防御に全振りの異世界ゲーム

arice

文字の大きさ
上 下
18 / 47

天魔祭

しおりを挟む
「天魔祭?  なんそれ」


「…他校の生徒と友好を深める為に…模擬戦とかをやる大会のこと」


  学園が復興して来てみたら天魔祭とやらが近々行われるらしい。


「ふーんまあ、なんでもいいけどね。それにしても魔法って凄いな」


「…?」


「だって、あんだけボロボロだった学園とかをこんな短期間で復興させたんだろ?  便利なんだなって改めて思ったよ。」


「はいはいそこイチャイチャしてないで説明聞いてね」


「イチャイチャなんてしてませんけど?」


  何故、普通に話しているだけでイチャイチャしてるとか言われるのだろうか?  なんだ?  そんないい雰囲気出てたか?  ……悪くない。


「はぁ、そこの二人が聞いてなかったみたいだからもう一回説明するね?  二日後にこの学園で天魔祭をやる事になった訳なのね。
  それで、代表を各クラスから二人ほど選出しないといけないんだけど、立候補者いる?」


  ふむ、めんどくさそうだから無視しとこう。そうだ、今の内にシオンが今どう言う状況なのか説明しておこう。


  シオンは、封印を自分でかけたり外したり出来るようになったみたいで今は獣人である事を隠して生活している。
  ただ、力が上の奴とかには普通にバレるらしい。


「えーじゃあ、ルビーからの代表はシオンさんとリン君でいいね」


はぁ、やっと終わっ……た?  ん?


「はぁぁぁぁ!?  なんで?  なんで俺?」


「シオンさんが立候補して指名したからよ」


「異議あり!!」


「認めません。それじゃ、代表の人はこの後闘技場に集合ね」


えぇ……うそん……。


「シーオーン?  どう言う事かなぁ?」


「…いひゃい…だってリン君しか友達居ないし…それに私のパートナーが務まるのはリン君くらいしか居なかった」


  俺が、シオンの口を3にしながら詰め寄るとシオンは淡々と呟く。


「お前なぁ……もういいよ。決まったもんはしょうがないのんびりやるとするか」


「…ちなみに勝ったら金一封」


「……うーし!  全力で消しとばしてやるぜ!」


  んだよ、金が発生するのであれば話は別だ俄然やる気出て来たぞ!


  そして、闘技場


  俺が闘技場につくと何処かで見たことある様な無いような奴が声をかけて来た。


「貴様が代表とはな」


「……誰?」


「ガルフだ!  大通りで会っただろ!」


大通り……?  えーっと……。


「新手のナンパか?  残念ながら俺にそっちの気は無いから他当たってくれ」


  俺がさっさとその場を離れようとするとガルフとか言うやつに肩を掴まれる。


「貴様……あんまり俺様を舐めるなよ」


「今すぐこの汚い手を離せ離さないなら……切り落とす」


  俺が全力の殺気をぶつけるとガルフは膝から崩れ落ち失禁しながら気絶した。


「よし、離したな聞き分けのいい奴は嫌いじゃないぞ☆」


さーてと、アン先生は……いたいた。


「ん?  なんだよシオンその目は」


「…離したじゃなくて離させた…だよね?」


「何のこと?  俺、馬鹿だから分かんない」


俺は、舌を出しながら首をかしげる。


「…もういい…行こ」


  シオンに袖を引っ張られながらアン先生の元へ向かう。


「あちゃあ、ガルフ君をやっちゃったかぁ……まあ、いいや。それじゃ二人にルール説明するね。」


  アン先生がそう言うと周りが暗くなって行き青色に輝く文字が空中に浮かび上がる。


「天魔祭は三日間で、1日目はサバイバル。時間制限を生き残るだけの簡単な内容ね。
  ただし、二人のうちどちらかが倒れればその場で二人共脱落ね」


  サバイバルって事は食糧とかは自分で取らないとダメな感じか。


「二日目はポイントゲッター。ポイントが設定された魔物を倒してポイントを稼いで行き最後にポイントの一番高いチームが勝利」


「…どんな魔物がいるんですか?」


「それは、内緒。教えちゃったら不公平だからね。最終日は掃討戦。
  他のチームと戦って最後まで生き残れば勝利」


  実にシンプルでよろしい。


「優勝はどうやって決まるんですか?」


「三日間で稼いだポイントで決めるよ。サバイバルでは、頭を使って生き残った方がポイントは多く手に入るのよ。
  それを決めるのは見に来てくれてる観客の人達ね」


  つまり、力だけで他のチームを全滅させてもポイントは貰えないって訳か……すこし、めんどくさいな。


「説明はこんなもんかな。もしかしたら、イレギュラーなことが起こるかも知れないから気をつけてね」


「例えば?」


「毎年の事なんだけど、自分のクラスを勝たせる為にクラスからの妨害が入ったりするのよ。
  一応、対策はしてるけど、毎年破られてるんだよねー。あはは」


  あははじゃ無いだろ。いいのかそれで。


「とりあえず、勝てば良いんですね?  程々に頑張ります」


  俺は、アン先生にひらひらと後ろ手で手を振り教室に戻った。


「くふふ、これで私の給料も……」


「…ジー」


「はっ!  んん!!  ほ、ほらシオンさんも教室に戻りましょ?」


「…ご飯奢ってくださいね」


「ううっ……はい」

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

父が再婚しました

Ruhuna
ファンタジー
母が亡くなって1ヶ月後に 父が再婚しました

我が家に子犬がやって来た!

もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。 アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。 だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。 この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。 ※全102話で完結済。 ★『小説家になろう』でも読めます★

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

主役の聖女は死にました

F.conoe
ファンタジー
聖女と一緒に召喚された私。私は聖女じゃないのに、聖女とされた。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

赤き翼の万能屋―万能少女と出来損ない死霊術師の共同生活―

文海マヤ
ファンタジー
「代わりのない物なんてない。この世は代替品と上位互換に溢れてる」  万能屋。  猫探しから家の掃除や店番、果ては護衛や汚れ仕事まで、あらゆるものの代わりとなることを生業とするもの。  そして、その中でも最強と名高い一人――万能屋【赤翼】リタ・ランプシェード。  生家を焼かれた死霊術師、ジェイ・スペクターは、そんな彼女の下を訪ね、こう依頼する。 「今月いっぱい――陸の月が終わるまででいいんだ。僕のことを、守ってはくれないだろうか」 そうして始まる、二人の奇妙な共同生活。 出来損ないの死霊術師と最強の万能屋が繰り広げる、本格ファンタジー。 なろうに先行投稿中。

日本列島、時震により転移す!

黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ペーパードライバーが車ごと異世界転移する話

ぐだな
ファンタジー
車を買ったその日に事故にあった島屋健斗(シマヤ)は、どういう訳か車ごと異世界へ転移してしまう。 異世界には剣と魔法があるけれど、信号機もガソリンも無い!危険な魔境のど真ん中に放り出された島屋は、とりあえずカーナビに頼るしかないのだった。 「目的地を設定しました。ルート案内に従って走行してください」 異世界仕様となった車(中古車)とペーパードライバーの運命はいかに…

処理中です...