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3.愚かな私のたったひとつの恋
しおりを挟む祝福はいらない。
名誉もいらない。
あなたが幸せでいるならそれだけで、私には十分だ。
けれど。
正直、あなたが誰かの妻となって得る幸せを、すぐ横で見続けるのはキツイなと思っていた。
それが相思相愛の、正真正銘この国の王子様とであっても。
それに貴族令嬢であるからにはいつか私も、あなたから離れ、あなたではない誰かの妻にならねばならないだろうし。
そうしてそれをあなたから祝福されたら、それこそ死んでしまいたくなる。
「だから。この結果に私は満足しているのですよ」
あなたの罪を背負った私の事を、あなたは一生忘れないでしょう?
ねぇ。なにより大切な、私のあなた。
「泣きながら追い縋ってくるお顔、かわいかったぁ」
鼻の頭まで真っ赤になって。
涙でボロボロで。
いつものすまし顔とは全然違う。
はじめての表情。
婚約者の不実に怒っている時だって、あんな顔はしてなかった。
私がさせた。私のためだけの表情。
死ぬまで忘れ得ぬように
この方法しかとれなかった愚かなる私の愛を
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みんなの感想(1件)
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ネビルとピネリアにこそざまぁを望んでしまいたくなるお話でした😭。ツライ😭。アリスの方がよっぽど純愛に感じました😢。
おゆうさん、こんばんはー
アリスの為に泣いて下さってありがとうございます♡
アリスの恋は純愛ですよね。イーリアの恋も。
ネビルは阿呆だけどイーリアへの恋は一途だったと思うんです。阿呆ですけど。
ピネリアもネビルへの想いは本物だったんだと思います。
大国の王太女らしい傲慢さが生んだ悲劇で、その結果を受け入れる度量も持っている。
全員愚者しかいない恋のお話でした。
読んで下さってありがとうございました。