防御に全振りの異世界ゲーム

arice

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獣人の里での大決戦?

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*変更点を凛の武器が軍刀から刀に変更したのと、星奈の名前をカタカタ表記に変更しました。
違和感あるかもしれませんが宜しくお願いします。



   輪舞曲に昇格してからと言うもの俺達は別々に依頼を受け金を稼いでいた。
 シオンはソロで二人用に俺は、ユナとか使い魔を連れて三人用に分かれて依頼を受けまくっていた。


「さて、俺達が金を稼ぎ始めて数日経ったしそろそろお互いの経過報告と行こうか」


「うん」


 俺達は、机の上に金をジャラジャラと出す。


「おお、いいねいいね。これなら、少し高い宿にも泊まれるぞ」


 大体50万レイス位か。


「いくら位を目処にしてるの?」


「家買えるくらい」


「は?」


「あはは、冗談冗談。そうだなぁ、200万は欲しいかな」


 それだけあれば余程の事がない限り困らないだろう。


「とりあえず、まだ時間あるしもう一個位なら出来るな。一緒に行くか」


「うん」


 二人なら四人用受けてもクリア出来るかな。


 との事なので、俺達はギルドで適当な依頼を受け依頼場所へと向かった。


 辿り着いて数分後


「……迷ったな」


「迷ったね」


 森深すぎんだろ……。


「あーあ、簡単な依頼の筈だったんだがな」


「方向音痴がなければね」


「うるさいよ。んにゃ?  なんか、聞こえねーか?」


「おい、こっちから人の匂いがするぞ!」


「くそ!  性懲りも無く来やがったか!人間め!!」


 おっと?  なんかめんどくさそうな予感がするぞ。


   俺は、カバンから全身を覆うローブとお面を二つ取り出す。


「シオン、これ付けとけ」


   シオンに猫のお面を俺は狐のお面を付けローブのフードを深くまで被る。


「貴様!  ここで何をしている!」


「依頼の途中だが?」


 犬の耳に狸の耳……獣人か。


「五年前だけでは飽き足らず、また俺達を殺しに来たか」


 なんか、勘違いされてるけどどうしましょう。


「おい、なんか勘違いしてるみたいだが––」


「うるさい!!  人間の言う事なんか信じられるか!!」


「お前らは里に帰れ。こいつは俺が引き受ける。しかし、長い事は持ちそうに無いから援軍を呼んできてくれ」


「わかった!  気をつけろよ」


   狸耳の奴が、森の奥へと走って行く。追いかけようとしていたシオンを手で静止する。


「なんで、止めるの?」


「別に無理に追う必要は無い。俺達は争いに来たわけじゃ無いからな」


 さーてと、こいつどうすっかなぁ。傷つけたくは無いし、かと行って大人しく引いてくれそうな感じでもないし。


「はぁ、のんびりやるとしましょうかね」


 鞘から刀を抜き犬耳を見つめる。


「ここから先へは行かせぬぞ、人間!!」


 犬耳は、二本の槍を構え俺を睨みつける。


「ほぉ、ニ槍使いか。珍しいな」


「殺されるくらいなら殺してやる」


 犬耳が、槍を振り回しながら俺に向かって来る。


 やっぱり来ちゃうよね……。


 槍が俺に当たる寸前でシオンの鎌によって受け止められシオンは鎌を捻り犬耳を投げ飛ばす。


「ナーイス」


「避けようともしなかったよね?」


「いやいや、ギリギリで避けるつもりだったよ」


「くそ、二体一じゃ部が悪いな……」


 犬耳は、槍を投げ捨て魔力を練り出す。


「咲け【鳳仙火】」


 犬耳の手のひらに炎の華が咲いた後、更に詠唱を続ける。


「乱れ咲け【火岸花】」


 手のひらの華が、周りにも咲き誇って行く。


「こんな華切り裂く!」


 と、シオンが犬耳に向かって突っ込んでいく。


 あの馬鹿……。


   俺は、シオンの襟を持ち後ろへ引っ張り障壁を展開する。


   シオンが華に当たるギリギリの所で華が一斉に爆発しその衝撃で障壁にヒビが入った。


「なんつー威力だ」


「私、死んでた?」


「100パー死んでたな」


 全く、初めて見る魔法は警戒しろよなぁ。


「次行くぞ。弾けて咲き散れ【花火】」


   ビー玉位の大きさの玉が犬耳の指の間に現れ俺たちに向かって投げられる。


 未来視によるとあれは一つ一つが爆弾らしい。障壁じゃ防げないかなあれは。


「シオン、俺の後ろへ【フレイ・シルド】」


   ビー玉が弾ける瞬間に盾が爆発を防ぐ、その際に俺達の周りの地面が抉れてる所を見ると相当な威力な様だ。


「おいおい、周りの事も考えろよ。木、燃え盛ってるじゃねーか」


 消火出来そうな魔法なんか持ってないしな……。


「心配するな、俺は火を操る事が出来るんでな。
 舞い上がれ【龍仙火】」


   木に燃え移っていた炎が固まって行き龍の形へと形成されていく。


「おおっ!!  まじか!?」


   俺は、シオンを抱きかかえ足に力を入れその場から離れる。火の龍が当たった地面がゴポゴポと音を立ててマグマみたいに溶ける。


「いやー、危なかったぁ」


「地面が溶けるなんてどんな温度してるの」


「まだ、攻撃は終わっていないぞ!」


   溶けた地面から更にでかい龍が現れ俺たちに向かって突っ込んでくる。


「こいつは、避けれないな……はぁ、しょうがない【フレイ・シェル】」


   俺とシオンを囲む様に赤いドーム状の壁が張られ、そのドームに沿う様に龍が逸れる。


「何だと!?」


「もういいや、手加減しないよ?」


 俺が、一度地面を蹴ると姿が消える。


「何処に行った!」


「いちいち叫ぶなようるせぇな」


   犬耳の背中を切りつけ、足払いをして態勢を崩させた後腹を蹴り木に向かって蹴り飛ばす。
   立ち上がろうとしていた犬耳の首を掴み刀を肩に刺しこむ。


「ぐぁぁぁあ!!」


「お前は、俺と敵対する事を選択した。自分の選択には責任を持てよ?」


    肩から刀を抜き首を飛ばそうと振り抜こうとしたら狸耳の逃げた方向から叫び声が上がり、煙の匂いが鼻をつく。


「なぁ、お前の村焼けてんじゃね?」


   俺は、犬耳から手を離し黒煙が上がってる方に目を向ける。


「まさか!?」


   犬耳は、俺達を放置して燃えてる方へと走っていった。


「置いてかれたな」


「どうするの?」


 どうするって言ったってなぁ……。


「シオンはどうしたい?」


「同じ種族だし助けたい……かな」


「シオンがそう言うなら助かるか、但し決めるのはあいつらだ。はい、これ被ってね」


「え?  これ被るの?  私、女の子なんだけど」


「大丈夫大丈夫」


   俺は、悪い笑みを浮かべながら里の方へと向かった。



「ふははは!!  亜人は全て殺せ!!  亜人など生きてる価値も無いからな」


「隊長、殺す前にヤってもいいですかね」


「ふむ、許す。そいつらに人権は存在しないからな」


「ヒャッホー!!  溜まってたからちょうどよかったぜ」


   一人の兵士が兎耳を生やした女性に近づき下品な笑みを浮かべながら舌舐めずりをする。


「い、いや……こないで……」


「はははは、うさぎは万年発情期何だろ?  楽しもうぜぇ」


   男が兎耳に向かって剣を振り下ろすがその剣が女に届く事は無かった。


「ふぅ、間に合った間に合った。さて、お前ら王国の兵だな?」


「誰だお前?  お楽しみの邪魔すんじゃねぇぞ!!」


 兵士が再度俺に向かって剣を振るう。俺は、刀で剣を防ぎ男の手首を握る。


「動か……ねぇ」


「ちょっと黙ってろ」


 っと、役者も揃ったな。


   兵士とは反対の方から武器を持った獣人達が集まって来た。


「さて!!  ここでお前達ニ種族に質問だ。まず、獣人の諸君、貴様らは戦う事を望むのか?」


「あ、当たり前––」


「モブは黙ってろ。俺が聞いてるのはそこにいる村長にだ」


   俺が、そう言うと獣人を掻き分け猫耳の生えたおじさんが杖をつきながら前に出る。








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