1 / 44
序章
とある不遇の少女
しおりを挟む
「大声を出すなよ」
暗闇の中、いくつも伸びる手が少女を押さえつける。
大声を出すな、と言われるまでも無い。口どころか鼻まで手で覆われ、窒息しそうになっているのだから。
十二歳になったばかりの小さな乳房。それを無慈悲にまさぐる手は冷たく、同じ人間のものとは思えなかった。荒い息が顔にかかり、少女に過去を思いださせる。
(もっとひどいことがあったわ)
――やっぱりおまえはあの女と同じ、淫売だ――
大きく足を開かされ、一番年長の少年が硬いものを突き立てたとたん、少女はその痛みで現実に引き戻された。
強張った身体を仰け反らせたが、泣くのは何とか我慢した。相手を喜ばせるだけだから。
(大丈夫。これくらい耐えられる。大丈夫)
呪文のように心の中で繰り返す。
自分に芯があれば、どんな状況にだって耐えられる。
あの人はそう言っていたじゃない。
「生意気な女め。そいつを起こせ。口を開けさせろ」
別の少年の声が狭い部屋に響き、少女は硬く目をつぶった。
暗闇の中、いくつも伸びる手が少女を押さえつける。
大声を出すな、と言われるまでも無い。口どころか鼻まで手で覆われ、窒息しそうになっているのだから。
十二歳になったばかりの小さな乳房。それを無慈悲にまさぐる手は冷たく、同じ人間のものとは思えなかった。荒い息が顔にかかり、少女に過去を思いださせる。
(もっとひどいことがあったわ)
――やっぱりおまえはあの女と同じ、淫売だ――
大きく足を開かされ、一番年長の少年が硬いものを突き立てたとたん、少女はその痛みで現実に引き戻された。
強張った身体を仰け反らせたが、泣くのは何とか我慢した。相手を喜ばせるだけだから。
(大丈夫。これくらい耐えられる。大丈夫)
呪文のように心の中で繰り返す。
自分に芯があれば、どんな状況にだって耐えられる。
あの人はそう言っていたじゃない。
「生意気な女め。そいつを起こせ。口を開けさせろ」
別の少年の声が狭い部屋に響き、少女は硬く目をつぶった。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
133
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる