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違和感

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 言っている意味が分からず、私はフリーズする。

「あ、愛液?」

 セドリック君は、極めて事務的な口調で説明した。

「僕のスライムは、あと少しで完成なんです。でも、それには女性の愛液が必要だから……」

 冗談かと思った。

 でもこの清らかな童貞天使が愛液を欲しいだなんて、そんなこと言うはずない。卒研のためでもなければ。

 そういえば、ホムンクルス生成の場合には、絶倫の精液が必要って聞いたことがあるわ。

「で、でも……」
「ください。これは人類のためになる発明なの」

 スライム生成ってそんなにすごい発明だっけ?

「あの……急に愛液をよこせと言われても」

 この子は知らないだろう。感じないと出てこないなんて。

 目の前で自慰をしたら引くだろうし。ちょっくら別の部屋で自慰をしてくる? そして採取してくればいいのかしら。なんか恥ずかしいわね。

「ビーカーを貸して。後で持ってくるわ」
「ダメです」
「え?」

 セドリック君は黒い箱を開けた。覗き込むと、透明の物体が脈打っている。

「取れたての新鮮な愛液を即座にかけないと、このスライムは進化しない」

 めんどくさいスライムね。ていうかスライムってなんなの? それが何の役に立つっていうの?

 ……なんて生徒の熱意に水を差すようなことは、言えない。

「そうだ」

 セドリック君はパァァァッと顔を輝かせた。可愛い。ほんとうにこの子、天使なんじゃないの?

「僕が手伝うね」

 そういうと、いきなり胸元に手を伸ばし、私のボンデージスーツのチャックを指で摘んだ。

 ジーッと臍まで下げられ、無理やりビスチェに押し込まれていた私のオッパイがまろび出る。

 反射的に隠そうとすると、手首をつかまれた。

 意外に力強くて驚いてしまう。こんな華奢だけど、やっぱり男の子なのね。

「僕知ってますよ、愛液の採取の仕方」

 水色の瞳が細められ、私を突き刺すように見つめる。

 まごつく私にニコッと笑いかけ、次の瞬間、私の胸に顔を埋めた。柔らかい髪の毛が乳首をこする。

「ちょ──!?」
「あー、ぱっふぱふ、たまんねー」

 セドリック君はそんなこと言わない。

 空耳? くぐもっていたから聞き間違えたのよね。オッサンみたいな低い声だったし。

 窒息しかけたのかやっと顔を離すと、セドリックくんは私の手首を放した。

「では、よろしくお願いします」

 そう私──のオッパイに頭を下げて挨拶し、いきなり両手でワシワシ揉みしだきだした。
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