最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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64話

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「じゃあ次は私ね」

と、タケルのことはこの際放置だ。

きっと彼なら無事だ……と思う。
3人が心配してないし。

『続行かよ』


『タケル……お前は良い奴だったよ』


『なんかすごい勢いで空を飛んでた物体があったとか海外のネットニュースに流れてるんだけど笑笑笑』


『勢い速っ!!』


「私は名前の後に何を付ければ良いの?」

「「……」」

「ちょっと、ナツもシオンもどうして黙ったの?」

ここでさっきタケルが言ったことを話したらタケルがどうなるか分からない。

チラッと僕とナツはアイコンタクトを図る。


あ、笑ってる!

ナツのその笑顔は悪いことを考えてる顔だ!!

「タケルさんが何か言ってたみたいですね」

「ええっ、これ言った方がいいのかなぁ」

「めちゃくちゃ笑ってるじゃない。言う気満々って顔をしてるわよ」

ナツ!?
タケルを守ってやろうとかないの?


『タケルがレオナちゃんとユイちゃんが居ない時に、破壊神って言ってた』


『あっ……』


『おい!俺らは空気を読んでコメントしなきゃ良かっただろー!!』


『破壊神って言ってた』


『破壊神って言ってた』


「(#・ω・)むかぁ」

レオナがめちゃくちゃ怒ってる。

さっきよりも空気が冷えちゃってるって!!

そんな空気を知ってか知らずか、光に包まれてタケルが現れた。

「ふぅ、何とか転移道具を持ってて良かったぜ。なんでここ寒いんだ?」

「タケル、ちょっと良いかしら」

「なんだよレオナ。ちゃんと反省して帰ってきたぜ」

「私のことを破壊神って言ってたってさっき聞いちゃったわ」

「…………」

「もう一度反省し直す必要があるようね」

「やめろ!ロシアは行きたくない!」

「ロシアは勘弁するわ。今度は別よ。言っておくけど、その転移道具は1度きりなの」

「はっ?おっ、おま!!!ふざけ……」

再びタケルの姿が光に包まれた。


『今度はどこ行ったんだ?』


『さあ?』


『ロシアはないって言ってたもんな』


『おい!今レベル5ダンジョン中層に、タケルっぽいやつが落ちてく姿が見えたぞ!』


『ふぁっwww』


『ハワイのレベル5ダンジョンかよwww』


『しかもあそこの中層って、一面が海だったよな』


『モンスターも結構手こずる相手が多いって話だぞ』


『タケルなら余裕だろ』


『ちょっwww最近取り付けられたダンジョンカメラに、頭から落下するタケルが捉えられたぞwww』


『ガチやんけwww』


「……今度はレベル5?」

「そうよ。まあタケルの身体能力なら数時間で帰って来れるわ」

「酷い」

「大丈夫。いつもの事よ」

「嘘でしょ……」

「レオナを怒らせるとこうなるから気をつけなよ」

「あら、ナツも行きたいの?」

「なんでもないです」

あっ、ナツも経験ある感じだ。
顔が死んでるもん。

「まあ、私は無難に『魔法使い』で良いわね」

「異議ありません」


『ナツwww』


『めっちゃ大人しくなってる』


アイコンはミオ、ユイ、レオナでのスリーショットになった。

残すところ、タケルだけになった。


「タケルはどうする?」

「アイコンはこの前の石抱きするタケルで良いわ」

「「賛成」」

タケルだけ秒で決まっていってるんだけど。

「名前は?」

「「「脳筋で」」」

「酷すぎる!!」

結局、タケルは脳筋破壊神になってしまった。

タケルだけ3人よりも圧倒的な速さで決まったんだけど……。


「よし!ということで始動させました。呟きはしてるので、皆さんもぜひ確認にして、フォローお願いします」


みんな個人アカウントでの呟きが完了したみたいだ。

タケルのは、レオナが操作してた。

しかもタケルの呟きは、さっきコメントでもあったダンジョンカメラで捉えられた、『頭から海にダイブするタケル』の動画だった。


『くっそwww』


『みんな無難な呟きなのに、タケルだけ異次元過ぎwww』


当然、4人が個人アカウントを作成したことはトレンド入りし、フォロワー数も爆速で増えていっていた。

特にタケルのフォロワー数の伸びが異常で、やはり動画のインパクトが強すぎるのが原因だった。


次いでナツ。
これは、アイコンの『シスターユイに悶絶するナツ』が影響しているみたいだ。

レオナ、ユイも着々とフォロワー数が増えていってるようで、ユイが最初に呟いたツイートに添付されたシスターユイの画像のいいね数は、現段階で今年のいいね数を更新した。


4人の個人アカウントは、Twitterでは異例の公式マークが半日以内で付くこととなった。


タケルが僕の家に付いたのは、雑談配信が終わってから数時間後の事だった。
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