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戦争へ!
チート、戦争へ-3-
しおりを挟むスカルサイド
周りの雑魚どもが消えたのはいいとしてこいつをどうするかだな。
俺の前には、返り血だらけの少年が高笑いをしながら舌舐めずりをしていた。
「ひゃはははは!血の雨最高!」
血の何がいいんだ?汚いだけじゃねーか。
「ん?ひゃはははは!強そうな奴みっけ!」
おっと、気づかれた見たいだ。
「お前、仲間がやられたのに何とも思わないのか?」
「仲間?この雑魚どもが?笑わせるな!」
仲間じゃ無いのか…。なんだ?どこかから派遣された奴か?
「俺の名前は、ノワール。お前を殺す奴の名前だからよく覚えとけよ!」
無駄にかっこいい名前しやがって。
「なら、早速始めようか」
こいつを、瞬殺して他の奴らの所に援護に行かなければな。
「ひゃはは!行くぜ!おらぁ!」
ノワールは、身体に身体強化を施し突っ込んで来る。
俺は、放たれたノワールの蹴りを受け流し、腹に蹴りを入れようとしたが、常人離れした動きにより、俺の蹴りは空を切った。
なんていう、避け方しやがる本当に人間か?
と、考えているといつのまにか肩を斬られていた。
「ッ!いつの間に!」
「ひゃはは!よえーよえー!」
いつの間に、魔武器出しやがった…。
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黒い刀に付いた俺の血が、刀に吸い込まれて行く。
「ほぉ、闇属性の使い手で本名はスカルって言うのか」
情報を得られるのか…便利だな。
「ふむ、流石に驚いたが俺の敵じゃないな」
俺が、零の持ち手を伸ばすと形態が銃剣から長剣に変化した。
俺の零には、三つの形態がある。一つ、いつも使ってる銃剣型、一つ、今のようにグリップを伸ばすと長剣型、一つ、銃口を伸ばしスコープを付ければ、スナイパー型だ。
「そんなもの、レーヴァテインの前では無力!」
さっき同様突っ込んで来た、ノワールの剣をいなし腹に蹴りを入れる。
「ガッ!早くなっただと?」
「長剣型の追加効果だ。」
一時的にスピードと動体視力が上昇する。
「しかし、お前遅いな…」
「……レーヴァテイン」
ん?魔装か?
「俺を喰らえ!【魔装】」
赤と黒の霧がノワール包み、霧が晴れると真っ黒な甲冑に身を包んだノワールが居た。
「へぇ、あれがあいつの魔装か」
「夜空!?いつの間に横に…いや、それより何しに来たんだ?」
「ん?見学」
見学って…夜空のマイペースは直らないな…。
「そうか」
「あれ?反応薄いな」
今、それどころじゃ無いだろ…ノワールが雄叫びをあげ突っ込んで来ようとしてるんだぞ?
「夜空も早く戻れよ」
「ういうい、見学席でせんべいでも食ってみとくなー。あ、殺すなよ?」
は?なんて、言った!?
「ちょっ、まっ!」
夜空は、俺の言葉も聞かず転移して行く。
見学席?戦争中だぞ?しかも、殺すなってどう言う事だ?
目の前に、ノワールの刀が見えたのを軽く避け背中を蹴り地面に叩きつける。
「あれ?いつの間に気絶してたんだ?」
どうやら、無意識のうちにやってしまった見たいだな。
力の加減が出来なかったが死んでないよな?
ふむ、脈はあるから大丈夫だな。
俺は、ノワールを一度見てから夜空の魔力を感知し転移した。
氷翠サイド
さて、この状況どうしようかな。
説明するね。
周りの兵士達が凍りづけになり砕け散った後遠くの方からホムラさんが吹っ飛んで来た所だね。
庇う?あのスピードの人を受け止めたら骨が折れちゃうよ。
ホムラさんの吹っ飛んで来た方向を見ると、大勢のゾンビ達が猛ダッシュでこっちに向かって走って来て居た。
「ホムラさん?説明してくれますか?」
「えっと、実は…」
ふむふむ、なるほど。簡単に言うと
着地→囲まれる→撃退→敵消失→生存者に吹っ飛ばされる。
てな、感じだった。
「大体は理解できました」
「油断してたとはいえ、ふっとばされるとは思わなかったわ」
はぁ、油断はダメですよ?油断は。
「とりあえず、周りの邪魔な人?達を排除しましょうか」
「そうだな」
「さて、遊びましょうか」
「消し炭にしてやるよ」
「【氷神の怒り】」
「【炎神の怒り】」
ホムラさんの周りから炎で出来た津波がゾンビ達を飲み込み、生き残った人達が私の氷の波によって、凍り砕け散る。
「すっげぇ、威力だな」
「パパが作った魔法ですからね」
似た魔法にダイダルウェーブと言う物があるけど、あれとはまた別物。
「まさか、私の駒が瞬殺されるとは」
さてさて、出て来ましたね…。
「貴方が、このゾンビ達の主人ですかね?」
「私は、武国のマッドと、申します。以後お見知りおきを」
魔法…ではなく能力ですかね。
「ネクロマンサーの能力ですね」
ネクロマンサーは、死体を操る能力で死体を人形の様に扱う胸糞悪い能力だと、パパが言ってたよ。
「て言うか、お前か…魔闘大会で俺達の邪魔をしたのは」
ホムラさんが、拳に炎を纏わせ鬼の形相でマッドを睨みつける。
「そんな事もありましたね」
今、認めましたね?
「だったら、死んで詫びろ!」
私は、蒼白を召喚しマッドに向かって突っ込み蒼白をマッドの首に向かって振るったがゾンビの手に止められる。
「せっかちですね」
私が、距離を取ると同時に私の横をホムラさんが、通り抜け拳を振るう。
「ゾンビなら、炎に弱いだろ!」
「ふぅ、やれやれ。これだから力だけの馬鹿は…」
ホムラさんの拳は、マッドの魔武器である、杖によって受け止められる。
「こんなものですか?帝と言うのも大した者じゃないですね」
「ホムラさん、同時に!」
「了解!」
「はぁ、飽きました」
その言葉と、同時にマッドの姿が消え私達は吹き飛んだ。
私が、空中で受け身をとりホムラさんを見るとお腹を手で貫かれている光景が目に入る。
「一人、終了ですね」
「ぐっ…ひす…い…逃げ…ろ」
「ホムラさん!」
ホムラさんの所へ向かおうとした瞬間、剣を持ったゾンビに足の健を斬られ、その場に倒れてしまう。
「くそ!こんな所で、死ねないのに!」
ダメだ…終わった。
私の方にマッドが歩いて来て、先端が尖った杖を振り下ろす。
「おい、誰に手を出してる?」
振り下ろされる直前マッドが、吹き飛び木に激突した。
「パ…パ?」
「ういっす、無事…な訳ないよな」
パパは、ニコッと笑い私の頭に手を置く。
「私より、ホムラさんが!」
パパは、一度ホムラさんの方に視線を向けニコッと笑い、「大丈夫だ」と言った。
パパが、立ち上がると同時にパパの身体から魔力と殺気が溢れ出し、目が赤く染まっていく。
「俺の家族に手を出した事、後悔しろよ?」
と、言った瞬間パパの姿が消える。
夜空サイド
「私のコレクションとなる予定だった者が逃げてしまったではありませんか」
「コレクション?俺の家族をコレクションにすると?」
…殺してやるよ。
俺は、一瞬でマッドの懐に潜り込み首を絞める。
「早すぎて、ゾンビが反応しませんか…」
マッドが、何かを呟いた瞬間マッドの後ろから、6枚の羽を持ち身体の至る所に人の顔が埋まっている天使擬きが現れた。
「昔、この地で力尽きた神が今、人々の怨念を受け、復活しました。これで、貴方は終わりです」
俺は、一度距離を取り天使擬きをみる。
「行きなさい!」
天使擬きが、マッドの合図を受け俺に向かって大剣を振り下ろす。
「これが、天使?ふざけるなよ?」
振り下ろされた、大剣を掴みマッドを睨みつける。
「な、なんだと!?」
「ちょっとは、期待したんだが…残念だよ【雪月花】」
天使の身体に白い花が咲き誇り、咲いた場所から崩れて行く。
「弱い、弱すぎる!実に、退屈な勝負だったよ!マッド!」
俺が、地面を思いっきり踏みつけると氷で出来た、馬鹿でかい棘がマッドを貫いた。
「…つまんね」
俺は、それだけ呟き転移して行った。
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