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授業「魔法の歴史」
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そして、五分休みを挟み二限目が始まった。
「はい、みんな席についてー。二限目は魔法の歴史について教えるよー。
どうやって魔法が出来たか誰が最初に作ったかとかね。覚えておいて損は無いと思うよー。さて、教科書の7ページ開いてね。」
俺もある程度は知っているが誰が作ったかとかは興味あるな。
「今から数千年前にでかい戦争があったのは知ってるね?
片方は私達の祖先、人族。もう片方は獣人、魔物などが結託した亜人族。
人族を率いたのは、何処からともなく現れたと言われてる人の名前は【レオン・ベルミヤ】そして、亜人族を率いたのは猫の獣人である【イクサ・アルベルト】」
アルベルト……? 何処かで聞いた事あるような無いような。
「そもそも、人族と亜人族は仲良く過ごしてたんだけど、争いは小さい事から始まった。
何か、分かる人いる?」
「お金とかですか?」
と、1人の男が言うとアン先生は首を横に振り否定した。
「正解は、優劣よ。亜人の方が身体能力が高いから上だの、人族の方が賢いから上だの。
こうやって小さい事が積み重なって行き、やがて歴史に名を残す大戦へと発展して行ったわ。この、大戦の名前分かるかな? えーっと、じゃあリン君」
「確か、第一次ミノス戦争でしたっけ」
「正解よ。戦いの場がミノスの谷と言われる所だったのが由来ね。
最初は、身体能力が高い亜人族に苦戦を強いられていた人族だったけど、人族を率いていたレオン・ベルミヤが魔法を作ったことにより状況は一変したわ。
作り方とかは、詳しくは伝えられて無いけどね。」
レオン・ベルミヤが魔法を作り一番最初に使った奴なのか……しかし、なんだ? この、違和感と言うか親近感と言うか……。
「そして、戦争は数十年続き誰しもが疲弊するなか突然決着がついたわ。
亜人族の長イクサ・アルベルトは銀色に輝く剣で心臓を貫かれ、人族の長レオン・ベルミヤは銃弾によって撃ち抜かれ死亡した。
両者の長の死亡により、戦争は終結へと向かった。
今、亜人族と人族があまり仲良く無いのはこの戦争の影響だね」
銃弾で撃ち抜かれ死亡……レオン・ベルミヤ……最近何処かで聞いたような。
ベル……すず? おいおいおい、まさかとは思うけど……親父だったりしないよな?
確か、親父の所属していた部隊はレオン特攻部隊だった筈……。冗談だろ……親父が異世界に?
俺が、頭を抱えながら冷や汗をかいているとシオンが肩を叩き声をかけて来た。
「…すごい、汗…大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫だ……」
「…そうは、見えない…先生…リン君が体調悪そうなので…保健室に連れて行って…いいですか?」
「あら? 大丈夫? いいよー。いってらっしゃい」
俺は、シオンに支えられながら保健室へと向かう。
「悪いな……」
「…気にしないで」
辺りに静寂が走る。その間にも俺の頭の中は親父の事でいっぱいだった。
そんな静寂を破ったのはシオンの言葉だった。
「…リン君は…この世界の人じゃ無いよね?」
「……は?」
待て待て、なんでバレた? いや、揺さぶりをかけているだけかも知れないしここは……。
「何言ってんだ?」
「……」
シオンの、真っ直ぐな目が俺を捉えて離さない。
「……くそ。そんな目で見るなわかった。話すよ」
まあ、バレても別に大した事じゃないし、何よりシオンに隠し事するのは何か嫌だからな。
「シオンの言った通り俺はこの世界の住人じゃない。こことは違う日本って所からある目的の為に来た。」
「…目的?」
「妹を救う為にな」
そして、俺はここまでの経緯を包み隠さずシオンに話し窓の外を見つめる。
「と、まあそう言う事だ」
「…その、異世界ゲームが終わったら…帰るの?」
「そりゃそうだ。さっきいた通り俺は妹の為にここにきた。目的を達成すれば妹の元に帰るさ」
「…だったら…ううん…何でもない」
シオンは少し悲しそうにしながら目を背ける。
「まあ、まだまだ先の話だからな。」
そう、まだ先の話だ。今のままじゃ手も足も出ずに殺されるからな。
「…そう…だね」
シオンがそういうと同時にチャイムが鳴り二限目が終わりを告げる。
「さて、大分楽にもなったし教室に戻るか。次は、魔道具作成だな」
俺がベッドから降り出口に向かおうとするとシオンに服の裾を掴まれた。
「…その…戦い…私にも手伝えない?」
「気持ちは有難いが、シオンを危険に晒すような事はしたくないんだ。ありがとな」
シオンの頭をポンっと軽く叩き保健室を後にする。
「…私は…リン君の事が…」
シオンは言葉を飲み込みリンの後に続き保健室を後にする。
「はい、みんな席についてー。二限目は魔法の歴史について教えるよー。
どうやって魔法が出来たか誰が最初に作ったかとかね。覚えておいて損は無いと思うよー。さて、教科書の7ページ開いてね。」
俺もある程度は知っているが誰が作ったかとかは興味あるな。
「今から数千年前にでかい戦争があったのは知ってるね?
片方は私達の祖先、人族。もう片方は獣人、魔物などが結託した亜人族。
人族を率いたのは、何処からともなく現れたと言われてる人の名前は【レオン・ベルミヤ】そして、亜人族を率いたのは猫の獣人である【イクサ・アルベルト】」
アルベルト……? 何処かで聞いた事あるような無いような。
「そもそも、人族と亜人族は仲良く過ごしてたんだけど、争いは小さい事から始まった。
何か、分かる人いる?」
「お金とかですか?」
と、1人の男が言うとアン先生は首を横に振り否定した。
「正解は、優劣よ。亜人の方が身体能力が高いから上だの、人族の方が賢いから上だの。
こうやって小さい事が積み重なって行き、やがて歴史に名を残す大戦へと発展して行ったわ。この、大戦の名前分かるかな? えーっと、じゃあリン君」
「確か、第一次ミノス戦争でしたっけ」
「正解よ。戦いの場がミノスの谷と言われる所だったのが由来ね。
最初は、身体能力が高い亜人族に苦戦を強いられていた人族だったけど、人族を率いていたレオン・ベルミヤが魔法を作ったことにより状況は一変したわ。
作り方とかは、詳しくは伝えられて無いけどね。」
レオン・ベルミヤが魔法を作り一番最初に使った奴なのか……しかし、なんだ? この、違和感と言うか親近感と言うか……。
「そして、戦争は数十年続き誰しもが疲弊するなか突然決着がついたわ。
亜人族の長イクサ・アルベルトは銀色に輝く剣で心臓を貫かれ、人族の長レオン・ベルミヤは銃弾によって撃ち抜かれ死亡した。
両者の長の死亡により、戦争は終結へと向かった。
今、亜人族と人族があまり仲良く無いのはこの戦争の影響だね」
銃弾で撃ち抜かれ死亡……レオン・ベルミヤ……最近何処かで聞いたような。
ベル……すず? おいおいおい、まさかとは思うけど……親父だったりしないよな?
確か、親父の所属していた部隊はレオン特攻部隊だった筈……。冗談だろ……親父が異世界に?
俺が、頭を抱えながら冷や汗をかいているとシオンが肩を叩き声をかけて来た。
「…すごい、汗…大丈夫?」
「あ、ああ、大丈夫だ……」
「…そうは、見えない…先生…リン君が体調悪そうなので…保健室に連れて行って…いいですか?」
「あら? 大丈夫? いいよー。いってらっしゃい」
俺は、シオンに支えられながら保健室へと向かう。
「悪いな……」
「…気にしないで」
辺りに静寂が走る。その間にも俺の頭の中は親父の事でいっぱいだった。
そんな静寂を破ったのはシオンの言葉だった。
「…リン君は…この世界の人じゃ無いよね?」
「……は?」
待て待て、なんでバレた? いや、揺さぶりをかけているだけかも知れないしここは……。
「何言ってんだ?」
「……」
シオンの、真っ直ぐな目が俺を捉えて離さない。
「……くそ。そんな目で見るなわかった。話すよ」
まあ、バレても別に大した事じゃないし、何よりシオンに隠し事するのは何か嫌だからな。
「シオンの言った通り俺はこの世界の住人じゃない。こことは違う日本って所からある目的の為に来た。」
「…目的?」
「妹を救う為にな」
そして、俺はここまでの経緯を包み隠さずシオンに話し窓の外を見つめる。
「と、まあそう言う事だ」
「…その、異世界ゲームが終わったら…帰るの?」
「そりゃそうだ。さっきいた通り俺は妹の為にここにきた。目的を達成すれば妹の元に帰るさ」
「…だったら…ううん…何でもない」
シオンは少し悲しそうにしながら目を背ける。
「まあ、まだまだ先の話だからな。」
そう、まだ先の話だ。今のままじゃ手も足も出ずに殺されるからな。
「…そう…だね」
シオンがそういうと同時にチャイムが鳴り二限目が終わりを告げる。
「さて、大分楽にもなったし教室に戻るか。次は、魔道具作成だな」
俺がベッドから降り出口に向かおうとするとシオンに服の裾を掴まれた。
「…その…戦い…私にも手伝えない?」
「気持ちは有難いが、シオンを危険に晒すような事はしたくないんだ。ありがとな」
シオンの頭をポンっと軽く叩き保健室を後にする。
「…私は…リン君の事が…」
シオンは言葉を飲み込みリンの後に続き保健室を後にする。
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