最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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32話

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とある施設内。

そこには、複数の男たちがいる。

酒をぐびぐびと飲み、宴会のようなものをしている最中だ。

「ちっ、また【白夜】かよ」

スマホに映ったとあるニュース記事を見ている。

そこには、高校生探索者パーティー【白夜】のメンバーがソロ攻略をしたというニュースだった。

【白夜】の4人がそれぞれ黒色に輝く探索者カードを持っている画像も添付してある。

「すごくないっすかリーダー。レベル7っすよ。俺らなんてレベル4攻略中じゃないっすか」

「凄いのは確かだが、こうも自分より年下が目立つのは腹が立つだろ」

「いやまあ…」

「それなら、俺はあいつが気になるぞリーダー」

「誰だ?」

「そりゃあシオンとかいう【白夜】のリーダーよ。リーダーも気にならねぇか?」

「ああ、あの一般人の小僧のことか。確かにあいつこそ俺が1番癪に障る野郎だ」

「へぇ、やっぱりリーダーもそう思いやすか」

「ああ。聞けばあいつはレベル1も攻略出来ねぇ雑魚という話だ。自分は攻略に参加しないのに報酬だけもらってるとは、、許せんな」

「それによ、レベル7のボスドロップ品で作られた防具を持ってるって話でっせ」

「なおさら許せんな。コバンザメみてぇなやつだ」

「はっ、コバンザメwww」

「言えてるぜリーダー」

「だろ!」

「あ、だったらリーダー、今度探索者協会ギルドに【白夜】が集まる話を知ってるか?」

「ほう、詳しく聞かせてくれや」

「レベル7ソロ攻略の報告で日本ギルドに直接集まることになってるって話で、しかも今までナツとかいう小僧が会議には参加してたが、シオンも強制参加ってことになったらしいぞ」

「それは良い話だ。俺ら以外にもシオンを良く思わんやつはいるだろうしな…ふっふっふ」

リーダーの男は不敵に微笑む。

その笑みに、他の男達も嗤った。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「会議に参加しろ?」

最近はほぼ毎日家に来るようになった【白夜】のみんなが、今日に限ってみんな暗い表情をしている。

「実は、探索者は毎月会議のために集まらないと行けないんだ」

ナツ達の話によると、探索者は全て探索者協会のギルドに所属することになる。

そこからクランやパーティを組むという形になるとのこと。

毎月報告会があるようで、本来はパーティやクランのリーダーや、ソロで活動する探索者だけが集まるけど、今回は【白夜】のリーダーである僕が参加することになったとのこと。


「迂闊だったわ。テレビでシオンがリーダーってことを伝えたのも悪いし、口を滑らせたタケルも、こうなることを考えてなかった私達も悪かったわ…」

今まではナツかレオナが参加してたみたいだけど、僕がリーダーってことが周知の事実になった以上、今まで通りナツかレオナが参加することは出来なくなった。

「今回はレベル7ダンジョンを初めてソロ攻略出来たことも報告しないといけないから、私達4人も一緒に参加することになってるわ」

「じゃあ僕一人で行かないといけないってことではないんだね」

流石に見ず知らずの場所に一人で行くのは危険が危ない。

「特に今回は初めてのことが多いから僕らを見に来る人も多いかもしれないね」

「えっ」

「大丈夫だ。サングラスとマスク、帽子を被ればシオンは大丈夫だ」

「それ、1番の不審者僕じゃない!?」

「いや、ありよ。身バレ防止はそれしか方法がないわ」

「そんな原始的すぎる!!レオナなら幻覚とか魔法で作り出せないの?」

「そんなの出来るわけないじゃない」

「それならユイなら!!」

「すみません、私も無理です…」

「諦めろシオン。大丈夫だろ。報告するだけだからな」

「はあ、それで日付は?」

「来週の日曜日」

「わかった。心の準備だけするよ」


はぁ、なんか嫌な予感がするんだけど…。
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