時間を戻して異世界最凶ハーレムライフ

葛葉レイ

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騎士姫②

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 死ぬ。

 死を覚悟した時、俺の自動魔法パッシブが発動条件を満たした。
 時間が止まったかの様にゆっくりと流れる。
 スカーレット自身も、剣から放たれた閃光すらも、止まったかの様に動きが遅い。
 おそらく更に魔力を込めれば、時間が止まるだろう。
 しかし、戦闘中においてはこの状態で事足りる。

 スカーレットの背後に転移する。
 ほぼ動かない彼女に【風の拘束ウィンドバインド】を発動。
 両手両足に風の縛鎖を巻き付け、完全に動きを封じる。

【闇魔法:生命吸収ソウルドレイン

 あんまり抵抗されても困るから、体力も少し奪っておこう。
 いやしかし、近くで見るとやっぱり綺麗な顔をしているなぁ。
 姫とか言ってたから王族だろうが、なんで騎士なんかやってるんだろう?
 おっと、そろそろ時の流れを元に戻そうか。

「なっ!?」

「私の勝ちかな?」

 身動きの取れないスカーレットは、自分の身に起こった事を飲み込めないでいる。

「早い。
 全然動きが見えなかった。
 つ、強過ぎるわ」

「貴方の方が強いですよ。
 特に、最期に放った剣、非常に怖い技でした。
 死にそうでしたよ」

 笑って応えると、彼女は悔しい表情で呟いた。

「降参よ。
 これ外してもらえるかしら?」

「ああ、すいません」

 急ぎ【拘束】を解き、【回復】を掛ける。
 元気を取り戻した彼女は、剣を鞘に納め、俺の顔をジッと見た後、覚悟を決めたように口を開く。

「私は西国アディレイの第一王女にして聖騎士スカーレット・リリィ・アディレイ。
 勇者である貴方をお迎えにあがりました!」

 何を言い出すんだ、こいつは……?

「いやいやいや、私は勇者じゃありません」

 そこはしっかり否定する。

「え?違うの?
 あ!勇者って自覚がまだ無いだけではなくて?」

「うーん、俺を勇者って思った根拠は何でしょう?」

「そうね、説明するわ。
 根拠は二つ。
 まず一つ目、
 我が国の占い師が予言したの。
 北の国の外れ、とある村に勇者が現れるだろう。
 いずれ巫女となる娘がその勇者と深い繋がりがある。
 まずはその巫女を探せ、と。
 貴方は巫女となる娘エナを知っていたわ。
 二つ目は貴方のその実力。
 勇者は全ての属性の魔法に長けており、全ての装具を使い熟す、と聞いてるわ。
 まさに貴方ね」

「そのエナさんとは、今日の朝に初めてお会いしました。
 深い繋がりは無いので私では無さそうですね。
 エナさんとは話をしたんですか?」

「そうなの?私も今日初めてこの村に来たの。
 話はしたんだけど彼女何か隠しているような気がするのよねぇ。
 勘だけど」

「例えばエナさんが巫女にならないと勇者の存在に気付かないとか、啓示が降りないとか、そういう類いでは?」

「うーん。どうかしらね。
 それよりも貴方、もしかしたら勇者に匹敵するくらい強いかも知れないから、貴方を国にお迎えしたいわ!」

「無理です」

「も、もちろん貴族の贅沢な暮らしを約束するわ!」

「興味無いです」

 ちょっと興味はあるが、なんか堅苦しいのは嫌だ。

「じゃあ私、貴方に着いていくわ!
 ……あ、貴方の事もっと知りたいし!」

 突然何を言い出すんだ。
【魅了】もしてないのに、顔を真っ赤にしやがって。

「いやいや、お姫様がこんな下賤な野郎と一緒にいてはいけませんよ」

 俺のフリーライフを邪魔はさせない。

「じゃあ、予定があるんでこれで」

「あ、ちょっと待ってよ!」

 どこかの国のお姫様とやらを、丘に置き去りにしたまま、村へ【転移】した。
 そんなもんに手を出そうもんなら、そのまま王族との婚姻ルートへフラグが立つまである。
 おそロシア。

 井戸に到着。
 アーニャとようやく会えるぞ。
 ん?アーニャがいない。
 遅いから怒って帰った?
 いやいや、【魅了】が効いた状態でそれはないだろう。
 いつまでも俺が来るまで待つ筈だ。

 道具屋のアーニャの部屋へ【転移】する。
 すでに真っ暗だが、窓から月明かりが差し込みベッドにいる人影を視認した。
 アーニャだ。
 もう寝てるやないかい!
 何故だ?

「ハッ!」

 思わず声が漏れ、慌てて自分の口を手で塞ぐ。
 アーニャは起きなかった。
 ……セーフ。
 思うに【魅了】の効果時間が切れたのだろう。
 盲点だった……

「アーニャ、アーニャ」

 小声で囁き、呼び掛ける。
 果たして【魅了】が掛かった後の好感度はどうなっているんだろう。
 気になる。

 うぅん……と唸ってから、パチリと目が開いた。

「え?冒険者様?どうしてここに?」

 びっくりしているが叫んだりはしないようだ。

「待ち合わせしてたの覚えてないの?」

「え?……覚えてません。ごめんなさい」

「じゃあ、俺の事は覚えてる?」

「はい、もちろんです」

 アーニャは恥ずかしがってシーツで顔を隠した。
 ん?つまり好感度はある程度維持されているが、【魅了】中の約束が記憶から消えたということか。
 難しいな。

「キスしていい?」

「え、困ります」

 とは言うものの拒否する気はなさそうだ。
 キスをして、そのままベッドの中にお邪魔した。
 アーニャの胸は大きくはないが、形が良く張りがある。
 服を脱がそうとすると恥ずかしがるので、少々強引に引っ剥がす。

 「んんっ」

 月夜にアーニャの白い肌が艶かしく照らされる。
 無性に興奮してきて抑えきれず、アーニャの身体にむしゃぶりついた。
 

 「あっ、冒険者様ぁ」

 アーニャの細くて小さい身体を、隅々まで触ったり舐めたりして、じっくりと愛撫していく。受け入れの準備は万全の様だ。

 「入れるぞ……」

 「…………初めてなので、優しくお願いしますぅ」

 足を広げて、割れ目に俺の性器を押し当てる。
 こんな簡単にヤれるなんて、楽しい夜になりそうだ。
 ミッションコンプリート。

 ——————

 事後、商店通り中央に備え付けられたベンチで、夜風に当たりながら物思いに耽る。

 ………………シャワー浴びてぇ。

 村には入浴施設なんて存在しなかった。
 みんなお湯で身体を拭いてるのか?
 あーダメだ。
 気持ち悪い。
【転移】して村の外にでる。

土魔法:石壁ストーンウォール

 自分の周り四方八方を石の壁で囲む。
 これで誰にも見られない。
 装備を【収納】し、素っ裸になる。

火魔法:炎熱ヒートフレイム】と【水魔法:水流アクアストリーム】を同時に発動し、
火水魔法:温水ウォームシャワー】完成だ!

 怒涛の水圧で全身に滝湯を浴びる。
 お湯が溜まってきたので風呂として浸かる。
【炎熱】で温度を微調整しつつ入浴を満喫した。
 なんか身体がスッキリしたらまたムラムラしてきたなぁ。

火風魔法:熱風ヒートウェーブ

 ドライヤー代わりにレベルを抑えた温風で身体を乾かす。
 魔法ってなんて便利なんだ。
 さぁて、次は誰を抱こうかな?
 決めた!

【転移】

 エナを【感知】して彼女の寝室に【転移】する。
 村長の家だ。
 エナは村長の娘だったのか。
 だからなんだってんだ。
 どうしても彼女を抱きたい。
 スカーレットによりまさかの重要人物に浮上してきた気もするが、俺には関係ない話だ。
 巫女とかよく分からんし。

魅了チャーム】して手っ取り早くいかせていただきますよ!

「エナさん、エナ、エナ起きて」

「え?旅人さん?ど、どうして?人を呼びますよ?」

 え?【魅了】が効いてない?
 なんか犯罪感アップするからやめてほしい!

魅了チャーム強化ブースト

「ああ!」

 エナが身体を捩らせ、何かに耐えている。
 うーむ、巫女候補は魔法抵抗力が高いのか?
 それとも、想い人がいるから耐えれるのか?
 検証が必要だ。

「はぁはぁ……」

 ふ、落ちたな。

「エナ、この村に来て初めて見たときから気に入ってたんだよ」

 エナの頬を撫でる。

「でも私……心に決めた人がいるんです」

 え?やはり勇者か?

「そいつは誰だい?」

「言え……ません」

「じゃあ、どこにいるんだい?」

「…………遠いところに」

「こんな可愛い子を置いて遠くに行くなんて」

 頬に添えたおれの手に涙が落ちる。

「私、おかしいんです。
 心に決めた筈なのに、貴方様にどんどん惹かれております。
 貴方様の一言一言が、何故か私の心を満たすのです。
 私、どうしてしまったんでしょうか!?」

 ふむ、心地よい。
 どうやら強化ブーストし過ぎたみたいだ。
 だが、エリンの説明では【魅了】魔法とは魅力を感じる思いを増幅させる掛け算の魔法。
 対象者であるエナは、少なからず俺に魅力を感じていた証拠なのだ。
 つまり、魔法は時短に過ぎない。

「もう我慢する必要はないんだよ?エナ」

 そう言って唇を重ねる。
 勇者なんかに美味しい思いをさせるかっての!

 エナは俺のモンだ!
 俺の勝ちぃぃ!
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