上 下
25 / 38

真っ赤

しおりを挟む

「ひっ……ふっ、くぅ……!」

室内に、ウェルの涙声が響く。

手を上にあげる格好でベッドに縛り付けられたウェル。紐には余裕を持たせてあるが、それでも自分の胸元までは指先を伸ばすことはできない。ましてや、乳首を掻くことなんざ不可能だ。
そんなウェルの様子を、俺はベッドの傍らに腰掛けて見下ろしている。

「っ、ふーっ、ふーっ! っ、ぁ、ああッ……!」

ウェルは、最初は俺に見られているのを意識し、声を抑えていた。だが、今や息は荒く、乳首は何も触れられていないというのに、ウェルはベッドの上で身体をずりずりとゆすり始めた。だが、仰向けの体勢で縛られているので、いくら身体を動かそうとも、乳首の疼きが慰められることはない。

「ひっ……ぁ、ああァ……っ! やだ、かゆい、かゆいぃっ……!」

疼いている左右の乳首を慰めたくても、触れる事すら叶わない。その疼きに堪えられなくなったウェルが、だんだんと大きく、ぐねぐねと身体をくねらせ始めた。見れば、触ってもらえないみじめな乳首は真っ赤にとがりきり、刺激を求めてびんびんに勃ちあがっている。

「どうした、ウェル? まだ手を縛ってから半刻も経ってないぞ?」
「あっ、ァ、ロストさまぁ……っ、おれ、もうだめです、乳首がかゆくて、じんじんしてっ……!」

ウェルの露わになった身体、みぞおちの辺りを指先でそっと撫でながら囁く。ウェルの肌は筋肉が均整について、しなやかできれいだ。男としては理想の体型だな。前世の世界だったらモデルになれただろう。

だが、そんなウェルは今や自尊心をかなぐり捨てて、硬くなり、真っ赤にとがった乳首を一生懸命に俺に突き出していた。

「もう少し我慢してみろ。これじゃあ治療にならないだろう?」
「そんなっ……ムリ、ムリですっ! もう、これ以上、がまんできないっ……ひゃうっ!」

俺がフッと吐息をウェルの右の乳首にかけてみると、ウェルは電流が奔ったかのように、身体をビクンッ!と跳ねさせ、甲高い悲鳴をあげた。

「っ……ァ、ロストさま……いま、の」
「うん? ほら、触るのはダメだからな。でも、そんなに痒いなら、これぐらいならしてやるよ。これなら患部を触らなくても平気だから、大丈夫だろう」
「え……。っアぁ! や、やだっ、それやめてくださ……ひぅっ!」

頭の中で冷静な部分の俺が「なんて頭の悪い理屈なんだ……」と思っているが、それを無視して、今度はウェルの真っ赤な左の乳首にフッと息をふきかける。とたん、ウェルが再び身体をビクビクと打ち上げられた魚のように跳ねさせた。

「っ、あ、やだ、それ、息かけないでくださっ……ァあッ!」

交互に乳首に息をふきかける度に、ウェルが身体を跳ねさせる。それだけでなく、ウェルは今まで以上に表情をぐしゃぐしゃにゆがませ初め、全身が小刻みにふるふるとふるえ始めた。

我慢できないほどに耐えがたい痒みと、くすぶるような快楽が、もともと大きく育ち始めていた敏感な乳首に与えられているのだ。そこにさらに、ピンポイントでふきかけられる吐息。それは、昂ぶっている乳首の痒みを疼きをさらに昂ぶらせるだけで、決して満足をさせるものではない。

「っ、ロ、ロストさまぁ……!」

結局、ウェルをベッドに縛り付けてから半刻もしないうちに、ウェルは胸だけを持ち上げるような窮屈そうな体勢で、真っ赤な顔で俺に乳首を突き出すことになった。

「お、おねがいです……もう、触って下さい……っ」
「触る、というのは何をだ。もしかして、ココのことか?」

指でそっとウェルの乳輪の部分を触る。決して乳首のとがった箇所には触らないよう、そして、指の腹で触れるか触れないかの程度の位置で触れる。それだけの刺激で、ウェルは「んっ……」と甘い吐息をこぼした。

「は、はい……っ! おれの、おれの……っ、乳首を、触ってほしいんですっ! もう、かゆくて、我慢できないんですっ……!」

ぎゅっと目をつぶり、真っ赤な顔で自分を辱める言葉を告げるウェル。

「けれど、あんまり触ったらウェルのここがさらに大きくなっちゃうかもしれないしなぁ」
「え……」

そんなウェルに対して、俺の告げた無慈悲な言葉に、ウェルは驚愕の表情で目を見開いた。
その表情には「いつもならここまで言えば触ってくれるのに」と書いてあるような気さえする。ふふ、いつもの俺ならここでウェルのおねだりに満足しちゃうんだがな。今日は、もう少し先のおねだりをしてみようか、ウェル。

「あんまり大きくなっちゃうと、女の子の乳首みたいになっちゃうぞ。それに、今でさえこんなに大きいのに……これ以上大きくなったら困るんじゃないか、ウェル?」
「っ……でも、でも、我慢できないんですっ……!」

涙目で俺を見上げ、いやいやと首をふるウェル。本当に限界に近いのだろう。見れば、ウェルの陰茎はすっかりと勃ちあがっているようで、窮屈そうにズボンを押し上げていた。

「これ以上乳首が大きくなったら、もう女の子のおっぱいみたいになっちゃうぞ。それでもいじりたいのか?」
「っ、いいんですっ……! お、大きくなっちゃってもいいんです、は、はやく触ってくださいっ……!」

あまりにも焦らされたウェルは、とうとう最後に残っていた自尊心の欠片すら捨てたようだ。腕を縛られたまま、乳首を俺に突き出して身体をゆするウェル。

「へぇ、いいのか? なら、これ以上大きくなったらもう胸じゃなくておっぱいだな。ほら、おっぱいって言ってみろよウェル」
「っ、は、はいっ……! おねがいです、ロストさま……! もっと、乳首が大きくなっちゃってもいいんです、だから、おれのおっぱいを、乳首を、さ、触って下さいっ……」
「声が小さくて、よく聞き取れなかったな。もう一度、大きな声で言ってみろ」
「っ……ぅ、」
「ウェル?」
「は、はいっ……! おれの、乳首がもっと大きくなっちゃっても、女の子のおっぱいみたいになっちゃってもいいですっ……! だから、だから……おれのおっぱいを、乳首をいじってくださいっ!」

大きな声で言い直せ、と言ってみたら、なんでか内容までさらにいやらしく言い直してくれたウェル。別に言葉の内容には俺は不満はなかったよ!? 俺はどんな鬼畜なんだよ……。
まぁ、ウェルがいやらしいおねだりをしてくれる分には問題ないか。そろそろウェルも限界っぽいし、そろそろウェルにとどめを刺す――もとい、開放してやるとするか。

「ウェルがそんなにいじってほしいなら、仕方がないな」
「っ、ロストさまぁ……」

涙目で、すがるように俺を見上げてくるウェル。
ウェルは知らないことだろうが、お前が乳首を触ってほしいと思っている以上に、俺の方がウェルの乳首を触りたいと思ってるんだぞ! ってなわけで、ていっ。

「ひっ……ぁ、ぁァああぁっ!!!」

俺がウェルの両方の乳首を指先でつまみ、ひねりあげた瞬間―ー、
ウェルは、全身を強ばらせて絶叫を上げた。

びくびくと身体を痙攣さえて、弓なりに身体をしならせる。ようやく与えられた刺激は、あまりにも強すぎたのだろう。ウェルが乳首を一回つままれ、ひねられただけで絶頂をしていた。ズボンの股間部分はぐっしょりと湿り始めている。下衣は脱がせていなかったが、今、そこを脱がせれば、部屋中にウェルの精液の匂いが立ち込めるに違いない。

「っ……あ……ぁ」

弓なりにしなった身体がようやくベッドに戻っても、ウェルは絶頂の余韻にひくひくと身体を震わせ、ぼんやりと視線を中空にさ迷わせていた。
今日はこのまま寝かせてやるか。ウェルの着替えがどこにあるかよく分からんが……まぁ、最近はあたたかくなったし、下は何も履かせなくてもいいかな。代わりに、俺の部屋から毛布でも一枚持ってくるか。

……先ほどはなかば理性がぶっとんだ状態だったのだろうが、明日、ウェルの理性が戻れば、ウェルは自分が何を口走ったか、どんな痴態を他人に晒したのかをまざまざと自覚し始めるに違いない。
忘れようにも、ウェルの乳首は魔眼の効力を切った今でも真っ赤にとがりきり、ウェルの胸の上ではしたない自己主張を続けている。この胸を見ただけで、ウェルは今日のことをまざまざと思い出すに違いない。

その瞬間を脳裏に描き、俺はにんまりと唇がつり上がるが自分でもわかったのだった。
しおりを挟む
感想 36

あなたにおすすめの小説

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

S級騎士の俺が精鋭部隊の隊長に任命されたが、部下がみんな年上のS級女騎士だった

ミズノみすぎ
ファンタジー
「黒騎士ゼクード・フォルス。君を竜狩り精鋭部隊【ドラゴンキラー隊】の隊長に任命する」  15歳の春。  念願のS級騎士になった俺は、いきなり国王様からそんな命令を下された。 「隊長とか面倒くさいんですけど」  S級騎士はモテるって聞いたからなったけど、隊長とかそんな重いポジションは…… 「部下は美女揃いだぞ?」 「やらせていただきます!」  こうして俺は仕方なく隊長となった。  渡された部隊名簿を見ると隊員は俺を含めた女騎士3人の計4人構成となっていた。  女騎士二人は17歳。  もう一人の女騎士は19歳(俺の担任の先生)。   「あの……みんな年上なんですが」 「だが美人揃いだぞ?」 「がんばります!」  とは言ったものの。  俺のような若輩者の部下にされて、彼女たちに文句はないのだろうか?  と思っていた翌日の朝。  実家の玄関を部下となる女騎士が叩いてきた! ★のマークがついた話数にはイラストや4コマなどが後書きに記載されています。 ※2023年11月25日に書籍が発売!  イラストレーターはiltusa先生です! ※コミカライズも進行中!

45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる

よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です! 小説家になろうでも10位獲得しました! そして、カクヨムでもランクイン中です! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。 いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。 欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・ ●●●●●●●●●●●●●●● 小説家になろうで執筆中の作品です。 アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。 現在見直し作業中です。 変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。

魔界最強に転生した社畜は、イケメン王子に奪い合われることになりました

タタミ
BL
ブラック企業に務める社畜・佐藤流嘉。 クリスマスも残業確定の非リア人生は、トラックの激突により突然終了する。 死後目覚めると、目の前で見目麗しい天使が微笑んでいた。 「ここは天国ではなく魔界です」 天使に会えたと喜んだのもつかの間、そこは天国などではなく魔法が当たり前にある世界・魔界だと知らされる。そして流嘉は、魔界に君臨する最強の支配者『至上様』に転生していたのだった。 「至上様、私に接吻を」 「あっ。ああ、接吻か……って、接吻!?なんだそれ、まさかキスですか!?」 何が起こっているのかわからないうちに、流嘉の前に現れたのは美しい4人の王子。この4王子にキスをして、結婚相手を選ばなければならないと言われて──!?

【完結】父を探して異世界転生したら男なのに歌姫になってしまったっぽい

おだししょうゆ
BL
超人気芸能人として活躍していた男主人公が、痴情のもつれで、女性に刺され、死んでしまう。 生前の行いから、地獄行き確定と思われたが、閻魔様の気まぐれで、異世界転生することになる。 地獄行き回避の条件は、同じ世界に転生した父親を探し出し、罪を償うことだった。 転生した主人公は、仲間の助けを得ながら、父を探して旅をし、成長していく。 ※含まれる要素 異世界転生、男主人公、ファンタジー、ブロマンス、BL的な表現、恋愛 ※小説家になろうに重複投稿しています

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 設定ゆるめ、造語、出産描写あり。幕開け(前置き)長め。第21話に登場人物紹介を載せましたので、ご参考ください。 ★お試し読みは、第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

身体検査

RIKUTO
BL
次世代優生保護法。この世界の日本は、最適な遺伝子を残し、日本民族の優秀さを維持するとの目的で、 選ばれた青少年たちの体を徹底的に検査する。厳正な検査だというが、異常なほどに性器と排泄器の検査をするのである。それに選ばれたとある少年の全記録。

処理中です...