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第15話
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「――そ、それでどうなったんだ!?」
思わず椅子から腰を浮かしかける。
そんなおれをちらりと見やったアシュリーは、悲痛な表情のままぽつりと呟いた。
「――失神した」
「は?」
ぽかんと口をあけて、向かいに座るアシュリーを見つめる。
だが、どうやら冗談で言っているわけではないらしい。
「失神したって……え、キリが?」
「いや、私が失神した」
「え、えーっと……? 失神したっていうのは言葉通りの意味か?」
「ああ。キリが詰め寄ってきた瞬間……情けないことに、そのまま嘔吐してな」
「えっ」
「そのまま意識を失ったよ。後から診てもらった医者に聞いたところ、アルファやオメガには稀にある症状らしいな。心の中では嫌悪感や忌避感を抱いているのに、本能がどうしても相手を求めてしまう時……自分の意思と身体の反応があまりにも乖離する時、こういった防衛反応を起こすらしい」
「そ、そうなのか……」
そんな症状があるなんて、知らなかった。
やっぱりアルファやオメガって大変なんだな……
「だが、あのタイミングでそういった症状が起きたのは幸いなことだったな。失神した私を見たキリが大騒ぎをしたおかげで、ミルトが駆けつけてくれたんだ。彼はすぐにキリを別室に連れていって、私を介抱してくれた」
「……そうか。それで、キリとはその後……?」
おそるおそる尋ねる。
そこで、アシュリーは苦々しい笑みを浮かべた。
「ああ、別れたよ。オッドブル商会も辞職してもらった。彼がヒート中だったから、別れ話も退職についても書面でやりとりをすることになったが……どうやら『運命の番』であるはずの私が、嘔吐と失神をしたのがかなりショックだったらしい。別れ話も辞職の件も、すんなりと受け入れてくれたよ」
「…………」
まったく予想していなかった展開に、おれはアシュリーになんと声をかけていいか分からず押し黙る。
すると、アシュリーがハッとしたような表情になり、慌てたように身を乗り出してきた。
「違うぞ、ユージ!」
「うん?」
「私がここに来たのは、その、キリと別れたからではないからな! ちょうどタイミングが重なっただけで、私はもともとここに来てお前に謝罪をするつもりだったのだ。……その、今さらこんなことを言っても手遅れだろうが……本当にすまなかった、ユージ……」
しゅんと肩を落とすアシュリーを見つめる。
燃え立つような紅の髪は、今や火の落ちた暖炉のような昏い色に変わっている。
おれは肩をすくめて、アシュリーに笑みを向けた。
「分かってるさ、アシュリー。それに、別におれは怒ってたわけじゃなくて、少しお前たちと距離を置きたいと思ってただけなんだ。おれこそ、オッドブル商会が大変な時に……お前が大変な時にそばにいてやれなくて悪かったな」
「ユージ……」
おれの言葉に、アシュリーは安堵の表情を浮かべる。
肩の力を抜いたのが目に見えて分かった。
「……ありがとう、ユージ。正直、お前には許してもらえないと思っていたよ。送った手紙も返事が一度もなかったし……」
「手紙?」
「ああ。お前が故郷に戻ってから、四度、手紙を送っただろう。だが、一度もお前からの返事がなかったから……もう、お前との仲は修復できないものだと諦めていたよ」
「手紙、ねぇ……? んー、悪いがおれのところには一回も届いてないな。もしかすると、配達が遅延してるのかもな」
家族の誰かが勘違いをして、おれ宛の手紙を間違って持ってるのだろうか?
いや、でもそれなら、宛名と差出人を見れば分かるはずだしな……そうなると、やっぱり配達が遅れているのだろう。
両親や弟妹が、おれ宛の手紙を故意に持っていたり、捨てる理由はないだろうし。
「そうなのか……? だが、最初の手紙はひと月も前に送ったものなのだが……」
アシュリーも不思議そうな顔をしている。
しかし、そう言われてもおれだって届いてないものは届いてないのだ。
結局、二人で頭になにか引っかかるものを覚えつつも、この話は置いておくことにした。
その後、アシュリーは自身のトランクから酒瓶を持ってきた。
小さい瓶だが、あのラベルはかなりアルコール度数のきついやつだ。アルファであるアシュリーはいくら呑んでも平然としているが、ベータのおれでは一口飲んだだけで顔が真っ赤になる類のものである。
「手紙の件は謎だが……でも、こうしてお前との友誼が取り戻せたことは何よりだ。謝罪の言葉だけでも伝えたいと思って、この町に来たのだが……本当に、勇気を出してよかったよ」
アシュリーは空になったコップに酒をなみなみと注いだ。
おれは少しためらったものの、ここで酒を断るわけにもいかず、アシュリーと乾杯をした後にコップの中身を煽った。
一口呑んだ瞬間、喉がかっと熱く焼けつくような錯覚を覚える。
「それで、その……ユージは王都にいつ戻ってくるんだ? あくまでも休職という立場だし、もとから戻ってくるつもりはあったんだろう? それとも、私が王都に戻るのと一緒に帰るか?」
こんなアルコールの強い酒を飲んでも、やっぱりアシュリーは顔色一つ変わらない。
だが、なんだかそわそわした様子でおれの顔色を窺ってくる。
アシュリーの質問に、おれは少し考えを巡らせた。
王都でやり残したこと、オッドブル商会での仕事。
そして、この田舎町での暮らしと両親や妹、弟のこと。
おれが黙っていると、沈黙に耐えきれないというように、アシュリーがさらに言葉を続けた。
「無論、ユージがまだ休暇を楽しみ、家族と共にいたいと言うのであれば、思う存分そうしてくれていいんだ。お前はここ何年も故郷に帰っていなかったし、その権利はもちろんある。ただ……その、私の隣には昔からお前がいたから、落ち着かないんだ」
珍しく、心細げな表情でおれを見つめるアシュリーに、心が大きく揺れ動く。
だが――おれの口から出たのは、正反対の言葉だった。
「悪いな、アシュリー。おれはもう王都には戻るつもりはないんだ」
おれの言葉に、今度はアシュリーがぽかんとした表情を浮かべた。
そして、数秒の間を置いた後、アシュリーは勢いよく椅子から立ち上がり、おれに詰め寄った。
「な――なぜだ、ユージ!? やはりお前は、キリと私のことを憎んでるのか!?」
「落ち着けって。さっきも言っただろう? お前とキリのことは関係ないよ」
「それなら……一体なぜなんだ?」
「今回のことで、分かったんだ。お前はおれなんかがいなくても、もう充分にやっていける。だから、おれもこのまま故郷で、親孝行をしようとって思ってな」
「本気で言ってるのか、ユージ?」
信じられないといわんばかり表情のアシュリー。
おれは手を伸ばして、彼の肩をぽんと叩いた。
「もちろん本気だ。これからは故郷で、弟妹におれの技術と知識を学ばせながら研究に励みたいと思うんだ、ああ、もちろん、今後もおれの作った薬の調合方法はオッドブル商会に卸すよ。手紙でやりとりをすることになるのが不安だが……まぁ、そこはうまい方法を考えてくれ」
「ユージ……」
「なに、別に住む場所が変わったからって、友情が壊れるわけじゃないだろ? たまには休養がてら、この町に遊びにきてくれ。見ての通り、何もないところだけどな」
唇を震わせ、暗い顔でおれを見つめるアシュリーに、罪悪感がひしひしと募る。
でも――おれはもう、あんな思いはしたくない。
目の前でアシュリーが『運命の番』に出会う光景なんて、もう二度と見たくないんだ。
思わず椅子から腰を浮かしかける。
そんなおれをちらりと見やったアシュリーは、悲痛な表情のままぽつりと呟いた。
「――失神した」
「は?」
ぽかんと口をあけて、向かいに座るアシュリーを見つめる。
だが、どうやら冗談で言っているわけではないらしい。
「失神したって……え、キリが?」
「いや、私が失神した」
「え、えーっと……? 失神したっていうのは言葉通りの意味か?」
「ああ。キリが詰め寄ってきた瞬間……情けないことに、そのまま嘔吐してな」
「えっ」
「そのまま意識を失ったよ。後から診てもらった医者に聞いたところ、アルファやオメガには稀にある症状らしいな。心の中では嫌悪感や忌避感を抱いているのに、本能がどうしても相手を求めてしまう時……自分の意思と身体の反応があまりにも乖離する時、こういった防衛反応を起こすらしい」
「そ、そうなのか……」
そんな症状があるなんて、知らなかった。
やっぱりアルファやオメガって大変なんだな……
「だが、あのタイミングでそういった症状が起きたのは幸いなことだったな。失神した私を見たキリが大騒ぎをしたおかげで、ミルトが駆けつけてくれたんだ。彼はすぐにキリを別室に連れていって、私を介抱してくれた」
「……そうか。それで、キリとはその後……?」
おそるおそる尋ねる。
そこで、アシュリーは苦々しい笑みを浮かべた。
「ああ、別れたよ。オッドブル商会も辞職してもらった。彼がヒート中だったから、別れ話も退職についても書面でやりとりをすることになったが……どうやら『運命の番』であるはずの私が、嘔吐と失神をしたのがかなりショックだったらしい。別れ話も辞職の件も、すんなりと受け入れてくれたよ」
「…………」
まったく予想していなかった展開に、おれはアシュリーになんと声をかけていいか分からず押し黙る。
すると、アシュリーがハッとしたような表情になり、慌てたように身を乗り出してきた。
「違うぞ、ユージ!」
「うん?」
「私がここに来たのは、その、キリと別れたからではないからな! ちょうどタイミングが重なっただけで、私はもともとここに来てお前に謝罪をするつもりだったのだ。……その、今さらこんなことを言っても手遅れだろうが……本当にすまなかった、ユージ……」
しゅんと肩を落とすアシュリーを見つめる。
燃え立つような紅の髪は、今や火の落ちた暖炉のような昏い色に変わっている。
おれは肩をすくめて、アシュリーに笑みを向けた。
「分かってるさ、アシュリー。それに、別におれは怒ってたわけじゃなくて、少しお前たちと距離を置きたいと思ってただけなんだ。おれこそ、オッドブル商会が大変な時に……お前が大変な時にそばにいてやれなくて悪かったな」
「ユージ……」
おれの言葉に、アシュリーは安堵の表情を浮かべる。
肩の力を抜いたのが目に見えて分かった。
「……ありがとう、ユージ。正直、お前には許してもらえないと思っていたよ。送った手紙も返事が一度もなかったし……」
「手紙?」
「ああ。お前が故郷に戻ってから、四度、手紙を送っただろう。だが、一度もお前からの返事がなかったから……もう、お前との仲は修復できないものだと諦めていたよ」
「手紙、ねぇ……? んー、悪いがおれのところには一回も届いてないな。もしかすると、配達が遅延してるのかもな」
家族の誰かが勘違いをして、おれ宛の手紙を間違って持ってるのだろうか?
いや、でもそれなら、宛名と差出人を見れば分かるはずだしな……そうなると、やっぱり配達が遅れているのだろう。
両親や弟妹が、おれ宛の手紙を故意に持っていたり、捨てる理由はないだろうし。
「そうなのか……? だが、最初の手紙はひと月も前に送ったものなのだが……」
アシュリーも不思議そうな顔をしている。
しかし、そう言われてもおれだって届いてないものは届いてないのだ。
結局、二人で頭になにか引っかかるものを覚えつつも、この話は置いておくことにした。
その後、アシュリーは自身のトランクから酒瓶を持ってきた。
小さい瓶だが、あのラベルはかなりアルコール度数のきついやつだ。アルファであるアシュリーはいくら呑んでも平然としているが、ベータのおれでは一口飲んだだけで顔が真っ赤になる類のものである。
「手紙の件は謎だが……でも、こうしてお前との友誼が取り戻せたことは何よりだ。謝罪の言葉だけでも伝えたいと思って、この町に来たのだが……本当に、勇気を出してよかったよ」
アシュリーは空になったコップに酒をなみなみと注いだ。
おれは少しためらったものの、ここで酒を断るわけにもいかず、アシュリーと乾杯をした後にコップの中身を煽った。
一口呑んだ瞬間、喉がかっと熱く焼けつくような錯覚を覚える。
「それで、その……ユージは王都にいつ戻ってくるんだ? あくまでも休職という立場だし、もとから戻ってくるつもりはあったんだろう? それとも、私が王都に戻るのと一緒に帰るか?」
こんなアルコールの強い酒を飲んでも、やっぱりアシュリーは顔色一つ変わらない。
だが、なんだかそわそわした様子でおれの顔色を窺ってくる。
アシュリーの質問に、おれは少し考えを巡らせた。
王都でやり残したこと、オッドブル商会での仕事。
そして、この田舎町での暮らしと両親や妹、弟のこと。
おれが黙っていると、沈黙に耐えきれないというように、アシュリーがさらに言葉を続けた。
「無論、ユージがまだ休暇を楽しみ、家族と共にいたいと言うのであれば、思う存分そうしてくれていいんだ。お前はここ何年も故郷に帰っていなかったし、その権利はもちろんある。ただ……その、私の隣には昔からお前がいたから、落ち着かないんだ」
珍しく、心細げな表情でおれを見つめるアシュリーに、心が大きく揺れ動く。
だが――おれの口から出たのは、正反対の言葉だった。
「悪いな、アシュリー。おれはもう王都には戻るつもりはないんだ」
おれの言葉に、今度はアシュリーがぽかんとした表情を浮かべた。
そして、数秒の間を置いた後、アシュリーは勢いよく椅子から立ち上がり、おれに詰め寄った。
「な――なぜだ、ユージ!? やはりお前は、キリと私のことを憎んでるのか!?」
「落ち着けって。さっきも言っただろう? お前とキリのことは関係ないよ」
「それなら……一体なぜなんだ?」
「今回のことで、分かったんだ。お前はおれなんかがいなくても、もう充分にやっていける。だから、おれもこのまま故郷で、親孝行をしようとって思ってな」
「本気で言ってるのか、ユージ?」
信じられないといわんばかり表情のアシュリー。
おれは手を伸ばして、彼の肩をぽんと叩いた。
「もちろん本気だ。これからは故郷で、弟妹におれの技術と知識を学ばせながら研究に励みたいと思うんだ、ああ、もちろん、今後もおれの作った薬の調合方法はオッドブル商会に卸すよ。手紙でやりとりをすることになるのが不安だが……まぁ、そこはうまい方法を考えてくれ」
「ユージ……」
「なに、別に住む場所が変わったからって、友情が壊れるわけじゃないだろ? たまには休養がてら、この町に遊びにきてくれ。見ての通り、何もないところだけどな」
唇を震わせ、暗い顔でおれを見つめるアシュリーに、罪悪感がひしひしと募る。
でも――おれはもう、あんな思いはしたくない。
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