異世界酒場放浪記

あきあす

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真っ赤な…

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「改めまして、田所です。」

「ごめんなさいねぇ。ワタリビトに会うの初めてなので、興奮しちゃったわ。」

「いや。その、まぁ。ははっ。」

どーにも、やりにくい。

店内はカウンター席が5つ、ボックス席が2つのこじんまりした感じだ。内装は目が痛くなる程の赤い壁に赤い床。サキュバスの瞳の色だ。色の作用で興奮させようって魂胆が見え見えなんだが…。

「田所さぁん、飲み物何にしますぅ?」

チーママがカウンター席に座っている俺にしなだれかかりながら、注文を聞いてきた。む、胸があたるっ。

「あー、ここのオススメのお酒はなんですか?」

「真っ赤なビールよ。とぉっても美味しいの。」

「そ、そのビールをお願いします。」

真っ赤なビール…。なんで赤いんだ?
ヤバい何か入ってるんじゃないだろうな。

「ふふふ。そんな緊張しなくてもいいのよ。お客さんから××を絞り取ったりしないからっ。」

××って…あれか?あれなのか?

「あー、その、異世界こっちに来てからこういうお店は初めてなので…。お店のシステムってどんな感じですか?」

「こちらをご覧になって。」

ママがメニュー表のようなカードを見せてくれる。

『2時間飲み放題300ダラー』
『特別メニューは個室で××1000ダラー』

と、特別メニューって…。

「あの、特別メニューとは?」

「それは…。ふふふふっ。」

「「ねーっ。」」

ねーっ、じゃわからん。取材って、どこまですればいいかな。ここは特別メニューを頼むべきか…。まさか、スナックで、風俗店並みのサービスとかはないよな?
でも、ここはサキュバスだし。
あー、マン吉さんにきちんと確認してくれば良かったな。

「はーい。真っ赤なビールでーす。」

と、出てきたビールはブラッディメアリー?みたいな見た目だった。

「興奮剤は入ってませーンよ?」

小悪魔的な目付きでそんなこと言っても全然信用出来ないんだが。
と、そこに他の客がやってきた。

「いらっしゃいませぇ。」
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