【完結】天邪鬼でブラコンなメイベルお嬢様は、お仕置きされたいようです【R18】

世界のボボ誤字王

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ハロウィンの夜 16 ~執事視点~

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 気づくと、ベッドの上に後ろ手に縛られたお嬢様が、うつ伏せで倒れていた。

「え?」

 ふわふわ砂糖菓子みたいなお嬢様は、身体中噛み跡やキスマークだらけで、全身にベタベタした液が付着した状態で気絶している。

「お嬢様?」

 ……何があった?

 ジワジワと、お嬢様をさんざん辱めた記憶が、虚ろな頭の中に蘇る。

 ゾッとした。

 これは……俺がやった……のか?

 俺はすぐにバスルームに駆け込み、湯を貯める。何をしているんだ俺は、お嬢様に何をした!?

 お嬢様を抱き上げ、浴槽に体をゆっくり横たえた。傷を調べるように、丁寧に洗う。

 ホッと胸を撫で下ろす。幸い深くはない。すぐ消えそうな軽い歯型とキスマークだけで、傷や血はない。

 長いまつ毛が震え、鮮やかな緑がしばらくさまよった後、俺に焦点を合わせた。

「お嬢様、私は大変なことを」
「ネイサン」

 俺の体液でカピカピに固まったクリームブロンドを洗いながら、俺はいつものフワフワなそれに戻そうと必死だった。

  まるで、お嬢様を辱めた自分を帳消しにするかのように、お嬢様を真っ白な泡塗れにしていた。

「すぐに全部落とします!」
「ネイサンってば、ねえ、聞いてる?」

 声を上げすぎてガラガラの喉。ルシール嬢より声デカかったな、とそんなことを思い出し、俺はぎゅっと目を瞑る。

「は……い」
「ネイサンは、私の命令を聞いただけよ」

 驚いて目を開けると、キスマークを誇らしげに俺に見せる。

「私、満足したわ」

 使用人ごときにドロドロにされたのに、お嬢様はツンと顎を反らして高飛車に言う。

「なかなか上手いじゃないの」

 なんてこと言うんだこの人は。途方に暮れていると、一転してお嬢様の表情が曇る。

 不安げに。

「だから、ネイサン、罪悪感なんて持たないで」
「え?」
「そんな後悔しているような顔、しないでよ」

 自嘲気味なお嬢様の口調に、俺は胸を痛めた。

「私は、執事にあるまじき行為を致しました」
「私が命じたの、私が変な薬を盛ったの」

 お嬢様は、掠れた声を絞り出す。

「仕方ないじゃない、だってネイサン、私のこと大好きなんだし。命じられたら執事は従わなきゃダメだし、ね?」

 ツヤを取り戻してきた髪を湯で流し、泡で優しくお嬢様の体を洗う。

「沁みませんか?」
「乳首が痛いわ」

 顔を赤くするお嬢様。

「やさしく撫でて」

 俺はため息をついた。

「お嬢様」
「冗談よ、自分で洗うわ」

 俺は陶器の浴槽の縁に手を付き、立ち上がる。

「あがったら、消毒と、軟膏を塗りますね」

 バスルームから出ていこうとすると、お嬢様は俺を呼び止めた。

「ネイサンは悪くないからね! あ、でも……」

 背後で含み笑いがした。してやったり、というような声が、俺を追いかけてきた。

「ネイサンはもう、うちでしか執事できないわね。一生、私の執事ね!」


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