エッチするまで出られない屋敷

世界のボボブラ汁(エロル)

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館から出られないなら、もう開き直るしかない

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「ごめん」

 目を覚ますと、開口一番にルジェクはそう言った。気絶した私の体を水で綺麗にした後、ベッドに寝かせてくれたようだ。

「オレの、大きいらしいんだ」

 あ、そうなの。外人は皆デカいのかと思った。

 股の間がおかしいというか、うまく閉じないと言うか、体が空っぽになったような気がして、変な感じだ。

「痛くないか? その──まんこ」

 翻訳下品! 

「網タイツも、ガーターベルトも脱がしたの?」

 ベッドカバーの下で全裸になっているのに気づき、私はぼんやりとそう言った。

 ルジェクは大きな体を小さく丸め、怒られた犬のようになっている。

「俺の出した聖なる白い液で、その……衣服を汚してしまってな。水と、例の体洗うやつで全部綺麗にして、あの暖かい部屋に干しておいた」

 浴室乾燥機、教えなくても使いこなしとる。

……それにしても、領主様に洗濯させちゃったのか。シュールな光景を思い浮かべ、私はくすくす笑ってしまう。

 彼と体を合わせたからだろうか、ちょっと心がほぐれたような気がする。ルジェクはそんな私の顔を呆けたように見ていたけれど、再び心配そうに聞いてきた。

「体、大丈夫か?」

 湿った髪をなでてくれる。こんなに優しかったっけ?

「俺の妻になる女に、無理をさせてしまった」

 つまぁあああああ!?

「いや、ならないよ!?」

 ルジェクが驚いてこちらを見る。

「しかし責任を取らねば──」
「要らない。私、生理痛が重くてピル常用してるから、妊娠もしてないはず。貴方が責任感じる必要はない。こっちの世界はね、お互い合意の上なら、責任は二人にあるの。女も自立しているのよ」

 目が点になっているルジェク。

「ほ……ほう。我々の世界では、女は保護せねばならぬ存在だ。こんな風に傷物にしてしまって──」

 ルジェクは愛おしそうに私の頬を撫でた。痛い思いをさせたと思っているのだろうか。

「いや、あなたが変な病気さえ持ってなければ、本当に大丈夫だから」

 え、持って無いよね? クラミジアとか梅毒とか持って無いよね!? そこは異世界設定信じさせて。

「それに──そりゃあ、びっくりしたけれど、痛く無かったわ。気持ち良すぎて気絶したのよ。あなたは悪くないわ」

 苦笑いしながらそう言った。だいいち私、処女じゃないし。要は、お互い楽しんだってこと。

 じっさい、あんな経験は初めてだった。体の相性がいいのだろうか。それとも私のあそこは、やっぱりガバガバなのだろうか。

 思い出しただけで体が熱くなる。

 あんな経験ができただけでも、流された甲斐があったのかもしれない。

 そんなことを考えていたので、ルジェクの目にまた危険な光が宿ったことに、私は気づかなかった。

「気持ち……良かった……だとう?」

 私はえ? と顔を上げる。舌なめずりした野獣が、そこにいた。

「つまり、もう一度やってもいいと言うことか?」
「ルジェク? え?」

 私は目を丸くした。思いつめたような、切羽詰まった表情。

「俺にとっても初めての経験だった。あんなに締め付けるのに痛がらない女がいるとは思わなかったのだ。はっきり言って、父もオレもチンコがデカすぎて、女に嫌われているのだと思っていた」

 翻訳下品!

「俺とやっても痛いだけだからと、そう思っていたんだ。──だいたい最近のボボジール教会は、性欲を感じる性交を良しとしなくなってな。そもそも性交とは子作りのために行う神聖な儀式。エクスタシーを感じると子供ができぬとか、そんな教えを広げだしたのだ。聖職者どもめ、自分たちが去勢しているから一般人を羨んでおるのだ」

 ひぃいい、ルジェクの世界の聖職者、チンコ無い系なの!?

 ルジェクは苛立って拳を握りしめる。

「女もそれを真に受けて、石のように無表情だったり、服を着たままやりたがったり、しまいにはお互い麻袋を被って性交しましょう、とか……そんな女が普通なのだからな。どうにも萎えてしまって──」

 お互い麻袋をかぶってやるセックスってなんやねん!

「かと言って淑女じゃないと──。これまた最近、教会の教えが変わって、風呂屋は退廃的だとか抜かしだした。湯女は便利だったのに」

 ソープ嬢は居るんだね!

「風呂屋が潰れだしてから、娼婦たちも体が汚れきり、犯る気も起きないくらい酷い臭いを放ちだした。それに浅ましい。しつこく金をせびってこられても、やっぱり萎える。もう新ボボジール教に改宗しようと思っておったところだ」

 大変な世界だなぁ。ほんと、私この世界に生まれて良かった……。

「だから、こんなに甘く、いい匂いのする女なんて、初めて会ったのだ」

 鼻をくんくんされて、カッと頬が熱くなる。さらに、彼はいきなりベッドカバーを剥いだ

「女の裸体……俺は離婚した妻のでさえ、まともに見たことが無い。しかも、これほど完璧な──まるで異教の女神のような……」

 舐めるように私の体を見つめるルジェク。熱がこもり、潤みきっている。視姦!? 

「もう一度、ルカに触れたい。ボボジール教の教えに背くかもしれんが、先ほどのように激しくまぐわいたい」

 屈服した男の顔だった。

 私ってやっぱりガバガバだったのかしら、なんて一瞬思ったけれど、けっきょく彼は満足なエッチをしたことがないのだと分かった。

 女性の方も、きっと満足していなかったのだろう。そりゃ濡れないでこの人のイチモツ入れたら痛いよ。性癖がちょっとおかしい離婚した奥方以外、逃げたくなるよ。

「まあ……他にすることも無いし、うち祖父母以外は仏教っていうか、無宗教だしね。でも──」

 私は起き上がって膝立ちになり、彼の口に自分からキスした。

「私は娼婦でも魔女でもない。それだけは分かってね?」

 奔放な方じゃないけれど、気持ちいいエッチは嫌いじゃない。彼の世界では、私はビッチなのだろうか。

 ルジェクのやけにボタンびっちりの服を引っ張って、ベッドに引きずり込み押し倒す。

「ちょっと、これどうやって脱がすの?」

 ルジェクは顔を真っ赤にして、寝たまま自分で脱ぎだした。シルクのタイツは私が脱がす。

 やがて下半身に現れた元気な騎士。私は横になった彼の、顔の方にお尻を向けて筋肉質の身体を這う。本当に見事な筋肉だ。

 彼の方は「おお、オッパイがオッパイがっ俺の上をっうぉやわらかっ」と念仏のようにぶつぶつ言っている。

 目的にたどり着くと、立ち上がったそれをしげしげと眺めた。

 改めて見ると、顎が外れそう。それでも、躊躇無くぱくりと咥え込んだ。

「ぎゃぁああルカよ、なんと罪深い!」

 口淫は禁止なのだぞ! とオロオロしだしたのが可愛い。改宗するって言ってたじゃないの。

 ぽちゅんと口からルジェクの騎士を出すと、髪をかきあげて彼を振り返る。そしてきっぱり言った。

「ここは異世界よ。あなたの国の神様はいない」

 それから、ハロウィンのキャンディのようにぺろぺろやりだす。

 ルジェクの視線をお尻に感じた。

 信じられないものを見るように、私を凝視しているのが分かる。

「あ、待て、聖なる白い液が! 俺の我慢汁が!」

 我慢汁に翻訳された!

「いいよ、出して」

 私がまたポチュンと騎士を口から出しながら言った。背後を見ると、彼がどんな反応をしているか確かめ、ほくそ笑む。

 再び、普通はどん引きそうなほど巨大なそれを、口いっぱいに頬張った。

「あっぁぁぁ……あぁああああああいいいいい」

 バリトンの声が裏返る。ふふふ。まるで拷問してるみたいだ。これが本当の異端審問? 違うな、堕落させようとしているのだから、サバトなのかしら? だって彼は苦痛を感じているわけではない。恍惚としている。

 あら、私って本当に魔女みたい。

 喉の奥に刺さるほど入れ、唇近くまで出す。唇で何度も裏筋と亀頭をいじめてやった。擦り切れるほどしつこく。

「ル……カ……頼む……ルカ」

 高飛車だった騎士は、完全に私の奴隷のようになっていた。何度も繰り返し、じゅじゅっと吸うと、ついに屈服して私の口の中に射精する。

 ハッと我に返るルジェク。

「うわわっ、すまないっ、吐き出してくれ」

 私は彼に見せつけるように口に溜めたまま振り返り、ゴクッと飲み下す。

「聖なる白い液なんでしょ?」

 ルジェクは唇をペロリと舐める私を見て、目を見開いたまま硬直している。

 あれ? やりすぎたかな? また淫乱だの魔女だの言われるんだろうか。

「きゃっ」

 ルジェクは私の腰を掴んで引きずり寄せた。

「ここにボボジール神はいない」

 声がワントーン下がっている。逆さのまま思い切り内腿からこじ開けられた。さすがにこれは恥ずかしい。彼の顔に跨っているのだから。

「やっ、ちょっと見ないでよ」
「なぜ? お前は俺のをすごく見たぞ」

 秘所に顔を近づける。

「ああ、女のここは、バラの花びらみたいに綺麗なのだな」
「やだってば──」
「俺の顔にポタポタ落ちてくる。薔薇の朝露が」
「っ!」
 
 彼の悶える様を見て、興奮していたことがバレてしまった。

「まっ──あっ、だめ!」

 舌が、襞をかき分け、私の秘められた穴に入れられる。ぴちゃぴちゃと犬のように蜜壺を舐め回され、私の腰が浮かび上がる。

 自分のをやらせるのは、なんか申し訳ない。やはり汚い場所だと思うから。

 だってルジェク、お尻の穴にまで舌を入れようとするんだもの。

 さらにお尻を引かれ、前の方までペロペロされる。甘い、甘いと呟きながら。だから、ハロウィンのキャンディじゃないのよ! しかし突起を吸われた時には悲鳴をあげてしまった。

「花の芯をこんなに尖らせて」

 私の乱れた様子を見て、彼はほうっとため息をついた。息がかかってビクッとなる。彼は感極まったように言った。

「口淫禁止なんぞ、くそくらえだ」

 ルジェクは突然上に乗った私の体をどけ、起き上がった。私のお尻をしっかり掴んだまま。

「獣の体勢も、ダメだったのだ。我の国では……」

 大きな筋肉質の体が後ろから覆いかぶさってきて、私の髪の毛を首筋からかき上げる。そして現れた私の耳に囁いた。

「犬のように、お前を犯す」

 ぐぐっと例のアレが──やたらでっかいルジェクのロングソードが入ってくる。私はミチミチと侵入してくる巨根に、息が止まりそうだった。復活早くない!?

 それは、私の肉の突起を押しつぶし、子宮の奥まで入った。

「ふあっぁぁあああ」

 だめ、今度は気絶しない。ルジェクをもっと感じたい。

 ぐぐっとさらに子宮の奥を押された。内臓を突き破られそう。

「やっぱり──おおき……」

 引き抜かれた。ふわっといきそうになる。すぐに、ズブッと突き刺さった。

「あぁぁあああああああ」

 トンッ──トンッ──トンッ

 犬の交尾……確かに私は子犬のように、突かれるたびにキャンッ、キャンッと鳴いてしまう。

 上半身を起こされた。背後から、両方の乳房をサワサワと撫で回され、尖りきった乳首を摘ままれる。ぶちゅっと愛液が溢れ出る。わたし、乳首だめなんだってば……。

 甘い刺激に、今度は猫みたいに鳴いていると、がしっと乳房を掴まれた。もっと奥に入るように彼のロングソードの上に押し付けられる。

「やぶけ──」

 胸を掴んだまま、体を持ち上げられた。そのまま落とされる。

 ズン

 また持ち上げられる。

 ズン

 その繰り返しだ。

 自分の体重がかかって、背骨から脳に響く振動。

 よく考えたらすごい力だけれど、この腕の筋肉ならそれくらい朝飯前なのかもしれない。高速ズンドコ節だって奏でられそう。

「やっ、おっぱい……握りつぶさ……ないで」

 息も絶え絶えだった。オッパイは取っ手じゃないのよ。

「ずっと、お前の中に居たい」

 背後から耳元でささやかれた。

「俺の鞘になってくれ、ずっと──永遠に」

 それから再び私を前に倒して、背後から尻に腰を打ち付けてきた。しなるような速さで。

 体が圧され、ベッドヘッドの柵に掴まらなければ、壁に叩きつけられそうだった。胸が大きく揺れ、枕で乳首が擦れた。その刺激も私の下腹部を絞る刺激となった。

「くっ、なぜ、これほどきつい! 俺のモノを締め付けてもぎ取るつもりか!」

 パンパンパンパン──

 お尻を打つ音が寝室に響き渡り、きっと真っ赤になるだろうな、なんて思って達するのを堪えたけれど、ダメだった。

 すぐに私の意識は飛んでしまった。と、同時に彼の体も震えた。



「すまぬ、中に出してしまった……だが、俺の妻になれば問題ない」

 そうなのかな……そうなのか。

 ひょいと抱き上げられる。

「好きだ」
 
 感極まったような声で言われ、口づけされた。

「私も」

 でも、お互い分かっている。

 快楽におぼれているだけだと。




 その後、私たちは何度も愛し合った。

 やることが無かったから、というのもあるけれど、とにかく不安だったのかもしれない。

 そして、その間一度も扉が開くか試さなかった。

 愛し合った、なんて表現したけれど、肉欲と愛することは違う。

 私は雰囲気に流されているだけだし、彼は欲情しているだけだから、扉が開くはずも無いのだ。

 でも、彼としゃべるのは楽しかった。

 彼の語る異世界の話を聞かせてもらう代わりに、私はデジカメの画像やスマホの動画を見せて彼を不思議がらせた。

 それから、グランドピアノで子供の頃に習った曲を弾いてあげたり、こちらの世界のポップな歌を歌ってあげたりした。

 彼は向こうの屋敷から、貴婦人の服を持ってきて私に着せた。友人宅に持っていくはずだった部屋着用のロンTは、彼からしたらみすぼらしいらしい。

 彼の世界のドレスは、たぶんそれなりの名前がついているんだろうけれど、上着とか下着とかチョッキとか、そんな風に訳されてよく分からなかった。

 裾を踏んづけちゃうからいちいちたくし上げていたら、違う、そうじゃない! と怒られた。



 二人とも、水風呂に慣れてしまった。

 だってこの屋敷、床暖もついてるし、なんと全館空調だったのだ。さすが資産家。水風呂で唇を青くしても、エアコンで暖められる。

 ハロウィンのお菓子は無くなってしまったけれど、口が寂しくなったらルジェクとキスした。


 そうしてどれくらい経ったのだろう。

 気にするのも止めた時だ。ボボジール教会の教えで言えば、まさに退廃的な生活をしていた時。

「暑い」

 いつものようにエッチをして、満足そうに寝転がっている裸の彼から離れる。彼の体に飽きることはなかった。彼はまともな経験が少なかっただけで、やればやるほどテクニシャンになっていた。

 わしが育てた、と言いたい。

 それにしても暑い。彼の体温が高めだから、エッチのあとはいつも火照る。だいたい真冬ではないのだ。この洋館は、真冬はストーブを使用するのだろうけれど、エアコンだけで十分な気がする。

「空調利かせすぎたね」

 水風呂のあとだったから、室温を高くしてしまったのだ。暖房を切って、私はつい日常の癖で窓を開けた。

 すごくあっさり、それは開いた。

 目の前に、夕暮れの景色が広がる。

「え……」

 私は、あまりの出来事に二の句が継げなかった。思わず、背後のルジェクを振り返る。


 彼の姿は無くなっていた。





 
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