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旅立ち
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次の日
「さてと、いい天気だし行くかぁ」
『ねぇ、凛。シオンは本当に良かったの?』
「ああ、いいんだよ。それに……ほら、来た」
凛が、指差した方向には肩で息をし鬼形相で凛達を睨みつけるシオンが居た。
「よう、そろそろ来る頃だと思ってたぞ。それで何しに来た?」
「私と勝負して。私が勝ったらついて行く、リン君……リンが勝ったら大人しくここに残る」
シオンの言葉を聞いた凛はセイナから飛び降り一般解放されている闘技場へと向かった。
凛の後に続く様にシオンも歩き出しセイナを少し撫でてから凛の後を追った。
「一つ言っておくが、手加減なんぞする気も無いから覚悟しろよ?」
「手加減なんて要らない、リンを倒して私はついて行く」
凛は見せたこともない様な真面目な顔でシオンを睨みつける。
「それじゃ、このコインが地面に落ちたらスタートだ。それじゃ」
凛がコインを弾くと同時にお互いに武器を抜き放ち構える。
そして、コインが地面に落ちた瞬間シオンが走り出し、凛の周りを影が覆い尽くしそして、影が凍りつき砕け散る。
「狼喰い!? 」
「言ったろ? 本気で行くって」
凛が、黒雪を鞘から抜いた瞬間にシオンの頬が少し切れ闘技場の壁に3メートルはあるであろう切り傷が付く。
「次は、本気で当てる。降参するなら今だぞ」
「手加減はいらないって言った!! 【闇の矢】」
シオンの周りに無数の矢が展開され一斉に放たれる。
「お前の魔法はもう知ってる【障壁】」
凛の周りに張られた壁が闇の矢を全て消しさり土煙が視界を覆い尽くした。
「これじゃ、何も「残念見えるんだよ」なっ!?」
シオンの背後から振られた白雪をシオンは紙一重で避け振られた方向に鎌を振るう……が、黒雪で弾かれお腹に前蹴りをもろに当たり、吹き飛ぶ。
「カハッ!!」
「……」
シオンは闘技場の壁に激突し口から血を吐きだすと共に胃の内容物も一緒に吐き出す。
『凛! シオンが死んじゃうよ!』
(少し黙ってろ)
凛は警戒を解かずに刀を構え直しシオンを見つめる。
土煙を吹き飛ばず様に影が広がりシオンの横にコクアが現れる。
『貴様!! 主にこんな事して許されると思うなよ!』
「うるさいぞ、犬畜生」
凛の目に赤い光が宿ると共に周りの大気が震える出す。
「コクア、ありがとう。でも、大丈夫見てて」
シオンは、鎌を杖にして立ち上がり構える。
「まだ、諦めないか……なら、圧倒的な力でねじ伏せてやる」
セイナが凛から離れると同時にリンネが凛の中へと入る。
「次は、リンネさんか……厄介だね」
シオンが地面を強く蹴り鎌をくるりと回し凛の首めがけて振るうが凛の大剣で防がれ逆に鎌を絡め取られ地面に押さえ込まれる。
「地を走りて敵を燃やせ【マキナ・フラム】」
凛の足元から火が蜘蛛の巣状に広がっていき闘技場いっぱいに広がると眩い光を放ち凄まじい爆発を巻き起こした。
「くはぁ!! ま、まさか自分諸共爆発させるなんて」
勿論、足元にいたシオンが無事な訳が無く身体中の至る所から血を流す。
シオンはフラフラと立ち上がり凛のいた方向を見た瞬間に凛の蹴りが鳩尾にクリーンヒットし地面をバウンドしながらシオンが吹き飛ぶ。
「はぁはぁ、まだ終われない。終わらせない」
「いや、終わりだ。お前はよくやったよ。【ネオグラビティ】」
シオンを押しつぶす様に黒い光が広がり下にいたシオンが地面に埋まって行く。
「グググッ、ま……だ」
シオンが立ち上がろうとした瞬間に上からの凛のかかと落としが背中に決まりそのままシオンが気絶する。
「悪いな、お前じゃ俺には勝てねーよ」
凛はシオンをお姫様抱っこし、セリカが居る診療所に連れて行った。
「先生、こいつの事頼むな」
「君が言うから何事かと思ったが、君やりすぎ。内臓が数カ所損傷に骨も数カ所折れてるね」
「これくらいやらないとこいつ諦めないんで」
凛は、ニコッと笑いながらシオンの頭を撫で診療所を後にした。
「さて、気を取り直して帝国へlet's go」
『はいはい、次シオンに会ったらちゃんと謝りなよ?』
「次、会えたらな」
セイナが背中を伸ばし足に力を入れ地面を蹴った瞬間周りの景色が一瞬で切り替わる。
そして、あれだけ時間のかかった湯の町までものの数時間で着いた。
「ここが、湯の町だから……帝国はあっちの方向だな。装備の手入れと道具の確認してから出発しよう」
『そう言えば、ユナは?』
「知らない。気がついたらどっか行ってた」
凛は道具屋でポーションなどを買いながらセイナの問いに答える。
『ふーん、まあユナのことだしまた、どっかでイタズラでもしてるでしょ』
「それより、リンよ」
「リンネ、どした? あ、お姉さんそこのリンゴも頂戴」
「あらぁ、お姉さんなんてお兄さんお上手ねぇ、おまけしちゃう」
「お、ラッキー」
「……なんでも無い。我はしばらく留守にするぞ」
「おん? どこ行くんだよ」
「龍の里に顔出しついでに帰ってくる」
「そっかそっか、いってらぁ」
リンネが、人型のまま翼だけを広げ空へと羽ばたいたと思った瞬間姿が見えなくなった。
「こんなもんかなぁ」
『じゃあ、行くよー』
そして、また神速の如く駆けていくのであった。
「さてと、いい天気だし行くかぁ」
『ねぇ、凛。シオンは本当に良かったの?』
「ああ、いいんだよ。それに……ほら、来た」
凛が、指差した方向には肩で息をし鬼形相で凛達を睨みつけるシオンが居た。
「よう、そろそろ来る頃だと思ってたぞ。それで何しに来た?」
「私と勝負して。私が勝ったらついて行く、リン君……リンが勝ったら大人しくここに残る」
シオンの言葉を聞いた凛はセイナから飛び降り一般解放されている闘技場へと向かった。
凛の後に続く様にシオンも歩き出しセイナを少し撫でてから凛の後を追った。
「一つ言っておくが、手加減なんぞする気も無いから覚悟しろよ?」
「手加減なんて要らない、リンを倒して私はついて行く」
凛は見せたこともない様な真面目な顔でシオンを睨みつける。
「それじゃ、このコインが地面に落ちたらスタートだ。それじゃ」
凛がコインを弾くと同時にお互いに武器を抜き放ち構える。
そして、コインが地面に落ちた瞬間シオンが走り出し、凛の周りを影が覆い尽くしそして、影が凍りつき砕け散る。
「狼喰い!? 」
「言ったろ? 本気で行くって」
凛が、黒雪を鞘から抜いた瞬間にシオンの頬が少し切れ闘技場の壁に3メートルはあるであろう切り傷が付く。
「次は、本気で当てる。降参するなら今だぞ」
「手加減はいらないって言った!! 【闇の矢】」
シオンの周りに無数の矢が展開され一斉に放たれる。
「お前の魔法はもう知ってる【障壁】」
凛の周りに張られた壁が闇の矢を全て消しさり土煙が視界を覆い尽くした。
「これじゃ、何も「残念見えるんだよ」なっ!?」
シオンの背後から振られた白雪をシオンは紙一重で避け振られた方向に鎌を振るう……が、黒雪で弾かれお腹に前蹴りをもろに当たり、吹き飛ぶ。
「カハッ!!」
「……」
シオンは闘技場の壁に激突し口から血を吐きだすと共に胃の内容物も一緒に吐き出す。
『凛! シオンが死んじゃうよ!』
(少し黙ってろ)
凛は警戒を解かずに刀を構え直しシオンを見つめる。
土煙を吹き飛ばず様に影が広がりシオンの横にコクアが現れる。
『貴様!! 主にこんな事して許されると思うなよ!』
「うるさいぞ、犬畜生」
凛の目に赤い光が宿ると共に周りの大気が震える出す。
「コクア、ありがとう。でも、大丈夫見てて」
シオンは、鎌を杖にして立ち上がり構える。
「まだ、諦めないか……なら、圧倒的な力でねじ伏せてやる」
セイナが凛から離れると同時にリンネが凛の中へと入る。
「次は、リンネさんか……厄介だね」
シオンが地面を強く蹴り鎌をくるりと回し凛の首めがけて振るうが凛の大剣で防がれ逆に鎌を絡め取られ地面に押さえ込まれる。
「地を走りて敵を燃やせ【マキナ・フラム】」
凛の足元から火が蜘蛛の巣状に広がっていき闘技場いっぱいに広がると眩い光を放ち凄まじい爆発を巻き起こした。
「くはぁ!! ま、まさか自分諸共爆発させるなんて」
勿論、足元にいたシオンが無事な訳が無く身体中の至る所から血を流す。
シオンはフラフラと立ち上がり凛のいた方向を見た瞬間に凛の蹴りが鳩尾にクリーンヒットし地面をバウンドしながらシオンが吹き飛ぶ。
「はぁはぁ、まだ終われない。終わらせない」
「いや、終わりだ。お前はよくやったよ。【ネオグラビティ】」
シオンを押しつぶす様に黒い光が広がり下にいたシオンが地面に埋まって行く。
「グググッ、ま……だ」
シオンが立ち上がろうとした瞬間に上からの凛のかかと落としが背中に決まりそのままシオンが気絶する。
「悪いな、お前じゃ俺には勝てねーよ」
凛はシオンをお姫様抱っこし、セリカが居る診療所に連れて行った。
「先生、こいつの事頼むな」
「君が言うから何事かと思ったが、君やりすぎ。内臓が数カ所損傷に骨も数カ所折れてるね」
「これくらいやらないとこいつ諦めないんで」
凛は、ニコッと笑いながらシオンの頭を撫で診療所を後にした。
「さて、気を取り直して帝国へlet's go」
『はいはい、次シオンに会ったらちゃんと謝りなよ?』
「次、会えたらな」
セイナが背中を伸ばし足に力を入れ地面を蹴った瞬間周りの景色が一瞬で切り替わる。
そして、あれだけ時間のかかった湯の町までものの数時間で着いた。
「ここが、湯の町だから……帝国はあっちの方向だな。装備の手入れと道具の確認してから出発しよう」
『そう言えば、ユナは?』
「知らない。気がついたらどっか行ってた」
凛は道具屋でポーションなどを買いながらセイナの問いに答える。
『ふーん、まあユナのことだしまた、どっかでイタズラでもしてるでしょ』
「それより、リンよ」
「リンネ、どした? あ、お姉さんそこのリンゴも頂戴」
「あらぁ、お姉さんなんてお兄さんお上手ねぇ、おまけしちゃう」
「お、ラッキー」
「……なんでも無い。我はしばらく留守にするぞ」
「おん? どこ行くんだよ」
「龍の里に顔出しついでに帰ってくる」
「そっかそっか、いってらぁ」
リンネが、人型のまま翼だけを広げ空へと羽ばたいたと思った瞬間姿が見えなくなった。
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