
「まあ、わたしは言われても平気だけど」
「そうなのか? 嫌だろ、俺と付き合ってるとか言われたら」
「別に。むしろ困るのはリユの方なんじゃないの? 真由ちゃんに嫌われちゃうかもよ」
「いや、それはないんじゃね? まあ嫌われてるとは思わないけど、特段、好かれてるってわけじゃないし」
「あ、そうか。わたしみたいなイケてる女子と付き合ってるとか噂が流れた方が、真由ちゃんだってライバル心を出して、積極的に来ちゃうかもよー?」
「いや、普通に聞き流すだろ……」
「リユはどうなのよ? もし、わたしと付き合ってるって噂が立ったら」
「俺は……俺は、誇らしく思うんじゃないかな? だって、相手がお前だぜ。天下の山下美那。まあ、男子から総スカンを食うだろうけどな」
「ふぅーん。誇りに思ってくれるんだ」
「そりゃそうだろ。お前も自覚してるみたいけど、かなり可愛いし美人だし、スタイルもいいし、勉強もスポーツもできるし、性格もいいし、そりゃ、彼女にしたいだろ」
「そのわりには、身近にいるリユ君は全然、来ないじゃん」
「いや、俺たちはだって、そういう関係じゃねえだろ? 親友? 俺は最近、お前のことを一生の親友だって感じてるんだけど……」
「そうなんだ。へぇー」
美那の目が泳いでいる。
「なんか、あんまり、嬉しくなさそうだな」
「そんなこともないけど。ありがと」
「やっぱ、なんか、不満そう」
「そんなことないよ。うれしい」
やっぱり、美那はあまり嬉しそうには見えない。だからといって、嫌とかいう感じでもないけど。
何かが燻ってる感じ?
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