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真っ赤
しおりを挟む「ひっ……ふっ、くぅ……!」
室内に、ウェルの涙声が響く。
手を上にあげる格好でベッドに縛り付けられたウェル。紐には余裕を持たせてあるが、それでも自分の胸元までは指先を伸ばすことはできない。ましてや、乳首を掻くことなんざ不可能だ。
そんなウェルの様子を、俺はベッドの傍らに腰掛けて見下ろしている。
「っ、ふーっ、ふーっ! っ、ぁ、ああッ……!」
ウェルは、最初は俺に見られているのを意識し、声を抑えていた。だが、今や息は荒く、乳首は何も触れられていないというのに、ウェルはベッドの上で身体をずりずりとゆすり始めた。だが、仰向けの体勢で縛られているので、いくら身体を動かそうとも、乳首の疼きが慰められることはない。
「ひっ……ぁ、ああァ……っ! やだ、かゆい、かゆいぃっ……!」
疼いている左右の乳首を慰めたくても、触れる事すら叶わない。その疼きに堪えられなくなったウェルが、だんだんと大きく、ぐねぐねと身体をくねらせ始めた。見れば、触ってもらえないみじめな乳首は真っ赤にとがりきり、刺激を求めてびんびんに勃ちあがっている。
「どうした、ウェル? まだ手を縛ってから半刻も経ってないぞ?」
「あっ、ァ、ロストさまぁ……っ、おれ、もうだめです、乳首がかゆくて、じんじんしてっ……!」
ウェルの露わになった身体、みぞおちの辺りを指先でそっと撫でながら囁く。ウェルの肌は筋肉が均整について、しなやかできれいだ。男としては理想の体型だな。前世の世界だったらモデルになれただろう。
だが、そんなウェルは今や自尊心をかなぐり捨てて、硬くなり、真っ赤にとがった乳首を一生懸命に俺に突き出していた。
「もう少し我慢してみろ。これじゃあ治療にならないだろう?」
「そんなっ……ムリ、ムリですっ! もう、これ以上、がまんできないっ……ひゃうっ!」
俺がフッと吐息をウェルの右の乳首にかけてみると、ウェルは電流が奔ったかのように、身体をビクンッ!と跳ねさせ、甲高い悲鳴をあげた。
「っ……ァ、ロストさま……いま、の」
「うん? ほら、触るのはダメだからな。でも、そんなに痒いなら、これぐらいならしてやるよ。これなら患部を触らなくても平気だから、大丈夫だろう」
「え……。っアぁ! や、やだっ、それやめてくださ……ひぅっ!」
頭の中で冷静な部分の俺が「なんて頭の悪い理屈なんだ……」と思っているが、それを無視して、今度はウェルの真っ赤な左の乳首にフッと息をふきかける。とたん、ウェルが再び身体をビクビクと打ち上げられた魚のように跳ねさせた。
「っ、あ、やだ、それ、息かけないでくださっ……ァあッ!」
交互に乳首に息をふきかける度に、ウェルが身体を跳ねさせる。それだけでなく、ウェルは今まで以上に表情をぐしゃぐしゃにゆがませ初め、全身が小刻みにふるふるとふるえ始めた。
我慢できないほどに耐えがたい痒みと、くすぶるような快楽が、もともと大きく育ち始めていた敏感な乳首に与えられているのだ。そこにさらに、ピンポイントでふきかけられる吐息。それは、昂ぶっている乳首の痒みを疼きをさらに昂ぶらせるだけで、決して満足をさせるものではない。
「っ、ロ、ロストさまぁ……!」
結局、ウェルをベッドに縛り付けてから半刻もしないうちに、ウェルは胸だけを持ち上げるような窮屈そうな体勢で、真っ赤な顔で俺に乳首を突き出すことになった。
「お、おねがいです……もう、触って下さい……っ」
「触る、というのは何をだ。もしかして、ココのことか?」
指でそっとウェルの乳輪の部分を触る。決して乳首のとがった箇所には触らないよう、そして、指の腹で触れるか触れないかの程度の位置で触れる。それだけの刺激で、ウェルは「んっ……」と甘い吐息をこぼした。
「は、はい……っ! おれの、おれの……っ、乳首を、触ってほしいんですっ! もう、かゆくて、我慢できないんですっ……!」
ぎゅっと目をつぶり、真っ赤な顔で自分を辱める言葉を告げるウェル。
「けれど、あんまり触ったらウェルのここがさらに大きくなっちゃうかもしれないしなぁ」
「え……」
そんなウェルに対して、俺の告げた無慈悲な言葉に、ウェルは驚愕の表情で目を見開いた。
その表情には「いつもならここまで言えば触ってくれるのに」と書いてあるような気さえする。ふふ、いつもの俺ならここでウェルのおねだりに満足しちゃうんだがな。今日は、もう少し先のおねだりをしてみようか、ウェル。
「あんまり大きくなっちゃうと、女の子の乳首みたいになっちゃうぞ。それに、今でさえこんなに大きいのに……これ以上大きくなったら困るんじゃないか、ウェル?」
「っ……でも、でも、我慢できないんですっ……!」
涙目で俺を見上げ、いやいやと首をふるウェル。本当に限界に近いのだろう。見れば、ウェルの陰茎はすっかりと勃ちあがっているようで、窮屈そうにズボンを押し上げていた。
「これ以上乳首が大きくなったら、もう女の子のおっぱいみたいになっちゃうぞ。それでもいじりたいのか?」
「っ、いいんですっ……! お、大きくなっちゃってもいいんです、は、はやく触ってくださいっ……!」
あまりにも焦らされたウェルは、とうとう最後に残っていた自尊心の欠片すら捨てたようだ。腕を縛られたまま、乳首を俺に突き出して身体をゆするウェル。
「へぇ、いいのか? なら、これ以上大きくなったらもう胸じゃなくておっぱいだな。ほら、おっぱいって言ってみろよウェル」
「っ、は、はいっ……! おねがいです、ロストさま……! もっと、乳首が大きくなっちゃってもいいんです、だから、おれのおっぱいを、乳首を、さ、触って下さいっ……」
「声が小さくて、よく聞き取れなかったな。もう一度、大きな声で言ってみろ」
「っ……ぅ、」
「ウェル?」
「は、はいっ……! おれの、乳首がもっと大きくなっちゃっても、女の子のおっぱいみたいになっちゃってもいいですっ……! だから、だから……おれのおっぱいを、乳首をいじってくださいっ!」
大きな声で言い直せ、と言ってみたら、なんでか内容までさらにいやらしく言い直してくれたウェル。別に言葉の内容には俺は不満はなかったよ!? 俺はどんな鬼畜なんだよ……。
まぁ、ウェルがいやらしいおねだりをしてくれる分には問題ないか。そろそろウェルも限界っぽいし、そろそろウェルにとどめを刺す――もとい、開放してやるとするか。
「ウェルがそんなにいじってほしいなら、仕方がないな」
「っ、ロストさまぁ……」
涙目で、すがるように俺を見上げてくるウェル。
ウェルは知らないことだろうが、お前が乳首を触ってほしいと思っている以上に、俺の方がウェルの乳首を触りたいと思ってるんだぞ! ってなわけで、ていっ。
「ひっ……ぁ、ぁァああぁっ!!!」
俺がウェルの両方の乳首を指先でつまみ、ひねりあげた瞬間―ー、
ウェルは、全身を強ばらせて絶叫を上げた。
びくびくと身体を痙攣さえて、弓なりに身体をしならせる。ようやく与えられた刺激は、あまりにも強すぎたのだろう。ウェルが乳首を一回つままれ、ひねられただけで絶頂をしていた。ズボンの股間部分はぐっしょりと湿り始めている。下衣は脱がせていなかったが、今、そこを脱がせれば、部屋中にウェルの精液の匂いが立ち込めるに違いない。
「っ……あ……ぁ」
弓なりにしなった身体がようやくベッドに戻っても、ウェルは絶頂の余韻にひくひくと身体を震わせ、ぼんやりと視線を中空にさ迷わせていた。
今日はこのまま寝かせてやるか。ウェルの着替えがどこにあるかよく分からんが……まぁ、最近はあたたかくなったし、下は何も履かせなくてもいいかな。代わりに、俺の部屋から毛布でも一枚持ってくるか。
……先ほどはなかば理性がぶっとんだ状態だったのだろうが、明日、ウェルの理性が戻れば、ウェルは自分が何を口走ったか、どんな痴態を他人に晒したのかをまざまざと自覚し始めるに違いない。
忘れようにも、ウェルの乳首は魔眼の効力を切った今でも真っ赤にとがりきり、ウェルの胸の上ではしたない自己主張を続けている。この胸を見ただけで、ウェルは今日のことをまざまざと思い出すに違いない。
その瞬間を脳裏に描き、俺はにんまりと唇がつり上がるが自分でもわかったのだった。
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