最強パーティーのリーダーは一般人の僕

薄明

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19話

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「こんばんわみなさん。シオンです」

土曜日の夜。機材をセットしライブ配信を開始する。

『こんばんわ!』


『やあ!』


『しゃあ!』


『こんばんわ(*^^*)』


『今日配信なんや』


「2回目なのにもう5万人……なんかありがとうございます」

視聴者数はどんどん増えていっている。


『そりゃあリーダーだし』


『もう配信しないかと思ってました』


『演奏配信もなんだかんだ楽しかったからな』


「演奏配信は最後にやろうかなと思ってます。今日は実況をやっていこうかなと思います」


『ゲーム?』


『なんの実況?』


『あっ……あれか』


『タケルとナツのやつか』


察しの良い視聴者は気がついたみたいだ。

ということで、配信画面内に、とある動画を載せる。

『【白夜】タケルとナツのレベル7ダンジョン攻略まで』

「察しの良い方はもう分かったと思いますが、今日はタケルとナツのダンジョン攻略の実況というか、振り返りというか、あの、感想を言っていく配信になります」

『きたああああああああ!』


『( ˙꒳​˙  )ヤッタゼ』


『でもこの配信見てたんだよなぁ』


『俺も見た』


「2人の攻略見て頂いた方はありがとうございます。今回は2人に頼まれて、初見で2人の攻略を見ていき、感想を話すことになりました。もちろん、戦う様子なんて見たことないので、楽しみです」

そう、僕は2人はおろか、【白夜】の配信なんて見たことがない。

だからこそ、どんな戦闘スタイルなのかも分からない。

タケルがニヤニヤしながら提案してきたのがすごく気になったけど……。


「さて、前置きはこのくらいにして、早速配信を見ていきましょう!」


僕は、動画を再生させた。



「よーっす」

「やあ」

「じゃあ始めっぞ!」

「だねぇ」


「はいストップ」

僕は再生を止める。

「挨拶ちゃんとしてって言ってたんだけどなぁ」


『い・つ・も・の』


『これが普通だぞ』


『何を驚いてるんだリーダー。これが男だぞ』


「ほんとにこんな感じなんですね……僕としてはもう少しちゃんとして欲しいな」

再び動画を再生する。


「「最初はグー、じゃんけんぽん!」」

「しゃあ!!」

「くっそー」

「俺からだな!」

「はいストップ」

更に動画を止める。


「なんでじゃんけんしてんの??ここレベル6ダンジョンだよね!?!?」

もっと緊張感とか持たないとダメじゃないの?


『マジで初見で安心する』


『懐かしいな。俺もこんな反応してたわ』


『反応が可愛い』


「じゃあ配信を再開します。なんか、1回1回反応する度に禿げそう……」


まだ配信は始まったばかり。


これが1時間続くのか……。

心臓持つかな。
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