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3.愚かな私のたったひとつの恋
しおりを挟む祝福はいらない。
名誉もいらない。
あなたが幸せでいるならそれだけで、私には十分だ。
けれど。
正直、あなたが誰かの妻となって得る幸せを、すぐ横で見続けるのはキツイなと思っていた。
それが相思相愛の、正真正銘この国の王子様とであっても。
それに貴族令嬢であるからにはいつか私も、あなたから離れ、あなたではない誰かの妻にならねばならないだろうし。
そうしてそれをあなたから祝福されたら、それこそ死んでしまいたくなる。
「だから。この結果に私は満足しているのですよ」
あなたの罪を背負った私の事を、あなたは一生忘れないでしょう?
ねぇ。なにより大切な、私のあなた。
「泣きながら追い縋ってくるお顔、かわいかったぁ」
鼻の頭まで真っ赤になって。
涙でボロボロで。
いつものすまし顔とは全然違う。
はじめての表情。
婚約者の不実に怒っている時だって、あんな顔はしてなかった。
私がさせた。私のためだけの表情。
死ぬまで忘れ得ぬように
この方法しかとれなかった愚かなる私の愛を
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