最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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42話

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「「「「コラボの誘い?」」」」


探索者協会に行ってから、少し日数が経ったある日。

今まで1週間に1回のペースだったのが、ほぼ毎日僕の家に集まるようになっていたみんなに、僕はとあるメールを見せながら言った。

「うん。初めて来たんだ!」

「初めてって、【白夜】は日常茶飯事だろ?」

「バカね、シオン個人にってことでしょ」

「いてっ、わざわざ叩くことじゃねえだろ」

「叩きやすい頭がそこにあったからよ」

「レオナ知ってるか?頭を叩きすぎると馬鹿になるんだぜ」

「「「「元々バカが何を言ってるんだ」」」」

「がーん!!」


落ち込むタケルを無視して、僕は続ける。

「コラボ相手の名前が、この人なんだ…」


みんなでメール画面を覗き込む。


依頼人の名前に、みんな驚愕する。


「なっ、『歌姫ミオ』!?」

「登録者500万人だったよな」

「世界的にも勢いある女子高生でしたよね」

「凄いわねシオン!」


各々反応がある。


『歌姫ミオ』は、タケルが言った通り、登録者500万人越えの超人気歌い手だ。

驚くべきことは、チャンネルを創設してから1ヶ月程しか経ってないという点だ。

作った時期は、僕と同じくらいだと思う。

僕の後だったかな?

僕が現在登録者80万人だ。


だから、『歌姫ミオ』の凄さが垣間見える。

圧倒的な歌声。

その声は世界を魅了する。

ダンジョン配信が人気な現代で、歌い手として人気なのは彼女ぐらいだろう。


「そんな凄い人がコラボに誘ってくるって、やばくない?」

「そうか?」

「そうだよ!だって、この人しかコラボに誘ってくれないんだよ?しかも超人気歌い手だし!恐れ多いし」

「そんな相手が誘ってきたんだろ?すげぇことじゃん」

「そうだね。【白夜】のリーダーとしてのコラボ依頼ならめちゃくちゃ来てるけど、シオンにってことなら、人気にあやかろうとしてる訳では無いことも分かるし」

「登録者でいくと、あちらの方が多いですもんね」

「それで、なんで私たちに言ったの?」


それはもちろん。

「受けても良いかな…って聞いてみようと思って」

「「「「はぁぁぁぁ」」」」

「えっ?」

「決めるのはシオンだって言っただろ?」

「それに、今回はあなたに来てるのよ。【白夜】じゃなくて、あなたよ!自分でしっかり決めなさいな!」

「シオンは自我をもっと出していったほうがいいね」

「ナツの言う通りですよ」


みんなの意見で、僕はまた自分が塞ぎ込んでしまったことに気付いた。

このままじゃダメだ。

自分を変えるためにも、このコラボに受けさせて頂こう!


「分かった!僕はこのコラボ受ける!」

「「「「その意気だ!!」」」」


「返信した!」


「「「「良い調子だ!!」」」」


「待って、返信きたんだけど」


「「「「はっや」」」」



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