23 / 64
23話
しおりを挟む
「それじゃあ行きますか~」
片手剣を握りしめ、のほほーんとしながら先へ向かおうとするナツ。
それを横目に、タケルは入口で寝ていた。
「タケルはついて行かないの??」
『ダンジョン攻略すると、攻略者は襲ってこないぞ』
『なんなら入口付近は安全なのか、攻略してなくてもモンスターは出ないようになってる』
ああ、そういうことなんだ。
安心したけど、心臓に悪い……。
というか、この配信を見るだけで僕はどれだけ寿命を縮めればいいんだ……。
「多分シオンの事だからタケルが寝てることに驚いてるだろうねぇ」
ば、バレてる。
「大丈夫大丈夫。万が一襲ってきてもタケルなら余裕余裕!」
そんな僕を見越してか、画面の中のナツは言った。
『マジで考え読んでるやんwww』
『いや、俺も思ったから安心したわ』
『まあダンジョン潜らん人にはわからん話よな』
「まあこのネックレスがある時点で何事も無かったとは思うんですけど、やっぱりこういう場面を見ると不安になりますよね」
『優しい』
『さすがリーダー』
『マジでこういうリーダーだと安心するわ』
『俺は好きだぞ』
『男は黙ってr……俺も好きです』
普通のことだと思うんだけどなぁ……謎に持ち上げられてる感じだ。
しかもなんか危ない人混ざってない???
「さてナツの配信に戻っていきましょうか。早速……タケルも遭遇したドラゴンみたいですね」
バカでかいドラゴンに遭遇した。
タケルが遭遇したドラゴンは身体が赤い鱗に染まっていたが、今回は黒い。
何か違いがあるのかな?
『黒はやばい』
『あれは硬いぞ!』
『まじやばい。1番最悪な色だ』
コメント欄からドラゴンの恐ろしさが伝わる。
どうやら、色によって強さが分かれるみたいだ。
強さは、強い順に黒>金>銀>緑>赤>紫となっている……らしい。
ナツが遭遇しているこの黒いドラゴンは、とにかく硬く、魔法や攻撃が通りにくいとのことだ。
さらに、ブレスも厄介とのことだ。
レベル6ダンジョンのボスも色分けされているみたいで、完全にランダムとのこと。
チラリと色を確認し、紫色のドラゴンが現れてようやく攻略に挑むクランが多いらしい。
全部コメント欄の探索者の話だ。
そしてどうして黒いドラゴンに詳しいか。
それは、遭遇したクランの人も見に来てるみたいで、コメントしてくれていた。
「確か僕らでもこの色のドラゴンに遭遇したこと無かったっけな。楽しみだ」
ナツは片手剣を握りしめると、ドラゴンの方へ駆ける。
「ふっ!」
軽く横薙ぎする。
ガチーん!!と、まるで金属と金属がぶつかった音が響く。
「うへぇ、硬ぁ~」
ナツの表情は余裕そうだ。
「ぐるぁあああああ!!!」
ドラゴンは鋭利な爪をナツに振り落とす。
「ふん!」
振り下ろした爪に合わせるように、ナツが身体を捻り、受け流した。
「ぐるぉぅ?」
受け流されると思ってなかったのか、ドラゴンが驚く。
その隙にナツの手にはいつの間にか刀に変わっていた。
ナツもタケルも、いつの間にそんなの出してるんだ??
「『一閃!!』」
スパンッと、ドラゴンの胴体が斬れた。
「ええええ!!!????」
おかしくない!?
今硬いってコメント欄も言ってたじゃん!
『ふあああああ!????』
『斬った!????』
『やべえええええ!!!!???』
『ナツくんかっこいい!!!』
『こっち向いてぇええ!!!』
「ありゃりゃ。もうちょっと遊ぶつもりだったのにな~」
当の本人はすごく悔しそげな表情を見せていた。
「残念。次行こか~」
素材を回収し、ナツは奥へと歩みを進めた。
片手剣を握りしめ、のほほーんとしながら先へ向かおうとするナツ。
それを横目に、タケルは入口で寝ていた。
「タケルはついて行かないの??」
『ダンジョン攻略すると、攻略者は襲ってこないぞ』
『なんなら入口付近は安全なのか、攻略してなくてもモンスターは出ないようになってる』
ああ、そういうことなんだ。
安心したけど、心臓に悪い……。
というか、この配信を見るだけで僕はどれだけ寿命を縮めればいいんだ……。
「多分シオンの事だからタケルが寝てることに驚いてるだろうねぇ」
ば、バレてる。
「大丈夫大丈夫。万が一襲ってきてもタケルなら余裕余裕!」
そんな僕を見越してか、画面の中のナツは言った。
『マジで考え読んでるやんwww』
『いや、俺も思ったから安心したわ』
『まあダンジョン潜らん人にはわからん話よな』
「まあこのネックレスがある時点で何事も無かったとは思うんですけど、やっぱりこういう場面を見ると不安になりますよね」
『優しい』
『さすがリーダー』
『マジでこういうリーダーだと安心するわ』
『俺は好きだぞ』
『男は黙ってr……俺も好きです』
普通のことだと思うんだけどなぁ……謎に持ち上げられてる感じだ。
しかもなんか危ない人混ざってない???
「さてナツの配信に戻っていきましょうか。早速……タケルも遭遇したドラゴンみたいですね」
バカでかいドラゴンに遭遇した。
タケルが遭遇したドラゴンは身体が赤い鱗に染まっていたが、今回は黒い。
何か違いがあるのかな?
『黒はやばい』
『あれは硬いぞ!』
『まじやばい。1番最悪な色だ』
コメント欄からドラゴンの恐ろしさが伝わる。
どうやら、色によって強さが分かれるみたいだ。
強さは、強い順に黒>金>銀>緑>赤>紫となっている……らしい。
ナツが遭遇しているこの黒いドラゴンは、とにかく硬く、魔法や攻撃が通りにくいとのことだ。
さらに、ブレスも厄介とのことだ。
レベル6ダンジョンのボスも色分けされているみたいで、完全にランダムとのこと。
チラリと色を確認し、紫色のドラゴンが現れてようやく攻略に挑むクランが多いらしい。
全部コメント欄の探索者の話だ。
そしてどうして黒いドラゴンに詳しいか。
それは、遭遇したクランの人も見に来てるみたいで、コメントしてくれていた。
「確か僕らでもこの色のドラゴンに遭遇したこと無かったっけな。楽しみだ」
ナツは片手剣を握りしめると、ドラゴンの方へ駆ける。
「ふっ!」
軽く横薙ぎする。
ガチーん!!と、まるで金属と金属がぶつかった音が響く。
「うへぇ、硬ぁ~」
ナツの表情は余裕そうだ。
「ぐるぁあああああ!!!」
ドラゴンは鋭利な爪をナツに振り落とす。
「ふん!」
振り下ろした爪に合わせるように、ナツが身体を捻り、受け流した。
「ぐるぉぅ?」
受け流されると思ってなかったのか、ドラゴンが驚く。
その隙にナツの手にはいつの間にか刀に変わっていた。
ナツもタケルも、いつの間にそんなの出してるんだ??
「『一閃!!』」
スパンッと、ドラゴンの胴体が斬れた。
「ええええ!!!????」
おかしくない!?
今硬いってコメント欄も言ってたじゃん!
『ふあああああ!????』
『斬った!????』
『やべえええええ!!!!???』
『ナツくんかっこいい!!!』
『こっち向いてぇええ!!!』
「ありゃりゃ。もうちょっと遊ぶつもりだったのにな~」
当の本人はすごく悔しそげな表情を見せていた。
「残念。次行こか~」
素材を回収し、ナツは奥へと歩みを進めた。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説

俺だけ2つスキルを持っていたので異端認定されました
七鳳
ファンタジー
いいね&お気に入り登録&感想頂けると励みになります。
世界には生まれた瞬間に 「1人1つのオリジナルスキル」 が与えられる。
それが、この世界の 絶対のルール だった。
そんな中で主人公だけがスキルを2つ持ってしまっていた。
異端認定された主人公は様々な苦難を乗り越えながら、世界に復讐を決意する。
※1話毎の文字数少なめで、不定期で更新の予定です。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

やさしい異世界転移
みなと
ファンタジー
妹の誕生日ケーキを買いに行く最中 謎の声に導かれて異世界へと転移してしまった主人公
神洞 優斗。
彼が転移した世界は魔法が発達しているファンタジーの世界だった!
元の世界に帰るまでの間優斗は学園に通い平穏に過ごす事にしたのだが……?
この時の優斗は気付いていなかったのだ。
己の……いや"ユウト"としての逃れられない定めがすぐ近くまで来ている事に。
この物語は 優斗がこの世界で仲間と出会い、共に様々な困難に立ち向かい希望 絶望 別れ 後悔しながらも進み続けて、英雄になって誰かに希望を託すストーリーである。
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ナイナイづくしで始まった、傷物令嬢の異世界生活
天三津空らげ
ファンタジー
日本の田舎で平凡な会社員だった松田理奈は、不慮の事故で亡くなり10歳のマグダリーナに異世界転生した。転生先の子爵家は、どん底の貧乏。父は転生前の自分と同じ歳なのに仕事しない。二十五歳の青年におまるのお世話をされる最悪の日々。転生チートもないマグダリーナが、美しい魔法使いの少女に出会った時、失われた女神と幻の種族にふりまわされつつQOLが爆上がりすることになる――

ユーヤのお気楽異世界転移
暇野無学
ファンタジー
死因は神様の当て逃げです! 地震による事故で死亡したのだが、原因は神社の扁額が当たっての即死。問題の神様は気まずさから俺を輪廻の輪から外し、異世界の神に俺をゆだねた。異世界への移住を渋る俺に、神様特典付きで異世界へ招待されたが・・・ この神様が超適当な健忘症タイプときた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる