未来の悪役令嬢

第１章 プロローグですわ

１０歳の僕が大人になるまで

僕はアルフレッド＝ド＝モントローズ　この国の由緒正しい大貴族で公爵家の嫡男だ
物心ついた時から退屈でしょうがなかった。たいていの事は何でも簡単に出来てしまう。
大人もこの正統なる血筋と見目の良さで簡単に騙される。大人さえも馬鹿にしていた僕だがそんなちっぽけなプライドを打ち負かす大人もいたのである。一人は僕の父親　この国の宰相である。

まあ、ある意味自分の生物学上でも父であるし尊敬と敬愛もしているからまあ、良いだろう

二番目はこの国の国王陛下でもある。只の下ネタ好きな親父の振りして懐の深いお方だ。臣下として忠誠を誓わずにはいられないそんなカリスマ所為に溢れたお方である。（父上の親友その１）

３番目はエトワール公爵・・・この人が取り敢えず一番判らない　ハッきり言って一番掴みどころが無い
ズバリ本質を鋭く突いているがあちらの本音は見せない。何を考えているのか全然わからないけど
一緒に会話をしていると凄く楽しい。何をやっても憎めないこう言うのを天然の人たらしって言うんだなと勉強させて貰った　　（父上の親友その２）

彼らを通して第二王子殿下とエトワール公の娘と親しくなった　
第二王子サミュエルは男兄弟がいない僕にとってまるで弟の様であった。不敬かな？と思う時もあるけれどあいつは悪戯の天才である。一緒にいて歳相応の馬鹿をやれているのは退屈だった僕の生活を変えてくれた。尻拭いもかなりの割合でしたけどな。　歳の離れた第一王子がいるせいかサミュエルは比較的に自由に育てられている方だと思う。その悪戯の一番被害者は間違えなく我が妹だと思う。いまいち、要領の良くない妹マリーは巻き込まれていた。　それをさり気なくいつもフォローしていたのはアンジェリーナだ。

押し付けがましくなくそっと手を貸してサミュエル王子相手でも相手が悪ければ一歩も引かず
諭してきた。　エトワール公の娘だけあって中々、面白い。最初のうちは好奇心だった。
アンジェリーナとマリーは急速に仲が良くなっていき今では親友とも言える存在だ。貴族の中でそのような関係が構築されるのは極めて珍しいかもしれない。まあ、僕と殿下も似たようなものだが
父達の思惑に乗るのは遺憾であるがこの関係は居心地が良く楽しかった。

親父達の思惑はもう一つありアンジェリーナを王子サミュエルか僕のどちらかと結婚させる算段であった
彼女は幼いながら美貌、家柄、頭脳どれを取っても抜きん出ていた。
それ以上に僕が彼女を本気で欲しいと思っていた。彼女以外はどれもいらない

可笑しな事に周りが皆誤解をしていた　アンジェリーナが僕の事を思っていると思われていた
彼女は僕の事もサミュエルの事も愛してはいない。友人としては嫌われてはいないのはわかる。変な所で大人びた彼女だけども　僕の本質はわかっていないみたいだ。

黙っていても周りが外堀を埋めてくれる。アンジェリーナに仄かな恋心を抱いていたサミュエルには泣いてもらおうと思う。　　その代わり大事な妹マリエッタをあげよう。

大人になるまで時間は沢山あるからずっと愛を囁いてあげる

僕以外の男なんて見えなくなるまでずっと・・・・

多分、きっと初めて出会った時から君も僕も囚われている筈