防御に全振りの異世界ゲーム

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知識を貪ろう!

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ゴブリン討伐の翌日


  あれから、俺は何とか近場で魔物を狩り宿屋に泊まるだけの金を確保する事が出来た。
  シオンの家を出る際に涙目で引き止められた時は流石に揺らいだがな。


  そして、今日何をするかと言うと魔物の素材を買い取ってくれる店に向かう時に魔導図書館って言うところを見つけた為、今日はそこに本を借りに行こうと思っていた所だ。


「さて、そろそろ行くかな」


  俺は、着る毛布からいつもの格好に着替え宿屋の部屋を出る。


「レミーさん、行ってきますね。夜までには戻ります」


「はいよ!  美味しいご飯作って待ってるよ!」


  俺は、宿屋のオーナーのレミーさんに頭を下げ図書館へと向かった。


  歩く事数分


「いつ見てもでかいな」


(そりゃ、全世界の本が集まっているところだからね)


  受付の人に挨拶をして中へと入る。


「おぉ!  すっげぇ!!」


  中には、本棚が浮いていたり人が空を歩いていたりととにかくものすごい場所だった。


(静かに!  他の人の迷惑だよ)


「っと、すまん。つい、テンション上がっちまった」


(気をつけてね。それで、今日はどんな本を見に来たの?)


「主に、魔物の事とか王国、帝国、和国の事とかだな。錬金の本とかあればなおよし」


(錬金の本はないと思うよ?  錬金術って禁忌とされてるし)


  そうなのか……残念。錬金を覚えたらいちいち回復薬とか買わなくてよかったのに。



「えっと、魔物の棚はここか……」


  ほぉほぉ、これはこれは。


  俺は元々知識を得る事が大好きなので今ここにある本達は俺にしてみれば宝の山だ。


「うひょひょ!  いいねいいね!」


  俺が、宝の山に目を輝かせているのは見た星奈が苦笑いを浮かべながら首を振る。


五時間後


「うへへ!大量大量」


(凛……顔がだらしないよ)


「うるさいぞ」


  俺は、窓枠に頬杖をつきながら片手でページをめくる。


  ウルフ系
  主に森の中に生息している魔物。始祖は神狼フェンリル。
  今存在しているウルフ系の魔物は全てフェンリルの子供だと言われている。
  個体の強さはそうでもないが群れになると強さがグンっと上がる為注意が必要。


「神狼フェンリルねぇ。一度会ってみたい気もするな」

  俺がフェンリルの名前を出した瞬間、星奈の身体がビクッと震えたが寒かったかな?


  俺は、近くにあった毛布を膝の上で寝ている星奈にかけ頭を撫でながらページをめくる。


  龍族系
  主に山の中に住んでいる魔物。全ての生物の頂点に立つと言われている。始祖は霊龍。
  龍族が本気を出した場合一夜で1つの国が滅ぶと言われている為、緊急措置として人族と龍族はお互いの領地に足を踏み入れない事を条件に和平を結んだ。


  リンネって始祖だったのか……。あぁ、そういえば始祖って言うのは一番初めに生まれた奴の事だ。


「そう言えば、リンネはどこ行ったんだ?」


(なんか、用事があるとかで出かけて行ったよ)


  そうなのか、まあリンネは使い魔じゃ無いから全然いいんだけどな。


  窓の外に目をやると真っ暗になっていた。


「ふぁ!?  もうこんな時間かよ!  晩飯食いそびれた……」


(集中しすぎ)


  だって、知識が俺を呼んでいたから……。


「もういいや。せっかくだし今日は徹夜だ!」


(…えぇ)


  俺は、また本に目を落としながら星奈を撫でる。


  イレイスは王国、帝国、和国と三分割されている。帝国があるのは北都。帝国は武力が全ての為弱い者は国を追い出されるなどもある。


  王国があるのは中都。
  王国は商業が盛んで三国のうち一番潤っている国なのだが……亜人に対する扱いが酷く奴隷などには亜人が多い。


  和国があるのは南都。
  通称大和大国と呼ばれている。武器防具など鍛冶が盛んで世界の武器は主に和国から輸出されてる物が多い。
  主に刀などの武器が多い。


  王国ってここだよな?  シオン大丈夫かな……。


「ふわぁ、やっぱり眠いわ」


  俺は、星奈を優しくどかし布団へと潜り込む。数分も経たないうちに俺は寝息をたてて夢の中へと旅立った。


(……凛。ごめんね)


  星奈は凛の頬に身を擦りよせ布団の中で丸くなる。








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