時間を戻して異世界最凶ハーレムライフ

葛葉レイ

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プレルス城②

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 ————どちらでも良かったのです。

 ————依頼が、成功しても、失敗しても。

 ————ただ、貴方の力量ことが知りたかっただけですから。

 ————あの男アンリは、ただの駒。私の指示で動いていただけの傀儡。

 ————まさか、谷を鎮めてしまうなんて…………勿論、感謝はしていますのよ?
 でも、もう谷の価値は無くなった。
 貴方だって、攻略した場所に興味は無いでしょう?

 頭に響くこの声は、ピュティロの声だ。
 ああ、意識が朦朧とする。
 ベッドの上で手足を縛られ身動きがとれない。

「うう…………、一体、何を?」

「あら、もう喋れるだなんて、なんて強い自我をお持ちなんでしょう…………フフフ。
 でも、貴方はもう私のもの」

 視界がぼやけているが、どうやら素っ裸にされているようだ。
 ピュティロは穏やかに話しながら、俺の身体に指を這わす。
 触れていく箇所が、迸るように熱くなり、快感で痺れていく。

「うはあああぁ」

 なんて気持ち良さだ。
 この方に全てを委ねたくなる————。

「私は…………貴女のもの」

「あら、良く出来ました。
 いい子ね、ご褒美をあげようかしら」

 ピュティロの足元から、脱いだドレスの落ちる音がした。
 見たい!でも、視界が朧気でよく見えない。
 キラキラと光る靄の中に、グラマラスなシルエットが浮かび上がる。
 彼女の背後に何か蝶の羽のようなものが光っているような…………
 下着姿のピュティロがベッドに乗り、うつ伏せになると、俺の手足が少し自由になった。

「先ずは、脚をほぐしてもらおうかしら」

 何故か逆えず言われた通り、右脚からマッサージを開始した。
力を入れすぎないように、ゆっくり丁寧に、かつ丹念に揉み解す。
 あまりの気持ち良さからか、感嘆の溜息を漏らすピュティロの身体から、キラキラと光粉が舞い上がり、それを吸うと気持ちがとても昂っていく。

「そう…………上手よ」

「お聞きしたい事が」

「なぁに?」

「貴女は、…………本当に人間なのですか?」

「フフフ…………流石ね。
 私の母は、妖精王の眷属なの。私も少なからずその血を引いてるわ。
 母はここの領主だった人間の父に恋をし、結ばれ、この国に移り住んだ。
 その後、戦争が起こり、父は谷底の悪魔に殺されてしまった。
 私の夫も、悪魔との契約を終わらせると言い、谷に降りてそれっきり。
 でも、貴方が全てを終わらせてくれたのよ」

「そうでしたか」

「ありがとう」

「い、いえいえ。へへへ」

 お礼を言われると、嬉しくなってまた気持ちが昂った。
 次は背中をお願いね、と命じられると、また少し身体が自由になり、言われるがままに背中をマッサージする。
 すぐそこに胸や尻があるのは分かってる。
 触りたいけど、何故か触れない。
 まるでリミッターがかかってる様な感覚。
 行動が制限されている。すぐそこに果実があるというのに、目の前に人参がぶら下がっている馬車馬のように決して届かない。
 それが、非常に切ない。
 しかし、この方の命令は絶対。私は指示に従うだけ。勝手な事は許されない。

 それでも、質問には答えてくださる。すなわち、会話の自由は許されているという事。
 ピュティロ様の事がもっと知りたい。

「私を支配下に置いて、これから何をなさるおつもりですか?」

 細い腰を指圧しながら、一番の疑問を投げかける。領主の一人を支配して何をするつもりなのか。

「そうねぇ…………フフフ、何をしたら楽しいでしょう。
 妖精はね、好奇心旺盛で悪戯好きなの。
 貴方を使って、この国を引っ掻き回すのなんてどうかしら?」

「お望みのままに」

 ピュティロは目を細め、舌をペロリと出して、悪戯っぽい笑顔を見せた。
 女伯爵カウンテスという粛然たる貴族様が、下心しかない下劣極まりない下男、即ち下下下の下太郎めにそんな貴重な表情の拝謁を許されるとは、真に恐悦至極。

 ムラムラする私を尻目に、ピュティロが仰向けになる。
 遂に見る事が出来た正面からのお姿に、私の心臓が大きく跳ねた。
 白生地に金色の細工があしらわれた小さい下着に閉じ込められた、柔らかく大きい胸に、目が釘付けになる。
 どこを?どこを?どこをマッサージするのでしょうか?

「手を揉んでもらおうかしら」

 て、手?手って、手ぇ~?
 本土から遥か遠い辺境地に飛ばされた気分にげんなりする。
 出来る事と言えば多少大袈裟に腕を動かして、身体を揺らす程度。
 それでも、下着からはみ出した胸の肉がぷるぷると震え、私をより昂らせた。
 孤高の揺らし師として、ごく自然に施術の一部の如く、ピュティロの腕を通じておっぱいを揺らし続けた。
 少しずつだが、下着にズレが生じている。
 こっ、これは!
 私のささやかな計画がバレないように、些末な質問を織り込む。

「そういえば、アンリの処遇はどうするおつもりで?」

「そうねぇ、私の指示で動いてただけの男だけど、領民の手前、死刑にするしかないでしょう。
 このまま生かしておいて、流言振り撒かれても困りますし。
 同団の団長も責任を取って死刑かしら、ねぇ」

 何か胸がチクリと傷んだ気がしたが、ピュティロ様の判断に間違いは無い…………筈だ。
 そんな事より、あと少し。

「さぁさぁ、次は、左手をば」

 あと少し下着がズレれば、乳首がお目見えするのだ。
 グィングィンと腕を揺らす。

「あん、ちょっと痛いわ。
 そんなに強く引っ張らないで」

 …………ポロッ。
 そんな音がしたようなしなかったような。
 呆気なく本丸を突破された堅固な城のお話。
 頭の中には、悲願だった落城達成を祝い、鼓笛隊のファンファーレが鳴り響く。
 薄いピンクの可愛らしい乳首が、春の息吹に誘われた土筆のように、ひょっこりとその繊細な顔を見せた。どうも、はじめまして。
 ねぇ、貴女は小さいのにどうしてそんなに存在感があるの?
 あの乳首を触りたい。舐め転がしたい。レロレロしたい。
 だが、制限リミッターが私を縛り続けた。
 激しい葛藤が、脳を軋ませる。溢れる欲望が、身体を震わせる。
 ここで、俺が思う確かな事は、乳首を両方見た時に、プッツンするだろうという事だけだぜ。

 そして、既に揺らし師としてのノルマは完遂しているッ!
 肩の施術へと移った後、両乳首はとっくに下着からこぼれ落ちてるぜッ!
 今では下着から丸出しの乳房が、喧嘩独楽の如く、弾け飛び、暴れ廻っているのだッー!

 無意識の中、俺は欲望のおもむくまま両手で巨乳を掴みにかかる。
 頭から血が噴き出した瞬間、意識が完全に戻った。
 どうやら、俺は術中に嵌っていたらしい。

 実はこんな事もあろうかと、自身が状態異常に陥った際の保険として、定期的に、例えば一時間に一回のペースで自分に対して【魔法】が使用されなかった場合、自動的に【回復魔法】が発動する仕組みになっている。
 最も危惧されるのは、その【魔法】自体が発動出来ない程の状態異常に陥った場合だ。
 その時は、段階的な自傷が繰り返され、最終的には自死に至り、そこから強制発動する【時間遡行クロノスフィア】での復活が可能なのだ。

 つまり、今回のテツオが洗脳されたケースにおいては、【魔法】使用不可を含む活動制限状態を体内が自動検知し、強制的に身体ダメージを与え、意識を無理矢理復活させたという流れになる。
 これぞ、あらゆるリスクを自動的に管理し、痛みまたは死を伴ってでも復旧させる苦肉の策、【時間修復クロノスリカバー】である。

 頭から流れる血を消し去り、欲望のおもむくままにピュティロの胸を両手で鷲掴みした。

「あらあら、そこは触ってはいけませんよ。
 ふぅ……………………えっ!えっ?
 何故、自由に動けているのですっ!
 媚薬を大量に飲み、今も私の妖粉を大量に吸い続けているというのにっ!」

 やはり、俺はまんまと洗脳支配されていたらしい。
 危ないところだった。
 こんな姿にされて、辱めを受けるとは、これはかなりのお仕置きが必要だな!やれやれだぜ。

 反撃開始だッ!
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