63 / 64
63話
しおりを挟む
「それじゃあ次は僕のプロフィール作成だね」
ナツが自分のスマホを操作する。
「名前は【白夜】ナツで、その後どうしようか」
「騎士?」
とレオナ。
「武芸者?」
と僕。
「私も騎士かなぁと思います……」
「うーん……」
ミオは考え中のようだ。
「タケルは?」
ナツの問いに、タケルは無表情で
「ユイの彼氏」
『おっと……』
『タケル……お前も懲りないな……』
『タケル……お前のことは忘れないよ』
タケルの発言で、空気が一瞬で冷えたような気がした。
ナツもユイもレオナも不敵に笑っているのが逆に怖い。
「タケルはグングニルの効果を知ってるかい?」
ニコニコしながら言うナツの右手には、レベル7ダンジョンソロ攻略時に見せた槍が握られていた。
あ……。
「ナツさん?その手に持ってるものを戻してもらってもよろしいですか??」
「グングニルは北欧神話に出てくる主神、『オーディン』の槍でね。狙った獲物を捉えるまで追尾するんだ」
タケルの言葉を無視してナツは続ける。
「まあこれは紛い物だから、追尾するのは相当な魔力がいるんだけど、僕はこれを矢文として応用できるんだよね」
レオナがタケルに手を向けると、タケルの身体が光の輪で拘束される。
さらにユイが手を合わせて祈るポーズになると、タケルの体が白く染る。
「レオナ、屋根に」
「分かったわ」
シュンッと、レオナ、ナツ、タケルの姿が光に包まれて消えた。
「皆さん、外を見ましょう」
ユイが僕らをリビングへと誘導し、窓を開けた。
窓からマンションなどの風景が映り、身バレの危険性があるけど、ユイの結界が作動しているため、分かってもここには来れなくなるらしい……。
「飛んでこーい!」
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」
タケルの絶叫が聞こえ、少し巨大化したグングニルに巻き付けられたタケルが、飛んでいくのが見えた。
「…………」
「どこ……行ったの」
ミオも表情には出ていないけど、目が見開かれている。
『( 'ω')ファッ!?』
『タケルwww』
『何やってんだあれ……』
「ふぅ」
「ふぃ~」
レオナとナツが戻ってきたため、経緯を聞く。
「ドラゴン〇ー〇を読んでて、石の棒に乗って動くシーンを見たんだけど、あれをやった」
『桃白〇かよwwwww』
『再現すな笑笑笑』
「タケルは調子に乗ってるから、頭を冷やした方が良いわ。ってことでちょっとレベル6ダンジョンがある所まで飛ばして貰ったわ」
「グングニルは魔力を込めるとその分巨大化するから、縛り付けるのにピッタリだったよ」
「ユイの祈りで、空気抵抗とか落下時のダメージを結界で抑えてるし、あの程度なら死ぬことはないわ」
「それでレオナの重力軽減と、軌道を考えて、僕が投げたってこと」
『頭おかしい……』
『レベル6って、確かロシアにあった気が』
『そこはユイちゃんの結界があるから大丈夫……なのか?』
『まあタケルだから死ぬことはないだろうけど』
「えっ!?ロシアまで飛ばしたの?」
「「「うん」」」
「「おぅ……」」
僕とミオは、ただただ驚いてばかりだった。
「じゃあ作成に戻ろうか。シオンの武芸者って結構良いと思ったから、『【白夜】ナツ@武芸者』にするよ~」
プロフィール作成に普通に戻った。
いつもこんなもんなのかな?
絶対皆を怒らせないようにしよう。
「よし、一言文とかも書いたし、あとはアイコンだけど、どうしようか」
「これ……」
残るはアイコン作成、という時にミオが自分のスマホの画面を見せる。
「ははははは!!めっちゃ良いじゃん!」
僕は画面を見て吹いた。
ユイもレオナも笑ってる。
「ほんとにこれにするの?」
「「「「うん」」」」
「まぁ、良いんだけど……」
アイコンはさっきのシスター姿のユイに悶絶する写真になった。
「視聴者さんには皆がプロフィールを作り終えてから是非自分の目で確認してみてくださいね」
と期待させておいた。
「じゃあ次は私ね」
次はレオナの番だ。
ナツが自分のスマホを操作する。
「名前は【白夜】ナツで、その後どうしようか」
「騎士?」
とレオナ。
「武芸者?」
と僕。
「私も騎士かなぁと思います……」
「うーん……」
ミオは考え中のようだ。
「タケルは?」
ナツの問いに、タケルは無表情で
「ユイの彼氏」
『おっと……』
『タケル……お前も懲りないな……』
『タケル……お前のことは忘れないよ』
タケルの発言で、空気が一瞬で冷えたような気がした。
ナツもユイもレオナも不敵に笑っているのが逆に怖い。
「タケルはグングニルの効果を知ってるかい?」
ニコニコしながら言うナツの右手には、レベル7ダンジョンソロ攻略時に見せた槍が握られていた。
あ……。
「ナツさん?その手に持ってるものを戻してもらってもよろしいですか??」
「グングニルは北欧神話に出てくる主神、『オーディン』の槍でね。狙った獲物を捉えるまで追尾するんだ」
タケルの言葉を無視してナツは続ける。
「まあこれは紛い物だから、追尾するのは相当な魔力がいるんだけど、僕はこれを矢文として応用できるんだよね」
レオナがタケルに手を向けると、タケルの身体が光の輪で拘束される。
さらにユイが手を合わせて祈るポーズになると、タケルの体が白く染る。
「レオナ、屋根に」
「分かったわ」
シュンッと、レオナ、ナツ、タケルの姿が光に包まれて消えた。
「皆さん、外を見ましょう」
ユイが僕らをリビングへと誘導し、窓を開けた。
窓からマンションなどの風景が映り、身バレの危険性があるけど、ユイの結界が作動しているため、分かってもここには来れなくなるらしい……。
「飛んでこーい!」
「ぎゃあああああああああああああ!!!!!」
タケルの絶叫が聞こえ、少し巨大化したグングニルに巻き付けられたタケルが、飛んでいくのが見えた。
「…………」
「どこ……行ったの」
ミオも表情には出ていないけど、目が見開かれている。
『( 'ω')ファッ!?』
『タケルwww』
『何やってんだあれ……』
「ふぅ」
「ふぃ~」
レオナとナツが戻ってきたため、経緯を聞く。
「ドラゴン〇ー〇を読んでて、石の棒に乗って動くシーンを見たんだけど、あれをやった」
『桃白〇かよwwwww』
『再現すな笑笑笑』
「タケルは調子に乗ってるから、頭を冷やした方が良いわ。ってことでちょっとレベル6ダンジョンがある所まで飛ばして貰ったわ」
「グングニルは魔力を込めるとその分巨大化するから、縛り付けるのにピッタリだったよ」
「ユイの祈りで、空気抵抗とか落下時のダメージを結界で抑えてるし、あの程度なら死ぬことはないわ」
「それでレオナの重力軽減と、軌道を考えて、僕が投げたってこと」
『頭おかしい……』
『レベル6って、確かロシアにあった気が』
『そこはユイちゃんの結界があるから大丈夫……なのか?』
『まあタケルだから死ぬことはないだろうけど』
「えっ!?ロシアまで飛ばしたの?」
「「「うん」」」
「「おぅ……」」
僕とミオは、ただただ驚いてばかりだった。
「じゃあ作成に戻ろうか。シオンの武芸者って結構良いと思ったから、『【白夜】ナツ@武芸者』にするよ~」
プロフィール作成に普通に戻った。
いつもこんなもんなのかな?
絶対皆を怒らせないようにしよう。
「よし、一言文とかも書いたし、あとはアイコンだけど、どうしようか」
「これ……」
残るはアイコン作成、という時にミオが自分のスマホの画面を見せる。
「ははははは!!めっちゃ良いじゃん!」
僕は画面を見て吹いた。
ユイもレオナも笑ってる。
「ほんとにこれにするの?」
「「「「うん」」」」
「まぁ、良いんだけど……」
アイコンはさっきのシスター姿のユイに悶絶する写真になった。
「視聴者さんには皆がプロフィールを作り終えてから是非自分の目で確認してみてくださいね」
と期待させておいた。
「じゃあ次は私ね」
次はレオナの番だ。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました
七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。
世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。
それが、この世界の 絶対のルール だった。
そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。
異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。
※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる