防御に全振りの異世界ゲーム

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サリステル帝国

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「ここが、帝国か」


『王国ーーあ、今は共和国だったね。共和国より格段にでかいね』


「それよりさ、なんか城門で揉めてるみたいだよ?」


  ほんとだなんかやってる。


「だから、行ってるだろ。この国には力のある者しか入れぬと」


「子供が病気なんです!!どうか!」


「貴様らみたいな弱者が入国できると思うな。さっさと去るがいい!」


  帝国が強者しか受け入れないって言うのは本当らしいな。
  とは言え、あれは見ていて気持ちのいい物じゃ無いな。


『へぇ、助けるんだ』


「違う。俺が入る為だ」


「凛君ツンデレさんなんだね」


  ユナを軽く小突き俺は兵士の前に立つ。


「なんだ、貴様は」


「強ければはいれるんだな?」


「力を持つ者であれば誰でも歓迎だ。さあ、俺を倒してみろ」


  ほぉ、なんて簡単な条件だ。こいつを倒すだけで中に入れるとは。


「おっけぇ。じゃあ、いっくぞー」


  俺が黒雪を横に振り抜くと、兵士の足が宙に舞った。


「はい、終了。あんた、弱いなぁ。この国にいる資格ないんじゃ無い?」


なーんて、気絶してるから聞こえてないよねぇ。


  俺は、親子の手を引き帝国の中へと足を踏み入れた。


「俺もこの国始めてだから診療所がどこにあるかとか分からんから、後は自分達で探しなね」


「はい!ありがとうございます!」


  さて、親子を見送った所でどこ行けば良いのだろうか。


「とりあえず、情報を集める為に酒場にでも行きましょうかね」


  酒場は何処かなぁ。誰か、知ってそうな人は……。


  俺は近くを通った男の人に道を聞き酒場へと向かった。


「いらっしゃいませー、お好きな席へどうぞー」


  空いてる席に腰を下ろししばらく店内を見ていると背後から聞き覚えのある声が聞こえて来た。


「しかし、いつあの守りの野郎共を狩りに行くかな」


「紅葉、ここ禁煙」


「あ?気にすんなって。お前は細かいんだよフィオ」


「ルールはルール」


  おいおいおい、ちょっと待てまさかこんな所で紅葉と会うとかまじか。


『どうする?やる?』


(ばっか、お前こんな所でやりあってみろ。ここ無くなるぞ)


  どうしようかと考えているとユナがニコッと笑い席を立った。


「お、おい。何する気だお前」


「えへへ~」


  ユナは俺の制止をひらりとかわし紅葉達が座っている席へと座る。


「お兄さん達、凛君のお友達?」


「は?誰だお前」


「紅葉君、この人……」


「シー、お嬢さんは黙っててね貴方が話をする事は【許可しない】」


あいつ、何する気だ……。揉めるなよぉ。


「てめぇ、守りの野郎の仲間か?つーことは」


  紅葉が振るった大剣を俺は身を屈めギリギリで避ける。


「よぉ、久しぶりだなぁ守りの野郎」


「はぁ、やっぱりこうなるよねぇ。後、俺の名前は凛だ覚えとけ馬鹿が」


  こんな早くにやり合うつもりは無かったんだがなぁ。


「場所変えようぜここじゃやりにくい」


  俺達は、紅葉達の後に続き帝国の裏側にある平原に向かった。
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