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本編

お嬢様の初体験

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「お嬢様。俺を好きって言って、いいですよ」

 アレクが笑みを浮かべながらそう言いました。

 わたくし、こじ開けられた腿を必死に閉じようとしていてそれどころじゃなかったのですけれど、それでも脊髄反射で言い返してしまいました。

「まぁぁっ、わたくしが誰を好きですって? 逆ですわ、あなたがわたくしのこと好きなのでしょう?」 

 アレクは笑みを引っ込めました。

 おもむろにわたくしのお尻に手をやり、な、なんと下半身を折り曲げるように持ち上げたのです!

「ひっ! ア、アレクおやめなさいっ!」

 う、嘘ですわ、好きですわっ! この悪いお口め! わたくしちゃんと気づいてますっ、アレクのことを好きだって、気づいていました!

 ただ、悔しくて認めたくなかったのです。

 だってわたくし、プライドがとっても高いでしょ? わたくしがいくら好きでも、アレクがもし違ったらと思うと──。

 成長するにつれ、いつの間にかアレクを追いかけるのが、わたくしの方になっていたんですもの。

 無邪気で可愛いアレクが、どんどん口数も減り、大人になっていってしまう。

 わたくしを置いて。

 まるでわたくしより大事なものがあるかのように。

 心配だったのです。

 わたくしのこと、そのうちどうでもよくなってしまうのではないかって……。

「ちょ、アレク!」

 わたくしはジタバタと腿を閉じようと必死です。

 だって、アレクの目の前で御開帳ですわよ!? そんなところ見られたら、貴族たるもの死ぬしかありませんわ!

 ところが、アレクは開いた股間に顔を近づけたではありませんか!

「いやっ、いやよアレク! 汚いところですわっ、見ないで!」

 この何もかも美しいわたくしにも、汚い部分はありますのよ!

 手で隠そうとすると、舌打ちされました。

 なんということでしょう! ベルトを外し、両手首をまとめられ、簡易パイプベッドの柵に縛り付けられてしまいました。

「動くなと言いましたよね?」
「わ、わたくしに命令するなんて、どういうつもりで──ひやぁぁっ」

 アレクがっ、あろうことか内腿に舌を這わせだしたのです。

 ぺろぺろぴちゃぴちゃ。

 恥ずかしいやらくすぐったいやらでもがきますが、アレクは腿を掴んで放してくれません。

「つるつる蜜が滴ってくるのが、恥ずかしいんじゃないですか? だから唾液でごまかしてあげたんですよ」

 しばらく舐め回したあとやっと顔を離し、唇をペロッと舐め、わたくしの涙目を覗き込んだアレク。

「い、いいから、こ、この体勢を元に戻して!」

 ひんひんむせび泣きながら、両足の間から抗議しました。ところが、再び顔を腿の間に沈められました。

「あっひっぁん!」

 なんと、お股の奥に舌を入れられてしまいました。

 わたくしの股間のひだひだの奥の穴にですわよ?

 え? 汚いですわよ!?

 ほじくられ、じゅじゅっと吸われて、ショックなはずなのに。

 下腹部がきゅんとなり、戸惑いました。

 恥ずかしい目に遭わされ、それが嫌ではないって、どういうことなのでしょう。

「……っ」

 長い舌を挿し入れし、クチュクチュとかき回す音に赤面してしまいます。

「いくらでも蜜が出てきますよ、お嬢様」

 こんな、屈辱が……すごく……気持ちいいですって? わたくし、くらくらして目を閉じてしまいました。

「これ知ってる? こんな場所があるの知らないでしょう? お嬢様、自分で慰めるなんてしてないだろうな」

 下の唇に話しかけるように言われて、わたくしは腰を揺すりました。そこは顔じゃありませんのよ?

「な、なんのことですの──くはっぁああっ」

 濡れた秘部の上に歯を立てられました。正確には、そこにある何かに。

「秘密の芽がさ、めちゃくちゃ膨らんで尖ってるんですよ、さっきから。いきり立ってる」

 しゃべりながら、カリッカリッカリッと前歯で何度もこすられました。

 わたくしそのたびに頭が真っ白になってしまい、アレクのお話している声が聞こえません。

「何度も軽く達してるようだけど、俺にもよく分からないや。童貞だからね」

 ボソッと告白するアレク。

「寮を抜け出して娼館に行こうって、誘われたこともある。でも勃つわけないって思ったんだ」

 やっとお尻を置かれ、わたくしは解放されましたが、力が入りません。

「お嬢様以外、勃つわけない」

 アレクがズボンの前を寛げました。

「なるべく優しくします」
「あ? ……へ?」

 アレクをぼんやり見返すと、彼はわたくしを見て「困った人だな」と呟きました。

 え、なにが?

「そんな淫らな顔、ぜったい他の奴には見せられない」

 何か熱いモノが、わたくしの両足の奥にあてがわれました。

「力を抜いて、お嬢様」

 わたくしを抱きしめ、アレクは掠れる声で耳元に囁きます。

「気を楽にして、俺に任せてみて」

 耳たぶをしゃぶりながら、もう一度優しくそう囁きました。

 わたくし、大きく広げられた足の間にアレクが密着してくれたのが嬉しくて、その後の痛みを予想できませんでした。

 ヌププッと入り込んできた楔に、わたくしの体が硬直します。

「あっ、アレク待って、何をしようとしているの?」
「何って、お嬢様を俺のものにするんですよ」
「んんっねえ、痛いっいたっいたたたいた」

 わたくし、汗びっしょりになってしまいました。じわじわ体を引き裂かれる痛みにのけぞり、首をふるふる振ります。

 なんですの? 中に挿れようとしていますの?

 わたくしだって、男女別の授業で性教育はされています。

 殿方のお股の管とドッキングさせることくらい、わたくしのように優秀な貴族の娘なら簡単だわ、と思っていたのに。

「む、無理ですわ」

 こんなに痛いなんて。

 でもアレクも額に汗をびっしりかいてます。

 ……すごく苦しそう。

 わたくし、心配になってしまいました。

 なんてことかしら。

「あ、アレク? あなたも痛いのね? 大丈夫、わたくしが今治癒魔法を──」
「どうしていつも、俺のことばっかり気遣うんですか!」

 怒ったようにそう叫ばれて、わたくし、次の瞬間一気に貫かれておりました。
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