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20話
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再び動画を再生させる。
「早速、出てきたみたいだね」
「しゃあ!かかってこいや!!」
「ぎゃおおおおおおお!!!」
出てきたのは、めちゃくちゃデカいドラゴンだった。
「は??」
『でけぇぇぇぇぇ』
『えぐうううぅぅ』
『でもこれ勝ったんだよな?ヤバすぎんか』
『まだ序盤だよ??』
『たしかレベル6ダンジョンのボスがドラゴンだったような……』
「レベル6ダンジョンのボスが最初に出てくるんですか!?まだ序盤の序盤ですよね……でも、この動画の感想頼むって言ってたのは2人なので、攻略しているのは分かるんですけど……とりあえず見てみましょうか」
「しゃあ来いやぁ!!!」
タケルは両手に何も持っていなかった。
「ん?」
目をゴシゴシと擦って、もう一度画面を見る。
タケルは両手に何も持っていなかった。
「ぎゃおおおおおおお!!!」
ドラゴンの咆哮がタケルを襲う。
後から聞いた話(ユイ説明)だけどこれは、威嚇のためや、仲間を呼ぶため等の理由があるみたいだ。
この場合だと、前者の威嚇だろう。
画面越しでも分かるくらいの爆音に、耳が痛くなる。
となると、実際に咆哮を受けたタケルやナツは何倍も大きい音を聞いたことになるだろう。
それに、震えが止まらない。
僕を含め並の冒険者だと、萎縮してしまい、動けないところを殺られるらしい。
ガクガクと震えながらも、僕はタケルの様子を見守った。
「うるせえええええええええ!!!!」
「ぎゃおおおおおおお!!???」
ドラゴンの腹部に、タケルの正拳突きが突き刺さる。
「これからこの映像はシオンが見るんだよ!シオンがびっくりするだろうが!!!」
ドラゴンの腹部を両手で抱える。
額に血管が浮かび上がる。
そして、ちゃぶ台返しのように、思いっきり腕をあげる。
「は?」
「どおりゃあああああ!!!!!!」
どしーん!!とドラゴンが倒れた。
「???」
さらに、いつの間にか手に持っていた2mはあろう斧を、軽々と振りかぶった。
「はぁ!!!」
勢いよく叩きつけられた斧は、ドラゴンの身体を真っ二つに切り裂く。
真っ二つになったドラゴンは、大きくて紫色に輝く宝石と羽、牙を残して、光の粒子となって消えた。
「ふいぃ」
「お疲れ様タケル」
「おう!」
「??????????????」
『シオン固まってる笑笑』
『俺もだわ。なんだ、今の』
『あのでかいのを持ち上げた??』
「す、すみません。ちょっと混乱してました。ええっと、ドラゴンを持ち上げた?そして真っ二つ??何一つ意味がわかりません」
画面のタケルはやりきった表情だし、ナツも涼し気な表情だし。
なにこれ、これが普通なの?
「えっと……もしかしてタケルの戦闘スタイルって……」
『基本、素手で突っ込んで行く』
『真っ先にモンスターの攻撃を受けようとする変態』
『あの体つきは俺は好み』
おっと、危ないコメントがあった気がするけど、スルーしていこう。
『俺は2人の攻略配信見たけど、タケルの場合、これが1時間続くぞ』
「マジですか……なんかもう、タケル人間じゃないのかと思い始めましたよ」
『今更かよ』
『いや、でもシオンは初めて見るんだ。この反応が普通だろ?』
『たしかに。俺たちは見続けてきたからあまり驚かなかったが、世界的に見ても、タケルの戦闘スタイルはおかしいわ。再確認出来た』
「これが始まったばかりなんて……」
コメント欄によると、複雑なギミックやトラップはないが、その分凶悪なモンスターが出てくるらしい。
つまり、その凶悪なモンスターに素手で突っ込んで行く姿が画面に映ることになる。
「どっちがモンスターなんでしょうね……」
そう呟いて、動画の再生を続けていった。
「早速、出てきたみたいだね」
「しゃあ!かかってこいや!!」
「ぎゃおおおおおおお!!!」
出てきたのは、めちゃくちゃデカいドラゴンだった。
「は??」
『でけぇぇぇぇぇ』
『えぐうううぅぅ』
『でもこれ勝ったんだよな?ヤバすぎんか』
『まだ序盤だよ??』
『たしかレベル6ダンジョンのボスがドラゴンだったような……』
「レベル6ダンジョンのボスが最初に出てくるんですか!?まだ序盤の序盤ですよね……でも、この動画の感想頼むって言ってたのは2人なので、攻略しているのは分かるんですけど……とりあえず見てみましょうか」
「しゃあ来いやぁ!!!」
タケルは両手に何も持っていなかった。
「ん?」
目をゴシゴシと擦って、もう一度画面を見る。
タケルは両手に何も持っていなかった。
「ぎゃおおおおおおお!!!」
ドラゴンの咆哮がタケルを襲う。
後から聞いた話(ユイ説明)だけどこれは、威嚇のためや、仲間を呼ぶため等の理由があるみたいだ。
この場合だと、前者の威嚇だろう。
画面越しでも分かるくらいの爆音に、耳が痛くなる。
となると、実際に咆哮を受けたタケルやナツは何倍も大きい音を聞いたことになるだろう。
それに、震えが止まらない。
僕を含め並の冒険者だと、萎縮してしまい、動けないところを殺られるらしい。
ガクガクと震えながらも、僕はタケルの様子を見守った。
「うるせえええええええええ!!!!」
「ぎゃおおおおおおお!!???」
ドラゴンの腹部に、タケルの正拳突きが突き刺さる。
「これからこの映像はシオンが見るんだよ!シオンがびっくりするだろうが!!!」
ドラゴンの腹部を両手で抱える。
額に血管が浮かび上がる。
そして、ちゃぶ台返しのように、思いっきり腕をあげる。
「は?」
「どおりゃあああああ!!!!!!」
どしーん!!とドラゴンが倒れた。
「???」
さらに、いつの間にか手に持っていた2mはあろう斧を、軽々と振りかぶった。
「はぁ!!!」
勢いよく叩きつけられた斧は、ドラゴンの身体を真っ二つに切り裂く。
真っ二つになったドラゴンは、大きくて紫色に輝く宝石と羽、牙を残して、光の粒子となって消えた。
「ふいぃ」
「お疲れ様タケル」
「おう!」
「??????????????」
『シオン固まってる笑笑』
『俺もだわ。なんだ、今の』
『あのでかいのを持ち上げた??』
「す、すみません。ちょっと混乱してました。ええっと、ドラゴンを持ち上げた?そして真っ二つ??何一つ意味がわかりません」
画面のタケルはやりきった表情だし、ナツも涼し気な表情だし。
なにこれ、これが普通なの?
「えっと……もしかしてタケルの戦闘スタイルって……」
『基本、素手で突っ込んで行く』
『真っ先にモンスターの攻撃を受けようとする変態』
『あの体つきは俺は好み』
おっと、危ないコメントがあった気がするけど、スルーしていこう。
『俺は2人の攻略配信見たけど、タケルの場合、これが1時間続くぞ』
「マジですか……なんかもう、タケル人間じゃないのかと思い始めましたよ」
『今更かよ』
『いや、でもシオンは初めて見るんだ。この反応が普通だろ?』
『たしかに。俺たちは見続けてきたからあまり驚かなかったが、世界的に見ても、タケルの戦闘スタイルはおかしいわ。再確認出来た』
「これが始まったばかりなんて……」
コメント欄によると、複雑なギミックやトラップはないが、その分凶悪なモンスターが出てくるらしい。
つまり、その凶悪なモンスターに素手で突っ込んで行く姿が画面に映ることになる。
「どっちがモンスターなんでしょうね……」
そう呟いて、動画の再生を続けていった。
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