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第1章
1-4 バイクとバスケ
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「なんだよ、こえーな、その笑顔」
「ふふ。いいこと思いついちゃった」
こういうときの美那は、考えていることをまったく予測できない。悪い予感しかしない。
「断る」
「まだ、なにも言ってないじゃん」
「どうせ、ろくでもないことを考えてるに決まってる」
「そんなことないと思うけど」
今度は露骨に落ち込んだ顔を見せやがる。このままだと涙さえ流しそうだ。でも、どうせ嘘泣きだ……だけど、学校では相変わらず快活だし、いまもこうして笑ってはいるけど、親の離婚に、初カレからの玩弄物扱い。二重超落込要素での美那の落ち込みはちょっと心配になる。
「わかったよ。言ってみろよ」
美那は真面目な目で俺を見た。
「あのさ、お願いなんだけど、そうね、もしタカシ兄ちゃんのカワサキがうまく手に入ったらでもいいや。そしたらさ、わたしと一緒にバスケの大会に出てくれない?」
「え、なに言ってんの? 俺、バスケは素人だし」
「でも結構うまいよね。体育でやったときとか、球技大会とか」
「まあ素人としてはな。でも、バスケ部の、しかも中心選手のおまえとか、ぜんぜんレベルちがうし。それに男と女じゃ、別々の試合だろう?」
「3x3って知ってる? ストリートバスケでやる3on3みたいなの。3対3でハーフコートでやるやつ」
「ルールとかはよくわかんねえけど、3on3なら知ってる」
「それに一緒に出ようよ。というか、出てくれない?」
「なんで?」
「あいつと対決する」
「あいつって、ストリート・バスケの男?」
「そう。試合でぶちのめしてやりたい」
「まじかよ。だけどそいつ、うまいんだろう? 俺なんかじゃ、無理じゃん」
「あいつがある大会にエントリーするって話を聞いたの。それも本命彼女と一緒に。ミックスっていう男女混合部門があるの」
「へえ。だけど、バスケ部の誰かでいいじゃん。そのほうが全然強いだろ」
「うんうん。ひとりはリユ、あんたじゃなきゃ、ダメ」
「なんでだよ。俺なんか帰宅部だし」
「まだちょっと時間はあるから、シゴいてあげる」
「やだよ。そんなの。それにバイクが買えたら、毎日、乗りたいし。バイトしてツーリングの資金とかも貯めたいし」
「じゃあ、タカシ兄ちゃんと交渉成立次第、朝練ね」
「だからOKしてねえし」
「あ、タカシ兄ちゃんからメールだ」
美那は俺に見せずに、スクロールしている。
「バイクの写真だろ。俺にも見せろよ」
「思いの外、黒いところもあるんだ、へえ」
「なあ、見せてよ」
「試合、出てくれる?」
「まだ買えると決まったわけじゃないし……」
ああ、いかん。ニンジャを人質にとられている気分だ。
「はい、これ」
ああ、ニンジャ400。どこかの高原にツーリングに行った時の写真だ。タンデムシートに荷物が括りつけてある。カワサキの緑が草原の中で映えている。
ああ、だめだ。めちゃ、カッコいい。欲しい。
いやいや、たぶん、予算的に無理だ。地道にカネ貯めて、ニゴー(250㏄)を買おう。
「勤務時間が終わったら直接話したいから、携帯の番号を教えて、だって。いい?」
「ああ、うん」
勤務時間って5時半とか、か。それまで、生殺し状態だな。
「男子バスケ部の木村先輩って知ってるでしょう?」
美那がたかし兄ちゃんに返信しながら、つぶやくように言う。
「ああ。キャプテンだろ?」
「うん」
スマホから顔を上げて、美那が好奇心あふれる瞳で俺を見つめる。こういう目は美那らしくて俺はとても好きだ。
「木村先輩が、1年の時の球技大会でのリユを見て、バスケのセンスがいいって、言ってたよ。リユは身長はそんな高くないけど、動きが素早くて、ディフェンスもいいし、なによりプレーにガッツがあるって。スリーポイントも何本か入れてたしね」
「なんだよ。おまえ見てたのかよ。だけどさ、あれ、バスケ部も出場していいって、ふざけてるよな」
「だからだよ。相手のクラスにふたりもバスケ部がいたのに、けっこう抵抗してたじゃん」
「結果はぼろ負けだったけどな」
「まあね。だけどそのうちひとりは、いまやレギュラーだし。でもだからこそ、リユのプレーに価値があったんじゃん。あんときはリユはまだテニス部だったし、勧誘するつもりまではなかったみたいけど」
「まあ、バスケは嫌いじゃないけどな」
「だよね。いや、マジ、うまいし」
「おだててもダメだ」
「ねえ、お願い! バイクを買えたらでいいからさ」
美那は手を合わせて、真剣な顔でお願いしてきた。なんか妙な必死さを感じた。
そりゃ、俺だって美那が相手に一泡吹かせたい気持ちはわかるし、協力もしたいけど、大学3年でバスケもうまいんだろう? 今から練習して勝てる気がしない。
「だけど、そいつ、バスケうまいんだろう?」
「うん。ウマい。中高バスケ部で、今は大学でストリート・バスケのチームを組んでる」
「身長は?」
「背はリユとそんな変わんない。ちょっと高いかな、78くらい。たぶんリユよりずっと鍛えてる」
「まあ、俺は帰宅部だしな。それでもバイトで結構カラダは使ってんだぞ。ほら」
俺はそう言って、力こぶをつくってみせた。
「あ、ほんとだ」
「じゃあ、もうひとりはどうすんだよ」
「確か、最低4人は必要だから、あとふたりね」
「当てはあるのかよ」
「バスケ部員には事情が事情だけに頼みにくいから、ストリート・バスケの知り合いとかに声をかけてみる」
「だったらまあ、補欠の4人目だったら考えてみてもいいけど……」
「ほんと?」
しまった。つい、うっかり、OKしたみたいなことになっちまった。でも美那がこんな笑顔を見せてくれるなら、ちょっとくらい協力してやるか。それに俺にしたって個人的な恨みがそいつにあることになるからな。いや、そうなのか? まあ、やっかみみたいなものか。
「バイクが手に入ったらな」
「やったー!」
もしかして、美那のやつ、俺たちが出会ったときのこと、覚えてるのかな。ま、俺の小説を読めば、間違いなく思い出すと思うけど。
「あ、タカシ兄ちゃんからメールだ」
「お、俺の方にも来た」
タカシ兄ちゃんって、松山高志って名前なのか。
「松山って母親方の姓だっけ?」
「うん。タカシ兄ちゃんはお母さんのお兄さんの息子」
「そうなんだ」
親の離婚が成立したら、美那は苗字はどうするんだろう? 普通は戸籍の苗字を継続するらしいけど、俺の場合は、俺自身も暴力を受けていて苗字でも縁を切りたかったから、中学に入るタイミングで母親の姓に変えてもらったけど、今の時期だと嫌だろうな。
「『仕事関係のバイク乗りが250を売ろうと思っていることを思い出した』、だって」
「マジか。『すでに先方には伝えてあるので、リユ君からすぐに連絡してみてくれ』だってよ。長谷部有里子? うわ、女の人かよ。ハードル高いな」
「えー、なんで、美人かもよ?」
「なら、ますます緊張する」
美那は、薄く笑いを浮かべる。でも、バカにした感じではない。こういう表情も昔からだ。
「『フリーランスの人だから時間は気にしなくていい』ってさ。〝すぐに〟って書いてあるし、いま電話してみれば?」
「そ、そうだな」
ニンジャ250のためなら、多少のハードルは乗り越えねば。
立ち上がって、外に出ようとすると、なんとなく会話が聞こえていたらしいマスターが「ほかに客もいないし、中で使って構わないよ」と、ある意味、余計な声をかけてくれた。女性と緊張して話をするところを美那に見られたくなかったのに。
美那が催促するようにじっと俺を見ているので、止むを得ずその場で電話をかけた。
「もしもし、モリモトリユウと申します。長谷部さんでしょうか?」
――はい。リユ君? 高校2年生だって?
「あ、はい。初めまして。あの、バイクの件で」
――ああ、うん。松山さんから聞いた。
「ニンジャ250を売ろうと思ってるとか」
――あ、ニンジャじゃなくて、ネイキッドのZ250。新型の400に乗り換えようと思って。もしかしてニンジャじゃないとダメだった?
なにー、Z250だとぉー! 一番欲しいやつじゃん‼︎
「ち、ちがいます。それこそまさに俺、いや僕の欲しかったやつですっ!」
――それならなおさらよかったわ。下取りに出すつもりだったけど、まだギリギリ間に合う。横浜市内なんでしょう? 横浜駅の近くだから、いまから見にくる? 写真を送ってもいいけど、近くだし、実車を見たほうがいいわよね。
「え、いまからですか?」
――明日でもいいけど、今日だったら比較的時間を取れるし、明後日の土曜日にはバイク屋に行こうと思ってたから、できれば今日の方が助かる。
「ちなみに、いくらくらいですか? 手持ちがそれほど多くないので」
――ああ、松山さんからだいたい聞いてる。一度、会ってから決めようよ。
「ああ、はい」
いまからZ250を見に長谷部さんに会いに行くことにして、電話を切った。なんか、ほぼ向こうの言いなりになってしまった気もするが、いい感じの人で安心した。
「なになに、いまから見に行くの?」
美那が興味津々に聞いてくる。
「タカシ兄ちゃんならまだしも、長谷部さんはおまえとは関係ないだろう?」
「一応、わたしの紹介の紹介だし、知らない人に会うの、わたし、好きだし。ああ、女の人に会うのに、わたしは邪魔か」
「そんなんじゃないけど、向こうだって迷惑だろう?」
「じゃあ、近くまで一緒に行くから、向こうがOKしたら、わたしも長谷部さんに挨拶していい?」
そこまで言われたら、同意せざるを得ない。美那も気分転換した方がよさそうだしな。
「ふふ。いいこと思いついちゃった」
こういうときの美那は、考えていることをまったく予測できない。悪い予感しかしない。
「断る」
「まだ、なにも言ってないじゃん」
「どうせ、ろくでもないことを考えてるに決まってる」
「そんなことないと思うけど」
今度は露骨に落ち込んだ顔を見せやがる。このままだと涙さえ流しそうだ。でも、どうせ嘘泣きだ……だけど、学校では相変わらず快活だし、いまもこうして笑ってはいるけど、親の離婚に、初カレからの玩弄物扱い。二重超落込要素での美那の落ち込みはちょっと心配になる。
「わかったよ。言ってみろよ」
美那は真面目な目で俺を見た。
「あのさ、お願いなんだけど、そうね、もしタカシ兄ちゃんのカワサキがうまく手に入ったらでもいいや。そしたらさ、わたしと一緒にバスケの大会に出てくれない?」
「え、なに言ってんの? 俺、バスケは素人だし」
「でも結構うまいよね。体育でやったときとか、球技大会とか」
「まあ素人としてはな。でも、バスケ部の、しかも中心選手のおまえとか、ぜんぜんレベルちがうし。それに男と女じゃ、別々の試合だろう?」
「3x3って知ってる? ストリートバスケでやる3on3みたいなの。3対3でハーフコートでやるやつ」
「ルールとかはよくわかんねえけど、3on3なら知ってる」
「それに一緒に出ようよ。というか、出てくれない?」
「なんで?」
「あいつと対決する」
「あいつって、ストリート・バスケの男?」
「そう。試合でぶちのめしてやりたい」
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「あいつがある大会にエントリーするって話を聞いたの。それも本命彼女と一緒に。ミックスっていう男女混合部門があるの」
「へえ。だけど、バスケ部の誰かでいいじゃん。そのほうが全然強いだろ」
「うんうん。ひとりはリユ、あんたじゃなきゃ、ダメ」
「なんでだよ。俺なんか帰宅部だし」
「まだちょっと時間はあるから、シゴいてあげる」
「やだよ。そんなの。それにバイクが買えたら、毎日、乗りたいし。バイトしてツーリングの資金とかも貯めたいし」
「じゃあ、タカシ兄ちゃんと交渉成立次第、朝練ね」
「だからOKしてねえし」
「あ、タカシ兄ちゃんからメールだ」
美那は俺に見せずに、スクロールしている。
「バイクの写真だろ。俺にも見せろよ」
「思いの外、黒いところもあるんだ、へえ」
「なあ、見せてよ」
「試合、出てくれる?」
「まだ買えると決まったわけじゃないし……」
ああ、いかん。ニンジャを人質にとられている気分だ。
「はい、これ」
ああ、ニンジャ400。どこかの高原にツーリングに行った時の写真だ。タンデムシートに荷物が括りつけてある。カワサキの緑が草原の中で映えている。
ああ、だめだ。めちゃ、カッコいい。欲しい。
いやいや、たぶん、予算的に無理だ。地道にカネ貯めて、ニゴー(250㏄)を買おう。
「勤務時間が終わったら直接話したいから、携帯の番号を教えて、だって。いい?」
「ああ、うん」
勤務時間って5時半とか、か。それまで、生殺し状態だな。
「男子バスケ部の木村先輩って知ってるでしょう?」
美那がたかし兄ちゃんに返信しながら、つぶやくように言う。
「ああ。キャプテンだろ?」
「うん」
スマホから顔を上げて、美那が好奇心あふれる瞳で俺を見つめる。こういう目は美那らしくて俺はとても好きだ。
「木村先輩が、1年の時の球技大会でのリユを見て、バスケのセンスがいいって、言ってたよ。リユは身長はそんな高くないけど、動きが素早くて、ディフェンスもいいし、なによりプレーにガッツがあるって。スリーポイントも何本か入れてたしね」
「なんだよ。おまえ見てたのかよ。だけどさ、あれ、バスケ部も出場していいって、ふざけてるよな」
「だからだよ。相手のクラスにふたりもバスケ部がいたのに、けっこう抵抗してたじゃん」
「結果はぼろ負けだったけどな」
「まあね。だけどそのうちひとりは、いまやレギュラーだし。でもだからこそ、リユのプレーに価値があったんじゃん。あんときはリユはまだテニス部だったし、勧誘するつもりまではなかったみたいけど」
「まあ、バスケは嫌いじゃないけどな」
「だよね。いや、マジ、うまいし」
「おだててもダメだ」
「ねえ、お願い! バイクを買えたらでいいからさ」
美那は手を合わせて、真剣な顔でお願いしてきた。なんか妙な必死さを感じた。
そりゃ、俺だって美那が相手に一泡吹かせたい気持ちはわかるし、協力もしたいけど、大学3年でバスケもうまいんだろう? 今から練習して勝てる気がしない。
「だけど、そいつ、バスケうまいんだろう?」
「うん。ウマい。中高バスケ部で、今は大学でストリート・バスケのチームを組んでる」
「身長は?」
「背はリユとそんな変わんない。ちょっと高いかな、78くらい。たぶんリユよりずっと鍛えてる」
「まあ、俺は帰宅部だしな。それでもバイトで結構カラダは使ってんだぞ。ほら」
俺はそう言って、力こぶをつくってみせた。
「あ、ほんとだ」
「じゃあ、もうひとりはどうすんだよ」
「確か、最低4人は必要だから、あとふたりね」
「当てはあるのかよ」
「バスケ部員には事情が事情だけに頼みにくいから、ストリート・バスケの知り合いとかに声をかけてみる」
「だったらまあ、補欠の4人目だったら考えてみてもいいけど……」
「ほんと?」
しまった。つい、うっかり、OKしたみたいなことになっちまった。でも美那がこんな笑顔を見せてくれるなら、ちょっとくらい協力してやるか。それに俺にしたって個人的な恨みがそいつにあることになるからな。いや、そうなのか? まあ、やっかみみたいなものか。
「バイクが手に入ったらな」
「やったー!」
もしかして、美那のやつ、俺たちが出会ったときのこと、覚えてるのかな。ま、俺の小説を読めば、間違いなく思い出すと思うけど。
「あ、タカシ兄ちゃんからメールだ」
「お、俺の方にも来た」
タカシ兄ちゃんって、松山高志って名前なのか。
「松山って母親方の姓だっけ?」
「うん。タカシ兄ちゃんはお母さんのお兄さんの息子」
「そうなんだ」
親の離婚が成立したら、美那は苗字はどうするんだろう? 普通は戸籍の苗字を継続するらしいけど、俺の場合は、俺自身も暴力を受けていて苗字でも縁を切りたかったから、中学に入るタイミングで母親の姓に変えてもらったけど、今の時期だと嫌だろうな。
「『仕事関係のバイク乗りが250を売ろうと思っていることを思い出した』、だって」
「マジか。『すでに先方には伝えてあるので、リユ君からすぐに連絡してみてくれ』だってよ。長谷部有里子? うわ、女の人かよ。ハードル高いな」
「えー、なんで、美人かもよ?」
「なら、ますます緊張する」
美那は、薄く笑いを浮かべる。でも、バカにした感じではない。こういう表情も昔からだ。
「『フリーランスの人だから時間は気にしなくていい』ってさ。〝すぐに〟って書いてあるし、いま電話してみれば?」
「そ、そうだな」
ニンジャ250のためなら、多少のハードルは乗り越えねば。
立ち上がって、外に出ようとすると、なんとなく会話が聞こえていたらしいマスターが「ほかに客もいないし、中で使って構わないよ」と、ある意味、余計な声をかけてくれた。女性と緊張して話をするところを美那に見られたくなかったのに。
美那が催促するようにじっと俺を見ているので、止むを得ずその場で電話をかけた。
「もしもし、モリモトリユウと申します。長谷部さんでしょうか?」
――はい。リユ君? 高校2年生だって?
「あ、はい。初めまして。あの、バイクの件で」
――ああ、うん。松山さんから聞いた。
「ニンジャ250を売ろうと思ってるとか」
――あ、ニンジャじゃなくて、ネイキッドのZ250。新型の400に乗り換えようと思って。もしかしてニンジャじゃないとダメだった?
なにー、Z250だとぉー! 一番欲しいやつじゃん‼︎
「ち、ちがいます。それこそまさに俺、いや僕の欲しかったやつですっ!」
――それならなおさらよかったわ。下取りに出すつもりだったけど、まだギリギリ間に合う。横浜市内なんでしょう? 横浜駅の近くだから、いまから見にくる? 写真を送ってもいいけど、近くだし、実車を見たほうがいいわよね。
「え、いまからですか?」
――明日でもいいけど、今日だったら比較的時間を取れるし、明後日の土曜日にはバイク屋に行こうと思ってたから、できれば今日の方が助かる。
「ちなみに、いくらくらいですか? 手持ちがそれほど多くないので」
――ああ、松山さんからだいたい聞いてる。一度、会ってから決めようよ。
「ああ、はい」
いまからZ250を見に長谷部さんに会いに行くことにして、電話を切った。なんか、ほぼ向こうの言いなりになってしまった気もするが、いい感じの人で安心した。
「なになに、いまから見に行くの?」
美那が興味津々に聞いてくる。
「タカシ兄ちゃんならまだしも、長谷部さんはおまえとは関係ないだろう?」
「一応、わたしの紹介の紹介だし、知らない人に会うの、わたし、好きだし。ああ、女の人に会うのに、わたしは邪魔か」
「そんなんじゃないけど、向こうだって迷惑だろう?」
「じゃあ、近くまで一緒に行くから、向こうがOKしたら、わたしも長谷部さんに挨拶していい?」
そこまで言われたら、同意せざるを得ない。美那も気分転換した方がよさそうだしな。
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