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3話
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「なぁなぁ、今日のニュース見た?【白夜】のニュース」
「見た見た。凄いよねぇ!」
「ナツかっこよかったよね!!」
「めっちゃイケメン!!生ナツ様を見てみたい!!」
教室内も、【白夜】の話題で溢れていた。
同じ高校生ということで、親近感が湧くのかもしれない。
机に突っ伏しながら、僕はクラスメイト達の会話を盗み聞きする。
「シオン!!おはよう」
「ハルトくんおはよう。今日も元気だね」
「そういうシオンは朝から暗いな!もっと熱くなれよ!」
「どこの選手のマネかな?朝は眠くならないの?」
元気に話しかけてきたのは、高校に入学して初めてできた友人のハルトくんだ。
ハルトくんは誰とでも仲良くすることが出来る、僕からすると憧れの人物だ。
そんなハルトくんは、入学初日から同じクラスだった僕にも気軽に話しかけてくれるため、仲良くなることが出来た。
「シオンも【白夜】のニュースを見たか?」
「うん。凄いよねぇ」
「ああそうだな。俺は特にナツの言っていたことが気になったぞ!」
「やっぱりハルトも気になるか!!」
ハルトは普段の話し声でも声が大きいため、周りの耳に入りやすい。
特に【白夜】の話題だったため、周りのクラスメイトもそれぞれの話を中断し、ハルトに話しかけている。
「【白夜】のリーダー!!今までナツがリーダーだと思っていたのに、リーダーが他にいることに驚いた!」
「そうよね!今までずっと4人しか映ってないから、4人パーティーだって思ってた!!」
「めっちゃ気になるよね!」
「ナツは俺たちと同じ高校生ってことだけだけ言ってたな」
えっ?そんなこと言ってたの?
最後までニュースを見てなかったから、分からなかったんだ……。
「身バレ防止のためにSNSを一切やってないらしいから、うちらと全然格が違うよね。流石最強パーティのリーダーって感じ」
「分かる!今までダンジョンに潜ったことが無いって話だし、行かなくても4人で強いから、リーダーはもっと強いのよきっと!」
おーっと、知らないところで【白夜】のリーダーの価値が爆上がりしてるんだけど……。
あと僕、一応TwitterもYouTubeもやってるんだけど??
対して4人は【白夜】という名前でYouTubeアカウントを作って、たまにダンジョン配信を行っている。
配信も多様化しており、ダンジョンの攻略する様子を配信する、ダンジョン配信が人気コンテンツとなっている。
中でも【白夜】のダンジョン配信は、高校生にして世界トップクラスのパーティーであることに加え、各々が別々の個性を発揮しており、それが人気になるためのひとつとなった。
カメラは自動で撮影する高性能のドローンのため、誰かが撮影者となる、ということがないため、4人も自由に行動出来ている。
「そういや、リーダーの名前はシオンだったよなぁ」
僕を見ながらハルトくんは言う。
クラスメイトも釣られるように、僕を見た。
が、
「お前は……違うな」
「確かに、三神くんは、その、」
みんな微笑ましい目で僕を見ている。
そりゃそうだ。
体育の運動音痴ぶりを遺憾無く発揮しているからだ。
僕は真面目にやってるのに……。
バレーボールは手に当たらない。
ラケットはスマッシュを打とうとしてラケットを振っても、空振りして羽根が頭に当たったり……。
ドッチボールでは窓にされる。
こんなのがリーダーなんてないだろう……。
うん、僕もそう思う。
クラスメイト達の微笑ましい目が、今の僕には辛かった。
今日1日、いつも以上にみんな優しかった気がする……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後、部活なんて入ってない僕は、1人家に帰った。
高校生になり、自分と4人の希望で1人暮らしをし始めた。
最初は家事に慣れなかったけど、今は何とかなっている。
リビングに入ると、机の上に白い箱が置いてあった。
また、みんな《・・・》からか。
中を開けると、冷凍された肉や新鮮な野菜が入ってあった。
『シオンへ。今日もたのむ!!』
手紙付きだった。
「りょうかい!」
僕はエプロンを身に纏うと、さっそく料理を始めた。
これが4人が僕に1人暮らしを希望させた理由だった。
4人の中の1人、レオナは魔法に長けている。
その実力は、探索者の中でも1番上だと僕は思ってる。
というのが、転移魔法を使えるという点だ。
白い箱はナツミが送って……いや、置いていったんだと思う。
最初はびっくりしたけど、段々平気になった。
毎日届くわけではないけど、これが送られてきたということは、『ものすごくお腹がすいてるから、作っておいて』という、4人からのメッセージだ。
1週間から2週間に1回のペースで僕が料理を振る舞い、みんなでご飯を食べている。
僕が好きな時間だ。
「見た見た。凄いよねぇ!」
「ナツかっこよかったよね!!」
「めっちゃイケメン!!生ナツ様を見てみたい!!」
教室内も、【白夜】の話題で溢れていた。
同じ高校生ということで、親近感が湧くのかもしれない。
机に突っ伏しながら、僕はクラスメイト達の会話を盗み聞きする。
「シオン!!おはよう」
「ハルトくんおはよう。今日も元気だね」
「そういうシオンは朝から暗いな!もっと熱くなれよ!」
「どこの選手のマネかな?朝は眠くならないの?」
元気に話しかけてきたのは、高校に入学して初めてできた友人のハルトくんだ。
ハルトくんは誰とでも仲良くすることが出来る、僕からすると憧れの人物だ。
そんなハルトくんは、入学初日から同じクラスだった僕にも気軽に話しかけてくれるため、仲良くなることが出来た。
「シオンも【白夜】のニュースを見たか?」
「うん。凄いよねぇ」
「ああそうだな。俺は特にナツの言っていたことが気になったぞ!」
「やっぱりハルトも気になるか!!」
ハルトは普段の話し声でも声が大きいため、周りの耳に入りやすい。
特に【白夜】の話題だったため、周りのクラスメイトもそれぞれの話を中断し、ハルトに話しかけている。
「【白夜】のリーダー!!今までナツがリーダーだと思っていたのに、リーダーが他にいることに驚いた!」
「そうよね!今までずっと4人しか映ってないから、4人パーティーだって思ってた!!」
「めっちゃ気になるよね!」
「ナツは俺たちと同じ高校生ってことだけだけ言ってたな」
えっ?そんなこと言ってたの?
最後までニュースを見てなかったから、分からなかったんだ……。
「身バレ防止のためにSNSを一切やってないらしいから、うちらと全然格が違うよね。流石最強パーティのリーダーって感じ」
「分かる!今までダンジョンに潜ったことが無いって話だし、行かなくても4人で強いから、リーダーはもっと強いのよきっと!」
おーっと、知らないところで【白夜】のリーダーの価値が爆上がりしてるんだけど……。
あと僕、一応TwitterもYouTubeもやってるんだけど??
対して4人は【白夜】という名前でYouTubeアカウントを作って、たまにダンジョン配信を行っている。
配信も多様化しており、ダンジョンの攻略する様子を配信する、ダンジョン配信が人気コンテンツとなっている。
中でも【白夜】のダンジョン配信は、高校生にして世界トップクラスのパーティーであることに加え、各々が別々の個性を発揮しており、それが人気になるためのひとつとなった。
カメラは自動で撮影する高性能のドローンのため、誰かが撮影者となる、ということがないため、4人も自由に行動出来ている。
「そういや、リーダーの名前はシオンだったよなぁ」
僕を見ながらハルトくんは言う。
クラスメイトも釣られるように、僕を見た。
が、
「お前は……違うな」
「確かに、三神くんは、その、」
みんな微笑ましい目で僕を見ている。
そりゃそうだ。
体育の運動音痴ぶりを遺憾無く発揮しているからだ。
僕は真面目にやってるのに……。
バレーボールは手に当たらない。
ラケットはスマッシュを打とうとしてラケットを振っても、空振りして羽根が頭に当たったり……。
ドッチボールでは窓にされる。
こんなのがリーダーなんてないだろう……。
うん、僕もそう思う。
クラスメイト達の微笑ましい目が、今の僕には辛かった。
今日1日、いつも以上にみんな優しかった気がする……。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
放課後、部活なんて入ってない僕は、1人家に帰った。
高校生になり、自分と4人の希望で1人暮らしをし始めた。
最初は家事に慣れなかったけど、今は何とかなっている。
リビングに入ると、机の上に白い箱が置いてあった。
また、みんな《・・・》からか。
中を開けると、冷凍された肉や新鮮な野菜が入ってあった。
『シオンへ。今日もたのむ!!』
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「りょうかい!」
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その実力は、探索者の中でも1番上だと僕は思ってる。
というのが、転移魔法を使えるという点だ。
白い箱はナツミが送って……いや、置いていったんだと思う。
最初はびっくりしたけど、段々平気になった。
毎日届くわけではないけど、これが送られてきたということは、『ものすごくお腹がすいてるから、作っておいて』という、4人からのメッセージだ。
1週間から2週間に1回のペースで僕が料理を振る舞い、みんなでご飯を食べている。
僕が好きな時間だ。
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