最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

文字の大きさ
上 下
28 / 64

28話

しおりを挟む
「おっ、始まったみたいですね」


【白夜】の配信が始まった。
現在、みんなはダンジョン入口にいるようだ。

『おおおお!!』


『きちゃあああ!!』


『すごく待ってた』


『シオンから来た!!』


【白夜】のコメント欄には、僕の方を見ていた視聴者さんも、集まっていて、同接数もどんどん増えていってる。

現在僕が、ありがたいことに5万人の視聴者さんがいる。

しかし【白夜】は、20万人いる。

どんどん増えていってる。


それもそうで、前回の雑談配信からチャンネル登録者数が増えていて、現在では600万人を超えている。

「今回はリーダーのシオンが見ているから、気合を入れていこうと思ってるよ~」

気合いが入っているのか分からない口調で、ナツが言う。

「そうね。初めて見るのよね。パーティ攻略」

「頑張りましょう!」

レオナ、ユイは気合い充分のようだ。


「まじすんません」

入口付近の壁には、既にボロボロのタケルがいる。

というか、なんかめり込んでいるような……。

「シオンの料理を食べたから有罪」

とのことらしい。

本当にしばかれてるんだ……。

というか、めり込むって、どんだけ強い力で殴られたんだろう……。

『えっ、怖っ……』


『シオン、許してやれよ』


『作っておかないとやばくないか』


「そうですね。僕がつまむ分とは別に用意しておきます」

流石にタケルが可哀想になってきたし。

『最近のタケルはネタ扱いされてるよな』


『前の頼りになる感じも良かったが、俺は今の姿も新鮮で面白い』


『今日はどんな姿になってるか楽しみになる』


キッチンで作業するよりかは、配信を見ながら作業したかったから、10個くらいじゃがいもを持ってくる。

ついでにさつまいもやれんこんも持ってきた。

『シオンは何してんの』


「みんなが帰ってから揚げれるように、準備してます」

『手際いいな』


『俺は皮むきはピーラー使わんと指切るわ』


「分かりますよ。最初はピーラーを使っていたんですけど、途中から洗い物が面倒くさくなっちゃって……包丁の練習にもなるので、最近は包丁を使うことが多くなりましたね」

『継続って大事なんやな』


『てか皮むきうまっ!』


『速すぎやろ。料理漫画みたいな速さやで』


「いやいや、皆さん褒めすぎですよ。料理人さんだともっと早くなりますしね」


と、視聴者さんと会話しながら下処理を終えた。


タケルも壁から抜け出せたようで、4人は歩みを進めていた。

『ぎゃおおおおお!!!』

「良いタイミングで、ドラゴンが出てきたみたいですね」

色は銀色に輝いている。

コメント欄によると、銀竜と呼ばれていて、魔法系の攻撃に耐性があるらしい。


「しゃああ!!!!」

勢いよくタケルがドラゴンに向かってかけて行く。

「せいっ!」

だけど、タケルが向かうより早く、レオナの手から放たれた白い光線のようなものが、ドラゴンの頭部を貫いていた。


「えっ……」


『Σ(゚д゚;)』


『( ˙꒳​˙  )ファ』


『はぁ!?』


『魔法……耐性……なんで?』


レオナは、カメラに向かって舌を出しながらVサインをしていた。

「イェイ!」


『可愛い』


『( ゚∀゚)・∵. グハッ!!』


『なんだ……この可愛さ……』


『尊死†┏┛墓┗┓†』


コメント欄も『可愛い』というコメントでいっぱいだ。


だけど僕は、驚きの方が大きかった。


「魔法攻撃に耐性があるって話でしたよね……」

「ん、シオンが驚いてるって?」

どうやら、僕の様子を【白夜】の配信のコメントに書いてくれた視聴者さんがいるみたいだ。

「それはねぇ、耐性があるって言っても、完全に耐性があるわけじゃないの。魔法攻撃が効きにくいってこと。だったら、魔法攻撃が効くような高火力の魔法をぶち込めばああなるのよ」

『はああああ????』


『いつ見てもレオナちゃんの魔法は凄いなぁ(白い目)』


『私は探索者です!参考にします!』


『いや、参考に出来んやろ……』


『良かったら詳しく教えてくれませんか?』


「ん?良いわよ。どうせタケルとナツが居ればこの辺は大丈夫だし」


今度はレオナの魔法講座が始まるみたいだ。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

スナイパー令嬢戦記〜お母様からもらった"ボルトアクションライフル"が普通のマスケットの倍以上の射程があるんですけど〜

シャチ
ファンタジー
タリム復興期を読んでいただくと、なんでミリアのお母さんがぶっ飛んでいるのかがわかります。 アルミナ王国とディクトシス帝国の間では、たびたび戦争が起こる。 前回の戦争ではオリーブオイルの栽培地を欲した帝国がアルミナ王国へと戦争を仕掛けた。 一時はアルミナ王国の一部地域を掌握した帝国であったが、王国側のなりふり構わぬ反撃により戦線は膠着し、一部国境線未確定地域を残して停戦した。 そして20年あまりの時が過ぎた今、皇帝マーダ・マトモアの崩御による帝国の皇位継承権争いから、手柄を欲した時の第二皇子イビリ・ターオス・ディクトシスは軍勢を率いてアルミナ王国への宣戦布告を行った。 砂糖戦争と後に呼ばれるこの戦争において、両国に恐怖を植え付けた一人の令嬢がいる。 彼女の名はミリア・タリム 子爵令嬢である彼女に戦後ついた異名は「狙撃令嬢」 542人の帝国将兵を死傷させた狙撃の天才 そして戦中は、帝国からは死神と恐れられた存在。 このお話は、ミリア・タリムとそのお付きのメイド、ルーナの戦いの記録である。 他サイトに掲載したものと同じ内容となります。

Red Assassin(完結)

まさきち
ファンタジー
自分の目的の為、アサシンとなった主人公。 活動を進めていく中で、少しずつ真実に近付いていく。 村に伝わる秘密の力を使い時を遡り、最後に辿り着く答えとは... ごく普通の剣と魔法の物語。 平日:毎日18:30公開。 日曜日:10:30、18:30の1日2話公開。 ※12/27の日曜日のみ18:30の1話だけ公開です。 年末年始 12/30~1/3:10:30、18:30の1日2話公開。 ※2/11 18:30完結しました。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

奇妙な日常

廣瀬純一
大衆娯楽
新婚夫婦の体が入れ替わる話

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

ユーヤのお気楽異世界転移

暇野無学
ファンタジー
 死因は神様の当て逃げです!  地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。

強奪系触手おじさん

兎屋亀吉
ファンタジー
【肉棒術】という卑猥なスキルを授かってしまったゆえに皆の笑い者として40年間生きてきたおじさんは、ある日ダンジョンで気持ち悪い触手を拾う。後に【神の触腕】という寄生型の神器だと判明するそれは、その気持ち悪い見た目に反してとんでもない力を秘めていた。

処理中です...