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インキュバス・レッド
しおりを挟むレッドは女性を誘惑する為だけに創られたその美しい顔をひどく歪ませ、刺された上腕部を押さえ、その場に膝から崩れ落ちた。
痛みからでは無い。切り裂かれた衣服が原因なのだ。
漆黒に染め上げられたこのスーツなる装束は、マスターから戴いたこの上なき逸品。
それを傷付けてしまうとは、なんたる失態。
悔やんでも悔やみ切れない。
アザールは、へたり込む男を見て、ニヤリと笑みを浮かべたが、すぐ異変に気付く。
何かがおかしい。けれども、その異変の正体が分からない。
背中にゾクゾクと悪寒が走り抜けた。
まるで、手強い魔物に囲まれた時に似た危険信号が脳内に鳴り響く。
冒険者の勘が、危ないと告げている!
危ない!
何が?分からない。
ここにいるのは絶対にまずい!
じゃあ、どうする?
逃げる?一体、何から?
ルカク、デ・ブライネ…………
二人はまだ起きない。
アリス……もう少しでヤれたのに…………
ああっ、クソッ!どうしたらいいっ!
アザールは漠然とした焦燥感に駆られ混乱し始めた。
魔物の気配を近くに感じるが、一向に襲い掛かってくる様子が無い。
意識外にいた男が突然話し出した。
「早く戦闘外皮を纏っておけば…………」
ゆっくり起き上がる男を見ながら、アザールは思わず息を呑む。
眼前の正体不明な男が、みるみるうちに異形の姿へと変貌していったからだ。
真っ黒な装甲が男を包み込み、背中には身丈程の羽が広がり、大きく裂けた口からは鋭い牙が見える。
異変の正体は、なんと悪魔だったのだ。
それは、獲物を狙う獣の様に背中を丸め、牙を剥いている。
「悪魔だったか!だが、インキュバス如き……」
アザールが剣を抜く動作に入った。
それより先に、悪魔に頭を掴まれ、岩壁に強く打ち付けられてしまう。
勝負は既に着いていた。
冒険者は手足をバタつかせ何とか起き上がろうと必死にもがくが、脳を激しく揺らされたせいで、身体が思うように動かない。
「あ、がが、が」
「インキュバス如き…………続きは、なんでしょう?」
「何で…………ゴホッゴホッ!何で悪魔がここに…………」
「高い回復力…………流石は金等級といったとこか。やはり、侮り難し。
念の為、四肢切断しておくべきか」
「ぐぎゃぁ!はっ、はぁ、ア、アリス!た、助けてくれえっ!」
黒光りするガルヴォルン鉱石で造られた剣が男の両足首を容易く斬り落とす。
自分の脚で立つ事がままならない金等級冒険者は、テントへ向けて必死に地面を這う。
苦痛に歪んだ顔は、流血と土埃で真っ黒になっていた。
「なんと見苦しい事であろうか!
犯そうとした女へ、卑しくも助けを求めるとは!」
アザールは悪魔の死角から、何とか小瓶を取り出し、少女に向けて液体を振り撒く。
その伸びた手を、悪魔は斬り飛ばした。
液体がアリスの身体に降り注ぐと、それはキラキラと輝きを放ち、たちまちのうちに彼女は回復し立ち上がった。
「ハイポーション、或いは、聖女の奇跡エリクサーか。
それはさておき、身体の自由を奪い、純潔を奪おうとしたそこな卑劣漢を前にして、汝は如何する?」
「悪魔は許さない…………」
「ぬうっ!」
予備動作の無い速攻に、反応が遅れたレッドは、躱そうとするも手首から先を斬られてしまう。
ボトリと落ちた自分の手をジッと見て、悪魔はアリスへと話しかける。
「悪行を働く人間を見逃し、差し伸べた救いの手を斬るとは!
なんとも理解し難し!」
「へへっ……、やっちまえアリス」
「ぬうう、もはや許しはせぬ!
【魅了】!」
仮面の奥で、レッドの瞳が怪しく光る。
人間の女性であるならば抗う事の出来ない性への衝動を強制的に突き動かす魔眼。
ましてや処女なら尚更。
ところが、アリスは意に介さず、剣を振り下ろす。
またも不意を付かれた形となったレッドは、咄嗟にガルヴォルンの剣を出して防ぐが、アリスの猛攻は止まらない。
次第と防戦一方となっていった。
「何故だ!何故、効かぬ?」
「悪魔は、みんな死ね…………」
「ぬぅ、英雄の如きこの強さはまるでスカー」
(そこまでだ、ご苦労)
「グフッ!」
突如、レッドは何者かに背後から刺された。
致命的な一撃。
胸に突き刺さるナイフが抜かれると、魔力が黒い塵となって傷口から勢いよく漏れ始めた。
これでは身体の維持が保てない。
悪魔は両膝から崩れ落ちると、一人の青年が見下ろしている事に気付く。
その目を見ると、全身を駆け巡る痛みが徐々に和らいでいった。
「アリスさん!大丈夫ですかっ!」
「ティム…………!」
少女が青年の元へ一直線に駆けつけ抱き着いた。
全てを理解したレッドは、仮面の下で満足そうな表情を浮かべる。
…………ご苦労。
なんと有難いお言葉であろうか。全てが報われるというもの。
ならば、最後に私がするべき事は一つ。
こればかりは、悪魔である私が実行しなくてはならない。
レッドは残った全ての魔力を右手に集め、同じように地面に横たわる人間へ、ガルヴォルンの剣を投げ放つ。
その不可避の投擲は、アザールの顔へ何の抵抗も無く吸い込まれていく。
同時に、インキュバスの全身は塵となって消えた。
「アザールさんがー、くそー、悪魔めー。
でも、もう大丈夫ですよ、悪魔は消滅しました」
肌着越しに伝わる胸の感触を名残惜しみながら、震えるアリスの身体を引き剥がし、両肩を強く掴む。
「アリスさん…………、一体、何があったんですか?」
————————
従魔レッドの仮面越しから、ある程度の状況は把握していたが、まさか、アリス達が十五階層まで戻ってきているとは意外だった。
まさに、僥倖。
俺に鍛えられた強い悪魔と対峙したアリスは、恐怖にあてられたようで、一種の恐慌状態に陥っている。
テント内にて、彼女の希望により手を繋ぎながら、事の顛末を黙って聞く。
一通り話し終えると、アリスが俺の腕章に気付いた。
「あ、それ…………」
「はい、金等級になりました」
「…………おめでとう。
ティムならなれると、思ってたよ?」
アリスはまだ震えてるにも関わらず、俺の手をギュッと強く握り締めた。
「ずっと…………、待ってたの。一緒にフィテッセのみんなの仇を、ハーゲンティを倒しに行こう」
たしかフィテッセとは、ティムとアリスが住んでいた集落の名だ。
だとすればハーゲンティとは、恐らく集落を滅ぼした悪魔とやらの名だろう。
アリスは、俺が金等級に昇格するのを待っていたのか。
「いくら強くなったからって、さっきの悪魔程度でこんなに震えるようじゃ、仇討ちなんて出来ませんよ?」
「こ、これは…………、…………私にまだ勇気が、足りなかったから…………」
アリスは意を決したように、俺に抱き付いた。
「恐怖を紛らわせようとしてるんですか?」
「違う…………、勇気を分けて欲しいの」
透き通るほどの白い頬に、一筋の涙が伝う。
だが、綺麗な青い瞳に悲哀は一切無く、俺を真剣に見つめている。
まるで、何かを欲しているように。
こ、これはっ!
俺は確信した。
間違いなくヤれる。
冷静になれ、一旦、状況整理だ。
アリスと同じパーティ仲間の二人はまだ絶賛ベップ中。
もう一人は永久床ペロ中。
つまり、今邪魔する者は誰もいない。
俺がわざわざ、そう、わざわざ変装してまでこの辺鄙な街へと赴いたのは、このアリスを抱く為だったのだ!
美し過ぎる剣士として、その名はジョンテ領にまで届いていた。
ボルストン国に住む人間で一番白いと噂される美肌は、まさに白磁の如し。
そして、英雄候補になるほどの刺突剣の使い手。
絶対に欲しい!
一目見てそう思った。
本当は、本来の姿で抱きたいところだが、身体に押し付けられた感触に、俺の理性は崩壊してしまう。
おもむろにアリスの唇を奪う。
反応を窺う為の軽く触れるキス。
「ん…………」
抵抗は無い。完全に受け入れているようだ。
閉じた口に舌をねじ込み、口内を荒々しく蹂躙する。
いきなりの激しいキスにより、アリスは身体を硬直させてしまう。
唇を離すと、唾液の糸が二人を繋いでいた。
おやおや、うぶな女には少々刺激が強過ぎたかな?
「これが、キス…………?」
「キスは舌の動かし方が大事なんです」
「もっと…………、教えてくれる?」
「分かりました。キスは唇だけとは限りません。まずは、身体へのキスをしますね」
「あっ…………」
肌着と下着をわざと乱暴に剥ぎ取る。
露わになった真っ白で細い裸体は、見事としか言いようがない。
二つの大きな膨らみの先にある薄桃色の小さな突起は既に固くなっていた。
未だ誰も舐めた事が無い箇所へ、キスと称して舌を這わしていく。
「恥ずかしい…………」
綺麗で真っ白な程、汚したい欲求が沸き上がるのが性の真理か。
しつこい愛撫によりアリスの裸体は、唾液で濡れ、艶かしく煌めいている。
「こんな感じですね。さぁ、次はアリスさんの番です」
息遣いの荒いアリスへ舌の使い方を丁寧に教えながら、身体中をキスと称して舐めさせる。
これもキスなのだと信じ込み、懸命にイチモツを頬張るアリス。
初めてにも関わらず、舌を緩急自在に使い熟していた。
やはり、金等級にまで到達した冒険者は、身体能力が高く、順応性もあり、飲み込みが常人より遥かに早いようだ。
ただ、エロさにおいてはまだまだ物足りない。
まぁ、うぶにはうぶなりの良さもあるのだが。
「じゃあ次は、こちらにお尻を向けて跨って下さい」
いい眺めだ。
割れ目、尻の穴、おっぱい、イチモツを咥える様子、全てが一望出来る体位。
アリスの全身を隅々まで把握し、悦に浸る。
「んんっ…………!」
割れ目をちょいと指で広げると、中はじっとりトロトロ。完全に出来上がっている。
それにより、とある仮定が確証へと変わった。
レッドの放った魅了、実は効いていたのだ。
それを、アリスの精神力か魔法抵抗力かは分からないが、辛うじて耐えていたに過ぎない。
しかし、ティムという俺に会った事で、とうとうたがが外れてしまった。
割れ目を夢中で攻めていると、アリスはキスも出来なくなるくらい悶えてしまい、腰をガクガクさせている。
「キスはこのくらいにしておきましょうか」
「はぁ……、はぁ……」
放心状態のアリスを仰向けし、顔を見ると、頬がほんのりピンク色になっていた。
それが更に俺を昂らせ、早く入れたくなってしまい、何の躊躇もなく両足を掴んで、股を大きく開かせた。
「では、入れますね」
「待って…………」
「どうしました?」
イチモツを割れ目に添えたまま、ピタリと動きを止める。
「えっと…………、そんなに大きいのが、ほんとに入るの?」
「入りますよ。では」
「待って…………」
「どうしました?」
先っちょがほんの数ミリ入り始めたところで、再度動きを止める。
「この行為って…………、好きな者同士がするので合ってる、よね?」
「合ってます、では」
「待って…………!」
「どうしました?」
亀頭部分がすっぽり入ったところで、動きを止めた。
「んんっ…………、もう、等級一緒なんだから、…………敬語、必要無い、よね?」
「分かりました。では」
いい加減しつこい。話し過ぎてボロが出て疑われても困る。
「待っ……」
「もう待てるかよ!」
強い締め付けを感じながら、肉棒を奥まで一気にズプリと押し込んだ。
初めて味わう下半身に広がる衝撃と快感に、彼女は身体を大きく反らし、より強い力でギュウギュウと何度も締め付けてくる。
こ、これは、なんて気持ち良いんだ。
いくら身体能力が高いとはいえ、人間でもこんな動きができるものなのか?
「んくっ、はぁ、ティム…………これから、ずっ…………と、一緒」
体位は後背位に移行し、腰を激しく打ち付ける大きい音で、アリスが何を言っているのかよく聞こえていなかった。
それよりも、ピストン中にまだ話せる余裕がある事が、俺のプライドを刺激した。
女がピストン中に出すのは、歓喜の喘ぎ声だけでいい。
いくぞ!これがスーパーウルトラグレートデリシャスワンダフルピストンじゃい!
正常位でお前の初絶頂をしっかり見届けてやるわい!
アリスの細い腰を掴み、肉棒をガンガン出し入れする。
ズプズプと卑猥な連続音が、俺を益々昂らせた。
「アリス、敬語はもう要らないんだったな。じゃあ、もう遠慮は無しだ。
俺はな、アリス。ずっーと、お前にブチ込みたかったんだよぉ。
はぁ~、お前の中、最高に気持ちいいぜぇ」
耳穴を舐めながら、いやらしい言葉を囁く。
「んっ、ふぅん、…………はぁ、あっ、んんっ…………」
「おっ!今、喘いだな?お前も俺に突っ込まれたかったんだろ?な?おい。
はっはっはっ、俺様のイチモツの前では、お前もただのメスに過ぎんのよ、おらっ!」
両手で乳首を掴み、腰を奥まで強く打ち付ける。
「あぁっ…………!」
「イッたか、アリス。飛んでるみたいだろ。よし、次は俺の番だ。中に出すぞ。しっかり受け止めろ!
本当の快楽はこれからだ」
シートを強く掴み、全身を強張らせ、絶頂の余韻に浸るアリスの腰をグッと浮かせ、まんぐり返しの体勢で上から釘を打つように激しいピストンを再開。
「あっ……、ティム……、これ…………、ダメ………!」
恥ずかしがるアリスに、興奮がピークに達する。
いやがおうにもピストンスピードは上がっていく。
「お前、そんな顔もできるんだな。エロ過ぎんだろ。
あー、あがってきたぁ。
そろそろ、中に出すぞ。全部受け止めろ!」
「んっ…………あぁん!」
ねんがんのアリスをてにいれたぞフィニッシュ!
肉棒を抜いた途端、中から溢れ出した大量の精液がそのままアリスの顔にかかった。
綺麗な顔を精液塗れにするのは、最高に征服欲が満たされていく。
「ふぃー、気持ちよかったぁ。よし、一分休憩して二発目いくぞ」
————————
————このフィニッシュをレッドに捧ぐ。
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