孤独な美少女剣士は暴君の刺客となる~私を孕ませようなんて百年早いわ!~

世界のボボ誤字王

文字の大きさ
上 下
97 / 98
別れと始まり編

ロウコ、わがままを言う

しおりを挟む


 港から出る船は、西の大陸ウェスティアに行く船だった。

 まだほとんどが未開だが、各国がこぞって植民地を展開しようとしている、資源や黄金の眠った大陸である。

 アリビア帝国からは、最初に踏み込んだ勅許会社の大貴族が総督府を開き、この新大陸の開拓に励んできた。

 しかし独自の政治、宗教、また課税──本土の課したものを無視──を押しきろうとする植民地に対し、皇帝は不快感と恐れを抱く。そして本土軍に侵攻させた。

 当時の総督は独立を支援したとして殺され、現在はその後成人した息子が後任を務めている。しかし開拓は遅々として進んでいない。

 先住民との戦いは苛烈を極め、諸外国も奥地まで開拓するどころではなく、外で牽制しあっている状態だ。

 それでも一攫千金を夢見た入植者が、大陸の東海岸に続々と押し寄せていると言う。

 新大陸には、豊富な金鉱が眠っているという噂があるのだ。

 ところが、アーヴァイン・ヘルツが言うには、後任の総督が先住民と手を結び、大陸を横断して危険な西海岸までの開拓を進めているとのことだ。

 これは皇帝にも議会にも、秘密裏に行われてきたという。

 そこでは逃げてきた旧教徒や、国籍関係なく移民を受け入れ、いくつか街を形成していた。

 先住民を排除しようとする外国よりも一歩先んじて、西の大陸を掌握する足がかりを作っているのである。

 ヘンリーたちは、その町の一つに身を隠す予定だった。




 港に着くと、総督府の迎えの者が来ていた。

 赤茶色の肌の、明らかに西の大陸の先住民の血を引いた男だった。奴隷として連れてこられた彼らと違って、きちんとした仕立てのいい服を着ている。

 羽飾りや化粧はしていないため、肌色とその鷲鼻の力強い顔立ち以外、彼らを彷彿とさせるものが見当たらない。

 訛りが一切ない公用語も美しい。完全に先進国の人間だ。

「ナシュカ族の長、チチンカ・パイパイと申します」

 いきなり下ネタを言われたのかと身構える一同に、上品な笑みを返す。

「明日の船で発ちます。今日は、ゆっくりこの港町を楽しんでください」

 言われて、シャオリーは顔を輝かせた。リンファオに飛びつく。

「遊ぼう」
「──ッ!?」

 リンファオが戸惑う。ロウコが怒ったように子供を引き剥がした。

「俺とこいつが遊ぶんだ。待ちくたびれた」

 彼は血が滾るような戦いに、飢えていた。

 けっきょくあの異能者どもも、妙な結界の術さえ無ければロウコの相手では無かった。

 蛟は皆殺し、麒麟とやらもひとり生きのいい若いのに逃げられた以外、老人は全員殺ったのだが……問題は、鏡獅子だ。

 二人は殺った。

 だが術者ひとりに逃げられてしまった。最後にリンファオを傷つけたやつ。

 さんざんへとへとになって探したというのに、リンファオには「あんな目立つ格好のやつらを逃がしたの? ロウコって、やっぱり役立たず」と罵られ、鬱憤が溜まっている。すごく。

 リンファオからしたら、ロウコがリンファオの血液を取り返して来なかったのだから、憤懣やる方ない。

 むしろ、土蜘蛛の美少女の血を手に入れたということで、それこそ死に物狂いで逃げたことが、その鏡獅子の命を救ったのだろうが……。

 結果、二人は今もギリギリとにらみ合い、今にも戦いが始まりそうな雰囲気だった。


「話があります、ロウコ」

 ヘンリーが、すっと土蜘蛛の元番人とリンファオの前に出て、二人の間を引き裂いた。

 そしてロウコを隅に引きずっていく。その耳に小声で言う。

「頼む、『リン』を傷つけないでくれ」
「おまえ?」

 ロウコが目を細めた。記憶がないとか聞いていたが……。

 ヘンリーのその優しげな瞳の奥には、複雑な感情が浮かんでいる。

「シャオリーのためにも、リンがそばにいない方がいいことは分かっている。でも……」

 ヘンリーの声がかすれる。

「愛しているんだ。頼む、殺さないでぐはっ」

 ヘンリーの身体が吹っ飛ぶ。腹を思いきり殴られたのだ。

 しかも変な気功を打ち込まれたようで、鉛の塊のような重苦しい、吐き気がするような──。

 毒を打ち込まれたようだ……。

 げえっ、と隅に這いつくばり、思いきり吐いた。それでも身動き取れなくなったヘンリーに、ロクサーヌが駆け寄る。

「何をするのっ!?」

 ロクサーヌをガン無視して、ロウコは吐き捨てる。

「おまえが捨てた女だ。どうなってもよかろう」

 声に怒りが滲んでいる。リンファオが驚いてロウコを見つめた。

「母子を引き離そうとして、記憶を無くしたふりをしていたのか、ずっと。いつからだ? 既に死ぬほどその娘を傷つけているおまえが、俺に傷つけるな、とは笑止」

 すると、ヘンリーがゆっくりと起き上がる。ギラッとした目で睨みつけ、絞り出すような声で言い返す。

「ロウコと言ったな。貴様に何がわかる? 里の犬だった貴様にっ。ずっとリンファオを監視していた変質者がっ!!」

 エドワードだ、とリンファオは思った。混じりけなし(?)の、エドワードだ。うわ、久しぶりだ。

「リンの重荷になることだけは、避けなければならないんだ。どれほど気配を消しても、貴様のような奴に追ってこられた。リンが一番恐れていることはそれだ。シャオリーの安全なんだっ。だが、母親として一緒に──」

 そこで初めてリンファオが見ていることに気づいたように、はっとなる。それでも言わねばならなかった。

「リンが──リンファオが一番気にしていることは、自分がそばにいることの影響だ。『気』が強すぎて、いろんなものを招き寄せる。おまえが言ったのだぞ、厄の子だと」

 リンファオは、胸を刺されたかのように立ちすくむ。

 ああ、この人はいつから記憶が戻っていたのだろう。リンファオを厄災だと言い切ったその顔は、彼女の知っているエドワードそのものだった。

「家族を危険な目に遭わせたくない、それがリンファオの願いだ。皇帝からも、軍からも、里の……お前のようなヤツを含め、あの変な刺客どもからも──。再び彼女が命を狙われたら、シャオリーまで──だから俺は……」

 リンファオから離れなければならなかった。どれほど、愛しくても。

 なぜなら自分は、人質になるような、何の力もないマヌケだからだ。

 自分達のせいで、どれほどリンファオを傷つけたか。だから、せめてシャオリーは、彼女に代わって守り通さなければならないのだ。

「エド……」

 リンファオは、彼の苦悩に歪んだ顔を見て納得した。

 うん、そうだ。知っていて、離れようとしてくれているのだ。私のことをよく分かっている。

 ヘンリーなら、もしかして一緒に行こうと言ったかもしれない。私が確実に拒絶することを知っていても。


「……なら、おまえの憂いは今この場で断ってやろう」

 面白くもなさそうにそう言うが否や、ロウコが突然双龍を抜き放った。真横に居たリンファオの身体をなぎ払う。

 油断していた。リンファオは、ヘンリーに記憶が戻っていたショックで動けず、防御に出ることができなかった。

 心に隙があり、硬気功を発動することができなかったのだ。

 ロウコ本人も、リンファオが簡単に防ぐと思っていたようで、驚愕の表情を浮かべた。

 意外な状況に、ロウコ自身も刃を止められず──それほどリンファオの動きを過信していたのだ。

 シャオリーの見開いた目と、リンファオの視線が絡み合った。

 母子の、最期となる──


──ガチンッ──


 金属音が響いた。目の前に両腕を上げて双龍を止めた男がいた。

「危ないじゃないですか」

 総督府の使いの男、チチンカ・パイパイが、斬撃を止めていた。

(ばかな)

 ロウコは背後に跳躍していた。貴族ぜんとした格好をした先住民に、刃を止められたのだ。この神剣の刃を。寸止めすら間に合わなかったその隙間に、入り込んだ。

「ああ、すごいですね。鋼の腕輪が欠けた」

 両腕を見ながら、ロウコを振り返る。

「ダメですよ。この女の子を殺したら。私はこの子の家族を安全に送ります。この子のママは──あれ、随分若いな、本当にママ?──帝都に返さなきゃ。約束なんです」

 ロウコもリンファオも呆気にとられている。だって、土蜘蛛の斬撃の隙間に入ったんだぞ?

「何だこれは……」

 ロウコが声を低くして言った。

「この鋼は質のいい鉄鉱石を転炉で量産した──」
「違う、その腕輪じゃない。おまえだ」

 ただの人間が、土蜘蛛の動きについてこれるはずない。

「チチンカ・パイパイです」
「下ネタはいい」
「失礼な。『母親の胸よりチンチンがデカい』という意味の立派な名前です。誇り高きナシュカ族の族長であり、総督の親友です」

 やはり下ネタを言う先住民の男を、ロウコが食い入るように見つめる。

「おまえのような奴が他にもいるのか?」

 チチンカが首を傾げた。

「現在、我々が総督とともに戦っている首狩り族のパッチラ族は、まったくもって我々よりぜんぜん強いです」

 ロウコの顔が輝く。生気の籠もった笑顔は、さすが土蜘蛛。チチンカがうっ! と目を閉じるくらい美しい。

 ロウコはチチンカの腕を掴んだ。

「俺も行く。おまえのような奴らがいっぱいいるところに連れて行け」

 リンファオとエドワード、いやヘンリーが仰天する。

「おまえがついて行ったら、意味がないじゃないかっ」

 リンファオとヘンリー、いやエドワードが同時に言う。

「ロウコ、私と戦おう。さっきは油断した。気合い入れて戦うから、それで満足しろ」
「リン!」

 ヘンリーが青い顔で叫ぶ。この気味悪い男に勝てるとは思えない。

 リンファオは諭すように言った。

「シャオリーには土蜘蛛の力がある。でもどういうわけか『気』を発していない」

 ヘンリーが黙った。たしかに、今は少なくとも……シャオリーを個人的に狙う奴はいない。

「だったら、もう土蜘蛛と関わらせてはいけない。血液を奪われた私がついて行ったらダメだし、もちろんロウコだってダメだ。鏡獅子って奴は、どれだけ遠くに離れていても、居場所を突き止めるんでしょ」
「でもそいつと戦うなんて──」

 気弱な声で反論する。エドワードが完全に引っ込んでいた。

「大丈夫、勝つよ。信じて」
「……。」

 二人は見つめ合った。ヘンリーの瞳に溢れんばかりの愛情が窺える。

「僕が、君を愛しているのは分かってるよね?」
「決まってるでしょ」

 リンファオの返事。迷った末に、ヘンリーは言った。

「君を信じるよ。そして、ここで別れる」

 リンファオは涙をこらえた。まったく、ヘンリーも立派な父親になったものだ。

「いいんだよ、それで──」
「くだらん」

 ロウコが水を差すように鼻で笑った。

「この小僧の言うことは、俺には理解できん。愛しているなら、攫って逃げるくらいしろ」

 かつて、自分がランギョクにすべきだったことだ。

 ロウコの意外な言葉に、二人は目を剥く。

 まずロウコのくせに「愛」とか口にしちゃったし。

 あと、おまえのせいで揉めてるのもあるんだけど?

「そして、守り抜けばいいんだ」
 
 ロウコがぶっきらぼうにポツリと言った。それも、彼ができなかったことだ。この二人を見ていると、苛々する。生きているのに、なぜ迷う?

 また珍しくいい事を言ったロウコが、ヘンリーの、そしてエドワードの腹に抱えていたものを刺激した。

 それは長年こらえていたものだ。娘の安全のために。妻の気持ちのために。外に出せなかったものだ。

「リン、やっぱり一緒に行こ──」
「俺を連れて行かないなら、ここでその小娘も、さらにちっちゃい小娘の小娘も殺す」

 ロウコがまた遮る。やはりワガママだ。

 だが、彼を共に連れて行けば、リンファオとは戦わないでいてくれる、ということなのだろう。

「やってみろ、死ぬのはお前だ」

 リンファオが噛みつくようにいい、不死鳥を抜いた。ヘンリーが目を剥く。

 リンファオは、完全に憂いを断つつもりでいるではないか。

「止めろっ」

 ヘンリーが怖い声で叫んだ。

 いや、どうやら、今度はエドワードらしい。出たり入ったり忙しい。

 エドワードは、ため息とともにチチンカを振り返った。

「こいつ、お願いできるか?」
「戦力になるなら」

 チチンカは嬉しそうに言った。エドワードが鋭い視線を死神に向ける。

「ただし、ロウコ」

 呼ばれて、ロウコがうっとおしそうに青瓢箪を見つめる。

「今はダメだ。しばらく帝国内に残れ」
「おまえに命令される覚えはないぞ」

 舌打ちし、エドワードはさらに声のトーンを下げた。

「少しは妥協しろ。リンファオとシャオリーに手を出さない代わりに、かならずこのチチンカに迎えにこさせて、そのパンチラ族とやらと戦わせてやる」
「パッチラ族です」

 チチンカが控えめに訂正した。

「だから、おまえに変な奴がついて来ないと分かるまで、シャオリーの近くには来るな」

 エドワードは、ロウコのリンファオに対する執着を見て、もしシャオリーが土蜘蛛の力を発するようになったとき、今度は娘と戦いたがるのではないか、と危惧していた。

 このまま、力が目覚めないで終わるといい。

 シャオリーには土蜘蛛の力なんていらない。

 エドワードは祈るような気持ちで、娘のシャオリーを見つめた。

 それから、リンファオに近づき、形のいい耳に囁く。

「おまえも元気でな。未開拓な土地はまさに弄りがいがある。おまえと一緒だ」

 リンファオが赤くなる。

 何言ってるの、チェリーはそっちだったでしょ。ん? あれはヘンリーか。ややこしい。

 エドワードは意志の力をもって、リンファオを抱き寄せる誘惑から逃れた。

 ロクサーヌには恩がある。

 彼女の気持ちを知っているからこそ、目の前ではできなかった。

 激情が溢れる気持ちを低く抑え、聞こえるか聞こえないくらいの声で囁いた。

「ロウコはいい事を言った。彼の言うとおりだ。さらってでも連れていくべきなんだろう。……だからもう我慢しない。何年も待ったんだ。少し延びたくらい大丈夫だな? 次に会ったらもう離さない。おまえも、あの追っ手を皆殺しにして、ロウコと一緒に来い。そして、お前がシャオリーを守れ。俺が許す。ていうか命令。それまでに、おまえのための町を作っておくからな」

(来い、と言われた)

 リンファオの顔が輝く。道が開けた。

 手が血まみれがなんだ。そんなの、ちょっと鼻血とか出したら、誰だって血まみれになるじゃないか。

「ママ」

 複雑な表情で、二人の内緒話を気にしていたロクサーヌが、呼ばれて振り返る。

「ママが二人いてもいいよね?」

 シャオリーが聞く。ロクサーヌが諦めたように頷いた。リンファオが驚いたように二人を見る。

「無理でしょう。勘の鋭い子です」

 そしてロクサーヌはリンファオに近づいた。

「エドワードに、仲のいい夫婦を演じてくれと言われました。私は本気で奪ってやるつもりだったけどね。ヘンリーの時なら押しに弱そうだし。でも……私たちは、何もありませんよ。エドワードは貴女との関係を無いものにして、皇帝から貴女を守りたかったのよ」

 悔しそうに言うロクサーヌ。

 シャオリーがロクサーヌの手を握り、離した。それからしっかりと目を見ながら、リンファオに近づいてきた。

「シャオリーはロクサーヌ好きだけど、ママのことも覚えてるんだよ? だって、シャオリーのママは美人なはずだし。ずっと待ってたよ?」

 慌ててシャオリーの口を塞ぐ。ロクサーヌが渋い顔をする。

「構いませんよ、いつも言われてたし。おかしい、似てない、二人が両親のはずない、って。まあ、それでも可愛いですけどね。……ほんと、貴女にそっくりだわ」

 リンファオの幼く見える頬に、ぽろっと涙がこぼれた。

「うん、私の子だ」

 娘はリンファオの泣き濡れた顔を見つめる。

「シャオリーはね、みんな居たから大丈夫なの。でもママ、寂しいでしょう? すぐに会いに来て」
「分かった。ちょっと色々片付けたら、会いに行く。すぐに」

 リンファオは泣き笑いした。寿命は長い。これからシャオリーといる時間は保てるだろう。

 シャオリーはロウコを見て言った。

「あと、パパも」
「それは違う!」

 さすがに慌ててロウコが言った。

 この子は顔が良ければ誰でもいいのではないか、とロクサーヌは思った。


しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします

文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。 夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。 エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。 「ゲルハルトさま、愛しています」 ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。 「エレーヌ、俺はあなたが憎い」 エレーヌは凍り付いた。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

元彼にハメ婚させられちゃいました

鳴宮鶉子
恋愛
元彼にハメ婚させられちゃいました

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を

澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。 そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。 だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。 そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。

淫らな蜜に狂わされ

歌龍吟伶
恋愛
普段と変わらない日々は思わぬ形で終わりを迎える…突然の出会い、そして体も心も開かれた少女の人生録。 全体的に性的表現・性行為あり。 他所で知人限定公開していましたが、こちらに移しました。 全3話完結済みです。

子持ちの私は、夫に駆け落ちされました

月山 歩
恋愛
産まれたばかりの赤子を抱いた私は、砦に働きに行ったきり、帰って来ない夫を心配して、鍛錬場を訪れた。すると、夫の上司は夫が仕事中に駆け落ちしていなくなったことを教えてくれた。食べる物がなく、フラフラだった私は、その場で意識を失った。赤子を抱いた私を気の毒に思った公爵家でお世話になることに。

黒の神官と夜のお世話役

苺野 あん
恋愛
辺境の神殿で雑用係として慎ましく暮らしていたアンジェリアは、王都からやって来る上級神官の夜のお世話役に任命されてしまう。それも黒の神官という異名を持ち、様々な悪い噂に包まれた恐ろしい相手だ。ところが実際に現れたのは、アンジェリアの想像とは違っていて……。※完結しました

処理中です...