153 / 186
138.参りましょう
しおりを挟む
「ねえルビーさんは彼をどうしたいの?」
「え?」
唇を噛み締めながら下を向いて涙を堪えるルビーにアリスの問いが降りかかる。
「丸焼き?」
すっとルビーに向かって真っ直ぐ伸ばされたアリスの右手に炎がぼっと宿る。
「溺れさせちゃう?」
右手と同じく伸ばされた左腕に水が出現する。まるでヘビが腕に絡まっているようだ。
「感電させちゃう?」
ドーンと外から雷が落ちる音がした。外は晴れているのに不思議なこともあるものだ。
「シンプルに心臓をブスッといっちゃう?それとも手足でも切り落としちゃう?それか大事な部分でもちょん切っちゃう?」
ルビーの目の前に浮かぶ剣が現れる。キラリと光りとても切れ味が良さそうだ。
ルビーの頬にたらりと汗が流れていく。
「……それは」
「それは?」
「それは……あなたがやれることであって私がどれを選ぼうとできるものではないでしょう?牢屋に入れるわけでもない。騎士相手に、いえ元騎士相手に危害を加えられるわけがない」
「…………………………」
「それに私は捕まるのは嫌だって言ってるじゃない!自慢?自慢なの?自分には彼を好きにできる権力があること?それとも騎士相手であろうと簡単にやっつけられる力があること?いいわね力がある人間は!世の中を好きに生きることができて!!!」
「ふふっ」
ふふっ?今笑った?
どこまで人を見下せば気が済むの?
「あんた「もともとあなたには力などなかったでしょう?」」
怒鳴ろうとしたがアリスに遮られた。
「え?」
「確かにあなたは宰相の孫娘、王子の婚約者という肩書があり、あなたには金魚のフンがたくさんいたわ」
金魚のフンて……貴族令嬢のことをそのように言うのは少々よろしくない。侍女たちがたらりと汗を掻く中続けるアリス。
「でも実際あなたは力を持っていた?」
「あった……………ような無かったような」
改めて考えてみるとそこまで力はなかったような気が。
「宰相はあなたを甘やかすような方ではないし、お父上はお金持ちの伯爵だけれど政治には不向き。取り巻きたちは口では色々あなたを持ち上げていたみたいだけれど、実際に何かあなたの為に行動した人がいて?いなかったでしょう?あなた自身に発言力があったわけでもなし」
何か宰相が言いたげにしたが、アリスはちらりと見て制する。
「そもそも調子こいていたのは私にだけだしね。では、なぜあなたは私に色々な無礼をしても許されたのかしら?」
「それは……あなたが私のことを見逃してくれていたから……」
「本当にそれだけ?」
「他にある?」
アリスとルビーはお互いの顔をジロジロと見る。
「………………憐れな」
「な、何がよ……」
なんなのよ、急に。
「我が夫はあなたの為に強大なる敵……大国の筆頭貴族出身で天才的な魔法の使い手である妻……即ち私に楯突いたというのに!」
ああ悲劇!とばかりに額に手をかざし、倒れそうな演技をするアリス。
彼女の言葉にルビーはなんとも気まずげな表情を浮かべる。
やば…………普通に忘れていたわ。
「とまあおふざけはこのぐらいにして、夫は多少脳足りんなところもあるけれど王子。あなたが私に大きく出れたのも彼の存在は大きかったはず。彼が私よりもあなたの味方をすると確信していたでしょ?」
「………………」
まあ、利用していたわね。
「自分に力なんてなくたって力があるものを頼ればいいってあなたはよく知ってるじゃない」
力があるもの……チラリとブランクを見る。視線に気づいた彼は瞳を輝かせた。
違う。アリスが言っているのは彼じゃない。即座に視線を逸らすとブランクの目尻が哀しげに下がった。
別にこのまま自分も甥も助かった、トキは捕まった、おしまい、にもできる。
だがなんとも理解しがたい変な趣味の男に下に見られたままでは終われない。何か痛い目に合わせてやらないと気が収まらない。
ルビーはアリスに強い視線を向けた。
「アリス!あいつに……あのクソ野郎に目にもの見せてやりたいのよ!力を貸してちょうだい!」
がばっと腰を曲げ懇願する姿は品位の欠片もないがとても潔く感じられた。あの傲慢だったルビーのこんな姿を見てしまい、なんとも力になってあげたいような心持ちになる
…………アリス以外は。
その場にいる者たちの目が驚きに見開かれた。
まじか。
アリスの顔はとてつもなく
つまらなそうだった。
椅子に身を沈め足を組み、口をツンと突き出して不貞腐れている。
えっ、なんで??????皆不思議顔だ。
「そんなのじゃ嫌よ」
何が??????
「可愛くない」
可愛くない!?????
「それは一体どういう…………………………はっ!」
ルビーがアリスの思惑に気づき、顔を引き攣らせる。
視線をウロウロと彷徨わせると、乾いた唇を舐めて濡らす。ゆっくりとアリスに近寄り跪き、自身の手を媚びるように彼女の膝に置き潤んだ目でアリスを見上げる。
アリスの口角が緩く上がった。
この悪趣味な女が!
だが…………
え~~~~~~い!どうにでもなれ!
「アリス様~~~~もう本当に怖かった~~~!赤ちゃんに手を掛けようとするなんて最低なやつだと思いませんかあ!?もう私、許せません!でも……私には彼にやり返す力はなくて……。アリス様、お助けいただけませんか?」
ぽかーんと口を開け、皆がこちらを見ているのがわかる。恥ずかしい!恥ずかしすぎる。以前自分がブランクに泣きつく時にしていたことだが恥ずかしい!自分がこんなに痛いことをしていたとは…………マジで過去を消し去りたい。
顔を真っ赤にするルビーに憐憫の視線が突き刺さり、彼女にこんな表情をさせた元凶にしらーと視線が移っていく。
「見事だわ!やはりあなたのおねだりはそうでなくては!」
懐かしいわーと一人だけとっても楽しそうにはしゃぐアリス。
「もちろん!あなたと私の仲ではないの!喜んで協力するわ!」
「あ……ありがとうございます」
あ……悪魔だ。悪魔が目の前にいる。
「それではお姫様、お手をどうぞ」
スッとアリスがルビーに向かって腕を伸ばし手を差し出す。
「え、今から?何か計画とか」
「復讐はささっと速やかに。クズ野郎のことを考える時間なんてもったいないわ」
「何よそれ、初めて聞いたわよ」
そう言いながらゆっくりとアリスの手に自らの手を重ねるルビー。ルビーの手の温もりを確認したアリスは艶やかに微笑むと言った。
「いざ勘違い変態男退治へ」
「え?」
唇を噛み締めながら下を向いて涙を堪えるルビーにアリスの問いが降りかかる。
「丸焼き?」
すっとルビーに向かって真っ直ぐ伸ばされたアリスの右手に炎がぼっと宿る。
「溺れさせちゃう?」
右手と同じく伸ばされた左腕に水が出現する。まるでヘビが腕に絡まっているようだ。
「感電させちゃう?」
ドーンと外から雷が落ちる音がした。外は晴れているのに不思議なこともあるものだ。
「シンプルに心臓をブスッといっちゃう?それとも手足でも切り落としちゃう?それか大事な部分でもちょん切っちゃう?」
ルビーの目の前に浮かぶ剣が現れる。キラリと光りとても切れ味が良さそうだ。
ルビーの頬にたらりと汗が流れていく。
「……それは」
「それは?」
「それは……あなたがやれることであって私がどれを選ぼうとできるものではないでしょう?牢屋に入れるわけでもない。騎士相手に、いえ元騎士相手に危害を加えられるわけがない」
「…………………………」
「それに私は捕まるのは嫌だって言ってるじゃない!自慢?自慢なの?自分には彼を好きにできる権力があること?それとも騎士相手であろうと簡単にやっつけられる力があること?いいわね力がある人間は!世の中を好きに生きることができて!!!」
「ふふっ」
ふふっ?今笑った?
どこまで人を見下せば気が済むの?
「あんた「もともとあなたには力などなかったでしょう?」」
怒鳴ろうとしたがアリスに遮られた。
「え?」
「確かにあなたは宰相の孫娘、王子の婚約者という肩書があり、あなたには金魚のフンがたくさんいたわ」
金魚のフンて……貴族令嬢のことをそのように言うのは少々よろしくない。侍女たちがたらりと汗を掻く中続けるアリス。
「でも実際あなたは力を持っていた?」
「あった……………ような無かったような」
改めて考えてみるとそこまで力はなかったような気が。
「宰相はあなたを甘やかすような方ではないし、お父上はお金持ちの伯爵だけれど政治には不向き。取り巻きたちは口では色々あなたを持ち上げていたみたいだけれど、実際に何かあなたの為に行動した人がいて?いなかったでしょう?あなた自身に発言力があったわけでもなし」
何か宰相が言いたげにしたが、アリスはちらりと見て制する。
「そもそも調子こいていたのは私にだけだしね。では、なぜあなたは私に色々な無礼をしても許されたのかしら?」
「それは……あなたが私のことを見逃してくれていたから……」
「本当にそれだけ?」
「他にある?」
アリスとルビーはお互いの顔をジロジロと見る。
「………………憐れな」
「な、何がよ……」
なんなのよ、急に。
「我が夫はあなたの為に強大なる敵……大国の筆頭貴族出身で天才的な魔法の使い手である妻……即ち私に楯突いたというのに!」
ああ悲劇!とばかりに額に手をかざし、倒れそうな演技をするアリス。
彼女の言葉にルビーはなんとも気まずげな表情を浮かべる。
やば…………普通に忘れていたわ。
「とまあおふざけはこのぐらいにして、夫は多少脳足りんなところもあるけれど王子。あなたが私に大きく出れたのも彼の存在は大きかったはず。彼が私よりもあなたの味方をすると確信していたでしょ?」
「………………」
まあ、利用していたわね。
「自分に力なんてなくたって力があるものを頼ればいいってあなたはよく知ってるじゃない」
力があるもの……チラリとブランクを見る。視線に気づいた彼は瞳を輝かせた。
違う。アリスが言っているのは彼じゃない。即座に視線を逸らすとブランクの目尻が哀しげに下がった。
別にこのまま自分も甥も助かった、トキは捕まった、おしまい、にもできる。
だがなんとも理解しがたい変な趣味の男に下に見られたままでは終われない。何か痛い目に合わせてやらないと気が収まらない。
ルビーはアリスに強い視線を向けた。
「アリス!あいつに……あのクソ野郎に目にもの見せてやりたいのよ!力を貸してちょうだい!」
がばっと腰を曲げ懇願する姿は品位の欠片もないがとても潔く感じられた。あの傲慢だったルビーのこんな姿を見てしまい、なんとも力になってあげたいような心持ちになる
…………アリス以外は。
その場にいる者たちの目が驚きに見開かれた。
まじか。
アリスの顔はとてつもなく
つまらなそうだった。
椅子に身を沈め足を組み、口をツンと突き出して不貞腐れている。
えっ、なんで??????皆不思議顔だ。
「そんなのじゃ嫌よ」
何が??????
「可愛くない」
可愛くない!?????
「それは一体どういう…………………………はっ!」
ルビーがアリスの思惑に気づき、顔を引き攣らせる。
視線をウロウロと彷徨わせると、乾いた唇を舐めて濡らす。ゆっくりとアリスに近寄り跪き、自身の手を媚びるように彼女の膝に置き潤んだ目でアリスを見上げる。
アリスの口角が緩く上がった。
この悪趣味な女が!
だが…………
え~~~~~~い!どうにでもなれ!
「アリス様~~~~もう本当に怖かった~~~!赤ちゃんに手を掛けようとするなんて最低なやつだと思いませんかあ!?もう私、許せません!でも……私には彼にやり返す力はなくて……。アリス様、お助けいただけませんか?」
ぽかーんと口を開け、皆がこちらを見ているのがわかる。恥ずかしい!恥ずかしすぎる。以前自分がブランクに泣きつく時にしていたことだが恥ずかしい!自分がこんなに痛いことをしていたとは…………マジで過去を消し去りたい。
顔を真っ赤にするルビーに憐憫の視線が突き刺さり、彼女にこんな表情をさせた元凶にしらーと視線が移っていく。
「見事だわ!やはりあなたのおねだりはそうでなくては!」
懐かしいわーと一人だけとっても楽しそうにはしゃぐアリス。
「もちろん!あなたと私の仲ではないの!喜んで協力するわ!」
「あ……ありがとうございます」
あ……悪魔だ。悪魔が目の前にいる。
「それではお姫様、お手をどうぞ」
スッとアリスがルビーに向かって腕を伸ばし手を差し出す。
「え、今から?何か計画とか」
「復讐はささっと速やかに。クズ野郎のことを考える時間なんてもったいないわ」
「何よそれ、初めて聞いたわよ」
そう言いながらゆっくりとアリスの手に自らの手を重ねるルビー。ルビーの手の温もりを確認したアリスは艶やかに微笑むと言った。
「いざ勘違い変態男退治へ」
973
お気に入りに追加
5,149
あなたにおすすめの小説
召喚されたら聖女が二人!? 私はお呼びじゃないようなので好きに生きます
かずきりり
ファンタジー
旧題:召喚された二人の聖女~私はお呼びじゃないようなので好きに生きます~
【第14回ファンタジー小説大賞エントリー】
奨励賞受賞
●聖女編●
いきなり召喚された上に、ババァ発言。
挙句、偽聖女だと。
確かに女子高生の方が聖女らしいでしょう、そうでしょう。
だったら好きに生きさせてもらいます。
脱社畜!
ハッピースローライフ!
ご都合主義万歳!
ノリで生きて何が悪い!
●勇者編●
え?勇者?
うん?勇者?
そもそも召喚って何か知ってますか?
またやらかしたのかバカ王子ー!
●魔界編●
いきおくれって分かってるわー!
それよりも、クロを探しに魔界へ!
魔界という場所は……とてつもなかった
そしてクロはクロだった。
魔界でも見事になしてみせようスローライフ!
邪魔するなら排除します!
--------------
恋愛はスローペース
物事を組み立てる、という訓練のため三部作長編を予定しております。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
遺棄令嬢いけしゃあしゃあと幸せになる☆婚約破棄されたけど私は悪くないので侯爵さまに嫁ぎます!
天田れおぽん
ファンタジー
婚約破棄されましたが私は悪くないので反省しません。いけしゃあしゃあと侯爵家に嫁いで幸せになっちゃいます。
魔法省に勤めるトレーシー・ダウジャン伯爵令嬢は、婿養子の父と義母、義妹と暮らしていたが婚約者を義妹に取られた上に家から追い出されてしまう。
でも優秀な彼女は王城に住み、個性的な人たちに囲まれて楽しく仕事に取り組む。
一方、ダウジャン伯爵家にはトレーシーの親戚が乗り込み、父たち家族は追い出されてしまう。
トレーシーは先輩であるアルバス・メイデン侯爵令息と王族から依頼された仕事をしながら仲を深める。
互いの気持ちに気付いた二人は、幸せを手に入れていく。
。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.。oOo。.:♥:.
他サイトにも連載中
2023/09/06 少し修正したバージョンと入れ替えながら更新を再開します。
よろしくお願いいたします。m(_ _)m
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
【完結保証】第二王子妃から退きますわ。せいぜい仲良くなさってくださいね
ネコ
恋愛
公爵家令嬢セシリアは、第二王子リオンに求婚され婚約まで済ませたが、なぜかいつも傍にいる女性従者が不気味だった。「これは王族の信頼の証」と言うリオンだが、実際はふたりが愛人関係なのでは? と噂が広まっている。ある宴でリオンは公衆の面前でセシリアを貶め、女性従者を擁護。もう我慢しません。王子妃なんてこちらから願い下げです。あとはご勝手に。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
妹がいなくなった
アズやっこ
恋愛
妹が突然家から居なくなった。
メイドが慌ててバタバタと騒いでいる。
お父様とお母様の泣き声が聞こえる。
「うるさくて寝ていられないわ」
妹は我が家の宝。
お父様とお母様は妹しか見えない。ドレスも宝石も妹にだけ買い与える。
妹を探しに出掛けたけど…。見つかるかしら?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
義母に毒を盛られて前世の記憶を取り戻し覚醒しました、貴男は義妹と仲良くすればいいわ。
克全
ファンタジー
「カクヨム」と「小説家になろう」にも投稿しています。
11月9日「カクヨム」恋愛日間ランキング15位
11月11日「カクヨム」恋愛週間ランキング22位
11月11日「カクヨム」恋愛月間ランキング71位
11月4日「小説家になろう」恋愛異世界転生/転移恋愛日間78位
[完結]いらない子と思われていた令嬢は・・・・・・
青空一夏
恋愛
私は両親の目には映らない。それは妹が生まれてから、ずっとだ。弟が生まれてからは、もう私は存在しない。
婚約者は妹を選び、両親は当然のようにそれを喜ぶ。
「取られる方が悪いんじゃないの? 魅力がないほうが負け」
妹の言葉を肯定する家族達。
そうですか・・・・・・私は邪魔者ですよね、だから私はいなくなります。
※以前投稿していたものを引き下げ、大幅に改稿したものになります。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
[完結] 邪魔をするなら潰すわよ?
シマ
ファンタジー
私はギルドが運営する治療院で働く治療師の一人、名前はルーシー。
クエストで大怪我したハンター達の治療に毎日、忙しい。そんなある日、騎士の格好をした一人の男が運び込まれた。
貴族のお偉いさんを魔物から護った騎士団の団長さんらしいけど、その場に置いていかれたの?でも、この傷は魔物にヤられたモノじゃないわよ?
魔法のある世界で亡くなった両親の代わりに兄妹を育てるルーシー。彼女は兄妹と静かに暮らしたいけど何やら回りが放ってくれない。
ルーシーが気になる団長さんに振り回されたり振り回したり。
私の生活を邪魔をするなら潰すわよ?
1月5日 誤字脱字修正 54話
★━戦闘シーンや猟奇的発言あり
流血シーンあり。
魔法・魔物あり。
ざぁま薄め。
恋愛要素あり。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる