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4.愚か者は誰
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「アリス!」
レーシアの混乱した頭にも、ようやく事の次第が見えてきた。
では、アリスが。
幼い頃よりずっと傍にいて、レーシアを支え、時には叱り、時に励まし。悪戯をして怒られる時も、一緒に悩み苦しむ時も。どんな時でもすぐ横にいてくれたアリスが、そうしたのだと。
アリスなら、それができた。
文字の書き方を同じ教師について共に習い、お互いの文字の癖を真似して遊んだアリスならば。
レーシア自身ですら自分で書いた気がしてしまうほど、そっくりな文字が書けるアリスにしか、できない。
できはするだろう。けれど、どうしてなのか。
そこが、レーシアにはどうしても分らなかった。
何かの間違いなのではないかと、思ってしまう。
「そんな……どうして。あなた……ありす」
レーシアの何度目かの問い掛けに、アリスが立ち止まって答えた。
「申し訳ありません、レーシア様。レーシア様があれほどお止め下さっていたのに。私はどうしても、我慢が出来なかったのです。レーシア様を悲しませる、ピーネ嬢のことが許せなかった。けれど、どうやら私の間違いだったようですね。ネビル殿下は、レーシア様を裏切ってなどいなかったようです」
「いや……だめよ。あり、す」
「私は、私が仕出かしてしまった罪を償うことにします。ネビル殿下、疑ってしまい、申し訳ありませんでした。ピーネ様にも。謝罪申し上げます」
両腕を衛兵に掴まれながらも、それをまるで意に介さず、真っ直ぐに背筋を伸ばし淑女としての礼をとるアリスの姿は、不思議なほど美しかった。
やり遂げたのだという達成感なのか。それとも。
そんな静かに罪を受け入れ会場を去っていった親友とは裏腹に、レーシアはもうひとりで立っていることすら覚束ない有様だった。
それでも、震える足を懸命に動かし、会場を後にしたアリスを追いかける。
ぼろぼろと、ぼろぼろと。大粒の涙が溢れて視界が歪み、咽喉も痞えて言葉もうまく話せない。
そんなレーシアを、ネビルが宥めるように強く抱きとめた。
「君が、アリスを庇っていたことはわかっている。けれどね、レーシア。アリスがやったことは、一つ間違えば殺人だ。それも戦争を引き起こしてもおかしくない程の重大犯罪になるところだったんだよ」
「え?」
間抜けな。あまりにも間抜けな顔をしてしまったレーシアの前で、その人が、姿勢を正し声を上げた。
「改めて、ご挨拶を。パインテール帝国第一皇女ピネリアです。以後、お見知りおきを」
名乗られたその名に、レーシアは反射的に最上級で淑女の礼をとった。
周囲が状況を判断しきれていない中で、レーシアがとったその礼に、ピーネは誰よりも満足げに頷いた。
「友好国であるダーゴン王国第二王子ネビル様を第二王配として迎えいれるべく秘密裏の交渉に参りました。しかし、ご本人から『最愛の唯一が婚約者である』と断られてしまいまして。それでもどうしても諦められずに、一年間だけでも足掻かせて頂きたいと。こうして無理矢理、愛し合うお二人の間に割り込むべくのこのこと学園に通わせて頂きました。その際、唯一の最愛であるならば可能であろうと、おふたりを引き離し、常に私を優先して戴くことも含め、ダーゴン国王陛下へ願い出て許可を頂きました。一年間努力しても無理であったならば、すっぱりと諦めるとの約束の上で」
ごめんなさいね、と首をこてんと傾けたその様は、憎みつづけたピーネの仕草そのものだ。
けれども、その瞳の強さがまったく違っていた。
これが、パインテール帝国王太女殿下の本質なのだろう。
纏う覇気がまるでちがう。
「結果として、どんなに必死にお傍に侍ってみてもネビル様はちっとも靡いて下さらないし、レーシア様は苦言は呈しても正論しか仰らないし。せっかく許された中でもっとも低位であった伯爵家の養女を名乗ったのに、蔑むような言葉を使って詰ることすらされないし。ふふっ。ただ忠臣を諫め虐めを止めることはできなかったようですが、それとて裏を返せばそれだけ強く忠誠を捧げられている存在であるということ。しかも名前を隠して補償をされてしまえば、いくら厚顔なわたくしでも、負けを受け入れるしかございません」
滔々と、隠し続けたその秘密の契約を、ピネリアが語る。
そうして、少しだけ皮肉気に嗤った。
「まぁ、昨日階段から突き落とされた時にはさすがにやり過ぎでしょうと思いましたけれど。護身の心得の無い令嬢でしたら大怪我をするところだったでしょうね」
ほほほ、と笑い飛ばすピネリアに、けれどもレーシアは震えが止まらなかった。
怪我ひとつなかったようだから良かったものの、もし大怪我どころか死なせるようなことになっていたならば、レーシアが両国間での戦争の引き金を引くところであったのだ。
ピーネの抱えていた箱の中身が、彼女自身が引っ掛けて破いてしまった薄手のカーテンであり見た目ほどの重量もなく、むしろクッションの役割を果たしてくれたこととも幸いだったのだろう。
油断していたせいで背後から突き落とされ驚きこそしたものの、体術の心得のあったピネリアは怪我をすることなく着地できたそうだ。
すぐに立たなかったのは、犯人にピーネが無傷だとばれて、隠し持っていた刃物を振り回されるといった修羅場に突入する可能性を考えての事だったようだ。
「まぁそれも私の我儘でレーシア様側には何の説明もせずに始めてしまったことです。婚約者から何も説明されずに一年。よく婚約者であるネビル殿下を信じ続け、耐えらえたと思います。わたくしの完敗です。故にそこは皇国への報告はしないことと致しましょう」
言葉を区切り、わざとらしいほどにっこりと笑ったピネリアが付け足す。
「耐えられなくなったのが忠臣というのも、正直にいえば羨ましいわ」
羨ましがる皇国の王太女は、どこまで理解しているのだろう。
(あぁ、アリス。あなたは本当の所をどこまで知っていて私の為に偽装してくれていたというの)
レーシアは今すぐ親友の後を追って走っていきたかった。
本当のことを、罪を告白し、自分こそが罰を受けてしまいたかった。
でもそれで楽になるのは、愚かなレーシアの心だけだ。
妬心に動かされるままピーネに嫌がらせをし、そのカバーに奔走した忠臣に気付くことなく、挙句その心を無下にしたレーシアは、今度こそ本当に婚約者を下ろされる。まぁそれはいい。元々がその覚悟をして行ったことだ。恋に惑い愚かすぎる私には当然の報いである。
けれど。忠臣アリスの細工に気づくことなく「婚約者の文字である」と誇らしげに証言したネビルは皇国の王配に迎えられても、侮られ辱められることとなるだろう。
ダーゴン王国も同じだ。女王となった暁にはピネリア様から侮られ、対等として扱われなくなる。そんな未来が見えるようだ。
なによりも。
自らの心の閊えを取り除くためだけに、ここですべてを告白するということは、アリスの挺身をすべて台無しにしてしまうことだ。
ぐっと歯を食いしばって身体の奥から湧き上がる震えを押さえつけ、より深く腰を落とした。
「寛大なお言葉。ご配慮、ありがとうございます」
絞り出した言葉に、身代わりとして罪を被ってくれた親友を、思う。
彼女が願ったのは、国の平和か大国との友好か、それとも──
ぎゅっと閉じた目を再び開けた時。レーシアの瞳はそれまでにない深い憂いを帯び、二度とは戻らない。
絶対に、彼女の願いを、そのすべてを忘れてはいけないのだと心に誓う。
「さあ。時間を押してしまって申し訳なかった! 卒業を祝おう」
第二王子のその掛け声で会場のざわめきが止まる。
生徒たちが一斉に頭を下げると、粛々と卒業式の開会が宣言された。
レーシアの混乱した頭にも、ようやく事の次第が見えてきた。
では、アリスが。
幼い頃よりずっと傍にいて、レーシアを支え、時には叱り、時に励まし。悪戯をして怒られる時も、一緒に悩み苦しむ時も。どんな時でもすぐ横にいてくれたアリスが、そうしたのだと。
アリスなら、それができた。
文字の書き方を同じ教師について共に習い、お互いの文字の癖を真似して遊んだアリスならば。
レーシア自身ですら自分で書いた気がしてしまうほど、そっくりな文字が書けるアリスにしか、できない。
できはするだろう。けれど、どうしてなのか。
そこが、レーシアにはどうしても分らなかった。
何かの間違いなのではないかと、思ってしまう。
「そんな……どうして。あなた……ありす」
レーシアの何度目かの問い掛けに、アリスが立ち止まって答えた。
「申し訳ありません、レーシア様。レーシア様があれほどお止め下さっていたのに。私はどうしても、我慢が出来なかったのです。レーシア様を悲しませる、ピーネ嬢のことが許せなかった。けれど、どうやら私の間違いだったようですね。ネビル殿下は、レーシア様を裏切ってなどいなかったようです」
「いや……だめよ。あり、す」
「私は、私が仕出かしてしまった罪を償うことにします。ネビル殿下、疑ってしまい、申し訳ありませんでした。ピーネ様にも。謝罪申し上げます」
両腕を衛兵に掴まれながらも、それをまるで意に介さず、真っ直ぐに背筋を伸ばし淑女としての礼をとるアリスの姿は、不思議なほど美しかった。
やり遂げたのだという達成感なのか。それとも。
そんな静かに罪を受け入れ会場を去っていった親友とは裏腹に、レーシアはもうひとりで立っていることすら覚束ない有様だった。
それでも、震える足を懸命に動かし、会場を後にしたアリスを追いかける。
ぼろぼろと、ぼろぼろと。大粒の涙が溢れて視界が歪み、咽喉も痞えて言葉もうまく話せない。
そんなレーシアを、ネビルが宥めるように強く抱きとめた。
「君が、アリスを庇っていたことはわかっている。けれどね、レーシア。アリスがやったことは、一つ間違えば殺人だ。それも戦争を引き起こしてもおかしくない程の重大犯罪になるところだったんだよ」
「え?」
間抜けな。あまりにも間抜けな顔をしてしまったレーシアの前で、その人が、姿勢を正し声を上げた。
「改めて、ご挨拶を。パインテール帝国第一皇女ピネリアです。以後、お見知りおきを」
名乗られたその名に、レーシアは反射的に最上級で淑女の礼をとった。
周囲が状況を判断しきれていない中で、レーシアがとったその礼に、ピーネは誰よりも満足げに頷いた。
「友好国であるダーゴン王国第二王子ネビル様を第二王配として迎えいれるべく秘密裏の交渉に参りました。しかし、ご本人から『最愛の唯一が婚約者である』と断られてしまいまして。それでもどうしても諦められずに、一年間だけでも足掻かせて頂きたいと。こうして無理矢理、愛し合うお二人の間に割り込むべくのこのこと学園に通わせて頂きました。その際、唯一の最愛であるならば可能であろうと、おふたりを引き離し、常に私を優先して戴くことも含め、ダーゴン国王陛下へ願い出て許可を頂きました。一年間努力しても無理であったならば、すっぱりと諦めるとの約束の上で」
ごめんなさいね、と首をこてんと傾けたその様は、憎みつづけたピーネの仕草そのものだ。
けれども、その瞳の強さがまったく違っていた。
これが、パインテール帝国王太女殿下の本質なのだろう。
纏う覇気がまるでちがう。
「結果として、どんなに必死にお傍に侍ってみてもネビル様はちっとも靡いて下さらないし、レーシア様は苦言は呈しても正論しか仰らないし。せっかく許された中でもっとも低位であった伯爵家の養女を名乗ったのに、蔑むような言葉を使って詰ることすらされないし。ふふっ。ただ忠臣を諫め虐めを止めることはできなかったようですが、それとて裏を返せばそれだけ強く忠誠を捧げられている存在であるということ。しかも名前を隠して補償をされてしまえば、いくら厚顔なわたくしでも、負けを受け入れるしかございません」
滔々と、隠し続けたその秘密の契約を、ピネリアが語る。
そうして、少しだけ皮肉気に嗤った。
「まぁ、昨日階段から突き落とされた時にはさすがにやり過ぎでしょうと思いましたけれど。護身の心得の無い令嬢でしたら大怪我をするところだったでしょうね」
ほほほ、と笑い飛ばすピネリアに、けれどもレーシアは震えが止まらなかった。
怪我ひとつなかったようだから良かったものの、もし大怪我どころか死なせるようなことになっていたならば、レーシアが両国間での戦争の引き金を引くところであったのだ。
ピーネの抱えていた箱の中身が、彼女自身が引っ掛けて破いてしまった薄手のカーテンであり見た目ほどの重量もなく、むしろクッションの役割を果たしてくれたこととも幸いだったのだろう。
油断していたせいで背後から突き落とされ驚きこそしたものの、体術の心得のあったピネリアは怪我をすることなく着地できたそうだ。
すぐに立たなかったのは、犯人にピーネが無傷だとばれて、隠し持っていた刃物を振り回されるといった修羅場に突入する可能性を考えての事だったようだ。
「まぁそれも私の我儘でレーシア様側には何の説明もせずに始めてしまったことです。婚約者から何も説明されずに一年。よく婚約者であるネビル殿下を信じ続け、耐えらえたと思います。わたくしの完敗です。故にそこは皇国への報告はしないことと致しましょう」
言葉を区切り、わざとらしいほどにっこりと笑ったピネリアが付け足す。
「耐えられなくなったのが忠臣というのも、正直にいえば羨ましいわ」
羨ましがる皇国の王太女は、どこまで理解しているのだろう。
(あぁ、アリス。あなたは本当の所をどこまで知っていて私の為に偽装してくれていたというの)
レーシアは今すぐ親友の後を追って走っていきたかった。
本当のことを、罪を告白し、自分こそが罰を受けてしまいたかった。
でもそれで楽になるのは、愚かなレーシアの心だけだ。
妬心に動かされるままピーネに嫌がらせをし、そのカバーに奔走した忠臣に気付くことなく、挙句その心を無下にしたレーシアは、今度こそ本当に婚約者を下ろされる。まぁそれはいい。元々がその覚悟をして行ったことだ。恋に惑い愚かすぎる私には当然の報いである。
けれど。忠臣アリスの細工に気づくことなく「婚約者の文字である」と誇らしげに証言したネビルは皇国の王配に迎えられても、侮られ辱められることとなるだろう。
ダーゴン王国も同じだ。女王となった暁にはピネリア様から侮られ、対等として扱われなくなる。そんな未来が見えるようだ。
なによりも。
自らの心の閊えを取り除くためだけに、ここですべてを告白するということは、アリスの挺身をすべて台無しにしてしまうことだ。
ぐっと歯を食いしばって身体の奥から湧き上がる震えを押さえつけ、より深く腰を落とした。
「寛大なお言葉。ご配慮、ありがとうございます」
絞り出した言葉に、身代わりとして罪を被ってくれた親友を、思う。
彼女が願ったのは、国の平和か大国との友好か、それとも──
ぎゅっと閉じた目を再び開けた時。レーシアの瞳はそれまでにない深い憂いを帯び、二度とは戻らない。
絶対に、彼女の願いを、そのすべてを忘れてはいけないのだと心に誓う。
「さあ。時間を押してしまって申し訳なかった! 卒業を祝おう」
第二王子のその掛け声で会場のざわめきが止まる。
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