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フレデリカ
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【大食洞窟】の真上に建つ大聖堂。
主祭壇の正面には、真っ黒なステンドグラスが壁一面に飾られている。
その夜空のような黒板には、星々と見紛う程の光が煌めいていた。
「おお!サム、起きろ!ついに20階層に辿り着く者が現れたぞ!」
神官がそう叫ぶと、任務中にも関わらずうたた寝していた冒険者サムが飛び起き、目を擦りながら、ステンドグラスに点る新しい光を探す。
「何ですって!ああっ、本当だ!新たな階層を示す明かりが!」
百年以上昔から存在するというステンドグラス。
民からは【聖母の光窓】と呼ばれ、地下迷宮内における冒険者や転移装置の状況を、様々な色の光で表現する装置なのだ。
冒険者である人間は小さな白い光で、転移装置は大きな青い光で表されている。
「だが、青光の近くに、白光が見当たらぬ」
「まさか、聖布を纏っていない冒険者でしょうか?」
「分からぬ…………が、転移装置を起動させたならば、いずれ地上へ戻るであろう」
実は、白光は人間を表しているのではなく、聖女の奇跡である聖布に反応しているのであった。
「奇妙なステンドグラスだと思ってたが、地下迷宮のマッピングツールだったのか。そして、聖布には、地下迷宮への吸収を防ぐだけでなく、GPSの役割もあると」
「貴方方は!」
転移装置が起動し、四人の冒険者が戻ってきた。
サムは、男一人、女三人のパーティ構成に、不思議な表情を見せる。
「えっと、【凍てつく永劫】の方々のようですが、一つお尋ねしてよろしいですか?」
「はい、何でしょう?」
ティムはステンドグラスの構造に釘付けになっていたので、代わりにナナリーが返事をした。
「もしかして、二十階層の転移装置を起動させたのは貴方達ですか?」
「そうっすよー」
ロローネが相変わらず軽い。
「そ、そんな簡単に。てっきり十九階層を攻略するのは、アリスさん擁するチーム【絶対零度】だとばかり思っていたのですが…………いえ、失礼しました。
皆さんは、素晴らしい偉業を達成されたのです。
この事は既に、ギルドや領主にも伝わっている事でしょう」
「我々は再び、この地下迷宮の真理に近付いたのだ!
おお、神よ!我らに光を!我らに導きをー!」
いきなり神官が祭壇へ祈りを捧げ始めたので、サムの苦笑いに見送られ、ティム達は大聖堂を後にした。
外に出ると既に夜だった。
地下迷宮にいると、時間の感覚が狂う。何日経ったのか一瞬分からなくなる。
ティムはステラ達を帰らせ、一人ギルドへと向かった。
————ギルド・ニース支部
夜のギルドは、殆ど人が居ない。
日中の喧騒が嘘のように、一階の受付所は静まり返っていた。
受付時間は日が暮れると終了する為、ギルドにいるのは、個室利用の冒険者か、遅番勤務の受付嬢だけだ。
一階受付所の魔石灯は、時間外窓口や階段までのルートといった一部のみが最小限の光量を維持している。
あまりに静かだったので、なんとなく気配を消して進んでいくと。何処からかひそひそと話す声がしたので、耳を澄ました。
「さっきはいきなりアリスさんがギルドにやってきて、びっくりしちゃったぁ。フレデリカ、大丈夫だったの?」
「突然で驚いちゃった。
強引に裏口へ連れてかれて、貴女はティムの専属には相応しくないとかなんとか、言われちゃって…………」
「えー?それって無茶苦茶じゃーん!」
聞こえてくるのは、ティムの専属担当と他の受付嬢の声。二人の会話だ。
何やってんだアリスの奴、もしかしてとんだ地雷女だったか。
すると、フレデリカは可愛い仕草で周りをキョロキョロと見渡し、誰も居ない事を確認すると、おもむろに脚を組み、溜息を吐いた。
「はぁ~、マジ勘弁て感じィ?
うちらさぁ、こんな危ねぇ場所でぇ?頭悪ぃ奴等相手にぃ?やっすい給金でぇ?きっちぃ激務こなしてんのにさぁ?
だからさ、せっかく専属とかいうシステムあんだから、一攫千金狙ってもいいじゃんよねぇ?」
「あ、出た出たー。素のフレデリカが。
ギルドのアイドルがこんな暴言吐いてるの知ったら、みんな引くだろうなぁ」
「いやいや、引くとかないっしょ。
で、なんか顔はいいのにたるそうな冒険者で、ワンチャン狙ってみたら、見事当たり引いた訳ぇ。まさか、こんな早く金等級に昇格するなんて思わなかったわぁ」
「ティムさんねー。カッコいいよねー」
「顔はカッコいいけど、あのアリスって女に惚れてんのはみんな知ってるし、駄目元で専属狙って色仕掛けしてみたらさ、なんかすんなりオッケーもらえちゃって。やった、エッチ無しで金ヅルゲットー!なんて思ってたら、急に猿みたいにガッついてきて、無許可で中出ししてんの。結局、男ってそんなもんよねぇ。
勿論、教会で加護受けてるから妊娠の心配は無いけどさぁ」
フレデリカ、こんな女だったとは。
あんなに喘いでたくせに、ボロクソに言うじゃねぇか。
感情が昂ったのか、無意識のうちに【隠密】を解除していたらしく、隣の受付嬢と目がバッチリ合ってしまう。
「ちょっ…………フレデリカ、後ろ」
「え?後ろって、…………あっ!
ティッ、ティムさぁんっ!えっ?いつから、そこにぃ?
…………もしかして、全部聞いてました?」
「ああ」
俺の存在に気付いたフレデリカは驚いたが、素早くしなを作り、バツが悪そうにモジモジしながら上目遣いをしてきた。
そんな可愛い仕草をしても、もはや手遅れ。
「フレデリカ、俺の部屋へ来い」
「…………はい」
顔面を蒼白にし、足取り重くティムについていくフレデリカを、受付嬢は何も言えず、ただ見送ることしか出来なかった。
階段に差し掛かり、フレデリカは先に登るように促される。
背後からじっとりとした視線が絡み付く。
二階へと続く階段が、一段一段とても重く感じた。
個室へと続く廊下はとてつもなく長く感じた。
ついに、ティムの個室へと入室し、ドアが閉まる音と同時に謝罪しようと頭を下げようとした。
「ごめんなさっ」
しかし、謝罪は途中で遮られてしまう。
ティムは驚くべき速度で、私に抱きつき、頬にキスをし、大きくなった股間を押し当ててきた。
「あぁっ」
「なぁ、フレデリカ。何に謝ろうとしてるんだ?」
指が衣服の中へと忍び込み、肌を直に撫で回す。
フレデリカは、それだけで身体が激しく反応してしまう。
前に触られた時より、ずっと敏感になっている。
気が付けば、全裸になっている自分に気付く。
割れ目に添えられたティムの反り立つ肉棒は、ほんの少し押し込めばすぐにでも入ってしまうだろう。
「お前はサポートし、俺は依頼を達成する。お前は仕事をしただけだろ?
見てみろよ、部屋の中を」
瞳を薄っすら開けると、信じられない光景が広がっていた。
十五階層最強の魔物、岩蜥蜴の硬皮。
十九階層で採れる貴重な鉱石。
さらには、未知の戦利品が無造作に置かれている。
「これは、岩蜥蜴にミスリル鉱石、翠耀鉱まで…………もしかして十九階層を突破されたのですか…………?」
「ほう、分析が早いな。いい鑑定眼をしている。
その通り、俺は十九階層を突破した。
ここで、お前に選択肢をやろう。
お前が金目的なら、これらの戦利品から発生する儲けの全てをお前にやってもいい。
だが、金を選んだ場合、専属契約は白紙とし、俺がお前に肉棒を挿入する事は、二度と無い」
「えっ…………、あ、ああっ…………!そんなっ!」
フレデリカは下半身に感じる熱が離れていく気配を察し、激しく狼狽した。
貴族を親に持つフレデリカは、何不自由なく育つ。
とある陰謀に巻き込まれ廃貴族となり、それを苦に両親が亡くなった時も、ギルドの受付に就き、持ち前の美貌と能力で何でも手に入れてきた。
冒険者と専属契約を結ぶという博打が大当たりし、定期的に多額の金が舞い込むことだろう。
金が全てだとばかり思っていた。
だが、ティムが抱かないと告げられた瞬間、身体の中の何かが崩れ落ちていく感覚に陥る。
求められなくなる喪失感が、手に入れる充足感を上回ったのだ。
失うのは、もう嫌。
「わっ、私っ、離れっ、たく、はぁはぁ、離れたくっ、無いですっ、お願いっ、ですからっ、また、はぁ、はぁ、抱いて、下さいぃ」
「どうした?フレデリカ。一攫千金は目の前だぞ?演技はもう必要ないんだ」
「あああっー!お願いですっ、お金なんて要りませんっ!私を許してくださいぃぃ。
好きなように犯してくださいぃぃ、離れるなんて言わないでくださいぃぃ、お願いですからぁぁ、あっ、ああぁぁ、ティム様ぁ!」
涙を流す全裸の女からは、先程の高飛車な態度はどこへやら、親に離れまいと泣き喚く赤子の如き変貌ぶり。
「しゃぶれ」
イチモツで頬をはたく。
「あぁっ、はいっ!じゅぽっ…………ああっ、美味ひいっ!愛おひくて逞ひいっ!じゅぽっじゅぽっ」
「ふふ、そうかそうか。言葉に嘘偽りは無い。まぁ、いいだろう。そらっ!」
彼女の身体を軽々と持ち上げ、尻を両手で支えつつ、肉棒を一気にぶち込んだ。
「あぐぅぅっ…………!ぁ、あんっ」
フレデリカは下半身への衝撃に一瞬顔を歪めたが、次第と恍惚の表情へと変わっていき、子犬のように喘ぎ出す。
「そんなにこれが欲しかったのか?」
尻を一発はたく。
「あぁ、はいぃ、ティム様ぁ、ぁんっ!」
「金より色欲を選ぶ。
お前の本性は、淫らで下劣な変態なんだ。
分かったか?分かったら、もっと腰を振れ。もっと締め付けろ!」
尻を一はたき。
「はいぃ、私は淫乱な女ですぅ。あぁっ、貴方の望む女になりますぅ、いっぱい躾けてくださひぃ!あぁんっ!」
ここで、鬼ピストン。
「いいぞ。可愛い顔していい乱れっぷりだ。
ギャップがそそるねぇ、興奮するわい!
あー、精子上がってきたぁ。そういえば、無許可中出しは嫌なんだったか?」
胸を揉みしだく。
「あぁんっ!中に欲しいですっ!中じゃなきゃ嫌ですぅ!」
鬼ピストン再開。
「はなからそのつもりじゃいっ!
お前のその小さい子宮で大量ミルクありがたく受け止めろっ!」
「あぐぅっ!あーーーっ!」
ドプンッ!ビュー!ビュー!ビュルルー!
調教完了絶対服従わからせフィニッシュ!
フレデリカはティムにしがみついたまま絶頂した。
そのまま、ボフッとベッドの上に放り込まれる。
快感の波が全身を駆け巡り、痙攣してうまく力が入らない。
朧げな視界の中に、ゆっくりと近付くティムの肢体が映る。
そして、ギョッとした。
「はぁはぁ、はぁ、えっ?」
ティムのそれは、未だ大きいまま剃り立っている。
「二回戦目行くぞ」
「あっ、そのっ、まだイッたばかりで」
四つん這いで逃げようとする彼女の腰を掴み、後ろから一気に貫く。
敏感になっている膣内への衝撃に、フレデリカは目を大きく見開き、背中を弓反りにし、声にならない悲鳴をあげた。
「あっ、く、くぅっ…………ん!」
「ハッハッハッ!さぁ、夜はこれからだ。
二度と巫山戯た口聞けねぇように、身体にしっかり覚えさせねぇとなぁっ!」
「あぁーっ!」
手足に力が入らず、突っ伏しても、ティムの行為は一向に収まる気配を見せない。
ベッドとティムの間に挟まれ、一番敏感なスポット目掛けて、ひたすらに腰を打ち付けられる。
荒々しく弄ばれ、快感の波が次から次へと押し寄せ、頭がおかしくなりそうだ。
何度目かの絶頂を迎え、気が遠くなる最中、髪を掴まれ、無理矢理後ろ向きにされ、ティムの顔が近付く。
「おいっ!気絶してんじゃねぇぞ?コラァッ!
地下迷宮じゃ気絶したら、死ぬんやぞっ!冒険者利用して金取ってんなら、気引き締めてしっかり専属の役目務めんかぁいっ!」
唾を撒き散らす威喝に身が竦む。顔も髪も唾でベタベタだが、少しも嫌な気はしない。
とっくに体中、ティムの体液塗れだ。
「すい、ませんっ、激っ、しくてっ」
「それが冒険者じゃいっ!オラオラーッ!オラーッ!」
「ゔゔーーっ!壊っ、こっ、壊れっ、壊れちゃ、うぅんっ!」
「オラーッ!」
————————
————終わりの見えない長い夜だった。
フレデリカが覚えてる限りでは七発。正確には十発の射精を受け止めた。
気が付いた時には朝で、そこにはもうティムの姿は無かった。
不思議な事に、あれだけ激しく乱暴に扱われていた筈なのに、身体のどこにも痛みが無く、疲れも眠気も全くない。
むしろ心地良い虚脱感が全身を包み込んでいた。
「…………」
フレデリカはしばらく呆然としていた。
ふわふわと浮いているような、ぽかぽかと日光を浴びているような、優しい暖かさに包まれた感覚。
ふと周囲を見渡すと、部屋の中央に乱雑に散らばった高級素材が目に入り、鑑定、報告、換金と仕事が忙しくなりそうなので、そろそろ身支度しなければと気付く。
いそいそと自身を包むシートをめくると、全裸のままだった事に驚き、昨夜の出来事が一気に脳内再生されていく。
それが自分とは信じられないくらいの乱れっぷりだったので、一気に顔が火照ってしまった。
と同時に、もはやティム無しでは生きていけないのだと強く自覚する。
喜びが胸からじわじわと込み上げてきた。
やった!
私は人生というギャンブルに大勝利した!
フレデリカは、全裸のままベッドの上で飛び跳ね続けた。
主祭壇の正面には、真っ黒なステンドグラスが壁一面に飾られている。
その夜空のような黒板には、星々と見紛う程の光が煌めいていた。
「おお!サム、起きろ!ついに20階層に辿り着く者が現れたぞ!」
神官がそう叫ぶと、任務中にも関わらずうたた寝していた冒険者サムが飛び起き、目を擦りながら、ステンドグラスに点る新しい光を探す。
「何ですって!ああっ、本当だ!新たな階層を示す明かりが!」
百年以上昔から存在するというステンドグラス。
民からは【聖母の光窓】と呼ばれ、地下迷宮内における冒険者や転移装置の状況を、様々な色の光で表現する装置なのだ。
冒険者である人間は小さな白い光で、転移装置は大きな青い光で表されている。
「だが、青光の近くに、白光が見当たらぬ」
「まさか、聖布を纏っていない冒険者でしょうか?」
「分からぬ…………が、転移装置を起動させたならば、いずれ地上へ戻るであろう」
実は、白光は人間を表しているのではなく、聖女の奇跡である聖布に反応しているのであった。
「奇妙なステンドグラスだと思ってたが、地下迷宮のマッピングツールだったのか。そして、聖布には、地下迷宮への吸収を防ぐだけでなく、GPSの役割もあると」
「貴方方は!」
転移装置が起動し、四人の冒険者が戻ってきた。
サムは、男一人、女三人のパーティ構成に、不思議な表情を見せる。
「えっと、【凍てつく永劫】の方々のようですが、一つお尋ねしてよろしいですか?」
「はい、何でしょう?」
ティムはステンドグラスの構造に釘付けになっていたので、代わりにナナリーが返事をした。
「もしかして、二十階層の転移装置を起動させたのは貴方達ですか?」
「そうっすよー」
ロローネが相変わらず軽い。
「そ、そんな簡単に。てっきり十九階層を攻略するのは、アリスさん擁するチーム【絶対零度】だとばかり思っていたのですが…………いえ、失礼しました。
皆さんは、素晴らしい偉業を達成されたのです。
この事は既に、ギルドや領主にも伝わっている事でしょう」
「我々は再び、この地下迷宮の真理に近付いたのだ!
おお、神よ!我らに光を!我らに導きをー!」
いきなり神官が祭壇へ祈りを捧げ始めたので、サムの苦笑いに見送られ、ティム達は大聖堂を後にした。
外に出ると既に夜だった。
地下迷宮にいると、時間の感覚が狂う。何日経ったのか一瞬分からなくなる。
ティムはステラ達を帰らせ、一人ギルドへと向かった。
————ギルド・ニース支部
夜のギルドは、殆ど人が居ない。
日中の喧騒が嘘のように、一階の受付所は静まり返っていた。
受付時間は日が暮れると終了する為、ギルドにいるのは、個室利用の冒険者か、遅番勤務の受付嬢だけだ。
一階受付所の魔石灯は、時間外窓口や階段までのルートといった一部のみが最小限の光量を維持している。
あまりに静かだったので、なんとなく気配を消して進んでいくと。何処からかひそひそと話す声がしたので、耳を澄ました。
「さっきはいきなりアリスさんがギルドにやってきて、びっくりしちゃったぁ。フレデリカ、大丈夫だったの?」
「突然で驚いちゃった。
強引に裏口へ連れてかれて、貴女はティムの専属には相応しくないとかなんとか、言われちゃって…………」
「えー?それって無茶苦茶じゃーん!」
聞こえてくるのは、ティムの専属担当と他の受付嬢の声。二人の会話だ。
何やってんだアリスの奴、もしかしてとんだ地雷女だったか。
すると、フレデリカは可愛い仕草で周りをキョロキョロと見渡し、誰も居ない事を確認すると、おもむろに脚を組み、溜息を吐いた。
「はぁ~、マジ勘弁て感じィ?
うちらさぁ、こんな危ねぇ場所でぇ?頭悪ぃ奴等相手にぃ?やっすい給金でぇ?きっちぃ激務こなしてんのにさぁ?
だからさ、せっかく専属とかいうシステムあんだから、一攫千金狙ってもいいじゃんよねぇ?」
「あ、出た出たー。素のフレデリカが。
ギルドのアイドルがこんな暴言吐いてるの知ったら、みんな引くだろうなぁ」
「いやいや、引くとかないっしょ。
で、なんか顔はいいのにたるそうな冒険者で、ワンチャン狙ってみたら、見事当たり引いた訳ぇ。まさか、こんな早く金等級に昇格するなんて思わなかったわぁ」
「ティムさんねー。カッコいいよねー」
「顔はカッコいいけど、あのアリスって女に惚れてんのはみんな知ってるし、駄目元で専属狙って色仕掛けしてみたらさ、なんかすんなりオッケーもらえちゃって。やった、エッチ無しで金ヅルゲットー!なんて思ってたら、急に猿みたいにガッついてきて、無許可で中出ししてんの。結局、男ってそんなもんよねぇ。
勿論、教会で加護受けてるから妊娠の心配は無いけどさぁ」
フレデリカ、こんな女だったとは。
あんなに喘いでたくせに、ボロクソに言うじゃねぇか。
感情が昂ったのか、無意識のうちに【隠密】を解除していたらしく、隣の受付嬢と目がバッチリ合ってしまう。
「ちょっ…………フレデリカ、後ろ」
「え?後ろって、…………あっ!
ティッ、ティムさぁんっ!えっ?いつから、そこにぃ?
…………もしかして、全部聞いてました?」
「ああ」
俺の存在に気付いたフレデリカは驚いたが、素早くしなを作り、バツが悪そうにモジモジしながら上目遣いをしてきた。
そんな可愛い仕草をしても、もはや手遅れ。
「フレデリカ、俺の部屋へ来い」
「…………はい」
顔面を蒼白にし、足取り重くティムについていくフレデリカを、受付嬢は何も言えず、ただ見送ることしか出来なかった。
階段に差し掛かり、フレデリカは先に登るように促される。
背後からじっとりとした視線が絡み付く。
二階へと続く階段が、一段一段とても重く感じた。
個室へと続く廊下はとてつもなく長く感じた。
ついに、ティムの個室へと入室し、ドアが閉まる音と同時に謝罪しようと頭を下げようとした。
「ごめんなさっ」
しかし、謝罪は途中で遮られてしまう。
ティムは驚くべき速度で、私に抱きつき、頬にキスをし、大きくなった股間を押し当ててきた。
「あぁっ」
「なぁ、フレデリカ。何に謝ろうとしてるんだ?」
指が衣服の中へと忍び込み、肌を直に撫で回す。
フレデリカは、それだけで身体が激しく反応してしまう。
前に触られた時より、ずっと敏感になっている。
気が付けば、全裸になっている自分に気付く。
割れ目に添えられたティムの反り立つ肉棒は、ほんの少し押し込めばすぐにでも入ってしまうだろう。
「お前はサポートし、俺は依頼を達成する。お前は仕事をしただけだろ?
見てみろよ、部屋の中を」
瞳を薄っすら開けると、信じられない光景が広がっていた。
十五階層最強の魔物、岩蜥蜴の硬皮。
十九階層で採れる貴重な鉱石。
さらには、未知の戦利品が無造作に置かれている。
「これは、岩蜥蜴にミスリル鉱石、翠耀鉱まで…………もしかして十九階層を突破されたのですか…………?」
「ほう、分析が早いな。いい鑑定眼をしている。
その通り、俺は十九階層を突破した。
ここで、お前に選択肢をやろう。
お前が金目的なら、これらの戦利品から発生する儲けの全てをお前にやってもいい。
だが、金を選んだ場合、専属契約は白紙とし、俺がお前に肉棒を挿入する事は、二度と無い」
「えっ…………、あ、ああっ…………!そんなっ!」
フレデリカは下半身に感じる熱が離れていく気配を察し、激しく狼狽した。
貴族を親に持つフレデリカは、何不自由なく育つ。
とある陰謀に巻き込まれ廃貴族となり、それを苦に両親が亡くなった時も、ギルドの受付に就き、持ち前の美貌と能力で何でも手に入れてきた。
冒険者と専属契約を結ぶという博打が大当たりし、定期的に多額の金が舞い込むことだろう。
金が全てだとばかり思っていた。
だが、ティムが抱かないと告げられた瞬間、身体の中の何かが崩れ落ちていく感覚に陥る。
求められなくなる喪失感が、手に入れる充足感を上回ったのだ。
失うのは、もう嫌。
「わっ、私っ、離れっ、たく、はぁはぁ、離れたくっ、無いですっ、お願いっ、ですからっ、また、はぁ、はぁ、抱いて、下さいぃ」
「どうした?フレデリカ。一攫千金は目の前だぞ?演技はもう必要ないんだ」
「あああっー!お願いですっ、お金なんて要りませんっ!私を許してくださいぃぃ。
好きなように犯してくださいぃぃ、離れるなんて言わないでくださいぃぃ、お願いですからぁぁ、あっ、ああぁぁ、ティム様ぁ!」
涙を流す全裸の女からは、先程の高飛車な態度はどこへやら、親に離れまいと泣き喚く赤子の如き変貌ぶり。
「しゃぶれ」
イチモツで頬をはたく。
「あぁっ、はいっ!じゅぽっ…………ああっ、美味ひいっ!愛おひくて逞ひいっ!じゅぽっじゅぽっ」
「ふふ、そうかそうか。言葉に嘘偽りは無い。まぁ、いいだろう。そらっ!」
彼女の身体を軽々と持ち上げ、尻を両手で支えつつ、肉棒を一気にぶち込んだ。
「あぐぅぅっ…………!ぁ、あんっ」
フレデリカは下半身への衝撃に一瞬顔を歪めたが、次第と恍惚の表情へと変わっていき、子犬のように喘ぎ出す。
「そんなにこれが欲しかったのか?」
尻を一発はたく。
「あぁ、はいぃ、ティム様ぁ、ぁんっ!」
「金より色欲を選ぶ。
お前の本性は、淫らで下劣な変態なんだ。
分かったか?分かったら、もっと腰を振れ。もっと締め付けろ!」
尻を一はたき。
「はいぃ、私は淫乱な女ですぅ。あぁっ、貴方の望む女になりますぅ、いっぱい躾けてくださひぃ!あぁんっ!」
ここで、鬼ピストン。
「いいぞ。可愛い顔していい乱れっぷりだ。
ギャップがそそるねぇ、興奮するわい!
あー、精子上がってきたぁ。そういえば、無許可中出しは嫌なんだったか?」
胸を揉みしだく。
「あぁんっ!中に欲しいですっ!中じゃなきゃ嫌ですぅ!」
鬼ピストン再開。
「はなからそのつもりじゃいっ!
お前のその小さい子宮で大量ミルクありがたく受け止めろっ!」
「あぐぅっ!あーーーっ!」
ドプンッ!ビュー!ビュー!ビュルルー!
調教完了絶対服従わからせフィニッシュ!
フレデリカはティムにしがみついたまま絶頂した。
そのまま、ボフッとベッドの上に放り込まれる。
快感の波が全身を駆け巡り、痙攣してうまく力が入らない。
朧げな視界の中に、ゆっくりと近付くティムの肢体が映る。
そして、ギョッとした。
「はぁはぁ、はぁ、えっ?」
ティムのそれは、未だ大きいまま剃り立っている。
「二回戦目行くぞ」
「あっ、そのっ、まだイッたばかりで」
四つん這いで逃げようとする彼女の腰を掴み、後ろから一気に貫く。
敏感になっている膣内への衝撃に、フレデリカは目を大きく見開き、背中を弓反りにし、声にならない悲鳴をあげた。
「あっ、く、くぅっ…………ん!」
「ハッハッハッ!さぁ、夜はこれからだ。
二度と巫山戯た口聞けねぇように、身体にしっかり覚えさせねぇとなぁっ!」
「あぁーっ!」
手足に力が入らず、突っ伏しても、ティムの行為は一向に収まる気配を見せない。
ベッドとティムの間に挟まれ、一番敏感なスポット目掛けて、ひたすらに腰を打ち付けられる。
荒々しく弄ばれ、快感の波が次から次へと押し寄せ、頭がおかしくなりそうだ。
何度目かの絶頂を迎え、気が遠くなる最中、髪を掴まれ、無理矢理後ろ向きにされ、ティムの顔が近付く。
「おいっ!気絶してんじゃねぇぞ?コラァッ!
地下迷宮じゃ気絶したら、死ぬんやぞっ!冒険者利用して金取ってんなら、気引き締めてしっかり専属の役目務めんかぁいっ!」
唾を撒き散らす威喝に身が竦む。顔も髪も唾でベタベタだが、少しも嫌な気はしない。
とっくに体中、ティムの体液塗れだ。
「すい、ませんっ、激っ、しくてっ」
「それが冒険者じゃいっ!オラオラーッ!オラーッ!」
「ゔゔーーっ!壊っ、こっ、壊れっ、壊れちゃ、うぅんっ!」
「オラーッ!」
————————
————終わりの見えない長い夜だった。
フレデリカが覚えてる限りでは七発。正確には十発の射精を受け止めた。
気が付いた時には朝で、そこにはもうティムの姿は無かった。
不思議な事に、あれだけ激しく乱暴に扱われていた筈なのに、身体のどこにも痛みが無く、疲れも眠気も全くない。
むしろ心地良い虚脱感が全身を包み込んでいた。
「…………」
フレデリカはしばらく呆然としていた。
ふわふわと浮いているような、ぽかぽかと日光を浴びているような、優しい暖かさに包まれた感覚。
ふと周囲を見渡すと、部屋の中央に乱雑に散らばった高級素材が目に入り、鑑定、報告、換金と仕事が忙しくなりそうなので、そろそろ身支度しなければと気付く。
いそいそと自身を包むシートをめくると、全裸のままだった事に驚き、昨夜の出来事が一気に脳内再生されていく。
それが自分とは信じられないくらいの乱れっぷりだったので、一気に顔が火照ってしまった。
と同時に、もはやティム無しでは生きていけないのだと強く自覚する。
喜びが胸からじわじわと込み上げてきた。
やった!
私は人生というギャンブルに大勝利した!
フレデリカは、全裸のままベッドの上で飛び跳ね続けた。
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『ないと思うけど……え、マジ?』
これは貞操観念逆転世界にやってきた大鳥奏という少年が世界との関わりを断ち自宅からほとんど出ない物語。
貞操観念逆転世界のハーレム主人公を拒んだ一人のネットゲーマーの引き籠り譚である。
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