孤独な美少女剣士は暴君の刺客となる~私を孕ませようなんて百年早いわ!~

世界のボボ誤字王

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アリビア帝国編 Ⅱ

リンファオ、同族と戦う

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 シショウは胸の痛みを堪えて、ゆっくりと近づいてくるリンファオを見つめた。

 皇帝からリンファオの生存をはっきり知らされる前から、気配はなんとなく感じていた。主に、翡翠宮の方に。

 隊長のタオイェンも、不穏な気配には気づいていたらしい。

 だが、ここに殴り込みにくるとは思わなかった。

 軍の制御を振り切った狂信者──親衛隊たちがリンファオに襲いかかる。

 彼らは国教会の騎士。近衛騎士団と違って、己の命を顧みない。

 だが銃が火を噴く前に、彼らは血飛沫をあげて倒れ伏した。

 銃で仕留めようとしていた軍人たちには、リンファオがいつ斬ったかすら、見えなかったのではないか。

(どうしてだ、リンファオ)

 数年ぶりに見るリンファオ。仮面をしておらず、その美しい顔は目を見張るものがあった。

 ぴったりした黒い洋装──土蜘蛛の装束とは違う──から、体の線もはっきり分かる。

 女らしく、美しくなった。

 血塗られた神剣を振りかざしているのに、これほど美しいのは、戦う民族だからだろうか。

 シショウの胸が疼いた。

 自分はメイルンを愛した。だが、確かに初恋はこの少女だった。

「鉄の神が舞い降りた」

 ふと隣を見ると、ホウザンが呆然と彼女を見ていた。

 土蜘蛛の面をしていて表情は分からないが、彼がすっかり魂を奪われているのは分かる。

 それはほかの仲間たちも同じだった。

 彼女の戦いは、剣士を魅力する神楽そのものだったのだ。

「確かに、あれほど、美しく戦う剣士は男にはいない」

 隊長のタオイェンがうめいた。

 神剣遣いの美徳は強さだ。それは男に求めるものだが、リンファオは確実に巫女の美しさも失ってはいなかった。

「なんと優雅な……」
「それに、なんという強さだ」

 土蜘蛛の剣士たちは生唾を飲み込んだ。

 誰も手を出せず、その殺戮を陶酔し、脱力して見ていたのだ。

 もちろん、皇帝以外守る義務が無いからでもあるが、見とれていて動けなかったという方が大きい。

 シショウはそれを見て嫉妬にかられた。

 彼女の美しさも強さも、最初に見つけたのは自分だ。そして彼女をこの腕に抱いたことだってあるんだ。

 仲間の目を潰してやりたい思いに駆られながらも、やはり彼らと同じ思いにとらわれていた。

 何よりもあの強さ。

「戦ってみたい」

 タオイェンが呟いた。シショウが嫉妬に駆られて叫んだ。

「彼女を殺すのは俺ですっ」
「いや、俺だっ」
「ちがうっ、私だっ」
「僕だっ」

 シショウの叫びに周りの仲間たちが次々に反論し、シショウは目を剥いて彼らを見回した。

 タオイェンが我に返った。

「バカもんっ、任務を忘れるなっ」

 最初に自分が言ったことを棚に上げている。

 だがあくまでもこの場では隊長だ。サシで勝負なんて甘いことは言っていられない。全員で確実に、あの裏切り者の息の根を止めるのだ。



 血脂を払うと、リンファオは息一つ乱さずに、仲間たちの前に立った。返り血すら浴びていない。親衛隊ごとき、土蜘蛛の敵では無いのだ。

 リンファオは気分が悪くなった。一方的な殺戮は反吐が出る。

「隊長、私は同胞を殺したくない。ニコロスを渡しなさい」

 タオイェンに向かってそう命じる。

 昔なら考えられなかった。だが、もう自分は彼らの仲間では無い。

 そもそも、仲間だったことなんてなかった。神剣に見初められてから。

 宮廷貴族たちが逃げ出そうとした扉は、開けっ放しになっていた。そこから軍服姿の男たちが次々と入って来る。

 全員銃を持っていた。

 タオイェンたちは何が起きたか気づいたようだ。リンファオも、水軍の一部が一緒に戦うつもりなのを知った。

 アーヴァインはけして、リンファオをダメ元で投入した訳では無い。

 保身など考えていない。失敗すれば自分も死ぬつもりなのだ。

 賭けは嫌いだと言っていたくせに、賭けているのだ、たった一人の土蜘蛛の少女に。

 リンファオの胸が熱くなった。

 腹が据わった。


「囲めっ」

 タオイェンの号令とともに、黒装束がリンファオの行く手を阻んだ。

「軍部に身を売ったか」

 吐き捨てるように言われて、リンファオははっきり頷いた。

 まさにそのとおり。否定はしない。

 ふと彼らの背後を見ると、右往左往している皇子や大臣たち、既に失神している皇太后と違い、皇帝はまだ優位を確信しているようだった。

 当然だ。彼の配下の土蜘蛛は十人いるのだ。それが、アーヴァインとリンファオの一番の誤算だった。

 リンファオは、ちらりとシショウを探した。彼はまだ皇帝の前に残っていた。面をしていてもよく分かる。

 何年経っていようが、しなやかな身体つきだけでわかってしまう。

 目が合った。

 リンファオは小さくゴメン、とつぶやいた。

 そしてもう一度剣の露を払い、間合いを取りながら脇構えで静止した。



※ ※ ※ ※ ※ ※ ※ ※



 自分と同等の力をもつ相手と本気で命のやり取りをしたのは、あの試練の島以来だった。

 日々の鍛錬が少なかったので、あの時より確実に腕が落ちている。そう思っていた。

 しかし、実際に戦ってみると、むしろあの頃より感覚は鋭敏になり、身体の反応が早かった。

(私はもう成熟しているんだ)

 リンファオは、相手の攻撃を避けながらそう気づいた。しかもこの大人の身体は、気力が解放され、土蜘蛛の能力をフルに使いたがっている。

「メイルンの馴染みだからといって、容赦はせんぞ」

 そう言ったのは、土蜘蛛にしては体躯のでかい青年。

(ホウザンだ)

 メイルンの子供の父親。だが、かまってはいられなかった。

 鋭く息を吸い込むと、ゆっくり吐き、呼吸を整える。

 相手が異変を感じ取って身構えるより先に、気合を放った。

 ホウザンの大きな身体が吹っ飛ぶ。

 硬気功の放出は神剣の使い手ですら出来ない者もいる。それほど高度な技だ。

 できても、その後しばらく動けなくなったりする。リンファオは、軽く息をついただけだった。

 あたりが静まり返る。我に返ったタオイェンが叫ぶ。

「殺せっ、小娘に気功を撃たせるな」

 小さな「気」が足元に飛んできて、リンファオの動きを止めようとする。

 だがリンファオのそれより威力も小さいし、二撃目までの間隔が空きすぎる。

 それに気づいてクナイに切り替えた剣士もいるが、いずれもヒョイヒョイと避けられてしまう。

「チョロチョロしおって!」

 タオイェンのこめかみが、ピキッと音をたてた。隊長のくせに気が短い。

 リンファオは跳躍すると、分裂した。初めて、幻影術を使ったのだ。

 タオイェンですら、その技に度肝を抜かれた。巫女長直伝のこの技は、さすがに巫女にしか使えない。

 リンファオとて出来るとは思わなかった。訓練中は失敗ばかりで、何度スイレンにため息をつかれたか──。

 しかし仲間たちが愕然としている中、リンファオを切り伏せたのは、飛び出してきたシショウだった。

 一人、また一人と、幻影のリンファオが消えていく。

「惑わされるな。本物は一人だ」

 息も乱さずそう言ったシショウは、もう昔のシショウの柔らかい雰囲気はいっさいまとっていない。

 すぐに剣をしまい、皇帝の前に戻った。

 じっと本物のリンファオを見据えている。挑むように。

 何人かが我に返り、複数のリンファオたちに飛びかかる。剣士としての、矜持をかけた戦いなのだ。

 その中の一人が本物に当たった。リンファオは迷わなかった。

 血飛沫が、無機質な石の床に美しい花を広げた。ついに同族を殺した。

 手応えを感じたリンファオは倒れ臥した仲間を見下ろす。

 胴から両断されたその遺体が、バサっと塵になった。即死だとこんな風に消えてしまうんだ。

 リンファオは震えた。それから、周囲を見渡す。

「道を開けて。そして皇帝を引き渡しなさい」

 いやだ。これ以上殺したくない。リンファオの震えは止まらなかった。

 もちろん彼らは引き下がらない。仲間を殺された怒りも顕に、じりじりと迫ってくる。

「下がれっ、殺したくないっ」

 リンファオは苦しそうに叫ぶと、それでも再び剣を構えた。

 静まれ。震えている暇はない。余裕なんて無いんだ。次は自分が、ああなるかもしれない。

 息を整えるために、何度も深呼吸した。やがてそれは、静かな丹田呼吸法に変わる。

(やるんだ、やるしかないんだ)

 リンファオは開き直った。震えが止まる。刮目して周囲を睨んだ。

 相手の投げたクナイを硬気功で弾き飛ばすと、舞うような流れる動きで、剣士たちに向かっていく。

 幻影術とチャオタイをも織り交ぜた、人間離れした剣技。それは彼らを魅了し、翻弄した。

 間合いをずらされ、二人が首をはねられた。

 圧倒的な強さ。剣士たちが怯む。

 式典の間は、水を打ったように静まり返った。

 軍の幹部たちの間から「化け物か」という呟きが漏れた。

 彼らも軍艦で斬り込みをかけたことがある、歴戦の猛者たちだ。それでも人の力を超えた動きに、半笑いしながら見守るしかなかった。

 あまりに信じられないものを見てしまうと「まさか有り得ない」とか「いやいや、そりゃないでしょ」とか、変な笑いが出てくるらしい。

 土蜘蛛の戦いは、脊髄反射の応酬である。ほとんど、目で追えない。

 一人、また一人と戦士たちが倒れ、塵になった。

 ついにタオイェンとホウザンも白刃に倒れるのに、それほど時間はかからなかった。

 シショウはなるべく皇帝と皇子たちの前から離れなかった。仲間たちが倒れるのを、落ち着いて静観していた。

 しかし、最後の一人が倒れた時、やっと前に進み出てきたのだ。

「やはり、君の戦士としての力は、並外れていたんだね。神剣が君を選んだのは無理のないことだ」
「シショウ、来ないで」

 シショウは穏やかな顔で、首をかしげた。

「なぜ?」

 決まってるじゃないか、殺したくない。そう言おうとしたが、シショウが背中から剣を抜いたため、言葉に詰まる。

「君こそ来ないで欲しかったよ。初めて本気で好きになった女の子を殺したいわけがない。だけど今は──戦いたいと思っているけれど」

 あくまでも穏やかな声。背後には凍りついたように動けないニコロスと、その家族がいる。

 ニコロスはさすがにうろたえてはいないが、それでも顔色は悪い。

 十人居た土蜘蛛が、残り一人になったのだからそれも当然だった。

 以前よりずっと強いアルコール臭に紛れ、皇帝の体からは恐怖の臭いも感じ取れた。

 じりっと近づくシショウに、リンファオは思わず後ずさりする。しかし背後からの、痛いほどの視線は感じていた。

 あいつが見ている。

 今、ニコロスの代わりにリンファオの心臓を鷲掴みにしている男。

 アーヴァイン・ヘルツの厳しい視線。

 リンファオには下がることが許されない。

「シショウ、お願い。皇帝を渡して」

 泣きそうな声で囁かれて、シショウは困ったように笑った。

「俺にそんな残酷なことを頼むの?」

 そして、すうっと正眼に神剣をかまえた。

 リンファオには分かっていた。シショウは任務を放棄するような男じゃない。雇い主は絶対なのだ。

 土蜘蛛は仕事を全うする。その命がつきない限り。それが土蜘蛛の矜持。

「来いリンファオ」

 リンファオは、それでも動けなかった。

 シショウは少し悲しげに首をかしげ──一瞬のあと、その姿がかき消えていた。

 真後ろに気配を感じて戦慄する。

(速い)

 間一髪、顔の前で彼の刃を受け止めていた。

 ぐぐっと力で押される。瞬間、脇腹から血が吹き出た。いつの間に斬られたのか。

(無理だ、シショウを倒すなんて)

 痛みの中、絶望が襲う。シショウは自分なんかよりずっと実力がある。経験も多いし。勝てるわけ無い。

 切り結んだのは一瞬。離れたのも束の間、すぐに次の攻撃が襲って来る。

 考える暇は無かった。咄嗟に気功でシショウの足元を攻撃する。

 シショウは気圧に足場を崩された。体勢を崩したところを斬りかかる。

 が、それは誘いだった。気づいた時にはシショウの気功が、リンファオの腹部を直撃していた。

 鉛の塊をうち込まれたような衝撃に、リンファオが崩れ落ちる。まともに仲間の気功を食らったのは初めてだった。

 澱んだものが腹部に入り込んだような不快感。恐ろしい程の吐き気に咳き込むと、出てきたのは鮮血だった。

 すかさず横に転がる。

 今までいた場所にシショウの神剣が突き刺さる。大理石に、リンファオの血の跡だけが残った。

「俺にも引けない事情がある」

 シショウが呟く。里を、里長を裏切れば、メイルンもお腹の子も生き返らない。

 リンファオは知らないだろう。

 自分が犯してしまった罪を。だが、知る事も無くなるのだ。

 ふと、シショウは迷った。

 メイルンが生き返っても、リンファオが死んでしまったら、それはそれで大きなものを失うことになる。

 自分はいったい、何をやってるんだ?

 その一瞬の迷いを、リンファオは感じ取った。

 シショウの股下にすべりこみ、通り抜けた。

 皇帝の前に躍り出る。

 憎きニコロスの、氷のような無表情が、やっと恐怖と憎しみに歪む。

(こいつを殺せば)

 鋭い痛み。

 肩を貫かれ、リンファオは衝撃で床に這いつくばった。

 しかしすぐ仰向けになり、剣を突き上げようとして──その腕を踏まれる。

 折れたような音と痛みに、リンファオは呻いた。

「なんでこんなことになったんだ」

 踏んでいた腕から足をどけ、ゆっくりと細い身体の上に跨った。

 切っ先を下に剣を持ち上げながら、シショウは悲しげにリンファオを見下ろした。

 振り下ろされた白刃を防ごうともせず、リンファオもまた痺れた腕の痛みを無視して、不死鳥を突き上げた。

 刺し違えるしか無いのだ、と思った。

 鮮血が飛び散る。ゴボッと音をたて、血を吐きながらシショウが膝をつく。

 リンファオの剣が、シショウの臓腑をえぐっていた。

「ど、どうして?」

 直前で止まったシショウの剣を呆然と眺めながら、リンファオはつぶやいていた。崩れ落ちる体を抱きとめる。

「どうして斬らなかったの!? シショウの剣の方が早かった!」

 治癒、治癒の気を遣わなければ。

 焦って力を注ぎ込もうとするが、リンファオ自身ひどく負傷していて、うまく力を出せない。

 あんなに硬気功を使わなければ……。

 少女を刺し貫くことができなかったシショウが、青い顔で首を振る。

「やめろ。俺を治したら、またおまえと戦わなければならない。それにもう手遅れだ」

 出血が多すぎる。臓腑を正確に貫いたのだ。即死で無いのは土蜘蛛の生命力の強さだが、それでも致命傷には違いない。

 背後で軍の兵士たちがバラバラと駆け寄り、皇帝一家を取り囲む気配を感じた。

 皇子アルベルトが逃げようとしたのを、アーヴァインが純金のサーベルで切り裂く。断末魔が響き渡った。

 しかしリンファオにはどうでもよかった。シショウしか見えなかった。

「死なないでシショウ。あなただけは」

 土蜘蛛は涙なんて流さないはずなのに、もう何度目だろう。

 溢れ出る透明の雫は、とどまることを知らない。

 シショウは少女の頬を濡らすそれを、美しいと思った。

 この世で感じたのは、それが最後だった。


 動かなくなった同胞を抱きしめる。いや、初恋の人を。

 だけど、わかっている。これが出来るのはあとわずか。個人差はあるが、やがて塵となって消えていく体なのだ。


 リンファオは血だらけの体を抱きしめて、いつまでもむせび泣いていた。


    
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