最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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37話

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「いや、俺はビビってるぞ」

1番目が輝いてるのはタケルだよ。


「いや、僕もビビってるよ」

うっきうきで腕まくりしてるんだけどねナツ。

「全然演技できてないじゃないの!」

君もだよレオナ。
なんかス〇パ〇サイヤ人みたいに髪がつり上がってるんだけど。

「(・ ^ᵕ^・)」

ニッコニコのユイは逆に怖くなってきたんだけど。


「はは。1人で心配してる僕が馬鹿みたいだ」


僕がみんなを信用しないでどうするんだ。

こんなにもみんなはやる気?に満ち溢れている。

そんなみんなを僕は止めれない。
笑って送り出さないと。

「ギルドマスター。その依頼お受けします」

「感謝する」

ギルドマスター、トウヤ兄さん、女の人は頭を下げた。

「じゃ、話も終わっただろうし帰るか。シオンの飯食いてぇし」

「切り替え早っ!」

「ははは。変わってないみたいで嬉しいよ。入口まで案内するよ。良いでしょうマスター?」

「ああ。丁重にな」

「よし、行こうか」

僕らはエレベーターに乗り込んだ。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

1階に着くと、入った時よりも人の数が多くなっていた。

「なんか人数増えたね」

「昼は昼食も兼ねて集まるのよ。探索者以外にも一般人も増えてるわ」

「ふふ。それに君たちを見に来た人もいるみたいだよ」

トウヤ兄さんが笑っている。


「見ろ!【白夜】だ!!!」


「すげぇ!!!生白夜だ!!写真撮ろうぜ」


「1.2.3.4、、5ってことは、あの怪しいヤツがリーダーのシオン!?」


「レベル7ダンジョン攻略した探索者は面構えが違うわね」


「┌(┌^o^)┐」


ザワザワしだす1階。

「なんか歩くの緊張するね」

「そう?次から会議に参加するなら慣れておいた方が良いわよ」

「うへぇ、ナツが行ってよ」

「やだよ。怒られるし」

 なんて会話をしながら進む。

途中で、トウヤ兄さんの携帯が鳴った。

「はい。もしもし?ギルドマスター??どうされました?はい。え?今からですか?後日では……そうですか。お連れしてきます」

ぐるっと僕の方を振り向いたトウヤ兄さんは、ちょっと暗い笑みを浮かべた。

「帰る時にごめんねシオンくん。ギルドマスターがどうしてもシオンくんの演奏が聞きたくなったんだって。悪いけどもう一度ギルドマスター室まで着いてきてくれないかな?」

「僕は全然良いですよ。みんなもちょっと待ってて」

「おっけ。最高の演奏をしてきてよ」

「うん」

「僕もついていきたいんだけど、ちょっとヘルプに呼ばれちゃってね……」

「行き方は覚えたので大丈夫。じゃあみんな、行ってきます!」

「「「「いてら~」」」」


再びエレベーターの方へ戻った。


すると、近くで少し目つきの悪い探索者集団の一人が、ニヤニヤしながら近くを通る僕に向かって叫ぶ。


「あれぇ~?あいつが例のリーダじゃね?探索者に混じっている一般人の寄生虫が」

ザワッッッッッッッッッッッッッッッッッッッッ!!!!!


一瞬。



フロア全体がざわついた。


「ははっ、リーダーも言ってやんなよ。どちらかと言うとコバンザメだろ」

「言うねぇ、そっちの方が適切か」


コバンザメ。
サメにくっついて餌とかを食べる魚だ。

凄い的を得た言葉だ。

なんだあの人、天才か?


でも僕は無視して、さっさとエレベーターへと乗り込んだ。




一瞬ビクッと空気が冷えたきがしたけど、気のせいかな。



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