最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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44話

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はい、やってきました。


こちらは探索者協会ビルから数百メートル以内にあります、高層ビルになります。

「で、デカい…」

本当にここであっているのか、某MAPで何度も確認した。

本当はみんなも来るって言ってたけど、流石に人の家には来れないだろうってことで、勇気を振り絞ってやって来た。


「ハンカチとタオルは持った?」

「水筒は?」

「弁当とか要りますか?」

「オカンか!!!」

どこの遠足に行く子供みたいな扱い方をされた気がする。

「ちょっと話しをするだけなのに、遠足気分じゃダメでしょ」

「襲われないようにするのよ」

「何言ってんの!?」

心配する彼らを他所に、さっさと家から退散してきた。


子供扱いしないでほしいよね。

さて、とりあえずオートロック形式だから、開けてもらわないといけないな。


『送って頂いた場所に着きました』

とメールを打つと、ガチャッと鍵が開く音が聞こえた。

『最上階フロアに来てください』

と、秒で返信が来た。


だから早すぎるって…。

すごいと思ったのは、エレベーターの前に着くと、勝手に開いて、しかもボタンも押さずに最上階のランプが着いた。

なんか、この前みんなで見た映画の『○と○○の○○し』のワンシーンみたいだ。

引っ張られるように中に入らないだけましだよね…。

そうしてエレベーターが最上階に着き、扉が開くと、中学生くらいの身長の少女が目の前にいた。

白銀に輝く銀髪と、吸い込まれそうな青い瞳。

それでいて、白いワンピース。

マジでびっくりした。
幽霊かと思った。

いきなり出てくるのは卑怯だ(泣)

「こ、こんにちわ?」

恐る恐るという形で声をかけてみる。

と言った。

「こっちへ…」

少女はくるっと後ろを振り返って歩き出す。

どうやらこの子に付いていけばいいらしい。

妹さんかな?

少女は、端っこの扉を開けて中に入った。
僕も少女に続く。

「うわあ!!」

思わず声をあげた。
前にYouTubeで見た、レコーディングスタジオの機材が置いてあったからだ。

「ああ、急に驚いてごめんなさい」

「いい…」

「君は妹さん?」

「?」

首を横に傾げる少女。

「私…ミオ…」

「えええええ!!!????」

この子が?

まじで!?


「こう見えて…高校2年…」

「あ、いっしょだ……」

「そう…あなたと同じ」

「達?」

「そこに……いるんでしょ」

少女改め、ミオさんは僕の後ろの方に視線を向けた。


「……」

僕も後ろを振り向く。

すると次の瞬間、その場所からいきなり【白夜】の4人が現れた。


「はぁ!!!???」

思わず素っ頓狂な声を上げてしまった。


なんか、今日の僕は驚いてばかりだな。
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