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嗚咽

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やあ、ウェルスナー、――とか言ってる場合じゃないよどうしよう!?


どうしたら俺がここで覗き見をしていたってことを誤魔化せる!?

「やあウェルスナー、今日はいい天気だね? うん。いい陽気だから俺はあくまで散歩をしていただけで、別にお前のことを尾行したりとか倉庫に入ったお前を覗き見してたりとか全然してないから安心してくれよ!」
……とかどうかな?

どうもこうも、有罪確定だね!


うおお、よみがえれ、俺の死滅している脳細胞……!
この状況で、穏やかに笑ってサヨナラバイバイできる選択肢を掴むんだ!

「ロ、ロスト様……あ、あの、おれ……」

だが、俺のそんな一人脳内修羅場は、ウェルスナーのふるえる声によって妨げられた。

「ち、違うんです、ロスト様……おれ、こんなの、違う……」

今にも泣きだしそうなウェルスナーの声……というか、実際に半泣きになっているウェルスナーに、俺もようやく冷静になった。


そうだ、見つかったのは俺だけじゃない。

今、ウェルスナーにしたら「一人で倉庫でいやらしいことをしていたのを見つかった」と思っているだろう。



なら、この状況を利用すればいいのだ!
ウェルスナーが俺の覗き見のことなんて思い至らないくらいの状況にすればいい!


そうと決意した俺はさっそく、ウェルスナーの後肛への痒みをさらに強めた。

先ほどの乳首の時の反応から考えると、今のウェルスナーの後口は、何百人もの人の指先でくすぐられているような痒みに襲われているに違いない。

「ひんっ!? な、なんでさらにかゆみが強く……っ!? あっ、いやだ、やだ、だめ、ロスト様が見てるのにっ……!」

もはや、常人にはもはや自分の意志で我慢することは不可能な痒み。

その痒みに、ウェルスナーは俺に見られているのにも関わらず、自分の指をずぼずぼと後口に出し入れするのを止めることができない。顔を真っ赤にしながら「いやだ、やだ」と言い続けているのに、腰をかくかくと上下に揺らし、指先をぐちょぐちょと音を立てて後口に出し入れし続けている。

「あっ、いやだ、やだ……っ! ロスト様、お願いです、こんな、こんなおれの姿、見ないでくださいっ……!」

勃起した陰茎は、ウェルスナーが腰を上下に揺らすたびに倉庫の床にしずくを飛ばしている。ウェルスナーはもはや自分の痴態に俺と目を合わせることができず、うなだれてその表情を隠してしまった。

「……驚いたな、ウェルスナー。お前がまさか、こんなところで一人でこんなにいやらしい遊びに耽っているとはね。いや、周囲に堅物と揶揄されているお前が、まさかこんな淫乱だったとは」

それを言うなら、そんなウェルスナーのいやらしい痴態をずっとドアの影から覗き見し続けていた俺は、変態以外の何物でもないけどね!

いやぁ、でも良かった良かった!
この空気なら、完全に俺の覗き見については誤魔化せることができたよね。いやー、ひと安心だ。

「ひっ……うぐっ、ぐすっ……」

「っ!!???!」

不意に聞こえてきた泣き声に、俺は慌ててウェルスナーを見る。

ウェルスナーは俯いていてその表情は見えないが、その頬に涙がつたい、床にぽたぽたと落ちていくのが……見えた……よ。


「ふっ、ぐすっ……おれ、おれ、すみません……ロスト様……」


うん、ウェルスナーさん、まさかのガチ泣きです……。


ヤバい、ヤバい、本気でどうしよう。

めっちゃ罪悪感ハンパないよ……。確かに、ウェルスナーの無表情以外の顔も見てみたいな~、よし、実験もかねてこの能力でちょっと悪戯しちゃおう! とは思ってたけど、こんな表情が見たいと思ってたわけじゃないんだ……。

えーと、えーと、どうしよう! いや、待てよ!? 確か前世で見たテレビで、こういう風に話がもたなくなった時とか、話題が続かない相手の時は、とりあえずお互いが共通している人間の悪口か、相手のいい所を見つけて褒めてあげるといい、ってのを聞いたことがあるぞ!
よし、それでいってみよう!
ここで誰かの悪口を言うのも変だし、ひとまずウェルスナーのいいところを見つけて褒める方向でいってみよう!

「ウェルスナー、泣くな。さっきのは悪い意味で言ったんじゃない。お前のそういう姿が可愛くて、思わずいじめたくなったんだ、すまなかった」
「え……?」

ウェルスナーの前に同じように膝立ちの状態になり、ウェルスナーの栗色の髪をなだめるようになでてやる。ウェルスナーはそんな俺を信じられないものを見るかのように見てきた。


よしよし、とりあえず嗚咽はとまったようだ。
気をつけておこう。もう、ウェルスナーのあんな顔は見たくない。
泣き顔を見るなら、もっとこう、快感に泣く顔とかの方がいい。たとえば、


「ほら、ウェルスナー。どういう状況かわからないが、つらいんだろう?」
「あっ……!?」

ウェルスナーの腰を片手で抱き寄せ、おれに密着させる。

そして、後肛に入ったままのウェルスナー手首をつかみ、その手を後肛へ強引に抜き差しさせた。後肛は腸液で濡れているようで、ぐちゅ、じゅぷっと抜き差しの度に水音を立てている。

「あっ、ア、ああァ! やだ、だめですロスト様、あなたがそんなこと……ひぁっ!」
「ああ、悪い。前立腺にもろに当たったな」
「ひんっ、ふっ、うぅ……っ! やだ、やめてくださいロスト様、お願いですからっ……! っ、あなた様が、こんなことしなくて、いいんですっ……ひっ、ぅあ!」

俺の顔を見ていられないようで、ウェルスナーは俺の肩口に顔をうずめて懇願した。ほとんど抱き合うような格好だ。ウェルスナーが喘ぎをもらす度、彼の熱い吐息が俺の首筋にかかる。

「いいんだ、ウェルスナー。ほら、お前のと当たってるからわかるだろ? 俺も興奮しているんだから、これは俺が好きでやっているんだ」

密着した体勢のせいで、ウェルスナーの陰茎が、俺のズボン越しに俺の陰茎と密着している。
そのため、俺のものが勃起しているのをウェルスナーも肌で感じ取っているだろう。

「あっ……ロ、ロスト様はおれで、興奮してるんですかっ……?」
「うん。だからお前が気にすることはない」

ウェルスナーの腰を掴んでいた片手を放し、もう一度、ウェルスナーの頭をよしよしとなでてやる。

よし、これでいいんじゃないか?

恥ずかしい姿を見られて泣いてしまったウェルスナーも、俺がこの状況で勃起している変態だとわかって、「なーんだ、お互いさまだったんですね!」と思ってくれたに違いない。ウェルスナーがすっかり泣き止んでくれたのがその証拠だ。

「っ……ロスト様っ!」

ウェルスナーは自分の後口から指を引き抜くと、密着していた俺の身体からバッと離れた。突然のことに驚いてウェルスナーをぽかんと見つめていると、ウェルスナーはハァハァと息を荒げつつも、意を決したように俺のズボンに手をかけた。

「ウェルスナー?」
「っ……、ロスト様っ!」

俺の身に着けていた革ベルト、ズボン、下着もウェルスナーに瞬く間に脱がされて、勃起していた陰茎が顔を出す。

「お願いです……。おれのこんな姿で興奮してくださったというなら、お恵みをくださいっ……!」

俺の陰茎をさらけ出させたウェルスナーは、さらに耳まで顔を赤くしながら、俺に懇願をしてきた。

「……お恵みというと、具体的にはなんなんだ? ウェルスナー」
「っ……!」

俺の問いかけに、ウェルスナーはびくりと肩をふるわせ、しばらく黙ってしまった。
だが、それも数秒のことで、やがて意を決したようにおれに背中を向けると、地面に膝と手をついた状態で四つん這いになった。

「……ロスト様……申し訳ございません……っ! おれのこの穴に、どうかロスト様のお恵みをください……っ!」

四つん這いになった状態で、自分の尻に手をかけ、後口をさらすように尻たぶを開くウェルスナー。

刺激を求めるようにヒクヒクと開閉するウェルスナー後ろの口はかつてないほど淫らで、俺はまたしてもごくりと唾を飲み込んだのだった。
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