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帰郷遊戯⑨
しおりを挟む 翌日のブレッツェル公爵は大混乱に陥っていた。
何が起きているか?
いや、彼にもよくわからない。
今日は朝早くからアリスが王妃とチェスをする予定だからラルフとオリビアを見ていて欲しいと部屋にやってきた。
了承の返事をすると、アリスと双子、イリス、フランクが部屋に入ってきた。何かいつもと雰囲気が違うな……と思っているとアリスがどこからか紐を取り出した。
何をするつもりかと呆然としていたらオリビアとラルフを公爵の胸と背中に縛り付けたのだ。そして何やらアクセサリーを首やら腕やら頭やら足やら腰やらにジャラジャラとこれでもかとつけられた。宝石かと思ったが、全て魔法石。石の煌めき具合からもかなり高度の魔力がこめられているのがわかる。
なんだ?くれるのか?これ、総額いくらだ?
いや、赤子がいるのにアクセサリーは駄目だろうとか、
なんか色々と湧き上がってくるが、まとまらない。
頭がまともに働かない。
アリスは満足げに頷くと、公爵に言った。
「命をかけて子供たちを守ってください。何かあればとにかく走るのです。ああ魔法で子どもたちには振動がいかないようにしてあるので全力疾走して大丈夫ですからね。王の元へゴールできたら我らの勝ちです」
「は?」
アリスは去っていった。
フランクとイリスに顔を向けるもプイッとされた。
暫く何が何やらよくわからないが、外すわけにもいかないしかなり重いはずだが、魔法石のおかげか重さを感じないので赤子たちをあやしながら歩き回っていた。
が
「公爵、準備はよろしいですか?」
突然フランクに声をかけられた。
「は?何が」
「公爵行きますよ……ゴーです!!」
ゴーと共に剣を振り回す二人。
は?
室内にはいつの間にやら黒尽くめの怪しい者たちが5人、イリスとフランクと戦っていた。
「「公爵、ゴー!!!」」
二人の大声にとっさに走り出した公爵。
『王の元へゴールできたら我らの勝ち』
アリスの言葉が蘇る。
えっ、これは王のところへ行けば良いのか?
そもそも今どこにいるんだ?
執務室?謁見室?玉座の間?庭園?
そもそもどこに何があるかわからない。
もうよくわからないが、とにかく走る。
「公爵ー、どこに行きますか?」
「うおっ!……無事だったか」
「あんな弱っちいやつ大したことありませんよ」
いつの間にか並走していたのはフランクだった。
「王がどこにいるか知らないか?」
「さあ……?」
にやりと笑うさまに絶対に知っていると察する公爵。
だが、言わないということは何か狙いがあるのだ。
すれ違う者たちが驚きの目で見てくる。
そしてお構いなしに次から次へと向かってくる刺客。
フランクとイリスが対処するが、すり抜けてくる者もいる。そういうやつらは……
ビリビリーーーーー!!!
公爵の周りに張られた結界に直接触れたもの、剣で触れたもの、魔法を当てたものが感電していく。アリスがつけた魔法石のおかげだ。
公爵は胸のあたりにいるオリビアを見下ろして様子を伺う。このような状況でさぞ怖いだろう。
…………笑っている。後ろからも何やらキャッキャ、キャッキャとご機嫌な声がする。特に誰かが感電したときとかに。
よし、何も見ていないし聞いていない。
公爵はとにかく走ることに専念した。
~~~~~~~~~~
いや、走り回ったがなかなかいない。移動しているのかもしれない。自国の王もいつも一箇所に留まるわけではない。
公爵はとびきり大きな扉の前にたどり着く。玉座の間だ。扉に手をかけようとするが止められる。当たり前だ。扉の前の護衛が止めぬわけが無い。顔を上げる。
いや、フランクお前かい!
護衛は我関せずだ。どこに行ってもそうだった。なんらかの大きな力が働いている。そう感じるが、今はなぜフランクが止めたかだ。
フランクとイリスが目の前に立つ。手が伸びてくる。思わず目を瞑ると既に終わっていた。
いや、重……。赤子二人の重みがズシッと急激に来た。それになんか埃っぽい。鏡を出される。
なんだこれ?アクセサリーは取り払われ服は破け、煤だらけ……いかにも難から逃れましたという風体だ。
バタン!!!フランクが扉を開け放つ音が響いた。向けられる視線視線視線。
まじか…………………………。
中には王含め家臣たちが勢揃いしていた。
「無礼な!何事だ!!!」
声をかけてきたのは宰相だ。
「申し上げます!部屋にいたところ刺客に襲われ、命からがら逃げてきたところにございます!」
フランクが大声を出す。
「なんと……!」
「我が王宮でこのようなことが起きるとは……怪我はないか?」
フランクの視線を感じた公爵がとりあえず返事をする。
「はい陛下、勿体無いお言葉にございます。お子さま方も無事にございます」
「「ヒック………ヒック…………………あっ……あーーーーーーーっ!」」
泣き出す双子。
「おーおー、怖かったであろう」
可哀想にと家臣たちからも声が上がる。
えーーーーっ!さっきまで笑ってただろう!
「イリス、フランク大丈夫か?そなたらは怪我を負っているようだ。治癒士を呼ぼう」
「有難きお言葉にございます。されどご心配には及びません」
チラリと見る。
えーーーーっ!さっきまで無傷だっただろう!なんで殴られた跡が!?……そういえばさっき渾身の力でお互いを殴っているのが見えたような……。
もういいあまり考えないでおこう。
「恐れながら陛下、此度の刺客は我が国の王子と姫を狙った者と思われます。王家に次ぐ高貴なる公爵家の当主が御自ら命がけでなんとか刺客からお守りくださいました!なんとしても犯人を突き止めて頂きたく存じます」
「もちろんだ」
「刺客たちがつけていた頭巾にこのような模様が……」
そっと差し出すフランク。
いや、多いだろう。何枚持ってきてるんだ。フランクの腕には山盛りの頭巾。
皆量には見て見ぬふりすると、模様ーーーベラドンナリリーの刺繍を注視する。
「これは…………」
王のつぶやきに家臣たちもざわつく。
当然だ。この模様を使うのはこの国に唯一人。
「犯人探しなど無用にございます。犯人は私なのですから」
後ろにアリスを引き連れ現れたのは、
王妃だった。
何が起きているか?
いや、彼にもよくわからない。
今日は朝早くからアリスが王妃とチェスをする予定だからラルフとオリビアを見ていて欲しいと部屋にやってきた。
了承の返事をすると、アリスと双子、イリス、フランクが部屋に入ってきた。何かいつもと雰囲気が違うな……と思っているとアリスがどこからか紐を取り出した。
何をするつもりかと呆然としていたらオリビアとラルフを公爵の胸と背中に縛り付けたのだ。そして何やらアクセサリーを首やら腕やら頭やら足やら腰やらにジャラジャラとこれでもかとつけられた。宝石かと思ったが、全て魔法石。石の煌めき具合からもかなり高度の魔力がこめられているのがわかる。
なんだ?くれるのか?これ、総額いくらだ?
いや、赤子がいるのにアクセサリーは駄目だろうとか、
なんか色々と湧き上がってくるが、まとまらない。
頭がまともに働かない。
アリスは満足げに頷くと、公爵に言った。
「命をかけて子供たちを守ってください。何かあればとにかく走るのです。ああ魔法で子どもたちには振動がいかないようにしてあるので全力疾走して大丈夫ですからね。王の元へゴールできたら我らの勝ちです」
「は?」
アリスは去っていった。
フランクとイリスに顔を向けるもプイッとされた。
暫く何が何やらよくわからないが、外すわけにもいかないしかなり重いはずだが、魔法石のおかげか重さを感じないので赤子たちをあやしながら歩き回っていた。
が
「公爵、準備はよろしいですか?」
突然フランクに声をかけられた。
「は?何が」
「公爵行きますよ……ゴーです!!」
ゴーと共に剣を振り回す二人。
は?
室内にはいつの間にやら黒尽くめの怪しい者たちが5人、イリスとフランクと戦っていた。
「「公爵、ゴー!!!」」
二人の大声にとっさに走り出した公爵。
『王の元へゴールできたら我らの勝ち』
アリスの言葉が蘇る。
えっ、これは王のところへ行けば良いのか?
そもそも今どこにいるんだ?
執務室?謁見室?玉座の間?庭園?
そもそもどこに何があるかわからない。
もうよくわからないが、とにかく走る。
「公爵ー、どこに行きますか?」
「うおっ!……無事だったか」
「あんな弱っちいやつ大したことありませんよ」
いつの間にか並走していたのはフランクだった。
「王がどこにいるか知らないか?」
「さあ……?」
にやりと笑うさまに絶対に知っていると察する公爵。
だが、言わないということは何か狙いがあるのだ。
すれ違う者たちが驚きの目で見てくる。
そしてお構いなしに次から次へと向かってくる刺客。
フランクとイリスが対処するが、すり抜けてくる者もいる。そういうやつらは……
ビリビリーーーーー!!!
公爵の周りに張られた結界に直接触れたもの、剣で触れたもの、魔法を当てたものが感電していく。アリスがつけた魔法石のおかげだ。
公爵は胸のあたりにいるオリビアを見下ろして様子を伺う。このような状況でさぞ怖いだろう。
…………笑っている。後ろからも何やらキャッキャ、キャッキャとご機嫌な声がする。特に誰かが感電したときとかに。
よし、何も見ていないし聞いていない。
公爵はとにかく走ることに専念した。
~~~~~~~~~~
いや、走り回ったがなかなかいない。移動しているのかもしれない。自国の王もいつも一箇所に留まるわけではない。
公爵はとびきり大きな扉の前にたどり着く。玉座の間だ。扉に手をかけようとするが止められる。当たり前だ。扉の前の護衛が止めぬわけが無い。顔を上げる。
いや、フランクお前かい!
護衛は我関せずだ。どこに行ってもそうだった。なんらかの大きな力が働いている。そう感じるが、今はなぜフランクが止めたかだ。
フランクとイリスが目の前に立つ。手が伸びてくる。思わず目を瞑ると既に終わっていた。
いや、重……。赤子二人の重みがズシッと急激に来た。それになんか埃っぽい。鏡を出される。
なんだこれ?アクセサリーは取り払われ服は破け、煤だらけ……いかにも難から逃れましたという風体だ。
バタン!!!フランクが扉を開け放つ音が響いた。向けられる視線視線視線。
まじか…………………………。
中には王含め家臣たちが勢揃いしていた。
「無礼な!何事だ!!!」
声をかけてきたのは宰相だ。
「申し上げます!部屋にいたところ刺客に襲われ、命からがら逃げてきたところにございます!」
フランクが大声を出す。
「なんと……!」
「我が王宮でこのようなことが起きるとは……怪我はないか?」
フランクの視線を感じた公爵がとりあえず返事をする。
「はい陛下、勿体無いお言葉にございます。お子さま方も無事にございます」
「「ヒック………ヒック…………………あっ……あーーーーーーーっ!」」
泣き出す双子。
「おーおー、怖かったであろう」
可哀想にと家臣たちからも声が上がる。
えーーーーっ!さっきまで笑ってただろう!
「イリス、フランク大丈夫か?そなたらは怪我を負っているようだ。治癒士を呼ぼう」
「有難きお言葉にございます。されどご心配には及びません」
チラリと見る。
えーーーーっ!さっきまで無傷だっただろう!なんで殴られた跡が!?……そういえばさっき渾身の力でお互いを殴っているのが見えたような……。
もういいあまり考えないでおこう。
「恐れながら陛下、此度の刺客は我が国の王子と姫を狙った者と思われます。王家に次ぐ高貴なる公爵家の当主が御自ら命がけでなんとか刺客からお守りくださいました!なんとしても犯人を突き止めて頂きたく存じます」
「もちろんだ」
「刺客たちがつけていた頭巾にこのような模様が……」
そっと差し出すフランク。
いや、多いだろう。何枚持ってきてるんだ。フランクの腕には山盛りの頭巾。
皆量には見て見ぬふりすると、模様ーーーベラドンナリリーの刺繍を注視する。
「これは…………」
王のつぶやきに家臣たちもざわつく。
当然だ。この模様を使うのはこの国に唯一人。
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王妃だった。
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