7 / 17
何かがおかしい……
しおりを挟む
「レディースエーンジェントルメェエエン」
バーテンダーがマイクを持って叫ぶ。
「魔女の宴にようこそ、今宵はゆっくり楽しんでくれたまえ」
思わず立ち上がろうとしたとき、立ち眩みがした。目の前のサングリアを見て、アルフレッドはもしかしてと身構える。うかつだった。逆ドラッグレイプも有り得そうなのに。
「どこへ行くの?」
金髪の女がいつの間にか背後に立っていた。黒のスリットが入ったドレスが、ダイナマイトな体にまとわりついている。
「あ、連れがなかなか戻ってこないので、ちょっと外に」
逃げなきゃ、と思った。あの子が心配であるが、そもそもあの子に誘われたのだ。仲間かもしれないし。
「お座りくださいな」
女は口元に笑みを浮かべ、ぐぐっと体重を支えて立ち上がろうとするアルフレッドの肩を押さえた。
「宴はこれからですよ?」
店の照明が暗くなった。あちこちで男女が抱き合い、口づけをかわし始めた。
それはエスカレートし、その場で服を脱がせ、裸で絡み合いだしたではないか。
これは、乱交パーティではないのか……。アルフレッドは額を押さえつつ、逃げる隙がないかとキョロキョロする。
すると若い男性が、真ん中のテーブルに横になった。
「さあ、レディたち。僕は逃げも隠れもしないよ」
ねっとりした声。ふと、アルフレッドのチンコレーダーが反応した。
(あいつは、悪魔だ)
それもなかなか強いインキュバス。
残念だが、アルフレッドには男性悪魔を祓うことはできない。拓斗から「ケツに刺しても祓えない?」と聞かれたが、自分が絶対イヤだったので、無理なものは無理である。
横になってズボンをずり降ろし、腰をくねらせて誘うインキュバスに群がる女たち。
「ねぇ、予約の順番でしょ?」
「理人~、私からよね?」
「早く挿入してほしい~」
なんと破廉恥な! 自ら堕落するなんて、と自分は聖職者でもないくせに腹をたてるアルフレッド。
次々と上に乗り、腰を振って絶頂を迎える女たちを見て、アルフレッドはやっと気づいた。
これは、サバトだ。
性行為を見学している女性たちの口から、ラテン語の呪文が流れるように出てくる。
「さあ、次は貴方の番よ、いらっしゃい」
近くに居た女が、アルフレッドの手を引く。
「いやだ」
みんなの前でエッチするなんて、無理、そんな趣味は無い。しかも複数とやるなんて……。
あれ、なかチンコがむずむずしてきたぞ。
「楽しそう、って思ってるんでしょ?」
バカな、貞潔を貫く司祭がそんなものを楽しみにするわけがない……。あ、俺は司祭でも貞潔でも、ついでに正式なエクソシストでもなかったわ、とアルフレッドは思った。
「え、じゃあちょっとだけ──」
あっさり堕落しそうになったその時、怒りの声があがった。
「彼から手を放しなさいよ!」
派手な仮面にネコミミ。ツヤツヤした光沢のボンテージスーツの女性が近づいてきた。赤毛をかきあげ、ツンッと顎を上げてこちらを睨みつける。
少し幼い感じの小悪魔系だ。顔は半分隠れているが、なかなかタイプである。
「彼は複数は望まないわ」
いや、経験的にやってみてもいいかなーって……アルフレッドが言いかけた時、金髪の方の女が言った。
「だったら、貴方たち二人で中央のテーブルでおヤりなさい。みんなにエロスを分けるぐらいしなさいな」
バーテンダーがマイクを持って叫ぶ。
「魔女の宴にようこそ、今宵はゆっくり楽しんでくれたまえ」
思わず立ち上がろうとしたとき、立ち眩みがした。目の前のサングリアを見て、アルフレッドはもしかしてと身構える。うかつだった。逆ドラッグレイプも有り得そうなのに。
「どこへ行くの?」
金髪の女がいつの間にか背後に立っていた。黒のスリットが入ったドレスが、ダイナマイトな体にまとわりついている。
「あ、連れがなかなか戻ってこないので、ちょっと外に」
逃げなきゃ、と思った。あの子が心配であるが、そもそもあの子に誘われたのだ。仲間かもしれないし。
「お座りくださいな」
女は口元に笑みを浮かべ、ぐぐっと体重を支えて立ち上がろうとするアルフレッドの肩を押さえた。
「宴はこれからですよ?」
店の照明が暗くなった。あちこちで男女が抱き合い、口づけをかわし始めた。
それはエスカレートし、その場で服を脱がせ、裸で絡み合いだしたではないか。
これは、乱交パーティではないのか……。アルフレッドは額を押さえつつ、逃げる隙がないかとキョロキョロする。
すると若い男性が、真ん中のテーブルに横になった。
「さあ、レディたち。僕は逃げも隠れもしないよ」
ねっとりした声。ふと、アルフレッドのチンコレーダーが反応した。
(あいつは、悪魔だ)
それもなかなか強いインキュバス。
残念だが、アルフレッドには男性悪魔を祓うことはできない。拓斗から「ケツに刺しても祓えない?」と聞かれたが、自分が絶対イヤだったので、無理なものは無理である。
横になってズボンをずり降ろし、腰をくねらせて誘うインキュバスに群がる女たち。
「ねぇ、予約の順番でしょ?」
「理人~、私からよね?」
「早く挿入してほしい~」
なんと破廉恥な! 自ら堕落するなんて、と自分は聖職者でもないくせに腹をたてるアルフレッド。
次々と上に乗り、腰を振って絶頂を迎える女たちを見て、アルフレッドはやっと気づいた。
これは、サバトだ。
性行為を見学している女性たちの口から、ラテン語の呪文が流れるように出てくる。
「さあ、次は貴方の番よ、いらっしゃい」
近くに居た女が、アルフレッドの手を引く。
「いやだ」
みんなの前でエッチするなんて、無理、そんな趣味は無い。しかも複数とやるなんて……。
あれ、なかチンコがむずむずしてきたぞ。
「楽しそう、って思ってるんでしょ?」
バカな、貞潔を貫く司祭がそんなものを楽しみにするわけがない……。あ、俺は司祭でも貞潔でも、ついでに正式なエクソシストでもなかったわ、とアルフレッドは思った。
「え、じゃあちょっとだけ──」
あっさり堕落しそうになったその時、怒りの声があがった。
「彼から手を放しなさいよ!」
派手な仮面にネコミミ。ツヤツヤした光沢のボンテージスーツの女性が近づいてきた。赤毛をかきあげ、ツンッと顎を上げてこちらを睨みつける。
少し幼い感じの小悪魔系だ。顔は半分隠れているが、なかなかタイプである。
「彼は複数は望まないわ」
いや、経験的にやってみてもいいかなーって……アルフレッドが言いかけた時、金髪の方の女が言った。
「だったら、貴方たち二人で中央のテーブルでおヤりなさい。みんなにエロスを分けるぐらいしなさいな」
10
お気に入りに追加
58
あなたにおすすめの小説

ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

今夜は帰さない~憧れの騎士団長と濃厚な一夜を
澤谷弥(さわたに わたる)
恋愛
ラウニは騎士団で働く事務官である。
そんな彼女が仕事で第五騎士団団長であるオリベルの執務室を訪ねると、彼の姿はなかった。
だが隣の部屋からは、彼が苦しそうに呻いている声が聞こえてきた。
そんな彼を助けようと隣室へと続く扉を開けたラウニが目にしたのは――。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる